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カーテン・コール手帖コミュのわかぎゑふ「タン・ビエットの唄〜美しき別れ〜」

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2004年4月29日(祝)
シアター・ドラマシティ
興行2日目・3公演の内の最終公演
観客105%

わかぎゑふ脚本というだけで見に行くことにしたミュージカルである。

原案・演出・振付は謝珠栄。このひとについてはほとんど知識がないが、宝塚にいたひとと聞いた。

タン・ビエットというのははっきりとは分からないが、ベトナム語で別れの言葉なのではないか。

ベトナム戦争の時代、生き別れになった姉妹の追慕と惜別を描いたもので20年間に及ぶストーリーである。

ミュージカルであるから20曲近くのナンバーが歌われるが、こころに沁みこんでくるような美しい曲も数曲あり、多くは「シェルブールの雨傘」のように科白がそのまま歌曲に移ったようなナンバーが主体なので印象は随分と変わったものとなる。

しかし題材が題材ゆえに、この方法は見事に合った。

というのもキレイキレイというストーリーでなく、べト・コンのなかに育った姉妹のはなしだから、民族運動の思想や挫折がきちんと描かれなければならない。

そのために前半75分後半60分は休憩を挟む構成となった。休憩になったとき周囲の婦人たちが「なんや、深刻な芝居やね」と言いつつトイレに立ったとき、それは観客の偽らざる感想であったと思う。

だが、この前半の重さが後半になってボディ・ブロウのように効いてくるのである。

とくにラスト20分間は場内すべてが嗚咽か慟哭、ちょっとましなひとでハナをすすり上げている状態となる。

ボクも恥ずかしいものだから、借りたオペラ・グラスをずっと覗き込み主役の愛華みれと土居裕子の表情に注意を注ぎ込んでいたのだが、まるで潜望鏡を覗いているように彼女たちの美しい顔が波間に揺れ動いた。

 宝塚男役出身の愛華みれの太く低い声が、土居裕子の透きとおるような美しい高音とからむナンバーでは驚くべき効果をあげた。

これぐらいの重たい内容をもりこんでいいはずだと感じ入った。

謝珠栄の振付は中国風バレエのように優雅な美しさに満ちていて、アオザイをまとったダンサーたちの所作は輝いていた。

舞台を縄で編んだロープ・スクリーンで奥4割のところで仕切り、回想や戦闘シーンに使用する手法はフラッシュ・バックやカット・バックなどの映画的手法の応用で実に巧みであった。

 フィナーレからアンコール5回。

車椅子の4人の人を除くほぼ全員の観客が総立ちとなった。

最後に出演していた沢木順さんが「この舞台をもって35年間の役者生活を終え、親父の世話に福島に帰ります」とコメントしたとき、場内は再び歓声に包まれたのだった。(共演者はほかに畠中洋、宮川宏、堀米聡ら。)

土居裕子の歌声はBS2の「ふれあいホール」という番組でも聞けるかもしれない。
司会を務めているからである。(★★★☆☆☆)

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