ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

READINGTHOUGTコミュのvol.1

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「機能から様相へ」の要点

*「空間は便宜的な解釈である」(5頁)リーマンの言葉。

*「私たちの時代は、相対論の時代である。私たちは、絶対的なるもの、不動なるものから遠ざかって行く」(244頁)

*近代建築 機能ー身体ー機械

 現代建築 様相ー意識ーエレクトロニクス装置(239頁)

ここで「意識」と呼ばれるものは、「現象学的身体」という意味における意識である。

前者はハイデッガーに象徴される。すなわち主体が環境に(あらかじめ)備わっている意味を取り出し、<道具>として利用するという関係論。対して、様相論では主体と環境が交接したときはじめて生成される<図式>に意味があるとする。そして、その<図式>が生成する<場面>こそが主題となる。

*<図式>のなかでも建築が扱うのは、身体性と強く結びついている<情景図式>である。

*<様相>とは「経験を通じて意識によって生成され、保持される情景図式の様態」たとえば「見えがかり、外見、あらわれ、表情、記号、雰囲気、たたずまいなどと表記される現象」である。(224頁)

*言い換えれば、<様相>とは表層的であり、かつ状況的である。深層と表層、実体と仮構、全体と部分などの境目がそもそもない。こんな感じ?

*<様相>に着目すると、アフターモダニズムの二つの特徴が同時に語られ得る可能性がある。

1.ポストモダニズムの表層への傾斜

2.ポスト・ポストモダニズム(現代建築)の現象への傾斜

多種多様なモダニズムの運動は、関係論的という点ですべて、均質空間の登場によりご破算となる。均質空間は相互に関係しないあらゆるモノを、ただ同時並列的に受け容れる。そのため関係美の機能主義建築も、関係美の破壊であるシュルレアリスムも価値を失ってしまう。

建築史的に考えると、そのときモダニズムはポストモダニズムへ変動した、と言えるかもしれない。機能(関係)が意味を失ったとき、非機能的なものへ目が向けられる。

本来、それが<様相>であるべきだった。けれど周知の通り、ポストモダニズムにおいて<様相>は記号や表層といった、矮小化されたかたちで利用された。古典主義建築を記号的に再利用することは為されても、それが持っていたはずの雰囲気、佇まいといった印象的な要素は置き去りにされた。

五十嵐太郎は、ゼロ年代の現代建築の特徴を指して、「記号の操作から現象の操作へ」とまとめている。これは設計の操作対象が、建築の構成要素から使われ方や営まれる生活などへ変わったことも意味しているだろう。原広司の文脈に沿えば、<道具>としての建築から現象学的身体を包む空間としての建築への変化である。使われるガワではなく使う主体に着目すること、これは設計がより原理的になったと言える。ちなみにこの傾向こそ、「アーキテクチャ」が拡大化する理由でもある。

あるいはこの傾向は、建築が<様相>へとより近づく道程として、まとめられるのではないか。そしてそれは、表面上の推移がどうあれ、問題構成が変化していないのを意味する?

*議題

現代建築で用いられるキータームのひとつに「関係性」がある。一方で近代機能主義においても「関係性」は問題の中心にあった。時代を越えて現れる「関係性」という言葉。両者を同質と見るか、あるいは差異をどこに見出すか。

私見

現代建築で用いられる「関係性」は、近代機能主義における「関係性」とは別種のものと考えたほうがよい。図式化すると、

近代における「関係性」 必然的 身体的 強力 モノ的 機能 

現代における「関係性」 可能的 感覚的 弱力 コト的 図式 

とでも言えようか。つまり現代において「関係性」はより抽象化して、実体的なつながりから非実体的なつながりへと変化したと解される。さらに言えば、「関係性」はそれだけで建築と成る主題的なものから、建築へと向うための操作因子のひとつとなったのである。これは図式に対し、常に「空間」という不確かなものが超越的に担保されていることから(たとえばSANAAの発言)、明らかなように思われる。近代の建築を評して<機能主義>とするのはあながち間違いではないが、現代建築を<図式主義>としては零れ落ちるものが多すぎる、と考えれば、そう理解が出来ると思うのだけれど、果たして。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

READINGTHOUGT 更新情報

  • 最新のトピック

  • 最新のイベント

    • まだ何もありません

  • 最新のアンケート

    • まだ何もありません

READINGTHOUGTのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。