「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Ｐａｒｔ５　その９４

「珈琲でも召し上がってください。」
町島は言った。桜田と菊池が会釈をすると柳田は珈琲を置くと椅子に座った。
「ありがとうございます。」
桜田が言うと
「今日はどのような案件ですか？」
町島は言った。
「近くに来たので顔を出しただけですよ。」
桜田が言うと
「それは光栄です。」
町島は言った。
「高村さんが無事に役目を終えられたのは町島さんの協力のおかげです。」
菊池が言うと
「わしたちは何もしていないよ。」
町島は言った。
「町島さんのお力で青い龍が北京警察に協力をしたと伺っています。」
桜田が言うと
「そうだったかな？」
町島は惚けたように言った。
「私からもお礼をいいます。」
桜田は言った。
「あれは偶然ですよ。」
柳田が言うと
「あれは偶然ではなかったはずですよ。」
桜田が言うと
「高村さんに協力するのはあたり前ですよ。」
町島は言った。桜田は町島を見て優しそうに笑みを浮かべた。

「中国側から返事が来ました。」
三国は大きな声で言った。
「それはよかった。」
間瀬は言った。
「来週早々に事案を締結したいと言っています。」
三国が言うと
「こちらの準備は大丈夫なの？」
間瀬は言った。
「明後日には事務担当の作業が終わります。」
三国が言うと
「すぐに行くよ。」
間瀬は言った。
「解りました。」
三国は確認するように言った。
「今回は私の功績になるよね？」
間瀬が言うと
「高村さんのことは一部の人間しから知らないはずです。」
三国は言った。
「総理大臣としても功績が出来てよかったよ。」
間瀬は嬉しそうに言った。
「これでは間瀬政権は短いかも知れない？」
三国が言うと
「私が帰国したら記者会見をするよ。」
間瀬は言った。

「今回は暴れる機会がなかったよ。」
育子は言った。翔太は並んで歩いていた。ふたりは都心部のお洒落な店が並ぶ大通りを歩いていた。
「李先生が中国マフィアを抑えてくれたおかげだよ。」
翔太が言うと
「青い龍と白い虎だね？」
育子は言った。
「それ以外にも小さなマフィアや政府高官にも手を回してくれたと思うよ。」
翔太が言うと
「李先生の影響力は大きいね？」
育子は言った。
「町島さんも力を貸してくれたみたいだよ。」
翔太は考えるように言った。
「町島さんならあり得るかも知れない？」
育子が言うと
「桜田警部なら詳しい情報を掴んでいると思うよ。」
翔太は言った。
「アクセサリーを見ようかな？」
育子が言うと
「僕がプレゼントするよ。」
翔太は笑顔で言った。育子は嬉しそうに翔太を見ていた。

「今日は早く撮影が終わりましたね！」
見富は嬉しそうに言った。
「監督は疲れが出ているみたいね？」
直子は言った。
「僕が台詞を間違えたからみんなに負担をかけてしまったよ。」
見富が言うと
「それはお互い様ですよ。」
直子は言った。ふたりは都心部の繁華街に来ていた。日が沈みかけたことで講義を終えた大学生たちがアルバイト先へと急ぐ姿も見られた。
「また一緒にバーベキューをやろうよ！」
見富が言うと
「いいわよ。」
直子は言った。ふたりは立ち止まると視線を合わせた。
「久美子さんも誘ってみてよ。」
見富は笑顔で言った。
「久美ちゃんは結婚するから忙しいと思うよ。」
直子が言うと
「それは残念だな！」
見富は言った。
「千賀子さんを大切にしないと駄目ですよ。」
直子が言うと
「大丈夫だよ。」
見富は言った。ふたりは楽しそうに駅までの道のりを歩いて行った。

「順調でよかったです。」
久美子は言った。
「予定通りに来春にはオープンします。」
立花が言うと
「このアトラクションは人気が出ると思います。」
高根沢は言った。
「湾岸沿いにある遊園地のように海が見えないのが残念です。」
立花が言うと
「他の遊園地のまねをしなくてもいいと思いますよ。」
久美子は言った。
「そうでしたね？」
高根沢が言うと
「総武遊園地の良さをアピールすればお客さんが増えてくれるはずです。」
久美子は言った。
「来春のオープンが楽しみですよ。」
高根沢が言うと
「私も楽しみにしています。」
久美子は言った。
「地震時の耐震性も高く揺れを最小限に抑えることが出来ます。」
立花が言うと
「それが一番の魅力になると思います。
久美子は言った。
「災害に強い遊園地をアピールします。」
高根沢が言うと
「お客さんの安全が一番大事ですよね？」
久美子は言った。立花が空を見上げるとジェットコースターの先に観覧車が見えていた。

To be continued