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鎌倉崎の伸ちゃんコミュの第一話

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 2009年7月・・・・

「あにきぃ〜! 大変だぁ」と相沢誠が事務所に駆け込んできた。

「誠ぅ、おめぇ何回云えばわかんでぇ? 八代目って呼べってんべぇ」と柴橋伸二はディスクに座って云った。



「は・八代目ぇ、祇園様の割り振りで若松の桃園一家が暴れてんす!!」

 柴橋伸二は今年正月に父伸介からここ南会津の地に250年続く香具師「鎌倉崎一家」を継承した八代目である。

 毎年この地で行われる祇園祭の庭場はこの鎌倉崎一家が屋台の割り振りをしてこの祭りを仕切っているのである。


 「なんだとぅ? 誠、今からいぐどぅ!!」と相沢誠を伴い柴橋伸二は祇園祭の行われる田出宇賀神社へと急いだ。



 神社境内には、鎌倉崎一家代貸の湯沢元と桃園一家代貸の小山が今にも殴りあう形相であった。


 「はじめ、どうしたんで?」と柴橋伸二が

 「あっ、伸ちゃん・・じゃなかった八代目」伸二と元は同い年で幼馴染であった。

 「鎌倉崎のぅ、オメぇんとこは身内ばっかりいい場所取って、よその一家はどうでもいい場所ばっかりじゃねぇけぇ? どうなってんだぁ?」と小山が食って掛る。


「小山の代貸ぃ、そんな事はねえべぇ。 ちゃんと桃園一家にやぁ、鳥居のところと、本殿のところに2箇所用意したんですがねぇ?」と伸二はとりあえず下手にでた。

「八代目ぇ、鳥居と本殿っってもよぅ、右側じゃぁ参拝の客は買ってくれめぇ。 帰り道の左側にしてくんねぇけぇ?」と小山

「代貸ぃ、そんあこたぇねぇべぇ。 もう決めっちまったんで勘弁してくれやぁ」

そこに・・・「なぁにがぁ! このあんちゃんがぁ〜!!」と桃園一家で焼きソバを焼いている山口が伸二に食って掛った。


「なんでぇ、にいちゃん? 俺のことけぇ?」と伸二が怒りの形相で・・・

「てめぇは黙ってろぅ!!この飲茶やろう!!」と小山は山口を一喝する・・・

「そんなんでよぅ、八代目ぇ、頼むよぅ!!」と食い下がる小山である。


・・・・・そのとき・・・・伸二の後ろに回りこんだ山口が・・・・腰に差していた短刀をこしだめにして、伸二の脇腹めがけて・・・


「うっ、・・・くぅぅぅぅぅ・・・・」

「八代目ぇ!!」

「あにきぃ!!」

「伸ちゃん!!」

 意識が薄れる中、伸二は・・・・・

「あぁ、おらぁ・・・もう駄目だべかぁ?・・・オヤジぃ・・・」


・・・・・・1985年7月・・・・某県カスケベ市・・・


「伸二ぃ・・伸二ぃ・・」誰かが俺のこと揺さぶっている・・・俺は死んだんだねぇのかぁ?

 カスケベの馬場一家の見習い達のタコ部屋である。

 伸二を揺起こしているのが同い年でここ馬場一家に見習いに来ている「中山仁」である。

 二日酔いに似た朦朧とした意識のなか目を開けた伸二に仁は

「どうしたんでぇ? 魘されてたどぅ?」

「あぁ? オメぁはぁ、仁じゃねぇけぇ?なんでココにいるんでぇ?」

「谷田部で代貸やってんじゃねぇんけぇ?」と仁に向かって矢継ぎ早に質問を浴びせる伸二である。


「オメ、なぁにいってんでぇ? 谷田部は3月に出てきたばっかりだんべよぅ〜。」

「代貸なんてオラぁなってねぇどぅ。俺らぁ馬場一家の見習いだんべぇ!」

地元の的屋の跡継ぎに生まれた伸二も仁もその年の春に中学校を卒業しココ、カスケベの香具師「馬場一家」に修行に来ていたのである。

・・・・・・「むぅぅ、馬場一家ぁ?じゃぁ今は1985年でぇ、俺は16歳なんけぇ?」・・・・


 ・・・桃園一家の山口に刺されたまでは覚えてっけどぅ・・・今は16歳?・・・・どうなってんだぁ?・・・・






♪〜ふぉやぁのぅ〜ちをぅひくぅ〜兄弟ぃぃ〜よりぃもぅ〜♪・・・


 伸二のジーンズのポケットから携帯のアラーム音が鳴った。


「な・なんでぇ?伸二ぃあの音はぁ?」


「おぅ、目覚ましだぁ〜」と何気なく伸二はアラーム音を止めた。

 伸二の携帯は最近買い替えたばっかりの太陽電池防水携帯である。


「な・なんでぇその計算機みてぇなヤツ?」

「あぁ? 携帯だべなぁ」

「なんでぇ、携帯ってぇ?」

1985年には携帯電話(ショルダー式の大型)が売り出せれたばかりで、仁などの見習いには当然持つことが出来ない代物である。

「ああぁそうかぁ〜、この時代には未だねぇよなぁ〜・・・・やっぱり俺は時代を戻ってる・・・しかも今までいた時代の物を持ち込んで・・・・」


「なぁに云ってんでぇ?この時代ってぇ?」

「あぁ、なんでもねぇよ。 これって昨日、西口で外人が売ってたんだぁ」と仁に云っても説明が面倒なのでごまかした。


 「ところで伸二よぅ、こんだのカスケベ祭にぃ、若松から桃園一家の代貸と見習いが来るんだとよぅ。 オメんとこのオヤジさんの鎌倉崎一家ともめなきゃいいだけんどなぁ?」

 「なにぃ?代貸ってぇ小山のヤロけぇ?」自分が刺された原因の小山がこのカスケベに来ると聞いて、伸二は・・・

「なぁにいってんだぁ? 代貸は鈴本ってぇヤツだどぅ。 小山は見習いだんべよぅ」

 小山も伸二と同年で若松の桃園一家に入ったばかりであった。・・・・・・





つづく

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