算数「かけ算の順序」を考えるコミュの「算数授業研究　VOL.80　特集　かけ算を究める」をみんなでつつく

http://www.toyokan.co.jp/book/b99773.html

かけ算は、教師の問題意識が集中する指導内容である。本号では、最先端のかけ算の教材やその指導法はもちろん、「かけ算とは何か」「かけ算指導の歴史」「指導にまつわる様々な考え方」といったテーマについて論究する。「かけ算指導」のバイブル的一冊。

著者筑波大学附属小学校算数研究部企画・編集

ジャンル定期刊行物 > 算数授業研究

出版年月 2012年02月
ISBN 9784491027814
判型・ページ数 B5・72ページ
定価定価800円（本体価格762円）
在庫在庫あり

特集　かけ算を究める

　盛山隆雄　　巻頭言
かけ算指導の本質
　杉山吉茂　　かけ算の意味
かけ算の歴史に学ぶ
　礒田正美　　我々は，何を，なぜ，いかに教えるか
かけ算の意味指導の歴史
　手島勝朗　　乗法の意味指導をめぐる論点
かけ算指導の歴史
　田端輝彦　　昭和30年代の割合論争における量×割合と量×量の意味とその拡張の仕方について
かけ算の指導の問題点
　清水美憲　　かけ算の学習指導における論点は何か
学習指導要領の目指すかけ算の指導
　笠井健一　　かけ算の指導の概観
かけ算の指導の系統性
　田中博史　　かけ算の指導の系統について
かけ算の導入授業
　黒澤俊二　　かけ算の意味の拡張の授業について一提案
　山本良和　　「かけ算」の導入で意識すべきこと
　盛山隆雄　　かけ算九九の導入
かけ算九九の歴史
　坪田耕三　　かけ算九九の歴史
かけ算九九のきまり
　中田寿幸　　かけ算九九のきまりは，交換法則・結合法則・分配法則に帰着する
九九表の魅力
　夏坂哲志　　見方を変えると，面白いきまりがいっぱい
アレイ図を用いた指導
　守屋義彦　　まずは『が』のかけ算を大切に
小数のかけ算の意味指導
　中村享史　　かけ算の意味の拡張を意識させる
　池田敏和　　小数のかけ算の意味をいかに拡げるか
　細水保宏　　小数のかけ算の意味指導で大切にしたいこと
分数のかけ算の指導
　大野　桂　　形式へ至ることを目標とする（分数）×（分数）の計算指導
　清野辰彦　　「生きた知識」を活用する分数のかけ算の学習
かけ算の式に順序はあるか
　正木孝昌　　「かけ算のイメージを育てたい」
海外のかけ算の指導
　高橋昭彦　　小学校でかけ算を教えるのは何のためか

研究発表
　大野　桂　　「極限の考え」を育む
　中田寿幸　　かけ算九九のきまりはかけ算を構成しながら発見させていこう
　盛山隆雄　　かけ算九九の活用教材の開発
　山本良和　　「かけ算」九九の導入における乗数の範囲
　夏坂哲志　　「ふたのない箱」で考える効果
　田中博史　　目的は，「置き換え」の力を育てること
　細水保宏　　教材研究で，新しいものが見えてくる算数的活動の場を創る

　かけ算を指導するいろいろな教具
　中田寿幸　　見て，触って，楽しく繰り返し学べる教具

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[12] mixiユーザー 02月29日 11:45

＞K.K＠cozycubeさん
＞一生懸命に水道方式やら量の理論やらの粗探しをしたり。

私はそこの部分は、正当な批判だと思いました。以下、私の日記から

私自身、小学校低学年の子に算数を教えた経験は皆無に等しいが、「こう言うことがあるんじゃないか」と予想していたことが実際にあると言うことが分かった。

　２×１＝２　２×２＝４　２×３＝６、・・・というのをどんどんやらせて、２×９で止めないで、２×１０、２×１１、と進める。

Ａ　何の違和感もなく平然と続ける子
Ｂ　戸惑う子

がいるという。先取り学習で九九をやった子は、Ｂになりやすいようである。

さもありなん。

中高生に例えると、「ｘ^x＝２７を解いて」という問題の反応に相当する。方程式を習っていない子には、「こういう具合になる数ｘを求めて」という。

方程式を習っていない子は、ｘに色々当てはめてｘ＝３と出すのだが、
高校生で指数対数をやった子は、対数を使ったりしてあれこれこね回してしまうことがある。

展開の公式を暗記している子は、（ｘ＋ｙ）^3に戸惑うが、
暗記しないでその都度括弧を１つずつはずしている子は、粛々と展開できる。

中高生に数学を教えるのと小学生に算数を教えるのは違うとは思うが、本質的な部分というのはあまり変わらないのかも知れない。

かけ算を同数累加として導入するか否か、というのも、論じられている。

　これに関しては、私は、基本的に同数累加でいいと思っている。なぜなら、既に分かっている足し算の延長とすることで、「分からなくなったら足し算に戻ればいい」という安心感があると思う。

　水道方式を標榜する人は、「小数や分数のかけ算で躓く」というが、それが致命的で回復不可能な躓きとは思えない。

　とはいえ、私自身は教えた経験はないので、断言は出来ないと思っていたが、同数累加で導入して、分数や小数になれば、拡張していくという私の考えと同様ものが掲載されていた。

p4-7　かけ算の意味　杉山吉茂
＞私は、内包量の考えは、かけ算の前に割り算があるようであり、一皿分を内包量と見ることが不自然な気がする。同数累加のほうが自然な気がするのと同時に、きめていたことが不都合になったときには、それまでのことも含めて新しい自体に対応することを考えるという経験をすることも大切に思う。

p4-7　かけ算の意味　杉山吉茂
＞たし算の意味は、自然数から有理数に拡張されても変わらないが、かけ算の場合は、自然数のときに同数累加をかけ算の定義とすると、有理数では適さないので、かけ算の意味の拡張をすることになる。それがうまく行われていないことが問題である。
　それに対応する道は２つある。１つは、かけ算の意味を変えないように、かけ算の定義を考えることである。もう一つは、かけ算の意味を自然数のときは同数累加として、有理数のと気のかけ算の意味をうまく拡張することである。歴史上、数学教育協議会は前者の立場にたち、文部科学省は後者の立場に立っている。私も、自然数のときは同数累加で定義をし、有理数のとき意味の拡張をする立場をとっている。

　私もこの人や文科省と基本的には同じ立場である。

[14] mixiユーザー 02月29日 11:48

日記の続き

　さらにこの人の書き方に好感が持てるのは、問題提起して、２つの立場を紹介して、その上で「自分はこちらを選択する」と述べている点。その上で、両者の長所短所を述べている。

　水道方式を提唱する人の文章は、「同数累加では駄目だ。分数や小数で躓く」と、遠山啓の言葉を鸚鵡返しに言うのが多くて、底の浅さを感じてしまう。

　既出だが改めて挙げておく。

http://plaza.rakuten.co.jp/nakamoto1236/diary/
＞かけざんは、たしざんとは違うけいさんということで、２×３は２＋２＋２のことではなくて、
１当たり量のいくつ分で全体量を求めるけいさんのことだよということで、

何度も紹介しているが、導入方法として、「１当たり量のいくつ分で全体量を求めるけいさん」というのはまあいいとしても、「同数累加ではない」という認識はまずいだろうが。

http://www.inter-edu.com/forum/read.php?903,1013957,page=5
＞どろんこ氏
＞ところで、小学校での初めての掛け算は、足し算の延長線上として習います。
（家の子供の教科書はそうでした）
　　　　　　↑
　ここは微妙です。

典型的な遠山啓教条主義者なんだけど、遠山啓の「カード配りで逆順も正当化できる」という部分は何故かインプットされていなくて、「かけ算は同数累加ではない」というのは頭に入ってしまっている。積分定数
2012/02/27 03:42

瀬戸智子氏
http://ts.way-nifty.com/makura/2009/07/post-4df6.html
＞かけ算をたし算の延長のように教えているとしたら、それは問題では、、、と思いました。この教え方だと4×１、４×０、また分数や小数で子どもたちは戸惑ってしまいます

この人は以下のようにも言っている。

＞面積の公式は「縦×横」、と教えますが、これは板書で書くとき縦の線を先に書くことが多いので、まず縦、次に横の線を書くので「×横」としますが、
横の線から先に書けば横×縦でも交換は可能です。
ただ、この順番にも拘る教師がいるとしたら、
その教師は子どもに「立体の名称」を定着させるために、拘っているのかもしれません。

　長方形の面積の式にまで順序に拘ることは不問にしてむしろ擁護して、同数累加で導入することの方を問題視する、

　こういうのを見ると、水道方式というのは訳の分からない宗教のようにさえ思えてしまう。

　累乗を定義するときに、「負数乗や分数乗で躓かないために」という理由で、「１時間で２倍の質量に増殖する細菌が３時間で何倍になるかというのを、２^3とする。こうしておけば、1/2乗なら３０分後、－１乗なら１時間前を考えればいい」などということは普通はしない。

　「拡張するたびに定義を変更することを避ける」というのは難しい。おそらく人間の歴史も、個々人の認識も、自然数乗を理解して、「はてそれでは、－１乗は？」などと言う具合に発展すると思う。私もそうである。

　だから、「躓かないようにかけ算は累加ではなく・・・」というのを聞いたときに、上記のようなことが通用しない小学校低学年の特殊事情、（例えば、小学校低学年の段階では、最初に入った定義から離れられなくて、一旦累加で導入すると、小数や分数のかけ算を絶対に受け入れなくなってしまう子がいる、とか）があるのだろうか、と思っていた。

　しかし、「算数教育論究・かけ算を究める」に掲載された文章を読む限り、そのような記述はない。

瀬戸智子氏曰く、
http://ts.way-nifty.com/makura/2009/07/post-4df6.html
＞なお、アメリカの算数の考え方について、私が述べたのは「たし算の延長にかけ算があるような捉え方には問題があるかな？？？？」と言うことです。
３×４＝4＋4＋４
とすることで、子どもたちはかけ算を倍分と理解しがちなのです。
かけ算には倍分の意味もありますが、
これはたし算の延長ではなくマッタク別の演算なのですよね。
小学生の子どもにたし算の延長として教えると、
先に書いたように「×１」「×０」「×分数」が混乱する子が多く出るのです。

問題はその「混乱」が致命的で回復不可能なものなのかどうなのか、と言うことである。後で修復できるなら、多少の混乱や躓きはむしろ必要だとさえ思う。

というか、瀬戸智子氏自身が、教える方法としての概念・分類と、算数それ自体の概念・分類の区別が付いていなくて、混乱しまくり。

　こういう人が、自分では「算数教育に詳しい」と思い込んで子どもに教えていると思うと憂鬱になる。

[15] mixiユーザー 02月29日 11:58

私自身は、同数累加がいいと思うが、それが絶対良くて、１あたり×いくつ分が絶対に駄目だと言っているのではない。

　「１あたり×いくつ分がいい」と主張する人は、双方を比較して長所短所を認識した上で、「自分としてはこう教える」ということではなく、遠山啓か水道方式系の指南書に書いてあることを検証しないで鵜呑みにしてしまってると思われる。

　私の推測が正しいとすれば、算数・数学という、何が正しいかを自分自身で検証する教科を教える人の姿勢として、やはりまずいと思う。

[16] mixiユーザー 02月29日 17:54

「かけ算の延長に指数があるような捉え方には問題があるかな？？？？」
と言うことです。
3^4 を 3×3×3×3
とすることで、子どもたちは指数を累乗と理解しがちなのです。
指数には累乗の意味もありますが、
これは累乗の延長ではなくマッタク別の演算なのですよね。
高校生の子どもにかけ算の延長として教えると、
先に書いたように「 3^1 」「3^0」「3^(0.5)」が混乱する子が多く出るのです。

[19] mixiユーザー 03月01日 01:42

『算数授業論究?』は，まだ全部読んでいないが，素晴らしい論考もあった。

　夏坂哲志（筑波大附属小）さんの書かれた「九九表の魅力」と「「ふたのない箱」で考える効果」の２つ。
　
　前に「算数授業研究」のバックナンバーを見た時にも，九九表からいろいろな規則をここまで見つけるのかと，驚いたが，この論考では，さらに進んだ発見がなされている。（黒木玄さんも評価されている。）

　立方体の展開図の方は，私も昔，塾で小学生に，立方体の展開図が何種類あるかというプリントをつくったことがあるが，それよりはるかにずっと進んだ内容が分かりやすく展開されている。脱帽である。

[20] mixiユーザー 03月01日 13:14

＞りーさーさん
＞「かけ算の延長に指数があるような捉え方には問題があるかな？？？？」
と言うことです。

水道方式が累乗をどう導入するのかを調べようとしたが分からなかった。

「数学ひとり旅　中学１年」（榊忠男　太郎次郎社　初版1990年　３刷1991年）を見ると、私が見た限り最初に累乗が登場するのは、負の数の説明の中で

（－３）^2　と　－３^2　が出ていて、「ちがいがわかりますか。」とある。

累乗は既知のこととして扱っているようである。

＞だから、（－３）^2は（－３）を２個かけるということだと思うよ。

とある。バクテリアの増殖で定義しているのではなさそうですねｗ
負数の累乗は、バクテリアでは無理そうだし。

じゃあ素直に、ａ^ｂはａをｂ個かける、と導入するのかな。

そうすると、かけ算を「累加ではなくて加減とは全く異なる演算として導入すべき」という拘りが、累乗になった途端に綺麗になくなっているように思えるが、・・・

[21] mixiユーザー 03月01日 13:36

＞K.K＠cozycubeさん
＞さらには、教える側の向上のための研究を、そのまま学習者である子どもに押し付けてみるという勘違いもあるような不安があります。

これは私も感じます。「かけ算を究める」にも、平行線を引いてのかけ算の意味の拡張が説明されているけど、教える側は、「これは道具であって目的ではないのだ」という意識が必要だと思います。

かけ算を理解する上での「こう言うようにしたらイメージできるかな？」というような物にすぎない。だから既に自分なりに理解してしまった子には全く不要。

あと、こういう「平行線」の方法を提示してそつなくそれをやれる子は、かけ算の意味の拡張を理解しているという相関関係はおそらくあるだろうけど、

教える側が「この方法が優れている」と先入観を持っていると、「この方法を出来るようになると、かけ算の理解も進む」と思ってしまうかも知れない。

相関関係は必ずしも因果関係を意味しないし、因果関係があってもその方向は逆かも知れない。

かけ算を理解しているから、教師の意図を察して、このような「平行線」の方法をそつなくこなせる

とも言えるかも知れない。

水道方式派の中にもこういう勘違いに陥っている人がいるかもしれません。

教える側が色々教え方を研究するのはもちろんいいのだけど、「算数それ自体・数学それ自体は非常にシンプルで美しい物である」というのを核として持っていないと、あれやこれやの概念に振り回されて、子供も一緒に振り回すことになりかねないと思います。

[22] mixiユーザー 03月01日 13:48

メタメタさんが言及している九九の表に隠れている法則とかは、教える側の恣意的な工夫、ではなくて算数・数学それ自体からわき上がる美しさであって、こう言うのを子ども自身が自分で見つけられるような授業は素晴らしいと思う。

　「この割り算は等分除ですか？、包含除ですか？」などと子供に問うのはこれと全く無縁で無益な問いである。

　私自身、小学校時代に九九に関して、九の段の答えの一の位の数と十の位の数を足すと９になる、と言うのを面白いと思った。

　でふと思ったけど、「一の位の数と十の位の数を足す」って何を意味しているのだろうか？

足し算を導入するときに、「蜜柑が３個あってさらに２個もらった」というような事から始めるが、そのうち数字の操作として認識するようになる。単なる形式としてとらえるようになるから、「一の位の数と十の位の数を足す」というのも違和感なく受け入れる。

　「数学ひとり旅」でも、「（－３）^2は（－３）を２個かける」と表現している。

５^2は、５と５があって、その２つをかける、という具合に、具体的量は意識していない。

意味重視過剰拘り派の人は、そのあたりどう考えるのだろうか？

[23] mixiユーザー 03月02日 06:08

＞夏坂哲志（筑波大附属小）さんの書かれた「九九表の魅力」

これは、九九の表に正方形を置いて（斜めでも構わない）各頂点の値の和を求める。

正方形の中心（二つの対角線の交点）を中心に少し回転させて、同様の値を求める。

こうすると二つの値が一致するという話。

面白い。

これを、正三角形や五角形、正多角形に拡張できるかどうか？以下、ちょっとやってみたが間違いがあるかも知れない。

正方形と違い、全ての頂点が都合良くピッタリした場所に行かない。

ｘｙ平面上での二変数関数ｆ（ｘ，ｙ）＝ｘｙ　を考える。これが、九九の表の一般化になっている。

任意の点を中心に円を作り、この円上にｎ個の点を取り、正ｎ角形を作る。
各点での、ｆ（ｘ，ｙ）の値の和は、中心点でのｆ（ｘ，ｙ）の値のｎ倍になる。

という結果になった。証明は、各自のお楽しみ。希望があれば書きます。

正多角形でないとうまくいかないようである。

任意の点を複数取って、それらの重心

とかではうまくいかない。

座標空間への拡張は？

３変数関数ｆ（ｘ，ｙ，ｚ）＝ｘｙｚ　と　正多面体を考えて・・・・

うまく行きそうな気もするし、すぐに反例が見つかりそうな気もする。

たった今思いついた問題なので、まだ検証していない。

[24] mixiユーザー 03月03日 03:19

＞正方形の中心（二つの対角線の交点）を中心に少し回転させて、同様の値を求める。

書き方が不正確だった。この冊子を持っている人は分かると思うが、

Ａ　１×１　１×９　９×１　９×９　　全部足すと１００
Ｂ　１×２　２×９　８×１　８×９　　全部足すと１００

式で書いちゃうとあまり面白くないが、九九の表だと正方形の頂点になっている。Ｂの正方形は、Ａの正方形をちょっと小さくして回転したようになっている。

一般化を考えてみた。
先にコメントしたように、ｘｙ平面での正多角形でないとならない。

正ｎ角形の場合、それぞれの頂点の、ｘ座標とｙ座標の積が、重心のそれのｎ倍になる。

これ、予想を立てて、多角形にならないけど、まずは手始めにｎ＝２で、とやったらいきなりなり立たない。ｎが３以上の自然数なら成り立つ。不思議だったが証明してその理由が分かった。でも、結果だけ見るとちょっと不思議。

３次元への拡張は、無理そう。

正ｎ角形のｎを無限大にした場合。

ｘｙ平面上での二変数関数ｆ（ｘ，ｙ）＝ｘｙ　を中心（ａ，ｂ）半径ｒの円に沿って線積分して２πａｂになる。

∫［θ＝0～２π］（ａ＋ｒcosθ）（ｂ＋ｒsinθ）ｄθ＝２πａｂ

[25] mixiユーザー 03月03日 03:55

ｎを無限大にしたものに相当する円に関する、

∫［θ＝0～２π］（ａ＋ｒcosθ）（ｂ＋ｒsinθ）ｄθ＝２πａｂ

の方が証明が楽。展開して、cosθ，sinθ，cosθsinθを０から２πまで積分すると０になることを示せばいい。cosθsinθは倍角で処理する。

ｎが有限のときの方が厄介。

θ＝２π／ｎとすると、
Σ［k＝0～n-1］（ａ＋ｒcos(kθ)）（ｂ＋ｒsin(kθ)）＝ｎａｂ

となることを示すのだが、結局これも展開することで　
Σ［k＝0～n-1］cos(kθ)
Σ［k＝0～n-1］sin(kθ)
Σ［k＝0～n-1］sin(kθ)・cos(kθ)，
これらが０になることを示せばよい。

ベクトルで考えたら成り立つのは当たり前だが、こうやって成分に分けると、自明とは思えなくなるから不思議。最後の式は倍角の公式を使うことになるが、そうするｎ＝２だと相殺しなくて０にならないのがよく分かる。

証明は、・・・、黒木玄さんはツイッターで複素数を使ったと書いてあった。私と同じ方法かは分からないが、やはり、複素平面を利用するのが簡潔だろう。

Σ［k＝0～n-1］（cos(kθ)＋i・sin(kθ)）＝Σ［k＝0～n-1］ｅ^(ikθ)
こうするとこれは等比数列の和になるから定番の等比数列の和の公式を使うと、０になることが分かる。これで３つのうち上の２つが０になることが分かった。３つ目も倍角の後同様のことをすれば、ｎが３以上で０になることが分かる。

ただ私は最近、エレガントに解けることをあえて泥臭い方法でやる、というのにはまっている。複素平面やオイラーの公式を敢えて知らない振りをして、証明しようとした。

結局は、

Σ［k＝0～n-1］（cos(kθ)＋i・sin(kθ)）
＝Σ［k＝0～n-1］ｅ^(ikθ)＝｛１－ｅ^(inθ)｝／｛１－ｅ^(iθ)｝

として、最初と最後の式の実部同士、虚部同士が等しいということから、成り立つべき式を出しておいて、それを帰納法で証明する結果になった。

形式的には複素数を証明には使っていないが、なぜその式を思いついたかというと、舞台裏で複素数を使ってこっそり出しておいたから。

ガウス平面は偉大だ。新指導要領では高校数学で扱うことになったようだ。授業では、問題をがんがんとかせるのではなくて、この部分の面白さを伝えて欲しい。

[30] mixiユーザー 03月03日 16:09

>26 K.K＠cozycubeさん

　子どもが，「×整数」を累加で導入される（小2）と，「×小数」を教わるとき（今は小5），その意味をどう考えるのか（累加のままあてはまるのか，あてはまらないのか），という調査があります。1967年の文部省の調査です。「日本数学教育会誌」vol.50.2.（1968）2～6頁所収の「論説　乗法の意味指導について」で紹介されています。論説の筆者は中島健三（文部省）です。
この論文の存在を教えてくれたのは「わだいのたけひこ」さんで，この調査と論説については，最近もネットで何かの論文（学生か院生の）で見たので，68年以降，この種の調査はされないまま，80年代から，かけ算の教え方は，「1つ分×いくつ分」（数教協の教え方を文部省が換骨奪胎）に変わった，という流れのようです。この流れ（文部省が数教協に倣った）は仮説として抱いていたのですが，今回，杉山吉茂さんの4頁上3行で確認できました。

　掲載した論説は見にくいかもしれませんが，累加で教わっていた子どもが，「×小数」を教わるとき，累加の考えがそのままあてはまるとする者と，そのままではだめとする者がほぼ半々です。
　私は，正にこの世代なのですが，自分のことを振り返ると，確かに，「×小数」のときに，2.4回かけるというのはどういうことなのか，2回かけた後ちょっことかけることなのか，しかし，かけるやなぐるは1回，2回と数えるもので，0.4回なぐるって，なぐる途中でやめることなのか，と釈然としなかったことを覚えています。0.4「個」と考えたかもしれません。しかし，7個×2.4なら，7個が2つと7個の0.4個分ということになり，7個を数える単位の1個と0.4個の単位の1個とは大きさが違う（0.4個の単位の1個は7個のこと！）というようなことまでは考えが及んでいなかったのは確かです。釈然としないまま，しかし，計算だけは出来るようになったわけです。
　このように，かけ算の意味が変わったとは教わらなかったので，自分なりにつじつまが合うように小さい頭で考えたが釈然としない思いが底流したまま，30歳代のときに数教協の教え方に出会って，なるほど，このように教えられていたら，悩まずにすんだと思ったのです。

[33] mixiユーザー 03月03日 23:57

>32　K.K＠cozycubeさん

＞同数累加での掛け算導入でも、もし現在も小数導入での掛け算について、子どもの理解として、半々であるなら、中長期は別に考えるとして、すぐに取るべき方針は二つあるだろうと思います。
　一つは、半数もそれで理解できていることを評価し、その子どもらはそのままでいいとします。残り半数に救済策を考えるとして、まずは同数累加のライバルともいえる割合の考えで指導してみることでしょう。
　もう一つは、半数しか小数の掛け算に延長できない同数累加を捨てて、全児童に割合の考えで掛け算を導入することです。
　あえて、割合としましたが、別の考えで有力なものなら、よく比べて採用すればいいでしょうね。＜

　おそらく，戦後の算数教育の歴史は詳しくはご存知ないと思いますが（私もそんなに詳しいわけではないですが），ここで想定されたことが，実際すでに行われました。鋭い想定でしたね。
　雑誌「新しい算数」掲載の過去の論文を集めた『リーディングス　新しい算数研究１　整数の計算』（新算数教育研究会，東洋館出版社，2011年1月）のまとめに，私見を交えて記すと，こうなります。
　戦後かけ算の導入は，戦前からの継続で「累加」であった。（推進したのは戦前の文部官僚の塩野直道）。しかし，×分数については，計算方法を教えられるだけで，その意味は，子どもにはわからないままだった。そのため，1958年の指導要領で小数・分数の乗法に「割合」の考え方を用いるようにした。しかし，前掲した67年の調査でも分かるように，×整数の累加を，×小・分数の割合へと意味を拡張することが半数の者ができていなかった。このため，68年の指導要領では，かけ算の導入段階から割合の考え方で教えるようにした。（推進したのが，そのときの文部官僚の和田義信と中島健三）。これに反対したのが，元官僚の塩野直道と在野の遠山啓。結局20年間の割合中心の指導は学力の下落をもたらし，77年の指導要領で撤回された。そして，80年代から，数教協の「1あたり量×いくら分」を換骨奪胎した「1つ分×いくつ分」で，かけ算の導入がなされるようになって現在に至る。

　大筋はこうなると思いますが，文面だけ見ているとどこか変わったかよく分からない教科書で，どちらにしろ九九を教えることは変わらないし，古い教え方で教えられた者が，整数とたし算と引き算しか知らない子どもに教えるわけですから，かけ算の教え方はそう劇的に変わるものではない。しかし，最初に教えられたことはかなり決定的に後々まで（もしかすると一生）その人の考え方を規定する基底となるので，最初にかけ算をどう教えるのかは重要だと思うのです。特に，順序があるなどという，後で修正されるべきことを白紙の頭にインプットすべきではないと思うのです。

[34] mixiユーザー 03月04日 00:06

●盛山隆雄「かけ算九九の活用教材の開発」60～61ページ

　盛山さんの巻頭の文章の「裁判」云々はいただけなかったが，この文章は面白かった。
　黄色の正6角形の，赤色の台形，青色のひし形，緑色の正三角形のパターンブロックを使って，6×3×3＝54　などという数が3つ並ぶかけ算（結合法則）を教えることが書いてある。
　今はこういう教材教具があるんだと，ワクワクしてくる。昔，塾で算数を教えていたとき，東急ハンズの店内を，何か授業で使えるものはないかと，うろうろ物色したことを思い出した。すかいらーく（だったか）で請求書を入れる，斜めに切ったアクリルの円柱をもらえないかと店長に頼んで断られたこともあった。ああ，ミツカン酢のビンの首に巻いてある円すい台形の紙を展開図に使いたいと，ミツカン酢に電話したら何十枚も送ってくれたことも思い出した。
　算数は，紙と鉛筆で書く前に，こういうモノを使って，自分で「思考」錯誤することが絶対必要だと思う。

[35] mixiユーザー 03月06日 02:12

●正木孝昌「かけ算のイメージを育てたい」52～53ページ

　本書の「かけ算の式に順序があるか」というTOPICの論説はこれだけ。
　そして期待外れ。
　この数年間，小学校教師でも教育学者でもない「普通の人」がネットで，今の小学校の｢かけ算｣の教え方はおかしいと，資料を探し衆知を集めて議論してきたことを知らないのか，知っていても，前國學院大學栃木短期大学教授・前筑波大学付属小学校教諭・日本数学教育学会(日数教) 全国算数授業研究会(前会長)の正木さんは，こういうことしか書けないのか。

　＞「お皿が5枚あります。どのお皿にも，たこ焼きが3つずつのっています。たこ焼きは全部でいくつですか」。この問題の答えを求めるだけなら，5×3でも3×5でもどちらでもいい。しかし，式には，その情景を表現するという機能がある。その機能を大切にするためには，3×5と書かなければならない。それはもう教えるしかない。＜
　これが論説の冒頭の文章である。
　「式には，その情景を表現するという機能がある」って？　「情景」とは何か？　この論説の中に，その後「情景」という言葉は出てこない。代わりに（か？）頻出しているのは，論説のタイトルにもなっている「イメージ」という言葉である。
　＞子どもに持たせたいのは，かけ算のイメージである。＜
　しかし，「情景＝イメージ」ではなさそうだ。
　「かけ算の（個々の）式が（具体的に）表現する情景」と「かけ算（という演算そのものについて）の（普遍的な）イメージ」とは違うだろう。
　では，「かけ算の式が表現する情景」とは，いったい何か。この論説ではいっさい書かれていないが，今までのネットでの議論を踏まえて推測すると，同数の物が複数あるという情景のことのようだ。そして，同数3（1つ分）が複数5（いくつ分）あるという「情景」を表現するには，「3×5と書かなければならない。それはもう教えるしかない」ということを言いたいようだ。
　しかし，かけ算の式には，×の左（前）に「同数，1つ分」を書き，右（後）に「複数，いくつ分」を書く，という算数（数学）の普遍的ルールはない。事実，英語圏では逆だということは，ネットでの議論ではすでに常識であり，本書でも55頁の（注）にそう書いてあるし，この「「かけ算を究める」（筑波大附属小）について・１」でも触れた。
　正木先生は，英語圏の書き方が間違いで，英語圏の人にも「それはもう教えるしかない」と言うのだろうか。しかし，「同数，1つ分」と「複数，いくつ分」の解釈は固定的ではなく，入れ替えることができる（たとえば「トランプ配り」をすれば，あるいはトランプ配りなどしなくても）ということも，ネットでの議論では，とっくに常識になっている。
　かけ算の1つの式には「１つの情景」が対応している，という理解は誤りなのだ。式は抽象の階梯の一段上のものだから，異なる「情景」「状況」が同一のかけ算の式に表される。「式には，その情景を表現するという機能がある」としても，その情景は1つではない。

[36] mixiユーザー 03月06日 02:15

　では，「子どもに持たせたいのは，かけ算のイメージである」という「イメージ」の方はどうか。
　＞私には，私なりのかけ算のイメージがある。それは言葉ではない。私は算数の先生だから，かけ算の意味を表す言葉はいろいろ知っている。しかし，私自身，かけ算を使うとき，その言葉の群は演算決定の根拠としては影を潜めている。決して（１つ分の大きさ）×（いくつ分）とか（１当たり大きさ）×（いくつ分）などの言葉の式を根拠としているわけではない。かけ算をするときの拠り所は，かけ算のイメージとしか言いようがない。
　子どもにそのイメージを伝えたいと思う。イメージだから，そこには動きがある。それは，すっきりと言葉や図では表せない。だから，それを子どもに伝えようとするときは七転八倒である。「たこ焼きがお皿に3つ入っている。そのお皿が4枚ある」と言いながら，たこ焼きが3つずつ入ったお皿を並べて行く。実際に並べていってもいい。でも面倒ならゼスチャーでいい。「3つずつ入ったお皿が4枚」と言いながら，手をお皿を持ったように広げ，身体の前でちょっとずつずらしながら4回振る。3つの集まりが4つあることを子どもの脳内スクリーンになんとか映したいのだ。＜
　冒頭の文章ではお皿は5枚だったのに4枚になっているのは，まぁいいだろう。イメージと言いつつ，「図では表せない」というから，静止した図ではだめで動きのある映像のことらしい。映像なら，熱血教師のゼスチャーではなくCGという方法がある。CGなら子どもの脳内スクリーンにそのまま映しだされるだろう。しかし，実際に並べるにしろ，ゼスチャーにしろ，CGにしろ，並べ方が問題だ。ゼスチャーから判断すると，たこ焼きが3つ一列に並んだお皿をその方向に4枚並べるようだ。
（○○○）（○○○）（○○○）（○○○）
　というように。
しかし，お皿を縦に並べてはいけないのか。
「3つずつ入ったお皿が4枚」という文から，私の脳内スクリーンに浮かぶイメージは，
（○○○）
（○○○）
（○○○）
（○○○）
　である。このイメージでは，正木先生が「なんとか映したい」イメージとは違っているのだろうか。
　かけ算の「概念モデル」の図は，英語圏では，数直線モデル，集合モデル，面積モデル，樹形図モデルの4つがあるらしい。
http://math-ed.com/NO/NO_3_1_reading1.htm

　日本の教科書には「おはじき」を矩形に並べた図（アレイ図）が出てくるが，これは集合モデルと面積モデルのミックス型，教科書の小数・分数や割合の単元で出てくる「二重数直線」は，数直線モデルの進化形というより転化発展型と言えそうだし，数教協の正方形タイルを使う「かけわり図」は，面積モデルの最高の発展型と言えるだろう。
　こういう図は，正木さんのいう「イメージ」とは違うのだろうか。
「数直線を描くこと描かせることも確かにイメージを育てる。ここでは描く順序が大切である。」という。どうしても動作を伴わなくてはイメージにならないらしい。
「1mが120円のりぼん2.7mのねだんはいくらか。」
＞まず，数直線上に2.7を取る。その数直線にそって1m120円の直線（テープ）を描く。「1mが120円のりぼんがあります」。そのテープを2m，3mと伸ばしていく。＜
　つまり，正木先生は，ここで「二重数直線」を使っている。
＞上の動作でしたことを黒板上で先生の言葉と連動させながら子どもに伝えていく。これは教えこむしかない。（中略）そこで教えていることは，前に示したたこ焼きの場合とほとんど変わらない。私はこんなことを繰り返して，自分のかけ算のイメージを子どもに伝えようとしてきた。＜
　やはり，たこ焼きの場合は，
（○○○）（○○○）（○○○）（○○○）
のように，横並びでないと正木先生の「かけ算のイメージ」とは合わないらしい。

[37] mixiユーザー 03月06日 02:17

＞イメージとは何か。整数のかけ算でも小数，分数のかけ算でも，そして割合も速さも比例も，かけ算を使う際，全てに通用するその人の理路（筋道）である。そして，それは極めて簡潔で単純である。残念だが，それを言葉で表すことはできない。しかし，子どもの中に育てることは確実にできる。＜
　これが，この論説の結論，末尾の文章である。
　何だか恐ろしげなオカルト臭を感じるのは，私の気のせいだろうか。
　私の中に育っているかけ算のイメージは単純ではなく，整数でも小数，分数でも，割合，速さ，比例でも全てに通用する1つのイメージはない。分離量（整数）の問題では，矩形のおはじきの図か樹形図をイメージするし，連続量の問題では，おはじきを正方形タイルに変えた（かけわり図を単純化した）面積図で考えることが多い。
　つまり，冒頭の問題，「お皿が5枚あります。どのお皿にも，たこ焼きが3つずつのっています。たこ焼きは全部でいくつですか」なら，先ず5枚のお皿を思い浮かべ，次にその1枚1枚から3本が枝分かれした樹形図を思い浮かべ，5×3と立式する。
　もし，これが，「どのお皿にも，たこ焼きが3つずつのったお皿が5枚あります。たこ焼きは全部でいくつですか」という文章なら，先ず，たこ焼き3つを思い浮かべ，次にその3つが乗った皿を縦に5枚並べ，
（○○○）
（○○○）
（○○○）
（○○○）
（○○○）
　3×5と立式する。
　ただし，どちらの文章の問題であっても，私のイメージが唯一の正しいイメージとは思わないし，立式はどちらも正解だと思う。
　ところが，正木先生は，次のように言う。
＞冒頭に示した文章題に対し5×3と立式する子どもが多い。イメージを描くことができず文の中に登場した数の順序だけに頼っている子どもである。こんなときは文が表す絵を描かせてみたいと思う。まずお皿を5枚描き，その上にたこ焼きを3つずつ載せて行く。その3つずつ描いていく動作がかけ算のイメージと結びつく。＜
　5×3のように立式する子どものおそらく全員が，状況を表す絵を正しく描けていることを示す調査があった。
http://www18.atwiki.jp/kakezan/pages/38.html
それでも，5×3は間違いだというのだろうか。
　また，正木先生によると，5枚のお皿は横に並べて描き，その上に，横一列にたこ焼きを描いていくのが正しい描き方で，その「3つずつ描いていく動作がかけ算のイメージと結びつく」から，3×5という式を書けるということになるらしい。正しい動作が正しいイメージと結びつく！
　なんか正しい拝礼作法に従って所作していると精霊が乗りうつってくるという呪術の話と似通ってきていないか。

[38] mixiユーザー 03月06日 08:11

＞なんか正しい拝礼作法に従って所作していると精霊が乗りうつってくるという呪術の話と似通ってきていないか。

というより、絵を描かせても思いどおりにならないから、絵の描き順まで指図するようになったんですね。

＞まずお皿を5枚描き，その上にたこ焼きを3つずつ載せて行く。その3つずつ描いていく動作がかけ算のイメージと結びつく。

↑ これで思いどおりにならなければ、今度は

まず「３個たこ焼きが1皿」を1つ描いて、それを５回繰り返せ

と指図するんでしょうな。

オカルトはオカルトなりに進化するんですよ。

[39] mixiユーザー 03月06日 22:40

　感想です。

　磯田氏にしても、正木氏にしても、単なる自分の思い込みを吐き出しているだけで理論と呼ぶに値するものは無かったなという印象です。

　これは　「算数教育の大家」　たちの駄目さかげんを証明する証拠を手に入れたとみるべきではないかと思いました。

　正木氏がオカルト的というのはメタメタさんと同感です。

　磯田氏　「等分除と包含除を式のうえで区別」　　←　そんなことは不可能である。

のように誰が見ても原理的に不可能なことを書いてしまう。

　自分の論文を矛盾点を突かれないようなものに仕上げようという意思が全く見られない。

　なにがなんだか分からないが、とにかく　「１あたり・いくつ分　の区別　や　等分除・包含除の区別」　をすることが素晴らしいことなんだと思い込んでいて、　「矛盾点を指摘されて困る」という事態を想定していないように見えます。

　一言で言ってしまうと、「間抜けでスキだらけ」という印象でした。

　正木氏のたこ焼き問題にしても、「間抜け・スキだらけ」ですね。

　冒頭からいきなり　「式には情景をあらわす機能がある …… これは教えるしかない。」　とか言って、「ただ単に自分の思い込みを生徒に押し付けてるだけです。」　と白状してしまうようなことを書いているんですからあきれてしまいます。

　自分の思い通りにならないもんだから、

＞まずお皿を5枚描き，その上にたこ焼きを3つずつ載せて行く。その3つずつ描いていく動作がかけ算のイメージと結びつく。

などと、絵の描き順を指図して　「ほら、３つずつのかたまりがあるだろ。」　とやってみるけど、それでも生徒が思い通りに動かない。

　本気で生徒を思い通り操ろうと思ったら、最初に皿を５枚描くはずがないですね。

まず「３個たこ焼きが1皿」を1つ描いて、それを５回繰り返せ

というふうに指図するはずです。

　自分が正しいと信じてしまっているもんだから、なぜ生徒が思い通りに動かないのか分からないのかもしれませんね。

「たこ焼きじゃなくて、生きているたこを描くときにはどうするんですか？　最初に頭を５個かいて、つぎに脚を８本ずつくっつけていくんですか？」

とでも聞いてみると面白いかもしれません。

「そうか！　最初に　１あたり量　なんだ！　素晴らしいな！　１あたり＆いくつ分！」

とか言って　「進化したオカルト」　へと　一歩前進してくれるかもしれません。

いきあたりばったりでいいかげんな指示を次々繰り出すけれど、生徒は全く想定外の行動をするばかり…

そんな光景を想像してしまいます。

[40] mixiユーザー 03月06日 23:31

＞なにがなんだか分からないが、とにかく　「１あたり・いくつ分　の区別　や　等分除・包含除の区別」　をすることが素晴らしいことなんだと思い込んでいて、

これに関しては、水道方式系も同様ですね。
http://toukai.pro.tok2.com/news/news/No158.pdf
ドキドキ割り算、ニコニコ割り算、

　異なる潮流が、ある項目に関して同じ主張になっている場合、業界内では「それは言わずもがなの常識」となるのでしょう。競うべきは、「どうやって区別させるか？」という方法論になってしまい、「そもそも区別させる必要があるのか？」などというちゃぶ台をひっくり返すような発想はないのでしょう。

　その点ＴＯＳＳは、おかしなイデオロギーに染まってなくて、無邪気にアホらしい方法を提示して笑わせてくれる。

[41] mixiユーザー 03月06日 23:42

http://blog.livedoor.jp/rve83253/archives/1275380.html
＞そして、そのあと、『割られる数、割る数』と、正しく（？）おさえることができたのだが、・・・。

もしかして、四則演算全部に、○○れる数・○る数、とかがあって、子どもにそれを覚えさせるのだろうか？

「分母」とか「分子」とか、対数の「底」とか「真数」とか、説明する上で共通の言葉があった方が便利なことはあるから、言葉を覚えさせること全てを否定しないが、・・・・

[42] mixiユーザー 03月06日 23:54

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2158724.html
包含除と等分除のちがい？？役に立った：2件
質問者：Diorlove 投稿日時：2006/05/18 12:11 困り度：
はじめまして。
「４８リットルのタンクに水を一杯入れるのに、Ａの管だけでは８時間、Ｂの管だけでは６時間かかる。ＡとＢを同時に使うと何時間かかるか」という問題の、特徴を述べる問題なんですが...。

■Ｘ８＝４８　■Ｘ６＝４８になり、１時間ずつの基準を求めるので、等分除。掛け算から割り算をもとめるので、逆乗除法である。と、私は考えたんですが、いまいち自信ありません。あってるでしょうか？

参考書を見てたら、包含除と等分除の違いにますます混乱してきました。
包含除は、「３０個の飴を１人に５個ずつ分けると、何人に分けられるか」という問題のように、５Ｘ■＝３０で、いくつ分をもとめるもの。
等分除は、「３０個の飴を６人に等しくわけると、一人分は何個になるか」という問題のように、■Ｘ６＝３０で、基準をもとめるもの。
と、解釈していいでしょうか？

わかりやすく教えてください。お願いします

[43] mixiユーザー 03月06日 23:57

http://www.ice.or.jp/~i-gaku/qa/sansu/warizan.pdf
Ｑ：等分除と包含除の違いについてわかりやすく説明するにはどうした
らよいでしょうか。【３年】
Ａ：わり算の計算手順の理解だけでなく，意味付けについてしっかりお
さえるために，わり算には2種類の考え方があるということを，児童
が発見するようにしたいものです。
１５÷３の問題をつくる場合，次のように２種類が考えられます。
?「みかんが１５個あります。３人で同じ数ずつ分けます。１人分はいくつになりま
すか」
・全体を３つに分けるとその１つ分が５になる。
○○○○○ ○○○○○ ○○○○○
?「みかんが１５個あります。３個ずつ分けていきます。何人に分けられますか」
・全体から３つずつ切り取ると，５つに分けられる。
○○○ ○○○ ○○○ ○○○ ○○○
?のように全体をいくつかに同じように分けることを等分除
等しく分けきるというイメージで，全体量に対し１あたりの量を求めるという意味
乗法との関係で考えると，□×３＝１５の□にあたる数（被乗数）を求める計算
?のように全体をいくつかずつに分けていくことを包含除
全体量を分けていったとき，いくつ分になるかを表す意味
乗法との関係で考えると，３×□＝１５の□にあたる数（乗数）を求める計算
除法の導入では，「わる」ということが等分割を意味していると考え，等分除を先
に取り上げてわり算の概念を理解させ，その後，包含除も同じ除法の式で表せること
に導くのが，児童の思考に合っています。
授業においては，ジュースを分けるといった具体的な状況や，おはじきなど半具体
物を使って操作しながら，「等しく分けていったときの１つ分」というイメージを定
着させるようにします。等分除の意味が理解できたら，包含除の考え方である，「い
くつ分」の問題につなげていきます。
また「１あたりの量」「全体量」「いくつ分」の３つの関係を図でおさえるのもポ
イントになります。
将来的には，等分除は整数の範囲を超えると，１あたりの量の考え方から「割合」
へ，包含除は被除数が除数より小さくなる場面で，「いくつ分」から「何倍」へと発
展していき，関数的な意味合いももつようになります。ですから，どちらもバランス
よく理解させることが大切です。

[44] mixiユーザー 03月07日 00:06

ざっと検索してみると、「等分除と包含除は区別なんかできないんだから、区別する必要なんかない」というのはほとんどない。

かけ算の順序はナンセンス、というのが、圧倒的多数であるのとは対照的。

これは、そもそも等分除・包含除などという言葉を知っている人は算数教育に詳しい人で、そういう人の中では「区別する」というのが常識だと思われる。

　内包量・外延量も同様。

　私自身、かけ算の順序について研究する以前は、内包量・外延量という言葉は知らなかったし、等分除・包含除についても区別すべきとかすべきじゃないなんて考えることもなかった。

　だから、私のような人間は、以前は

等分除・包含除の区別が必要と主張する人／等分除・包含除という言葉を知っている人
内包量・外延量という概念が必要と主張する人／内包量・外延量当言葉を知っている人

の分母に計上されていない。だから、上の２つの値が１に近いのは当然。

　しかしそのことは、「等分除・包含除の区別が必要」「内包量・外延量という概念が必要」という主張が多数派であることを意味しない。

　「必要ないからそんな言葉も知らない」と言う人が圧倒的多数だと思う。

[45] mixiユーザー 03月07日 22:31

●田中博史「かけ算の指導の系統について」27～28ページ

　田中博史さんが，かけ算の式の順序について何と言うかは，この本で最も期待していたことだった。いつもの田中さんらしからぬ（と言えるほど，田中さんの文章を読んでいるかと言われると心もとないが）歯切れの悪さは，ネットの議論を意識し，それに反論できない知的誠実さの表れだろう。
「式の数値の順序性をどこまで問うかは，議論していかねばならない。」「指導の際にどのように区別していくかは今のところ確かに曖昧である。これでテストで×になったり○になったりでは子どもも可哀そうである。」
　鉄面皮に，子どもにかけ算の順序を教えるのは当然である，と言って恬として反省しない「受け売りだけの方たち」とは，さすがに月とすっぽんである。
　田中さんの苦渋は，この数年間のネットの議論の成果の一つの表れだろう。しかし，ここで手をゆるめてはならない。それは，田中さんの知的誠実さに応える我々の側の知的誠実さを証すものでなくてはならない。すでに黒木玄さんの批判もある。
http://www.twitlonger.com/show/g3fmao

　黒木さんも指摘され，評価されているように，田中さんは，加法と減法と除法については，「最初は一つの意味づけを行った後で，別の場合はどうかと考えさせていく。（中略）最初は別の意味で指導しているが，実は同じように考えることができるのだと見方を広げている」という。
　除法の等分除と包含除については，最初は意味が異なる場面として認識させるが，単元後半には同じ操作にも見えることを発見させる，という。
　しかし，乗法については，このように明快に言い切らない。その理由は，田中さんが，かけ算の式には順序が無いことの2つの論点のうち，一方は認めるが，他方については曖昧だからだ。
　かけ算の式には順序が無いことは，この間のネットの議論で，
（１）「1あたり」と「いくら分」の解釈は交換できる。
（２）「1あたり×いくら分」と書いても「いくら分×1あたり」と書いてもよい。
の2点で主張されていた。
　田中さんは，（１）を認める。（遠山啓も（１）を認め，（２）については否定的だった。）
　「（等分除，包含除の理解の際に，A×□か，□×Bの式の表す数の順序にこだわった指導をするが，乗法について）操作の仕方次第ではどちらの式にもなるということを子どもが説明したら認めていくのは当然で，その場合にも実は一つ分をどのように見るかを議論しているのだから，これも式の順序を意識させているという意見と実は同じである。」
　つまり，（全体の量÷１つ分＝いくら分）の包含除も，（全体の量÷いくら分＝１つ分）の等分除も同じ操作だということは，「1つ分」と「いくら分」の解釈は交換できる，という（１）の観点から言えることであって，（1つ分×いくら分）という式の順序は否定されず，式の順序を意識させている，ということのようだ。
　しかし，田中さんはすぐ，「ただ問題となるのは」と続けて，4年生で面積，6年生で関数的な見方で式を立てる学習をすることを挙げ，「はたして式の数値の順序性をどこまで問うかは，議論していかねばならない」と知的誠実さを示す。
　確かに，長方形の面積では，（たて×横＝横×たて）とはっきり等式が教科書に明記されている（東京書籍など）し，正比例の式では，（定数×変数）の順序で，定数が「いくら分」になることもある。そういう事例を考慮すると，（1つ分×いくら分）の順序の式だけでなく，（いくら分×１つ分）の順序の式を認めても良いのではないか，と悩んでいられるようだ。
　しかし，なんで悩む必要があるのか，と不思議である。
　その秘密は，「ことばの式」のようだ。

[46] mixiユーザー 03月07日 22:33

（45のつづき）
　最近の算数の教科書を見ると「ことばの式」という表現が出てくる。私も最近気が付いたので，いつ頃からこの用語が使われ出したのかまだ調べていない（調べる価値があるとして）が，昔はなかったか，あったとしても，現在のような重みのある使われ方はしていなかったと思う。
　教科書では掲載図のような使われ方をする。（啓林館「算数４下」平成23年5月発行）

　本書でも，正木孝昌さんが，「決して（１つ分の大きさ）×（いくつ分）とか（１当たり大きさ）×（いくつ分）などの言葉の式を根拠としているわけではない。」（52頁）と使われている。
　「ことばの式」＝「公式」と理解しても良いようだ。文章題を解くときに，先ず，「ことばの式」を書かせてから，その式の「ことば」を数値に置き換えさせるという解き方を指示している問題もある。
　小学校の先生（の一部，であってほしいが）には，教科書に出てくる「ことばの式」が絶対のようだ。すでに笑い話（になってほしいが）だが，長方形の面積について，以前の学習指導要領解説や教科書には，（たて×横）という「ことばの式」しか書いていなかった。そのため，数値を，（横×たて）の順に書くと×にされた。これはおかしいのではないかと，平成13年の国会の教育課程審議会で上野建爾さん（京都大学(当時)）が発言された
　http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/gijiroku/030302.htm
（下から4段落目から）
　おそらく，その結果，現在の学習指導要領解説では，
（長方形の面積）＝（縦）×（横）（もしくは（横）×（縦））
という「ことばの式」に変わっているし，すべての教科書が，両方の式を明記している。しかし，平行四辺形の面積については，（底辺×高さ）という「ことばの式」しか教科書に出てこないため，テストで，高さ×底辺の順で数値を書いて×にされるという例は絶えていない。
　http://ameblo.jp/metameta7/archive1-201108.html

　ことほどかように「ことばの式」の縛りは学校の先生にはきついようだ。（自縄自縛としか思えないが）
　教科書には，（1つ分×いくつ分）の式しか出てこない。しかし，小2のかけ算の単元のまとめでは，おはじきを矩形（たとえば，5列4行）に並べて，5と4のどちらの数値も1つ分にもいくつ分にも解釈できることが出てくるし，5×4＝4×5　という等式も出てくる。「かけられる数とかける数を入れかえても答えは同じです」という文も出てくる。数の計算については交換法則を認めているのだ。しかし，確かに，（1つ分×いくら分＝いくら分×１つ分）という等式は出てこないし，（全体の数＝いくら分×１つ分）という「ことばの式」も出てこない。
　かくして，田中先生はじめ小学校の先生は，かけ算の式の数値が，（いくら分×１つ分）の順序になっていると間違いとする。田中先生は，「これでテストで×になったり○になったりでは子どもも可哀そうである」とは言うけれど，いまのところ救いにはなっていない。
　しかし，こうは考えられないのか。
　「ことばの式」の命ずる通り，（1つ分×いくつ分）の順序で，5×4　と書いたとする。
　交換法則を認めているから，5×4＝4×5　と書ける。
　この4×5　の数の式を「ことばの式」に直すと，（いくつ分×１つ分）である。
　（いくつ分×１つ分）の順序の式を間違いとする理由がどこにあるのか。これで自縄自縛は解けないか？

[47] mixiユーザー 03月07日 22:47

>46 一部訂正

「国会の教育課程審議会」ではなく，「文部科学省の教育課程審議会」だった。

[48] mixiユーザー 03月08日 22:02

　わだいのたけひこさんがブログで，35～37番の文章について触れている。
http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20120308　「4.式と図」「5．ゼスチャー」

　残念ながら，誤読している。
　いくつ分×1つ分の式を間違いとする教え方は間違っているのではないかと，学校教育を問題にしているのに，「ええ，学校教育では，間違いとなります」と，学校教育を前提にして答えている。何が俎上に上げられているのかがわかっていないようだ。（「4.式と図」）
　「5．ゼスチャー」では，たこ焼きの載ったお皿を，たこ焼きが一列になるように並べるイメージと，たこ焼きが矩形になるようにお皿を並べるイメージとの違いを問題にしている（図も描いて！）のに，たこ焼きのトランプ配りのことと誤読している。

　わだいのたけひこさんは，かけ算教育についての刊行物をいろいろ紹介してくれるので有り難い人とは思っている。それらの資料の大半（もしかすると99％！？）は，かけ算には順序があると主張しているが，意図（及びたけひこさんの意図）に反して，順序の主張が滑稽なことを自爆しているものがある。
　今回紹介されたものもそうだ。

　「このように描いたのに，もし式を「５×４」と書いたとすると，この子は読み取りができないのではなくて，式の意味を間違えて覚えているだけとなります。治療するところが変わりますよね。式を「５×４」と書いた子どもに「ちゃんと文章を読んでごらん」といくら指導をしてもだめです。この子は逆に覚えているわけですから．絵が図にできたら，その後で算数の言葉に表し直して「４×５」と書くんだよと．ここは確認していいところです。「こういう絵のことを４×５と言うんだよ」と教えるのです」（『田中博史の算数授業のつくり方 (プレミアム講座ライブ)』2009年）65頁（たけひこさんの孫引き）

　45～46番で批判した田中博史さんの文章だが，「ことばの式」に田中さんがとらわれていることが見事に表れている。
　いくつ分5，1つ分4の状況をきちんと理解して図を描き，式を「５×４」と書いた子は，「1つ分×いくつ分」という「（算数の言葉の）式の意味を間違えて（つまり，逆に）覚えている」から「治療する」必要があるというのだ！　
　算数・数学は，公式を公式通り暗記して，その公式に数値をあてはめることなのか？　公式を覚えていなかったり，忘れていたり，あるいは習っていなくても，問題を読んで，自分の頭で考えて，公式とは違うが正しい考え方（公式よりはまどろっこしいかもしれないが）で，あるいは公式とは言葉の順番が違っても公式と同じ考え方で解いた生徒の方が，ただ「ことばの式」を暗記して，「ずつ」が付いている数を「1つ分」にあてはめればよい，などと思っている生徒より，ずっと算数がわかっているのは確かではないのか？　そういう算数の力を育てるのではなく，「ことばの式」を「間違えずに覚える」ようにすることが，算数の授業なのか？

[49] mixiユーザー 03月09日 16:28

amazonでこの本のレビューを書いて，批判的検討がここや＃究80や「対策本部」や私のブログで進行していることを書いたら，urlは削除されたが，文は掲載された。☆二つの評価とした。

[50] mixiユーザー 03月15日 19:28

編集後記より

＞意味指導に関して、海外のかけ算指導の様子を高橋昭彦氏に紹介していただいた。アメリカでは最近になって割り算とかけ算の関係や意味について明確にしようとする動きがある。この点、日本の方が一歩先んじている。

　ガラパゴスで独自の進化を遂げた奇妙な動物が侵略的外来種として、「We are 99％」とか言いながら米国を席巻するのだろうか？

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