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日本とイランの関係コミュの現代中東イスラーム世界・フィールド研究会

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http://islam-field.hp.infoseek.co.jp/islam-field.htm#This%20Month's%20Events
(表紙ページ+ニューイベント)

http://islam-field.hp.infoseek.co.jp/all.htm (ワークショップについて)
All ABOUT THIS WORKSHOP

 現在、中東・イスラーム世界は急速に変化しています。また、それに伴い、中東・イスラーム研究をとりまく状況も変化しています。研究領域では、学際的な傾向が強くなり、従来の学問領域の境界の溶解は進んでいます。こうした状況下、社会学、政治学、経済学、宗教学、人類学、歴史学、思想研究、地域研究など、多様なディシプリン、研究対象、地域などに関わる研究者が集まり、討論することはより重要になっています。そのため、本研究会では、ディシプリン、地域、研究関心、研究対象などに制限を加えず、院生や若手研究者が集り自由な討論と情報交換できる場を目指しています。

 本研究会は研究会の名称からもわかりますように、当初、現代中東・イスラーム世界研究に関する社会科学の理論、イスラーム思想、フィールドワークの方法論などについて討論することを主な目的として発足しました。しかし、上で述べたような著しく変化している社会・研究状況に対応するために、ディシプリン、研究対象、地域などを幅広く横断する学際的な研究会を目指しています。

 研究会のほか、メーリングリストを利用した情報・意見交換、他の研究会との共催による研究会などによる活動を行っています。ご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。
  

[運営方針]

 ・基本的に年6回程度、研究会を開催する予定です。
 ・他の研究会との共催による研究会を随時募集しています。
 ・本研究会では発表者を随時募集しております。
  お問い合わせは、islam_field[at]infoseek.jp までお願いいたします。 お手数ですが、[at]を@に変えて、
   送信してください。

[発表形式]
  
 ・研究発表(1時間程度)
 ・コメンテーターによるコメント
 ・質疑応答(1時間程度)
 ・発表要旨は基本的に司会の方にお願いしています。 

[MLに関して]

 ・どなたでも参加いただけます。
 ・参加者は研究・研究会情報をご自由に流して下さい。

コメント(3)

(副管理人:ちょっと古いですがイランの最高指導者ハメネイについての分かりやすい記述ありにて)

現代十二イマーム派におけるマルジャア・アッ=タクリード研究序説
   黒田賢治(北海道大学大学院修士課程)2006年3月10日
 昨今、イラン、イラク及びレバノンなど、十二イマーム派(以下、シーア派)のムスリムが多数を占める地域が注目を集めている。特にイラクでは国家の成り行きに関し、シーア派の動向に強い注目が集められている。本稿で紹介するマルジャア・アッ=タクリード(模倣の鏡・習従の源泉。以下、マルジャア)は、現代のシーア派を理解する上で非常に重要な存在である。それは先に述べた地域において、マルジャアが宗教的領域だけでなく、時に政治的にも影響力を持っているためである。簡単にいえば、マルジャアとは信徒の模範となる法学者に対する呼称であると同時に、マルジャアの裁定した法学見解に信徒が追従する制度を意味する。以下では、このマルジャアに関する概略的な説明を行う。なお本稿においては、便宜的にマルジャアである法学者個人を「役職マルジャア」、「役職マルジャア」と一般法学者、一般信徒によって構成される制度を「マルジャア制度」と呼ぶ。1
 現在の「マルジャア制度」の展開に関しては、18世紀に法解釈(イジュティハード)2を強調するウスール学派3の復興によって生じた2つの現象が重要な論点となる。第一に、法学者と法解釈を行うことの出来ない一般信徒の差が以前よりも明確になり、その結果、法学者の宗教的権威が強固なものになった点である。第二に、法解釈の能力差に起因する法学者間の差異化が生じた点である。例えば前者に関して、信仰箇条を除くイスラームの知識に関しては、法解釈を行うことのできない一般信徒は法学者に従うことでその禁止が免除される。クルアーンでは他人への盲従を禁止しているが4、イマームの言行録に許可された尊従があり、法学者への追従はその許可された尊従にあたると説明されている5。 
 現代の「マルジャア制度」に繋がる最初の「役職マルジャア」は、ムハンマド・ハサン・ナジャフィー(1266/1849-50没)である。6そしてその弟子ムルタダー・アンサーリー(1281/1864没)が「役職マルジャア」に指名されて以降、「マルジャア制度」が展開したと考えてよい。また当初、「役職マルジャア」は一人の法学者に限られていたが、1895年のムハンマド・ハサン・シーラーズィーの没後、複数の「役職マルジャア」が存在するようになった7。研究上明らかにされていないが、複数の中の一人を「役職マルジャア」の長(marja‘ al-a‘zam)としてみなす風習もあるという8。しかし基本的に一般信徒はそうした風習に従い、「役職マルジャア」の長を自らの尊従の対象とする義務はない9。そのため、現在では十数人の「役職マルジャア」が並存している。
 「役職マルジャア」の承認に際する、先代の「役職マルジャア」からの後継者指名や選挙など定まった方法はない10。「役職マルジャア」になる基本的資格は以下の6つである。1)法学に関する熟練(法学者)、2)理性、3)信仰、4)公正、5)嫡出子、6)男子である11。またそれら以外にも指摘される条件がある。例えば、信仰生活の『指針の書(tawdih al-masa'il)』を著すこと12、名声のある法学者からイジャーザ(免状)を受けていることなどである。つまり有識であることを明確なかたちで示すことが重要な条件なのである。
 
(つづく)
(つづき)

これらの要件は、一般信徒の承認・支持によって体現されることになる。その承認・支持とは、一般信徒が一人の法学者を「役職マルジャア」であると認め、彼に尊従することに他ならない。尊従を決定する際には、自身による確信13、二人の信頼できる人物との相談、過ちを犯さないような法学者との相談が法学的に条件として定められている14。しかし現実的には、尊従する「役職マルジャア」を決める際に、一般信徒は、「役職マルジャア」の名声、出身地や生育地などによって決めることもある。ちなみに、一般信徒は尊従する代わりに、「役職マルジャア」に対して宗教税15を納めることになっており、それが尊従の証であると考えられている。 
 現在の「役職マルジャア」の中にハーミニイー師16とファドルッラー師がいるが17、両者の存在によって「役職・制度マルジャア」の概念に変化が生じた。既述したとおり、伝統的には「役職マルジャア」である条件は、知識、敬虔さ及び、名声のある法学者であることである。しかしハーミニイー師は自身も認めているように、「役職マルジャア」となるほど有識な法学者ではなかった。しかしイランの法学者の間で激動する国際情勢など社会的見識の優れた者を「役職マルジャア」にする必要があると主張されたのである。つまり「役職マルジャア」となる条件・資質に、宗教的資質だけではなく、従来にはなかった世俗的見識の広さが加えられたのである。またファドルッラー師は、「役職・制度マルジャア」が宗教的権限だけではなく、政治的権限をも有するとして、「役職・制度マルジャア」の権限に関する再定義を試みているといわれている。このようなウンマ的(政教一元論的)世界観に基づく彼の「役職・制度マルジャア」の再定義は、ローマ教皇制に類似した概念であるとも言われている18。
 最後に、現代マルジャア研究の今後の展望に繋がるであろう2つの例を挙げる。マルジャアに関して注目するべき昨今の事柄として、「役職マルジャア」と一般信徒の関係性の変化が挙げられる。近年では西洋諸国へのアラブ移民の第二世代、また非アラビア語文化圏の一般信徒など、アラビア語を読むことができない一般信徒が増加している。そのため母語もしくは英語で翻訳されている『指針の書』を著した「役職マルジャア」に尊従するケースが増えている。19この例は現代社会における宗教的知識の「大衆適応の重要性の増加」による現象と捉えることが可能であろう。
 またインターネットの普及によって、『指針の書』に記されていない問題に関して、「役職マルジャア」にウェブサイトから直接質問することが可能になった。現実的には、「マルジャア制度」の高度な組織化と重なり、「役職マルジャア」本人ではなく組織を運営する一般の法学者が質問に返答している20。これは通信手段の発達によって、一般信徒が「役職マルジャア」に対して簡単に質問できる機会が増加し、それに応えるために、「マルジャア制度」における一般法学者の「相談受付係り」としての重要性が増している事例である。

(副管理人:文献などは割愛)
http://islam-field.hp.infoseek.co.jp/islam-field.htm#This%20Month's%20Events

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