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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・翔太の作戦! その7

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「俺を悪く思うなよ。」
池上は言った。まなみは池上と視線を合わせると微笑んだ。
「本当に逃げるつもりですか?」
佐野が言うと
「逃げる手はずは整っているよ。」
池上は言った。
「いつまでも逃げ切れるものではありませんよ。」
佐野は震える声で言った。
「彼は失敗するほど馬鹿ではないわ。」
まなみが言うと
「まなみが警察や検察の情報も掴んでくれて助かったよ。」
池上は言った。3人がいる倉庫は話し声だけが不気味に響いていた。
「桐生という検事は口が堅かったわ。」
佐野が言うと
「桜田も情報を漏らすような男ではなかったな?」
池上は言った。
「総武の高村からも何か聞き出せればよかったのですが残念です。」
まなみが言うと
「高村も余計な情報を口にしなかったな!」
池上は言った。
「悪い男に絡まれているのを助けさせるアイディアは成功すると思ったのに残念です。」
まなみが言うと
「松村という検察事務官が私を疑っていたみたいだな?」
池上は言った。佐野は絶望的な気持ちで視線を移すと大輪が窓の外から顔を出した。佐野が驚いた表情をすると大輪は少しだけ笑みを浮かべた。倉庫の周辺は静かであり佐野には夜が長く感じられた。

「出かけて来ます。」
俊之は言った。
「私も行きます。」
陽子が言うと
「今日は僕ひとりで大丈夫だよ。」
俊之は言った。
「私が居るとお役に立てると思います。」
陽子は笑みを浮かべて言った。
「うん。」
俊之が言うと
「急ぎましょう。」
陽子は言った。ふたりは席を立つとすぐに歩き出した。
「田中さんにお願いしておくのを忘れたよ。」
俊之が言うと
「私が連絡しておきました。」
陽子は言った。ふたりはエレベーターホールで時間を確認した。

「こちらです。」
関口は言った。久美子と育子は関口を見ると小走りで近づいて来た。湾岸沿いの土手にある倉庫はひと目で使用されていないのが解かった。
「遅くなりました。」
久美子が言うと
「また戦いがありそうですね?」
育子は言った。
「おっしゃるとおりです。」
関口は言った。泰子が遅れて走って来ると
「泰子さんが乗用車で迎えに来てくれた時には大体解かりました。」
育子は大きな声で言った。
「怪我をしないように気をつけてください。」
久美子が言うと
「はい。」
関口は言った。

「こちらです。」
理佐は合図しながら言った。
「理佐さんの前に止めてください。」
俊之は社内から理佐を見ると言った。
「はい。」
田中が言うと
「ここで待っていてください。」
陽子は言った。田中が社用車を土手の横に止めると理佐が走って来た。俊之が素早く車外に出ると陽子も車外に出た。
「佐野さんが人質になっているみたいですね?」
俊之が言うと
「佐野さんは運が悪い人ですね?」
理佐は言った。

「高村さん!」
翔太は大きな声で言った。俊之が見ると翔太が大木の陰から姿を現した。俊之たちが立つ大通り沿いにある広場から池上が立てこもる倉庫が見えた。
「僕が行くよ。」
俊之は言った。
「私もご一緒します。」
陽子は俊之の横で言った。
「お願いします。」
翔太は言った。
「田上まなみさんが池上さんの支持を受けて動いていたのは残念だよ。」
俊之が言うと
「俊さん!」
久美子は大きな声で言った。俊之が見ると久美子と育子が泰子に連れられて走って来た。
「大げさになってすみません。」
泰子は言った。
「私も暴れるよ。」
育子が言うと
「今回は人数が多い方がいいかも知れないです。」
翔太は言った。

「そろそろ時間ですね?」
桜田は言った。
「はい。」
菊池が言うと
「わしたちはふたりで協力するよ。」
町島は言った。
「表立って暴れるのは高村さんたちにお任せしましょう。」
桜田が言うと
「私も暴れさせてもらいます。」
柳田は言った。
「我々は逮捕時に顔を出します。」
桜田が言うと
「解かっています。」
町島は言った。桜田は4人は覆面パトカーの車内から池上がたちが居る倉庫を見てから時間を確認した。

「時間になりました。」
翔太は携帯電話の向こう側にいる大輪に言った。
「解かりました。」
大輪は言った。
「僕たちは5分後に倉庫の前に行きます。」
翔太が言うと
「5分あれば充分です。」
大輪は小さい声で言った。
「よろしくお願い致します。」
翔太は丁寧な口調で言った。大輪は通話を終えると携帯電話をポケットにしまってから佐野を見た。佐野が大輪と視線を合わせると
「警察に身代金の要求をしよう。」
池上が言うと
「身代金はいくらにするの?」
まなみは言った。
「1億は無理だから5000万円のしておくか?」
池上が言うと
「僕の生命は安いのですか?」
佐野は言った。
「お前なら5000万円が妥当だよ。」
池上が言うと
「少ないですね?」
佐野は言った。
「高村や笹川なら3億円くらいの価値がある。」
池上が言うと
「人の生命に格差はないはずです。」
大輪は呟くように言った。佐野が大輪を見ると大輪は窓外から物を投げ込んだ。倉庫の中に大きな音が響くと
「誰だ!」
池上は大きな声で言った。

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