「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part３　その１３５

「急がないと間に合わない。」
俊之は言った。
「僕が先に走ります。」
翔太が言うと
「気をつけないと危険だよ。」
俊之は言った。
「はい。」
翔太は走り出しながら言った。
「頼むよ。」
俊之が言うと
「早く突き落とせ！」
マクマホンは言った。俊之も翔太のあとを追って走り出した。

「間に合わないかも知れませんね？」
健人は走りながら言った。
「間に合わなくても最善を尽くすよ。」
松田が言うと
「はい。」
健人は言った。
「SITがこれ以上の面目を落とすわけにはいかない。」
松田は走る速度を上げて言った。
「解かっています。」
健人は言った。

「間に合うか心配ですね？」
菊池は言った。
「大丈夫ですよ。」
桜田が言うと
「柳田にピストルで巽の腕を撃たせましょう。」
町島は言った。
「仕方がありませんね。」
桜田が言うと
「わしの一存で打たせましょう。」
町島は携帯電話を持ちながら言った。
「お願いします。」
桜田は言った。
「ピストルを構えろ！」
町島は携帯電話の向こう側にいる柳田に言った。
「はい。」
柳田が言うと
「一発でマクマホンを仕留めろよ」
町島は言った。
「任せてください。」
柳田が言うと
「失敗したら生命で責任を取れ！」
町島は言った。柳田はすぐにスーツのポケットからピストルを出した。

「もう間に合わない。」
大輪は言った。その場にいた誰もが間に合わないと覚悟を決めた時である。
「うっ！」
巽は突然に腹部を押さえて言った。それは苦痛に耐えながらの唸り声であり大輪には何が起こったの理解が出来なかった。
「高村さん。」
翔太が言うと
「翔ちゃん。」
俊之は翔太のあとを追って走って来た。先に若菜たちの前に来た翔太は驚いてを見張った。追いついた俊之も目の前に立っている男を見た。それは陳健春であった。
「健春さん。」
俊之は言った。
「ミスター高村と大輪さんが一緒にながら情けないですね。」
健春は笑顔で言った。
「おかげで助かりました。」
俊之が言うと
「高村さんでも苦戦する時はありますよ。」
翔太は言った。
「冗談ですよ。」
健春は嬉しそうに言った。
「健春さんに会えてよかった。」
俊之が言うと
「早く皆さんを助けましょう。」
健春は言った。俊之たちが若菜たちに駆け寄ると巽は悔しそうな表情でピストルを構えて俊之に銃口を向けた。

「大丈夫ですか？」
俊之は若菜のマスクを取りながら言った。
「大丈夫です。」
若菜は言った。
「ご無事でよかったです。」
翔太が言うと
「ありがとうございます。」
たき子は小さい声で言った。
「おかげ様で助かりました。」
莉子は言った。
「早くここから出ましょう。」
健春が言うと
「気をつけて降りてください。」
俊之は言った。健春が視線を逸らすと巽が銃口を俊之に向けている姿が見えた。
「順番に降りてください。」
翔太が言うと
「待ってください。」
健春は大きな声で言った。俊之が歩き出すと突然大きな銃声が響いた。すぐに翔太が身構えて俊之は若菜たちを庇うように後ろに回した。健春が駆け寄って来ると階段の前で巽が左腕を押さえて倒れこんだ。巽がピストルで撃たれたのは明白であった。俊之が見ると魯がピストルを右に持って立っていた。魯の後ろには林も立っていた。
「君は北京五輪の時に会った青い龍のボスだね？」
俊之が言うと
「彼は魯文仁です。」
健春は俊之に言った。
「またお会い出来て光栄です。」
林が言うと
「あなたは北京警察の方ですね？」
俊之は笑顔で言った。
「私は林元精です。」
林は言った。
「北京ではお世話になりました。」
俊之が言うと
「またお会い出来て光栄です。」
林は言った。
「あなたとはどこかで会えるような気がしました。。」
魯が言うと
「僕たちに不思議な縁で繋がっているのかも知れませんね？」
俊之は言った。
「李和平先生が結んでくれたご縁です。」
林が言うと
「うっ！」
巽は大きな声で言った。
「あとで傷の手当をしてやるよ。」
翔太は言った。大輪が後れて階段を走って来ると
「無事に終わったよ。」
健春は笑顔で言った。
「それはよかった。」
大輪が言うと
「北京五輪でで出会ったメンバーが揃いましたね。」
林は言った。松田と健人が走って来た時には既に沈静化していた。
「来るのが遅かったぞ。」
翔太が言うと
「大丈夫なのか？」
松田は言った。
「お怪我はありませんか？」
健人が言うと
「巽が負傷しただけで済んだよ。」
翔太は笑顔で言った。