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林業現場人会議コミュの森林林業再生プランへの意見書、5月21日に提出します。

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5月21日、「第五回 森林林業基本政策検討委員会」を傍聴に行きます。
その際、林野庁長官に直接手渡しで、以下の意見書を提出します。

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平成22年5月19日

農林水産省・林野庁 森林林業再生プラン推進本部御中

北海道下川町林業現場人会議



「森林・林業再生プラン」各種委員会を傍聴しての意見



(はじめに)

現政権の掲げる、「コンクリート社会から、木の社会へ」。「2020年までに国産材自給率
50%以上にする」。この大きな国家プロジェクトに際して、「森林林業再生プラン推進本
部」の、有識外部委員を含めた5つの委員会の中から「第二回森林組合改革・林業事業体
育成検討委員会」・「第二回 人材育成検討委員会」を傍聴させていただきました。(21日
は、第五回 森林林業基本政策検討委員会を傍聴します)

これら林業政策の見直しを含む「国家レベルでの霞が関議論」を、末端小流域の「下川町
林業現場人会議テーブル」に持ち帰り、資料や内外部委員各位の意見を取りまとめている
ところです。とりわけ、この森林林業再生プランの動向いかんによっては、一番影響を受
ける小流域。その現場をつかさどる我々としては、どこを向いて何をしなくてはならない
か。「現場代理人・現業長・作業班長レベル」で、「北海道型林業に則した取り組み方」を
検討議論を重ねているところです。

6月中には、「森林林業再生プラン中間とりまとめの報告」がなされるということなので、

率直に感じたことをお伝えいたしたく、ここに申し上げる次第です。



(森林林業再生素案)

日本の林業そのものが、生業として・産業として危機的状況にある中で、このたびの「森
林林業再生プラン」の軸足はどこにあるのか?。そのベースになる位置が見えずらいのが
気になるところです。

経済戦略としての「林業再生」なのか?。。地球環境・国土保全といった森林の持つ公益的
機能の持続性を求め続けるための「林業再生」なのか?。

つまるところ、「国益重視」なのか、「公益重視」なのか。それによっては、森林林業再生
プランそのものの進む方向性が変わっていくと思われるのですが、素案や委員会の中では
あまりにも漠然としすぎていて、つかみどころがないままに、雲の中を進んでいるように
感じます。どちらも重視していくというのであれば、「経済=国益」「環境=公益」を一旦
分離したうえで、二本柱で議論を進める必要があるものと思います。

現状の各委員会は、「同じ鍋の中で、ごった煮状態」になっている感が否めません。

とりわけ、日々動いている「小流域現場」から見るにあたり、あまりにも遠いところでの
議論になっているように感じ、現実をあまりにも度外視したところでの議論展開に危惧を


抱きます。(傍聴していて、焦点が定まらない「遠くを見る目」になっている自分がいます)

というのも、いつも国家レベルでの「決まりごと」に、常に翻弄されるのは「末端現場」
であるからです。

44大流域、158中流域・・・その団地型集約化の基礎ベースは理解できても、一番重
要なステージは、市町村レベルの「小流域」にあるものと、実感しているのですが、なぜ
か「小流域」は、ボカされてる感が否めません。

国有林ベースでの議論展開も、(?)を付けざるをえません。

森林林業再生の糸口は小面積の「里山」(民有林)の活性化にあると考えます。

遠くの荒れ果てた広大な国有林にいきなり焦点を当てるのではなく、身近な「里山再生」
から、議論の輪を遠くの国有林へ拡大すべきではないでしょうか。



(長期・中期展望の礎は、「小流域森林整備・管理」にあり)

繰り返しになりますが、森林林業再生の礎になるのは、市町村レベルの小流域森林管理で
す。

我々「林業現場人会議」では、日々の森林保育管理施業の中で「地域現場主義」を原点と
して、小流域管理施業に重きを置いて考えています。

持続経済・持続公益資源としての、小流域森林の適正管理です。

市場経済論理だけではなく、資源管理の持続可能性と中山間地域の生存と山村社会の維持
です。

簡単に説明をするならば、、、「自然生態系との協調保全」・「森林林産物生産の持続的維持管
理」・「中山間地域の恒常性の維持」のバランス管理です。

森林林業再生プランが、いかに良いものに仕上がったとしても、山村社会が疲弊しまくっ
ていては意味がありませんし、森林林業現場で働く者がやりがいを感じなければ、それは
「絵に描いた餅」になってしまうのです。

制度としての「森林整備」「森林施業管理」のありかたは、おおむね各委員会での議論に沿
った形で理解は出来ました。

大枠での「おざなりになっていた日本の森林林業再生」へ向けた、ビジョンやルール作り
は、国家レベルで取り組む必要のあることでもありましょう。

ですが、現実的に「森林を動かしている・動かしていく」のは、「現場」です。常に「現場」
を意識した議論が必要不可欠だと思うのですが、「我々現場人に直接響いてくるものを感じ
られないさみしさ」があるのが実態です。



(流域管理・情報の共有化)

国・都道府県・市町村それぞれの、大流域・中流域・小流域での、専門部会・委員会の設
置は外せない案件だと認識しています。

とりわけ、「国有林・都道府県有林・民有林の垣根を越えた森林整備・森林施業管理指針」


を打ち出していくことは必要不可欠です。

しかしながら、議論の流れの中では、それらを紡いでいく具体論になかなか到達していっ
ていないのが実情でしょう。

それらを実効性あるものにしていくには、やはり「流域管理」の体制強化が望まれます。

全国レベルでの一致共通項目。地域森林の特性に合わせた地域別一致共通項目。そして、
小流域における基本ルールと管理ビジョンの統一骨子項目の策定が必要です。

それに向かうに当たり、流れとしてはやはり末端小流域から物事を積み上げていく手法が
有効かと思われます。

森林整備計画制度は、その根幹を地方小流域の森林施業管理の在り方進め方に集約を図り、
計画策定の精査・予算付けを都道府県・関係省庁で行うような仕組みを作るべきではない
でしょうか。

小流域に中に、その主体と役割分担を明確にした協働かつ統一的なセクションを持たせ、
そこに「フォレスター・プランナー」などの主要人材を適正配置をしていく。

垣根を越えた「流域管理」「ひと山管理」の、ゾーニングと管理ビジョンが市町村レベルで
出来上がっていけば、おのずと全国レベルの森林林業再生への道へとつながっていくはず
です。

川も、小さな流れが集まって大河になります。森林も同じだとおもうのです。

地方小流域から上がってきた基本的情報を、中央レベルで集約し、誰が見てもわかる森林
林分情報・基本台帳・森林簿などの統一的情報公開を体系的に整備をするのが林野庁の仕
事になるのではないでしょうか。

森林整備計画・森林施業計画を、実効性あるものとしていくためには、上から(霞が関・
都道府県)と、下から(市町村・事業体・現場)の、すり合わせをする作業が必要になる
でしょう。6月の中間まとめ以降、これまで感じてきたような「偏り」を軽減させるため
にも、それらを両輪で動かしていくシステムの検討をお願いしたいところです。



(森林組合の果たすべき役割)

いままで申し上げてきたとおり、小流域単位での森林管理ビジョンを構築していくうえで
は、地域の民有林の森林管理を担う森林組合の存在意義の確認と、森林組合の活性化改革
は必要不可欠です。

国有林の管理署、都道府県林務部門と同じ・・・いや、それ以上に地域流域の森林管理施
業をつかさどっていくためには、森林組合という組織の有効活用がポイントになってきま
す。民間林業会社には出来ないことが、森林組合には出来るのは事実ですから。

それは、まさしく「協同事業体としての優位性」の体現化です。

森林組合は、その名のとおりの「森林所有者の協同事業体」の存在定義を今一度再認識し
なくてはなりません。森林所有者の意向を尊重しつつ、森林林業再生プランの具体的セー
ルスを実行し、所有者に理解と協力を求めて、隣接する所有者たちのパイプ役を担い、「民


有林を集約する核」として、小流域管理への導火線になっていくべきでしょう。

そのためには、森林組合の造林補助金依存体質の改革や、本来果たすべき「民有林所有者
との、真摯なコミュニケーション」が、大切な鍵になるものと思います。

小流域の森林施業管理のプランナーとして、その威力を発揮することができうるはずです。

その他の林業事業体をも巻き込んだ、「適正なる森林管理の在り方を模索するリーダーシッ
プ」が発揮できるような森林組合の組織構造改革も必要になります。

もちろん、情報の適正開示・情報の共有化も必要になります。森林組合はもちえる情報を
公開することで、民間事業体とイコールフッティングを目指す責務が発生してきます。

森林管理施業計画の段階から、どの事業体も参加したり、情報を得ることができる協議の
テーブルを用意しておき、状況に即応して運用していく。その中で、平等に競い合える仕
組みが作っていくことができれば、森林組合のひとり勝ちにはならないようになるのでは
ないでしょうか。

それらが体系的に実行力を持つようになっていけば、民間事業体と森林組合は対等レベル
での合意形成につながるのではないでしょうか。

そしてそこに、ルールを正しく履行しているかを検証する客観的に査定する委員会、ある
いは判定するポジションがある立場の者が審判するような仕組みを作っていけば、「私利私
欲に走ったり、ルールやマナーを逸脱する」といった、事業体や森林組合をセーブできる
のではないでしょうか。



(路網整備)

従来の道路工法を見直していく中で、「いかにローインパクトな路網計画・施工ができるか」
が、最重要課題でしょう。

公共事業が減っていく中で、建設業者の参入も視野に入れていく時期でもあることは否め
ません。

現場の地形・土壌を把握して、条件に見合った設計と施工を進めていく意欲のある建設事
業体には、研究努力をしてもらいながら、参入を是とすべきでしょう。

環境適合路網施工の規格を、国レベル・都道府県・市町村レベルで条件整備を細分化する
必要がありそうですが・・・。

また、使用する重機に際しても、路網には現行建設機械を充当していく方向になりそうで
すが、低環境負荷機械の導入が必要かもしれません。

林業機械に関しても同様です。



(人材育成)

委員会では、「フォレスター」「プランナー」という、文言に特化されているようですが、
まずもって、現行の「流域調整官」「林業普及指導員」「市町村行政専門・専任担当者」「現
場レベルでの代理人・現業長・作業班長」が、どんな働きをしているのか?これらのポジ


ションにある人たちの「業務実態」はどうなっているのか?これが見えていないと、漠然
としたものに終始してしまいかねません。

実際、委員会での議論も「フォレスター・プランナー」の位置づけにおいて、委員それぞ
れに解釈の度合いも違っているようです。

現状の現場レベルから申し上げますと、現場をつかさどる立場の者として「自分の職責・
権限が曖昧で、実に動きずらい状況である」という点が、現状における共通意見だと思い
ます。

担当者の、技量・能力フル操業で、精一杯動いていて、なんの裏付け・バックボーンもな
いままに、日々前進しているのが現状です。進めている作業工程が正しいのか間違ってい
るのか、それすら自己判断に委ねられ、不安の中にいるのが実情です。これまでの経験と
技術の創意工夫試行錯誤で、なんとかしのいでいるという状態が現実です。

人材育成の根幹は、「ヤマを多角的に見ることができて、施業計画に関して説明ができて、
施業計画を実行できて、森林のセールスからアフターケアまでの渉外ができる」人の育成
だと、現場レベルでは考えています。

ですから、委員会で議論されている「フォレスター」「プランナー」に関しても、実体験と
して「林業技術・技能・ノウハウ」を持った「現場経験者」が起用されないと、現状とな
んら変わらない・・・ただ、呼び名が変わっただけ・・・という状況になるのではないか
と懸念しています。

現場を熟知していないと、説得力は持ちえません。自信を持って説明するには相応の経験
が必要になります。森林管理整備・施業管理を説明するにも、相手側との信頼関係をどれ
だけ構築することができるか・・・に尽きると思うのです。

とりわけ、委員会で議論されている「フォレスター」を養成していくならば、「すべてを知
りえる、何でもできるスーパーマンフォレスター」になることは、物理的に不可能ですの
で、カナダの森林官のように、役割・専門性別にフォレスターを育成していくことも視野
に入れてもいいのではないでしょうか。

そして、「プランナー」は、やはり小流域に専任的に配置するべきでしょう。その土地土地
の条件を熟知した人たちが、プランニングしていくべきです。それも、一人ではなく複数
のプランナーが知恵を出し合う中で、流域管理のプログラムを作っていける組織が必要に
なります。

国有林・都道府県有林・民有林の垣根を越えて、施業管理計画を立てるプロジェクトチー
ムを常任させることが必要でしょう。キチンとしたプランニングをするのには、莫大な手
間と人手とお金が必要になります。

フォレスターとプランナーは、主従関係にあってはダメです。対等な立場で議論ができる
テーブルが必要です。

プランナーと林業技術・技能・作業士は、もっともっと密接な関係性が必要になるでしょ
う。


そういう視点で見ると、上から作るのではなく、末端の現場から「プランナー」を作り「フ
ォレスター」を作っていくことが、実効性ある人材育成になるのではないでしょうか。

学位・学歴もある意味で大切ですが、「適性感覚・幅広い感覚・感じる力」が、ものすごく
重要な資格だと思います。数字では表わすことができないことが、ヤマにはたくさんあり
ますから。

再生プランの骨子に沿った、人材を育成していくには、「現場経験が多く、フレキシブルに
応用の効く現場人の声を聞く」ことから始めることが一番近道だと思います。

現場に改革意識を浸透させていくのも、現場の「長」の心づもりひとつでなんとでもなる
のですから。

現行の、研修制度・資格制度がこれからやろうとしている再生プランのなかで、実態に合
っているのか合っていないのか?。これらも、検証・精査する必要があるでしょう。実際、
現行研修でも、現場に活かせない無駄なことも多いようです。



(川上から川下までの一括底上げ)

適正な森林管理から適正な木材流通へ。

国家戦略として、1000万ヘクタールの保育間伐施業の中から、5000万立方の木材
を生産し、国産木材自給率50%を目指すという壮大な計画に鑑み、原木の調達競争や、
独占商社の出現が懸念されます。

そうなると、.しでもコストを下げようと、やみくもな伐採がおこなわれ「実質的なヤマ
壊し」に陥る危険性があります。

そこで重要になってくるのが「森林の適正管理」と「原木の適正流通」です。

まずは、地産地消を実行できる地域循環方式をモデルに、森林認証林(FSC)の拡大と、
加工工場の認証(COC)へ、制度政策として誘導していくことが必要でしょう。

それらの有効性を確認しつつ、国家レベルでの「国産材流通システム」を構築していくこ
とが、日本の森林林業再生プランが、より底上げされたクオリティーの高い森林管理へと
導かれていくものと考えます。



(雑駁まとめ)

*森林の公益的機能は、川上から川下のすべての生き物たちに平等に与えられるべきでし
ょう。

*森林林業の根本的な社会的使命とはなんであるか?いつでもそこに立ち返って考える癖
付けが必要です。

*「事件は現場で起きています」。現場を知らずしての机上の議論は、一定のところまでは
進みますが、それ以上のところへはなかなかいきつけないのではないでしょうか。

*「持続可能な森林資源運用・生物多様性生態系保全管理」「循環し続ける中山間地域・山
村社会の恒常的活性化と林産経営」「適正な森林管理から生産される、適正な木材の、適正


な価格での流通」。これらを政策・法律(森林法など)に反映させて、再生プランとするべ
きではないでしょうか。

*森林はもはや環境ビジネスの一環ととらえると、市場経済論理だけでは済まされない現
状況があります。それらに鑑み、林野庁は農林水産省から「環境省」への移管をしたほう
がいいのではないでしょうか。森林の持つ公益的機能をお金や価値に換算するならば、環
境省所管のほうが立場としても動きやすいのではないでしょうか。

*44大流域・158中流域・市町村流域・・・この中で、一番重要なのは「地方の小流
域」の森林管理整備・施業計画の策定です。

その中には、「林地開発の規制」「森林更新の義務付け」「皆伐面積の上限規制」「生物多様
性の保護義務」「森林管理就業者の労働環境・処遇改善」「労働安全衛生」などは必須要綱
であると認識します。

*森林林分のゾーニング。「保安林」「経済林」「公益機能林」などを、法律上見直し整備し
ていくことも必要ではないでしょうか。

*森林管理ビジョンの基本項目の中に「FSC基準」を参考に盛り込むべきではないでし
ょうか。

*やる気と志がある林家・就労者・事業体が自助努力ではなしえない部分を精査抽出し、
補助金制度そのものを抜本的に見直して、森林の適正施業管理と人材確保・育成、事業体
支援にお金を回すことができる仕組みを考える必要があるのではないでしょうか。

*「適地・適木・適プラン・適セールス・適作業・適アフターケア」、これらを重視しなが
ら整備計画・施業計画を立てていくべきではないでしょうか。

*職能別級で、現場作業者には国レベルの「認定・資格」を与えてやる気にこたえる必要
があるのではないでしょうか。



(要望)

林業現場人・森林所有者と、制度政策を作る林野行政の方々と、率直な意見交換ができる
「場・機会・窓口」の設置を強く要望いたします。できれば5つの委員会の下部組織とし
て、小委員会もしくは、分科会でも結構です。前向きなる検討をお願い申し上げます。

「霞が関と現場との協働」で、是非とも実効性のある「森林林業再生プラン」に仕上げて
いけたらと、願ってやみません。



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北海道・下川町林業現場人会議(森想心理学会)代表

コメント(2)

> ワタナbシンゴさん

ありがとうございます。声を届けて来ますね。島田林野庁長官は、先週の人材育成検討委員会の休憩中、私との短い会談の中で、『現場抜きでは話しは具体化しない』と前向きな言葉を発せられていました。是非とも、志ある現場人会議『霞ヶ関板』の実現を図れることを期待したいと思います。

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