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とりあえず怖い話。コミュのでびノートν(18話目)

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 チュンチュン…



   チュン…。




…気が付くと、朝になっていた。


どうやら、あのままベッドの上で目を閉じて眠ってしまったらしい。




 
 テレビを着ける。




『―おはようございます!

7月23日、土曜日、朝のニュースです―』



 テレビをつけると、朝のニュースで、裏のありそうなニュースキャスターがニュースを読んでいた。



【7:36】


時間はまだ朝の7:36分。


今日の部活は朝の9時からだから、まだ少しゆっくり出来る。


オレは寝癖頭を手で押さえつつ、もう少しテレビを見る事にした。




『…え〜、次は芸能ニュースです。

あの!人気グラビアアイドルの【ボッキー】ちゃんの話題です』



…ボッキーか…。


【ボッキー】とは、ハーフの女の子だ。


たしか、歳はオレと同じだったと記憶している。



オタク達から絶大な人気を誇っている為、普段あまりテレビを見る暇が無いオレのような人間でも知っている。





『こんにちは〜!ボッキーだよー!


皆いつも応援ありがと〜!』



ブチッ。



オレはテレビを消した。


…アイドルとかそういうの…正直あまり好きじゃ無い。


どうせ、あの笑顔にも裏があるにきまってる。




 オレは簡単に朝食を済ませ、まだ八時前だけど家を出る事にした。


部活は九時からだけど、家に居ても特にやる事もないし、


早めに着いて30分くらいぼーっとしてたら誰かやってくるだろうとの読みだ。




 いつもの道を通って学校へ向う。




角を二つまがり、


少し細い路地を抜け、


この道をまっすぐ行けば学校。


…いつもと同じように、何の変化も無く学校に辿りつく。




そんな日常の1日…。






 …だと、オレは思っていた。





「キャー!!!だ…だれか助けてください!!!」





このまままっすぐ行けば学校。


もうすぐ学校に辿りつく…そう思っていた時だった。



唐突に、後方から声が聞えてきた。





後ろを振り返ると…誰も居ない。





…何だ…?


気のせい???




「キャーーー!!!だれかああああ!!!」



…いや、気のせいじゃない。


声は、薄暗い路地から聞えてきていた。




 オレはゆっくりと近寄り、薄暗い路地を覗く。





!!!!!!?





なんと、路地の先は行き止まりになっていて、そこに女の子と黒い服の男の姿があった。



男は女の子の上にまたがっている。




「だ…だれか…だれかあ!!」



「テメェ!静かにしろ!!

殺すぞこらぁ!」

ビリィ!!!



上に乗っている男は、そう言って女の子の服を破いた。





…な、なんだこの展開は…。



足が震えた。



…たしかに…オレの体はけっこうゴツくはなっているが、


格闘技をやってるワケでは無い…。


もし、あの男が襲ってきたら、勝てるかどうかはわからない。



…ここを見て見ぬふりすれば…すくなくともオレは無事。


…きっと他の誰かが助けにきてくれるかもしれないし…。


…あっ、そうだ。

警察を呼べば!


今から家に帰って、警察に電話して、来てもらえば…。



…いや、ダメだ。


警察が来るまでに、あの女の子が無事でいれる保障は無い。


…今なら、まだ服を破かれただけだ。


今なら…今なら…。















「オ、オイ!!何してる!」






…昔のオレなら、絶対に声はかけられなかっただろう。


気が付くとオレは、男に向ってそう叫んでいた。




 男の動きが止まる。


そっと振り返る男。



「…あ?


兄ちゃん何?」


男がそっと立ち上がる。




!!!!?





男の身長は2メートル近くあるのか?


オレよりもでかい。



「はわわ…わわ…」


女の子は破かれた服を自分の胸にあてがい、小刻みに震えている。


まだ中1か小6くらいだろうか。




「…何よ兄ちゃん?


邪魔するの?」


男がゆっくりと近付いてくる。



色の黒い…おそらく黒人と日本人のハーフだろう。


体もかなりゴツい。




オレは足が棒のようになって動かない。



男は尚もゆっくりと近付き、手を振り上げる。







ゴンッ!!!!





 景色が揺らいだ。



…久々のこの感触…。



鉄の味が口の中に広がる…。




オレの体は数メートルふっとんだ。




ゴンッ!!


壁に思いっきり叩きつけられるオレ。




「ハッハッハ。


弱えーな兄ちゃん。


オレ、こう見えても格闘家くずれなんだぜ。


兄ちゃん、素手で殺してやろうか?」




「…ぐ…」


オレはゆっくりと立ち上がった。


…なんだか、いきなり一方的になぐられて腹が立つ。


だからオレはおもいっきり男を睨んでやった。



「…お?

ハッハッハ。

何兄ちゃん?

オレとやんの?

何その目?


オラァ!!!」




!!!!?



今度は、わき腹目掛けて男の蹴りが飛んできた。




「ふぐっ!!!」


ダメだ…早い…。


オレはなす術も無く、蹴りを腹にくらい、女の子の方へと吹っ飛んだ。




…ドサッ。


女の子の横に倒れ込むオレ。




「はぁ…はぁ…だ…大丈夫ですか?」


女の子は小刻みに震えている。



…やっぱり、幼い。


…こんな幼げな少女を…くそっ、ロリコン野郎め…。




…うぅ…体中が痛い…。


…オレは…こんなにも無力なのか…。






 ゆっくり近付いてくる男。



後ろは壁…逃げる事もできない…。




くそう…。




 女の子の目を見る。



怯えた目…そして、オレしか頼る者が居ないという表情…。





 昔、菫村から聞いた妹の話と、この女の子の姿がダブついて見えた。




…くそう…


オレも怖いけど…



今なら…この女の子を救える…。






「はぁ…ハァ…」


オレは女の子の耳元に口をやった。



「…今から、1.2の3で…男に飛び掛るから…。


逃げろ。


いいな?」


「…え?」




…それしか、無いと思った。



この男を倒すことはおそらく不可能。



オレがこの子を救う方法は…それしか無いと思った。






「へっへっへ」


ゆっくりと近付いてくる男。




「いいか…いくぞ?


1…2の…さ…」



「おらぁ!!!」




ドゴッ!!!!







オレが秒読みを終える前に、


男が一気に詰め寄ってきてオレの顔面にケリを入れた。




オレは更に壁に叩きつけられた。






「キャアアアアアアアア!!!!」







…ダメだ…。


体がいう事を聞かない…。





 うつぶせのまま、本当に、体が動かなくなってしまった…。



強い…強すぎるこの男…。





「へっへっへ。

てこずらせやがってよ。


3発KOだ」



男はそう言って、腕時計を見る。



「…チッ。


もう8時20分かよ。

時間使わせやがって」


そう言って男はまた、女の子の手を持ち上げる。


そしてオレの顔を見る。


「オイ、オマエもそこで、見てな、この女が犯されるのをよ!


自分の無力さを思い知りながらな!


ハッハッハッハッハ!!!」






…く…そう…。




男はまた、女の子の服に手をかける。

ビリビリビリ!


そして更に服を破りだす。



「ぁ…ァァァ…」


女の子は恐怖に怯え、もはや声も出ない様子だ。





…くそう…マジ、体が動かない…。




…どうしようも出来ない…。


こんなことって…あるのかよ…。



何か方法は…


方法は方法は方法は…。


















   ドサッ。






目の前に、ノートが一冊落ちてきた。





…でびノート?






男は女の子の体を押さえつけ、自分のベルトを緩めだす…。








…でびノート…。



 オマエは…あの女の子を助けろと?



そう言ってるのか?








「…ぐ…」


震える指で、オレはでびノートの新しいページを広げる。




【名前】
【時刻】
【場所】ろじうら
【出来事】 しぬ
【結果】 しぬ



…震える手で、なぜかそこに落ちていたボールペンを拾い、オレは殴り書きでそこまで項目を埋めた。


男は自分のパンツに手をかけ、ゆっくりとグロテスクなものを露出する。




…名前…男の名前…。


時刻は…時刻はさっき、男が8時20分っていってた…



…今は22分くらいか?



【時刻】の欄に、7/23 8:22 と記入する。



…あとは…名前だ…。


男の名前…名前…。





「へっへっへ…ん?」



と、その時だった。



「てめえ!何書いてやがる!」


男はオレがでびノートに何か書いている事に気付いたようだ。



 男はズボンのチャックを閉め、こっちに向かってくる。







…くそう!!

名前…名前…。


男の名前…。





でびノートは…名前を知らない相手に対して、こんなにも無力なのかよおお!!!




「ウああああああああああああああああああああああ!!!!」



オレは叫んだ。















 迫ってくる男。








 …追い込まれたオレの取った行動…。















 それは…。











「ウあああああああああああああああ!!!!!!」
















 オレは男の似顔絵を、名前の欄に書き込んだ…。


(つづく)

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