「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Ｐａｒｔ５　その３３

「それは国家の一大事になりますよ。」
中村は驚いて言った。
「これは極秘にお願いします。」
俊之は言った。
「うん。」
榊原が言うと
「社長が動かれるのであれば私たちも全力でサポートします。」
恵子は言った。
「私は北京と上海に知り合いがいます。」
栄子が言うと
「その時はお願いするよ。」
俊之は言った。
「大輪さんたちのお力も借りましょう！」
立花が言うと
「もちろんそのつもりだよ。」
俊之は言った。
「三友電機の増田にも協力させよう！」
榊原が言うと
「うん。」
俊之は言った。

「異常なし！」
島本は大きな声で言った。霧島がパソコンの画面に状況を入力すると
「今日も静かだな？」
田母神は言った。
「この静かな状態がいつまで続くでしょうか？」
霧島が言うと
「我々は目の前に不審船が現れたら職務を遂行するだけだよ。」
田母神は言った。
「近年ではイカ釣り漁船が領域を侵犯することがあります。」
島本が言うと
「本省には報告を上げているから対策を考えてくれるはずだ！」
田母神は言った。
「それならいいのですが心配です。」
島本は低い声で言った。
「大臣にはしっかりしてほしいですよ。」
霧島が言うと
「特に総理大臣には真剣に考えてほしいものだ。」
田母神は言った。島本は窓外を見て頷いた。海上保安庁の巡視船は南の海をゆっくりと航行していた。

「総理！」
官房長官の三国栄達は言った。総理大臣の間瀬和人が眠そうな表情で三国を見ると三国は真剣な目をした。
「何かあったのかい？」
間瀬が言うと
「先日お話した件はどのように対処しますか？」
三国は言った。
「何の話だったかな？」
間瀬は惚けた表情で言った。
「沖縄の近海で不審船の海域侵犯が多発している件ですよ。」
三国が言うと
「その件は放っておいても大丈夫だよ。」
間瀬は言った。
「放っておいたら我国は占領されますよ。」
三国は怒った表情で言った。
「植民地になってもいいよ。」
間瀬が言うと
「我国が植民地になったら困ります。」
三国が言うと
「日本が潰れるのを見るのも楽しいよ。」
間瀬が言うと
「あなたはそれでも総理大臣ですか？」
三国は大きな声で言った。首相官邸には重苦しい空気に包まれて蒸し暑くなっていた。

「こんにちは！」
正樹は笑顔で言った。日本経済協会の毛利晴久は笑顔で正樹を見た。ふたりは日本経済協会のロビーで偶然に顔を合わせたのである。正樹が握手を求めると
「白仁さんとすっかりご無沙汰ですね？」
毛利は握手をして言った。
「不義理をしてすみません。」
正樹は言った。
「気にしないてください。」
毛利が言うと
「少し髪が白くなられましたね？」
正樹は言葉を選びながら言った。
「政権が変わってから経済が落ち込んでしまいました。」
毛利が言うと
「総選挙でまさかの政権交代があってから悪くなる一方ですね！」
正樹は言った。
「はい。」
毛利は言うと
「いずれ高村さんに動いてもらう時が来るかも知れない？」
正樹は言った。
「総武の高村さんですか？」
毛利が言うと
「私の後継者ですよ。」
正樹は笑顔で言った。

「素敵なブローチですね？」
千晴は笑顔で言った。
「これは日時計になっているよ。」
詩織は言った。
「クオリティが高いのね！」
知子が言うと
「日時計になっているのならほしくなるわ！」
久美子は言った。４人は都心部にある雑貨店で楽しそうに商品を見ていた。午後になって日差しが一番強い時間である。
「どこかで冷たい物でも飲みましょう！」
知子が言うと
「千晴さんは何がいいですか？」
久美子は言った。
「私はジュースがいいです。」
千晴が言うと
「私もジュースがいいな！」
詩織は言った。
「私は何でもいいわよ。」
知子が言うと
「交差点の先には喫茶店に行きましょう！」
久美子は言った。４人は交差点信号が青になると人ごみに混ざって歩いて行った。その光景を大輪と泰子が離れた場所から見ていた。
「楽しそうですね？」
泰子が言うと
「都心部にはお洒落なお店があるから興味を持ちます。」
大輪は言った。
「大輪さんから意外な言葉が出たわね！」
泰子は笑顔で言った。
「私も日本に染まってしまいました。」
大輪が言うと
「それはいいことですね！」
泰子は言った。

To be continued