日本神道コミュの第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ) 『日本の歴史と最後の審判』〈21〉〈22〉

『日本の歴史と最後の審判』〈21〉〈22〉

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)...p㊦460～p㊦474

第二十二章　反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)...p㊦475～p㊦490

「この論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。安原修」

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）June,
　　　　　　　

苅場扶士男(

かりばふじお)

コメント(10)

最初
全て
最新の40件

[1] mixiユーザー 06月10日 09:12

『日本の歴史と最後の審判』〈21〉-1

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)
(p㊦460／p㊦460～p㊦474)

>p460-1行～

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)
　すでに前章で述べた様に履中天皇(りちゅうてんのう)と言う諡号(しごう)は仁徳天皇皇
子大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)に贈られた諡号(しごう)ではなかったのである。
大兄去来穂別皇子に贈られた本当の諡号は允恭(いんぎょう)天皇だったの
である。しかし後世になって古事記や日本書紀を書く時に中
国の晉書や宋書などに書かれている倭の五王が大和朝廷のど
の天皇であったか判らなくするために、各天皇の名前を取り
変えてごまかし、親子兄弟関係を取り変えてごまかし、治世
年代や治世年数を変えてごまかしたのである。それで神は私
に本当の正しい歴史を復元する様に命令せられたのである。
故にこの章で述べる允恭天皇の歴史は古事記、日本書紀の履
中天皇の歴史であることを断って置くものである。
　大兄去来穂別皇子は仁徳天皇の長男として３６０年に生ま
れ、３９９年に四十才で即位したのである。履中紀によれば
太子(ひつぎのみこ)は仁徳天皇の喪(も)があけてまだ即位していない間に羽田矢(はたや)

>p461

代宿祢(しろのすくね)の娘黒媛(くろひめ)を妃にしようとしてすでに納采(のうさい)即ち結納(ゆひのう)も交
わし、住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)を遣して日取(ひど)りを告げさせたと言う。しか
るに住吉仲皇子は黒媛の家へ行って大兄去来穂別皇子の名を
騙(かた)って黒媛を犯(をか)したと言う。そのことが大兄去来穂別皇子に
知れたので住吉仲皇子は危険を感じて兵を以って大兄去来穂別
皇子の宮を囲んで殺そうとしたと言う。しかしこの話は甚だ
疑わしいのである。
　太子が羽田矢代宿祢(はたやしろのすくね)の娘黒媛(くろひめ)を妃にしようとしたと言うの
は大嘘である。羽田八代宿祢は大体３２０年頃の生まれと考
えられるのであり、仁徳天皇が死去した３９８年には七十才
以上の高令になっていたのであり、羽田八代宿祢の娘を大
兄去来穂別皇子が妃にすると言う様なことは考えられないの
である。履中紀では元年春二月に皇太子は磐余(いはれ)の稚桜宮(わかさくらのみや)で即
位したことになっているが、それが３９９年の春二月のこと
である。そしてその年の秋七月に葦田宿祢(あしだのすくね)の娘黒媛を立てて

>p462

皇妃としたとしているが皇后としたとは書いてないのである。
　葦田宿祢は葛城襲津彦王(かづらきそつひこのみこ)の子となっているけれどもそれは大
嘘である。葦田宿祢は羽田矢代宿祢（波多八代宿祢）の子で
あり羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)と言うのである。つまり羽田は姓であり、
葦田宿祢が名である。それをごまかして単に葦田宿祢として
いるのである。そして息長日子王の長男葛城襲津彦王を武内
宿祢の子葛城襲津彦としてごまかし、波多八代宿祢の長男波
多葦田宿祢を葛城襲津彦の子葦田宿祢として大嘘の系図をで
っちあげたのである。だから偽系図の上では葦田宿祢は仁徳
天皇皇后磐之媛の弟と言うことになっているのであり、葦田
宿祢の娘黒媛は皇太子と従兄妹(いとこ)と言うことになるのである。

《日本の歴史と最後の審判〈21〉-1 第二十一章允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子㊦p460-1行～㊦p462-11行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）June,
　　　　　　　

苅場扶士男(

かりばふじお)

[2] mixiユーザー 06月16日 18:02

『日本の歴史と最後の審判』〈21〉-2

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)
(p㊦462／p㊦460～p㊦474)

>p462-12行～

　しかし大兄去来穂別皇子の妃である黒媛は葛城襲津彦の孫
ではなく羽田矢代宿祢の孫であることをそれとなく教えるた
めに皇太子が羽田矢代宿祢の娘黒媛を妃にしようとしたと言
う話をでっちあげたのである。だから住吉仲皇子が羽田矢代

>p463

宿祢の娘黒媛を犯したことから争いが起こったと言うのは嘘
である。仁徳天皇が死去した後吉備の黒媛の子である住吉仲
皇子と磐之媛の子である大兄去来穂別皇子との間に皇位継承
の争いが起こったのである。そして始めは住吉仲皇子の方が
優勢だったのである。
　住吉仲皇子が兵を以って皇太子の宮を囲んだ時、平群木菟(へぐりつく)
宿祢(のすくね)、物部大前宿祢(もののべのおほまえのすくね)、漢直祖阿知使主(あやのあなひあちのおみ)の三人が皇太子を守っ
て宮殿を脱出し、大和の国の石上神宮へ入ったと言う。そこ
へ皇太子の弟瑞歯別皇子が来たので皇太子は瑞歯別皇子に住吉
仲皇子を殺せと命令したことになっている。瑞歯別皇子は後(のち)
の反正天皇となっているけれどもそれが大嘘なのである。
　石上神宮へ皇太子を訪ねて来たのは瑞歯別皇子ではなく、
瑞歯別皇子の同母兄磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)だったのである。磐坂
市辺押歯皇子は幼い頃は押歯皇子(おしばのみこ)と呼ばれていたものと思わ
れるのであり、押歯皇子(おしばのみこ)と瑞歯皇子(みずのみこ)が兄弟だったのである。

>p464

そして反正天皇として即位したのは瑞歯別皇子ではなく兄の押
歯皇子だったのである。
　履中紀では天皇が葦田宿祢の娘黒媛を立てて皇妃にしたと
書いてあり、更に黒媛が磐坂市辺押歯皇子、御馬皇子(みまのみこ)、靑海(あをみ)
皇女(のひめみこ)の三人の子を生んだことになって居り、更に次の妃幡梭(はたびの)
皇女(ひめみこ)が中磯皇女(なかしのひめみこ)を生んだことになっているのである。それに
もかゝわらず允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)が瑞歯別皇子を立て
て諸君(ひつぎのきみ)としたと言うのは何故であろうか。大兄去来穂別皇子
に磐坂市辺押羽皇子と御馬皇子の二人の皇子があったのなら
ば自分の子に皇位を継がせればよいはずであり、弟の瑞歯別皇
子を皇太子にしなければならない理由はないはずである。
　しかし実際には允恭天皇と黒媛との間には皇子も皇女も生
まれなかったのである。大兄去来穂別皇子の子は幡梭皇女(はたびのひめみこ)と
の間に生まれたことになっている中磯皇女(なかしのひめみこ)が一人丈だったの
である。そして磐坂市辺押羽皇子が即ち反正天皇であり、御

>p465

馬皇子(まみこ)と靑海皇女(あをみのひめみこ)は反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)の子だったの
である。しかるに宋書の倭王珍を反正天皇と思わせるために
反正天皇の名を瑞歯別皇子としてごまかし、磐坂市辺押歯皇
子は履中天皇皇子として大嘘の系図をでっち上げたのである。
　磐坂市辺押羽皇子はひそかに住吉仲皇子(すみのえのなかつみこ)の屋敷の近く迄行
き、住吉仲皇子の近くに仕える隼人(はやひと)の刺領巾(さしひれ)と言う者に重く
恩賞を与えると約束して住吉仲皇子を殺させたことになって
いるのである。しかし木菟宿祢(つくのすくね)が「刺領巾(さしひれ)は他人のために自
分の主君を殺した」と言う理由で刺領巾(さしひれ)を殺したことになっ
ているのである。平郡木菟宿祢は仮空の人物であり、本当は
木角宿祢(きのつぬのすくね)かその子が隼人刺領巾(さしひれ)を殺させたものであろう。

《日本の歴史と最後の審判〈21〉-2 第二十一章允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子㊦p462-12行～㊦p465-11行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）June,
　　　　　　　

苅場扶士男(

かりばふじお)

[3] mixiユーザー 06月22日 09:08

『日本の歴史と最後の審判』〈21〉-3

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)
(p㊦465／p㊦460～p㊦474)

>p465-15行～

　誰が住吉仲皇子を殺したか本当のことは判らないけれども

>p466

住吉仲皇子が死んだお陰で大兄去来穂別皇子が即位すること
が出来たことは確かであろう。それで大兄去来穂別皇子が磐坂市辺押羽皇子を重く用いる様になった可能性はあろう。
　住吉仲皇子は吉備の海部の娘黒媛の子であるから海人(あま)を支
配していた阿曇野連(あづみのむらじ)浜子(はまこ)や倭直吾子籠(やまとのあたひあごこ)らと親しかったのである。
それで阿曇連浜子や倭直吾子籠(やまとのあたひあごこ)らは住吉仲皇子を立てようと
したのである。それに対して大兄去来穂別皇子は葛城襲津彦
王の娘磐之媛の子であるから神功天皇や息長日子王の一族と
親しかった武内宿祢の子孫や阿知使主(あちのおみ)らが支持したのである。
　允恭天皇大兄去来穂別皇子は３９９年春二月に磐余(いはれ)の稚桜(わかさくら)
宮(のみや)で即位し、その年の四月に住吉仲皇子に協力した阿曇連浜(あづみのむらじはま)
子(こ)の目の周りに入墨(いれずみ)の刑を施したと言う。更にその年の七月
に葦田宿祢(あしだのすくね)の娘黒媛を立てて御妃(みめ)にしたと書いてあるが皇后
にしたとは書いてない。その理由は黒媛には子がいなかった
からである。即位した年に允恭(いんぎょう)天皇は四十才だったのである。

>p467

だから允恭天皇が仮に二十五才の頃に黒媛と結婚していたと
すればすでに十五年結婚生活を送っていたことになる訳であ
り、それ迄に子が生まれていなかったのであるからその後子
が生まれる可能性はないと考えられていたものであろう。そ
れで允恭天皇は黒媛を皇妃として立てたけれども皇后にはし
なかったのである。
　また允恭天皇にはもう一人幡梭皇女(はたびのひめみこ)が妃となっていたこと
になっているが、幡梭皇女と言うのは嘘である。幡梭皇女は
仁徳天皇と日向の髪長媛との間に生まれたことになっている
が、日向髪長媛が仁徳天皇の妃と言うのも嘘であり、幡梭皇
女が仁徳天皇の皇女と言うのも嘘である。幡梭皇女の本当の
名は橘媛(たちばなひめ)と言うのであり、神功天皇の弟大多牟坂王(おほたむさかのみこ)の孫で多(た)
遅摩国造(ぢまのくにのみやつこ)となった加多遅王(かたぢのみこ)の娘である。橘媛は允恭天皇皇后
となったけれども允恭天皇は早く死去したのであり、後年は
日本書紀の雄略天皇、本当は仁徳天皇皇子武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚(をはつせのわか)

>p468

鷦鷯皇子(さざきのみこ)の皇后となったのであり但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)と呼ばれてい
たのであり、世間の人々からは幡日皇后(はたびのこうごう)（旗日(はたび)皇后）と言わ
れていたのである。それを仁徳天皇皇女幡梭皇女(はたびのひめみこ)としてごま
かしたのである。大兄去来穂別皇子の子は橘媛との間に生ま
れた中磯皇女(なかしのひめみこ)が一人丈だったのである。
　履中紀によれば二年の春正月に水歯別皇子(みづはわけのみこ)を立てて儲君(ひつぎのきみ)と
したことになっているが本当かどうかは疑わしいのである。
水歯別皇子と言うのは勿論嘘であり、本当は磐坂市辺押羽皇子(いわさかのいちべのおしばのみこ)
のことである。しかし大兄去来穂別皇子は二年即ち４００年
に四十一才であったから黒媛との間に皇子はいなくても若い
女性を妃に迎えれば皇子が生まれる可能性はあったはずであ
る。そして事実それから後に大兄去来穂別皇子は讃岐国造(さぬきのくにのみやつこ)の
鯽魚磯別王(ふなしわけのみこ)の娘太媛郎媛(ふとひめのいらつひめ)と高鶴郎媛(たかつるのいらつひめ)の二人を嬪(ひん)として後宮へ
迎え入れているのである。それは世嗣(よつぎ)の皇子を生ませたいと
思ったからであろう。

《日本の歴史と最後の審判〈21〉-3 第二十一章允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子㊦p465-15行～㊦p468-15行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）June,
　　　　　　　

苅場扶士男(

かりばふじお)

[4] mixiユーザー 06月27日 11:07

『日本の歴史と最後の審判』〈21〉-4

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)
(p㊦469／p㊦460～p㊦474)

>p469-1行～

　その様なこともあるから大兄去来穂別皇子が異母弟の磐坂
市辺押羽皇子を儲君にしたと言うことは否定も肯定も出来か
ねると思うのである。少くとも即位した当時皇子がいなかっ
たことは確かであるから磐坂市辺押羽皇子を皇太子にしたと
言うことは考えられないこともないのである。また大兄去来
穂別皇子に二人の妃がありながら皇女が一人しかいなかった
と言うことは大兄去来穂別皇子自身が病弱な皇子であったか
ら子供に恵まれなったと言うことも考えられよう。だから治世も短く若くて死去したと言うことも考えられるのである。
　履中紀によれば二年の冬十月に磐余に都を造ったと言う。
そして平群木菟宿祢(へぐりつくのすくね)、蘇賀満智宿祢(そがまちのすくね)、物部伊筥弗大連(もののべのいこふのおほむらじ)、圓大(つぶらおほ)
使主(み)らに政治を任せたことになっている。この中で平群木菟
宿祢は仮空の人物であるけれども実在の人物と思わせるため
にわざと何度も名を出しているのである。また圓大使主(つぶらおほみ)は武
内宿祢の子孫と考えられているけれどもそうではないのであ

>p470

る。葛城襲津彦王の長男大葉枝王(おほはえのみこ)の子が圓大使主(つぶらおほみ)なのである。
そして仁徳天皇皇后磐之媛は大葉枝王の姉であるから、大兄
去来穂別皇子と葛城の圓大使主とは徒兄弟だったのである。
　更に二年の十一月に磐余池を作り、三年の冬十一月に天皇
は両枝船(ふたまたぶね)を磐余(いはれ)の市磯池(いちしのいけ)に浮かべたと言うが、これは二年の
十一月のことであろうと思うのである。次に四年の秋八月に
始めて諸国に国史(ふみひと)を置いて様々な出来事を記録させたと言う
が、これは三年の秋八月、４０１年のことである。そしてそ
の年の冬十月に石上溝(いそのかみのうなで)を掘ったのである。
　次に五年の春三月に筑紫の宗像神社(むなかたじんじゃ)の祭神である海の三女
神が宮中に現われて神罰を与えると言ったのが四年、４０２
年のことである。その年の秋九月に天皇は淡路島へ行幸して
狩をしたのであるが、飼部(うまかひべ)の人々の目の周りに入れた入墨の
傷が治らず悪臭を放っていたために淡路島に居られる伊弉諾(いざなぎ)
神(のかみ)の怒りにふれたのである。

>p471

　そして更にその月に風の音の様に空中に奇怪な声が聞えた
と言う。空中に聞えたと言う奇怪な声は「剱刀太子王(つるぎたちひつぎのみこ)」「鳥(とり)
住来(かよ)ふ羽田(はた)の汝妹(なにも)は羽狭(はさ)に葬(はぶ)り立往(た)ちぬ」「狭名来田蔣津之(さぬくたこもつの)
命(みこと)、羽狭(はさ)に葬(はぶ)り立往(た)ちぬ」と言う三つの声だったと言う。そ
してにはかに使者が来て皇妃黒媛が死去したことを天皇に告
げたために天皇は淡路から急いで帰ったと言う。しかし空中
に聞えたと言う奇怪な声には重要な意味が隠されているので
ある。
　先ず最初の「剱刀太子王(つるぎたちひつぎのみこ)」と言う言葉は「剱(つるぎ)で太子王(ひつぎのみこ)の命(いのち)
を絶つ」と言う意味なのである。次に「鳥往来(とりかよ)ふ羽田(はた)の汝妹(なにも)
は羽狭(はさ)に葬(はぶ)り立往(た)ちぬ」と言うのは皇妃黒媛は日本書紀では
葛城襲津彦の子葦田宿祢の娘としてごまかされているけれど
も、本当は羽田八代宿祢の子である羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)の娘であり、
葛城の生まれではなく島が往来(かよ)う近江の国の羽田氏の娘であ
り、羽狭(はさ)と言う土地で死去すると言う様な意味である。

《日本の歴史と最後の審判〈21〉-4 第二十一章允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子 p㊦469-1行～p㊦471-15行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）June,
　　　　　　　

苅場扶士男(

かりばふじお)

[5] mixiユーザー 07月01日 10:54

『日本の歴史と最後の審判』〈21〉-5(章終)

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十一章　允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)
(p㊦472／p㊦460～p㊦474)

>p472-1行～

　更に「狭名来田蔣津之命(さなくたこもつのみこと)、羽狭(はさ)に葬(はぶ)り立往(た)ちぬ」と言うの
は黒媛が羽狭(はさ)で死去する」と言う意味であり、狭名来田蔣津(さなくたこもつ)
之命(のみこと)とは黒媛のことであるが重要な意味を秘めているのであ
る。狭名来田(さなくた)とは「さなくば」と言う言葉と似ていて「そう
ではなくて」と言う様な意味である。蔣津之命(こもつのみこと)とは「子持(こも)つ
の命(みこと)」と言う意味である。黒媛は結婚して十数年も子供が生
まれなかったのである。それは不妊症と言う様なことでなく
子供を生んだら母体の生命が危くなる様な体だから子供が欲
しくても生めなかったのではないかと思えるのである。
　しかし皇妃の身であるから何とかして皇子を生みたいと思
い、子供を生むことが危険な身であることをもかえりみず、
いのちがけで皇子を生もうとしたのだと思うのである。それ
で「子供を持てない身体だけれどもそうではなくて子供を持つ」と言う決意を「狭名来田蔣津之命(さなくたこもつのみこと)」と言う理解し難い言
葉で表わしているのだと思うのである。そして黒媛はその頃

>p473

皇子を妊娠していたのである。しかし夫の允恭天皇が神々を
おろそかにしたために神は罰を下し、黒媛の胎内に宿ってい
る皇子を殺すと宣告したのである。「剱刀太子王(つるぎたちひつぎのみこ)」とはつま
り黒媛の胎内に宿っている皇太子を剱(つるぎ)で絶(た)つ、つまり殺すと
言う意味だったのである。そして胎内に宿っていた皇太子と
共に黒媛もまた神の怒りによって死去したのである。それで
天皇は十月に皇妃黒媛を葬ったのである。
　次に六年の春正月に草香幡梭皇女(くさかはたびのひめみこ)を立てて皇后とし、更に
始めて藏職(くらのつかさ)を建て藏部(くらひとべ)を定めたと言うのが本当は五年の正月
であり４０３年のことである。草香幡梭皇女と言うのは大嘘
であり、多遅摩国造(たぢまのくにのみやつこ)の迦多遅王(かたぢのみこ)の娘但馬橘大郎女(たじまたちばなのおほいらつめ)である。天
皇は妊娠中であった黒媛が皇太子を生んで呉れることを大い
に期待していたのだと思うのである。しかし黒媛も胎内の皇
太子も共に神の怒りによって死んでしまった訳である。それ
で天皇はもう一人の妃である但馬橘大郎女(たじまたちばなのおほいらつめ)を皇后に立てたの

>p474

である。天皇は黒媛を皇后に立てなかったが、若し黒媛が皇
太子を生んだら皇后に立てるつもりだったものであろう。
　しかし但馬橘大郎女との間にも中磯皇女(なかしのひめみこ)が一人生まれてい
る丈である。それで天皇は但馬橘大郎女との間にも皇太子が
生まれるあてはないとあきらめて、讃岐国造、鯽魚磯別王(ふなしわけのみこ)の
娘太媛郎媛(ふとひめのいらつひめ)と高鶴郎媛(たかつるのいらつひめ)の二人を嬪(ひん)として宮中へ召し入れたの
である。その点では天皇は若い女性二人との間に皇太子が生
まれることを期待していたものと思うのである。しかし折角
若い女性二人を後宮へ迎えたけれども、それから間もない三
月に天皇は病気になり、治世僅か五年、享年四十四才で死去
したのである。病気で死去したのは事実であろうけれど、そ
れは神の祟(たた)りによる急性で悪性の病気だったものと思うので
ある。允恭天皇大兄去来穂別皇子はどちらかと言うと不真面(ふまじ)
目(め)な性格であり、神をおろそかにしたから何度も罰を受けた
のである。それで後世に允恭(いんぎょう)（因業(いんごう)）の諡(おくりな)を奉られたのである。

《日本の歴史と最後の審判〈21〉-5(章終) 第二十一章允恭天皇(いんぎょうてんのう)大兄去来穂別皇子 p㊦472-1行～p㊦474-15行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）June,
　　　　　　　

苅場扶士男(

かりばふじお)

[6] mixiユーザー 07月06日 10:19

『日本の歴史と最後の審判』〈22〉-1

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十二章　反正天皇(はんぜいてんのう) 磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)
（p㊦475／p㊦475～p㊦490）

>p475-1行～

第二十二章　反正天皇(はんぜいてんのう) 磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)
　古事記も日本書紀も反正天皇の名を水歯別皇子(みづはわけのみこ)としてごま
かしている。しかしそれのみでなく反正天皇の治蹟その他の
出来事を一切書いてないのである。それは何故であろうか。
その理由は反正天皇(はんぜいてんのう)と言う諡(おくりな)そのものにあると言えるのであ
る。反正天皇(はんぜいてんのう)とは即ち「正義(せいぎ)に反(はん)した天皇」と言う意味なの
である。だからこの天皇は生前に良いことはしてないのであ
り国民から憎まれ嫌われる様なことをした天皇であることは
確かである。しかし反正天皇の歴史は後世の天皇らにとって
甚だ面白くないものであったから全面的に消してしまったの
である。だから反正天皇の治績は反正即ち正義に反した天皇
と言う諡から想像するしかないのである。
　反正天皇が即位したのは４０４年である。高句麗(こうくり)の広開土
王の碑文によるとこの年に倭の軍が高句麗と戦って大敗した
ことになっているのである。そしてこの年の翌年、４０５年

>p476

に百済の阿花王が死去しているのである。故に反正天皇は百
済からの要請に応じて救援の兵を送ったのではないかと思う
のである。恐らく４０４年に高句麗が百済を攻撃したので百
済の阿花王が援軍を求めたものであろう。それで反正天皇が
大軍を派遣したものであろう。しかし日本と百済の連合軍は
高句麗と戦って大敗したものであろう。それでその時誰を將
軍として派遣したかと言う様なことも何一つ書かずに消して
しまったのである。
　百済(くだら)の阿花王(あかわう)が死去したのは４０５年である。しかるに日
本書紀はそれを応神天皇の十六年のこととしてごまかしてい
る。応神紀ではその頃人質として日本へ来ていた阿花王の子
直支王(ときわう)に応神天皇が東韓(とうかん)の地を与えて帰国させたことになっ
ているが、それは応神天皇の治世の時のことではなく、反正
天皇の時のことである。
　日本書紀では反正天皇は元年秋八月に大宅臣(おほやけのおみ)の祖木事(こごと)の娘

>p477

津野媛(つのひめ)を立てて皇夫人としたと書いてある。今迄天皇が即位
すると皇后(きさき)を立てたと書いてあるのが普通であるのに何故反
正天皇の場合に限り皇夫人と言う書き方をしたのであろうか。
それは大宅臣木事の娘津野媛は反正天皇の皇后でもなく妃で
もなく全くの他人だったからである。だから津野媛が生んだ
ことになっている香火媛皇女(かひひめのひめみこ)、圓皇女(つぶらのひめみこ)の二人は反正天皇の皇
女ではないのである。
　大宅臣木事の娘津野媛は反正天皇の妃ではなく葛城襲津彦
王の長男大葉枝王(おほはえのみこ)の子圓大使主(つぶらおほみ)の妃であり、圓大使主と津野
媛との間に生まれた子が反正天皇皇女となっている甲斐郎女(かひのいらつめ)
と都夫良郎女(つぶらいらつめ)であり、もう一人武烈天皇皇妃となった韓媛があ
るが他は不明である。そして圓大使主は吉備の児島で生まれ
たのではないかと思う。ツブラとは現在の岡山県倉敷市粒(つぶ)
浦の地名に由来していると考えられるのであり、吉備の児島
はもともと息長氏の領土だったのであり、葛城襲津彦王の長

>p478

男大葉枝王も一時は吉備の児島に住んでいたことがあり、そ
の頃圓大使主(つぶらおほみ)らが生まれたと言うことも考えられるのであり、
今の倉敷市粒浦(つぶら)のあたりに住んでいたから地名を子女の名に
用いたと言うことも当然考えられるのである。

《日本の歴史と最後の審判〈22〉-1 第二十二章反正天皇磐坂市辺押羽皇子 p㊦475-1行～p㊦478-4行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）July
　　　　　　　　　

明土富士 (Akedo-Fuji)

[7] mixiユーザー 07月14日 10:53

『日本の歴史と最後の審判』〈22〉-2

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十二章　反正天皇磐坂市辺押羽皇子
（p㊦478／p㊦475～p㊦490）

>p478-5行～

　更に日本書紀では反正天皇が津野媛の妹弟媛を妃にして財(たからの)
皇女(ひめみこ)と高部皇子(たかへのみこ)の二人を生んだことになって居り、古事記で
は弟媛の生んだ子は財王(たからのみこ)と多訶弁郎女(たかべのいらつめ)の二人となっている。
これは財皇女(たからのひめみこ)と財皇子(たからのみこ)であり二人共反正天皇の子である。し
かし母は津野媛の妹弟媛ではないのである。そして財皇女(たからのひめみこ)が
姉であり、財皇子(たからのみこ)が弟である。では反正天皇皇后、そして財(たから)
皇子と財皇女の母は一体誰であろうか。
　反正天皇(はんぜいてんのう)の名は磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)である。そして磐坂市辺
押羽皇子の妃は葦田宿祢(あしだのすくね)の子蟻臣(ありのおみ)の娘夷媛(はえひめ)となっているので
ある。反正天皇が磐坂市辺押羽皇子である。だから反正天皇
の皇后は磐坂市辺押羽皇子の妃となっている夷媛(はえひめ)なのである。

>p479

　夷媛(はえひめ)は葦田宿祢の子蟻臣(ありのおみ)の娘となっているけれどもそうで
はないのである。仁徳天皇皇子大兄去来穂別皇子と磐坂市辺
押羽皇子は異母兄弟であるが、大兄去来穂別皇子は羽田葦田
宿祢の娘黒媛を妃にしていたのであり、磐坂市辺押羽皇子は
羽田葦田宿祢の娘で黒媛の妹に当たる夷媛(はえひめ)を妃にしていたの
である。それで大兄去来穂別皇子と磐坂市辺押羽皇子の二人
は仲が良かったのである。だから允恭天皇大兄去来穂別皇子
が反正天皇磐坂市辺押羽皇子を後継者にしたと言うのが本当
であるとすれば、大兄去来穂別皇子に世嗣ぎの皇子がいなか
ったことと、二人の妃が共に羽田葦田宿祢の娘で姉妹だった
から特別に仲が良かったのが理由であると言えるのである。
　しかし反正天皇を宋書の倭王珍と思わせるために反正天皇
の名を瑞歯別皇子としてごまかし、磐坂市辺押羽皇子を大兄
去来穂別皇子の子としてごまかしたのである。それで磐坂市
辺押羽皇子の妃は羽田葦田宿祢の娘夷媛であり、大兄去来穂

>p480

別皇子の妃である黒媛の妹であると言うのでは具合が悪くな
ったから、羽田葦田宿祢のまたの名である蟻臣(ありのおみ)を葦田宿祢の
子としてごまかし、夷媛(はえひめ)を蟻臣の娘と言うことにしてつじつ
まを合わせたのである。だから蟻臣は羽田葦田宿祢自身であ
り、蟻臣の娘夷媛は羽田葦田宿祢の娘なのである。
　だから反正天皇磐坂市辺押羽皇子の皇后は羽田葦田宿祢の
娘夷媛であり、反正天皇と皇后夷媛との間に生まれた皇子と
皇女は長男が履中天皇皇子となっている御馬皇子(みまのみこ)、二男が反
正天皇皇子となっている財皇子(たからのみこ)、長女が反正天皇皇女となっ
ている財皇女の三人だったのである。そして反正天皇皇子財
皇子が磐坂市辺押羽皇子の子となっている億計王(おけのみこ)即ち仁賢天(にんけんてん)
皇(のう)なのであり、反正天皇皇女財皇女(たからのひめみこ)が履中天皇皇女となって
いる靑海皇女(あをみのひめみこ)であり、また磐坂市辺押羽皇子の子となってい
る飯豊女王(いいとよのひめみこ)またの名は忍海部女王(おしぬみべのひめみこ)なのである。
　また磐坂市辺押羽皇子の子となっている顕宗天皇(けんそうてんのう)弘計王(こおけのみこ)は

>p481

仁賢天皇(にんけんてんのう)財皇子(たからのみこ)の子であるにもかゝわらす宋書の倭王済(さい)と倭
王興(こう)が誰であるか判らなくするために父子であるものを兄弟
としてごまかされたのである。顕宗紀(けんそうき)には市辺押磐皇子と夷(はえ)
媛(ひめ)との間に最初に生まれた子を居夏媛(いなつひめ)としている。しかし居
夏媛は市辺押磐皇子の子ではないのである。仁賢天皇財皇子
が播磨の国で迎えた妃が居夏媛(いかひめ)であり、財皇子と居夏媛との
間に生まれた子が顕宗天皇(けんそうてんのう)弘計王(こおけのみこ)なのである。しかし仁賢天
皇財皇子と顕宗天皇弘計王とを兄弟としてごまかしたために
仁賢天皇妃居夏媛(いかひめ)が宙に浮いてしまったのである。それで居
夏媛を市辺押磐皇子の子としてごまかしたのである。

《日本の歴史と最後の審判〈22〉-2 第二十二章反正天皇磐坂市辺押羽皇子 p㊦478-5行～p㊦481-10行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修

[8] mixiユーザー 07月18日 12:30

『日本の歴史と最後の審判』〈22〉-3

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十二章　反正天皇磐坂市辺押羽皇子
（p㊦481／p㊦475～p㊦490）

>p481-11行～

　反正紀には元年冬十月に河内の丹比(たぢひ)に柴籬宮(しばかきのみや)を建てたと書
かれている丈であり、それ以外に反正天皇の治績は全く書か
れて居らず、五年の春正月に天皇が死去したと書かれている
のみである。しかし反正天皇の治世は二年しか続かなかった
のである。それは反正天皇元年、即ち４０４年に百済救援の

>p482

ために大軍を派遣したのであるが、高句麗と戦って大敗し、
多くの將兵が帰って来なかったのだと思うのである。それで
百済へ大軍を送った反正天皇の立場が極めて悪くなり、兄弟
達から退位の勧告が出されたのだと思うのである。それで反
正天皇の治世は二年で終わり、日本書紀の允恭天皇(いんぎょうてんのう)、即ち本
当の清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)が即位したのだと思うの
である。しかし反正天皇は周囲の人々から退位させられた丈
で死去したのではないのである。
　允恭紀は五年の秋七月に瑞歯別皇子の殯(もがり)をしたと書いてあ
る。死去して五年後に殯をすると言うことは考えられないこ
とである。そして反正天皇は瑞歯別皇子ではないのであるか
ら瑞歯別天皇の殯をしたと言うのは嘘であり、反正天皇磐坂
市辺押歯皇子の殯をしたと言うことになるのである。もう一
つ雄略紀には安康天皇が殺された後、雄略天皇が市辺押磐皇
子を狩に誘ひ出して近江の国の来多綿(くたわた)の蚊屋野(かやの)で騙し討ちに

>p483

して殺したことになっているのである。これはつまり反正天
皇は瑞歯別命であり磐坂市辺押羽皇子は履中天皇の皇子であ
ると思わせるために別人にしてごまかしている丈である。そ
れで瑞歯別天皇と市辺押磐皇子とは別の年に別の場所で死去
したことにしてうまくごまかしているのである。日本書紀の
雄略天皇、本当は仁徳天皇皇子武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)が
反正天皇磐坂市辺押羽皇子を殺したのは事実なのである。
　だから反正紀で反正天皇が治世五年に宮殿で死去したと言
うのは大嘘であり、反正天皇は近江の国の蚊屋野で武烈天皇
に殺されたのである。しかし反正天皇が殺された年は安康天
皇が殺された年ではなく、允恭紀五年に天皇が瑞歯別天皇の
殯をしたと言う年のことである。つまり反正天皇の治世五年
に天皇が死去し、その翌年に允恭天皇が即位し、允恭天皇の
五年に瑞歯別天皇の殯をしたのではないのである。
　反正天皇は４０４年に即位して４０５年に退位させられ

>p484

たのである。そして皇族や群臣達は反正天皇が退位する以前
に仁徳天皇皇子清寧天皇雄朝津間稚子宿祢皇子を新しい天皇
に立てようとしたのである。しかし清寧天皇雄朝津間稚子宿
祢皇子は反正天皇がまだ天皇として国を治めているのに自分
が天皇になれば天皇が二人いることになるから何度も辞退し
たのである。
　しかし反正天皇に好意を持っていない群臣が多くて無理に
雄朝津間稚子宿祢皇子を天皇に立てたのである。それでさす
がに反正天皇も都へ居れなくなって河内の丹比(たぢひ)の柴籬宮(しばかさのみや)を去
ったのである。しかし反正天皇は瑞歯別皇子で治世五年で死
去したことになっているから、本当の反正天皇磐坂市辺押羽
皇子が河内の丹比(たぢひ)の柴籬宮を去ってから、どこでどうしてい
たかと言うことはすべて消されていて判らない訳である。
　しかし顕宗紀に奇怪なことが書かれていることに注意しな
ければならないのである。即ち顕宗天皇興計王(こおけのみこ)が播磨の国の

>p485

縮見屯倉首忍海部造細目(しじみのみやけのおびとおしぬみべのみやつこほそめ)の家で「市辺宮(いちべのみや)で天下を治めた天萬(あめよろづ)
国萬(くによろづ)押磐尊(おしはのみこ)の子孫である」と自分達の身分を明かしたことに
なっているのである。しかし古事記にも日本書紀にも履中天
皇皇子磐坂市辺押羽皇子が天皇として即位したとか市辺宮(いちべのみや)で
国を治めたとか言う様なことは全く書いてないのであるから
顕宗紀に書いてあることの本当の意味を理解出来た人は誰も
いないのである。

《日本の歴史と最後の審判〈22〉-3 第二十二章反正天皇磐坂市辺押羽皇子 p㊦481-11行～p㊦485-7行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年

[9] mixiユーザー 07月24日 12:01

『日本の歴史と最後の審判』〈22〉-4

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十二章　反正天皇磐坂市辺押羽皇子
（p㊦485／p㊦475～p㊦490）

>p485-8行～

　反正天皇磐坂市辺押羽皇子は治世二年、４０５年に丹比(たぢひ)の
柴籬宮(しばかさのみや)を去って皇后夷媛(はえひめ)の郷里である近江の国の羽田氏の本
拠である現在の滋賀県八日市市市辺へ行ったのである。市辺(いちべ)
の近くには下羽田(しもはた)と言う地名もあり、その地方が羽田氏の本
拠だったのである。そして反正天皇は市辺に宮を立てて再び
天皇として国を治めようとしたのである。だからそれ以来清
寧天皇雄朝津間稚子宿祢皇子と反正天皇磐坂市辺押羽皇子の
二人の天皇が国を治めると言うことになったのである。

>p486

　そしてどれ丈の人々が反正天皇を支持したかと言うことは
判らないけれども丹比の柴籬宮から反正天皇について市辺宮
へ移った人々もあったことは事実である。だから雄朝津間稚
子宿祢皇子は天皇として即位はしたけれども、二朝が並び立
っているのであるから政治をすることが甚だ困難であったこ
とは確かであろう。それで天皇や群臣達が協議して近江の国
の市辺宮の反正天皇を殺して朝廷を一つにまとめようと言う
ことになったのだと思うのである。そして反正天皇を殺すこ
とを引き受けたのは小泊瀬稚鷦鷯皇子だったのである。
　古事記では淡海(あふみ)の佐々紀(ささき)の山君韓袋(やまのきみからふくろ)が淡海の来多綿(くたわた)の蚊屋(かや)
野(の)には猪や鹿が沢山いるから狩をしましょうと雄略天皇にす
すめたので雄略天皇は市辺押磐皇子(いちべのおしばのみこ)を誘って蚊屋野へ行って
騙し討ちにしたことになっている。日本書紀では雄略天皇が
市辺押磐皇子の所へ使者を派(つかは)して、近江の狭狭城山君(ささきのやまのきみ)韓袋(からふくろ)が
近江の来多綿(くたわた)の蚊屋野(かやの)に猪や鹿が沢山いると言っているから

>p487

一緒に狩をしませんかと誘ったことになっているのである。
しかし日本書紀の雄略天皇、本当は武烈天皇が市辺押磐皇子
を狩に誘ったと言うのはおかしいのである。
　何故ならば武烈天皇小泊瀬稚鷦鷯皇子は住吉仲皇子の同母
の兄弟であり、住吉仲皇子を殺したのが他ならぬ反正天皇市
辺押磐皇子だったのであるから小泊瀬稚鷦鷯皇子は反正天皇
を憎んでいたのである。それで自分から反正天皇を殺す役を
引き受けたのである。だから反正天皇がそのことに気付かな
いはずがないのであり、反正天皇が狩をしようと言う小泊瀬
稚鷦鷯皇子の誘いに乗って一緒に行く訳がないのである。
　反正天皇は近江の国の市辺宮で天下を治めていたのである
から近江の国一帯は当然反正天皇の支配下にあったと思われ
るのであり、狭狭城(ささき)の山の君韓袋(からふくら)らも反正天皇の支配下にあ
ったのである。それで小泊瀬稚鷦鷯皇子は狭狭城山君(ささきのやまのきみ)をそそ
のかして反正天皇を蚊屋野へおびき出す様に命令したので

>p488

る。狭狭城山君韓袋は反正天皇に蚊屋野で狩をすることをす
すめてまんまと反正天皇をおびき出すことに成功し、反正天皇は手ぐす
ねひいて待ち構えていた小泊瀬稚鷦鷯皇子らに矢を射られて
殺されたのである。

《日本の歴史と最後の審判〈22〉-4 第二十二章反正天皇磐坂市辺押羽皇子 p㊦485-8行～p㊦488-4行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）七月
　　　　　　　　　

明土富士 (あけどふじ)

[10] mixiユーザー 07月28日 12:29

『日本の歴史と最後の審判』〈22〉-5(章終)

　✡ 執筆：平成七年（1995）安原修

第二十二章　反正天皇磐坂市辺押羽皇子
（p㊦488／p㊦475～p㊦490）

>p488-5行～

　小泊瀬稚鷦鷯皇子は兄の住吉仲皇子の仇を打ったことを満
足して反正天皇の遺体を穴を掘って埋めて都へ帰ったのであ
る。反正天皇が蚊屋野で殺されたことは市辺宮へ急報され、
市辺宮に住んでいた皇后夷媛と三人の子供は急いで宮を捨て
どこかへ逃げたのである。允恭紀の五年に天皇が瑞歯別皇子
の殯をしたと言うのは本当は三年、４０８年のことであり、
瑞歯別皇子の殯ではなく、蚊屋野で小泊瀬稚鷦鷯皇子に殺さ
れた反正天皇の殯をしたのである。しかし反正天皇の遺体は
小泊瀬稚鷦鷯皇子が穴を掘って埋めてしまったのであるから
遺体がないまゝに反正天皇の霊をなぐさめるための霊祭、言
いかえれば供養をした訳である。

>p489

　反正天皇は仁徳天皇皇子として３６９年に淡路宮(あはぢのみや)で生まれ
４０４年に三十六才で即位して丹比(たじひ)の柴籬宮(しばかきのみや)を建てたけれど
も４０５年に退位させられて柴籬宮を追われ、皇后夷媛(はえひめ)の郷
里近江の国の市辺へ移って再び天皇と称したのである。それ
で多くの人々から憎まれ、遂に小泊瀬稚鷦鷯皇子のために蚊
屋野で殺されたのである。故に反正天皇の治世は柴籬宮で二
年、近江の市辺宮での三年を加えれば五年となるけれども、
市辺宮での治世三年は清寧天皇雄朝津間稚子宿祢皇子の治世
と重なるのである。
　故に反正天皇は治世五年で４０８年に享年四十才で死去し
たのである。その年に仁賢天皇財皇子は僅か六才だったので
ある。そして姉の財皇女が九才位、長男の御馬皇子(みまのみこ)が十二才
位だったのではないかと思う。御馬皇子は小泊瀬稚鷦鷯皇子
らに捕まって殺されたけれども財皇女と財皇子は逃れて生き
延びたのである。

>p490

　反正天皇と言う諡は正義に反した天皇と言う非常に悪い意
味の諡である。それは反正天皇が丹比の柴籬宮を追われた後
も尚近江の国の市辺へ移って更に天皇として国を治めようと
したことから多くの人々に嫌われたために反正天皇と
言う不名誉な諡を奉られたのである。また反正天皇を天萬国(あめよろづくに)
萬押磐尊(よろづおしばのみこと)と言うのも決して良い意味の名ではないのである。
天萬国萬(あめよろづくによろづ)とは現代の言葉で言えば海千山千(うみせんやません)と言う言葉と大体
同じであると考へられるのである。あの人は海千山千(うみせんやません)だと言
えば手に負(お)えないしたたか者で煮(に)ても焼(や)いても喰えない様な
人間のことであるが、反正天皇磐坂市辺押羽皇子もその様な
性格の皇子だったのである。

《日本の歴史と最後の審判〈22〉-5(章終) 第二十二章反正天皇磐坂市辺押羽皇子 p㊦488-5行～p㊦490-11行》

　✡ 執筆：平成七年（1995）
　　　　五瀬命正統
　　　　国常立尊分霊.. 安原修(やすはらおさむ)

✡ 記：

令和五年（2023）七月
　　　　　　　　　

明土富士 (あけどふじ)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ