「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part３　その１０５

「俊さんに会いたくなりったので来てしまいました。」
久美子は笑顔で言った。ふたりは俊之の部屋で窓外の景色を見ながら話をしていた。時間がゆっくり流れて行くような錯覚を覚えて
「僕も会いたかったよ。」
俊之は言った。
「嬉しいです。」
久美子が言うと
「うん。」
俊之は言った。久美子が俊之を見ると俊之も視線を合わせた。
「何を考えているのですか？」
久美子が言うと
「久美ちゃんに怖い思いをさせる時がかもしれない。」
俊之は言った。
「私は大丈夫ですよ。」
久美子は笑顔で言った。
「翔ちゃんたちが動いてくれているから大きな安心していいけれど注意は必要だよ。」
俊之が言うと
「はい。」
久美子は言った。
「関口さんや泰子さんもいてくれるからね。」
俊之が言うと
「大輪さんも助けてくれました。」
久美子は珈琲を飲みながら言った。
「僕はいつもみんなに助けられるね。」
俊之は言った。
「俊さんも皆さんに協力してあげれば良いと思います。」
久美子が言うと
「そうだね。」
俊之は珈琲を飲みながら言った。
「みんなお互い様ですよ。」
久美子は言った。
「うん。」
俊之が言うと
「私は何があっても怖くないですよ。」
久美子は言った。
「久美ちゃんは偉いね。」
俊之が言うと
「俊さんや笹川さんたちがついていてくれるから安心です。」
久美子は言った。
「青い龍とマクマホンファミリーとは早く決着をつけたいと思っているよ。」
俊之が言うと
「俊さんなら勝てますよ。」
久美子は優しい声で言った。梅雨の時期には珍しく星空が一面に広がっているのが俊之と久美子の心を癒してくれていた。

「おはようございます。」
久美子は笑顔で言った。
「おはよう。」
若菜は言った。
「今日は堀川さんと一緒に仕事が出来ますね。」
園子が言うと
「楽しく仕事が出来るわよ。」
若菜は言った。
「頑張ります。」
園子が言うと
「大げさに言わないでくださいよ。」
久美子は言った。
「今日は大石さんがお休みだから大変よ。」
若菜が言うと
「小百合さんがお休みとは珍しいですね。」
久美子は言った。
「ご家族の方が東京に来られるみたいですよ。」
若菜が言うと
「そうでしたか。」
久美子は言った。
「私たちも暗い話題を忘れて頑張りましょう。」
若菜が言うと
「最近は有名人のご家族が誘拐させるケースが多いですね。」
園子は言った。
「嫌なことが多いわね。」
若菜が言うと
「無差別に誘拐されるから気をつけないといけないですね。」
久美子は言った。
「おまけに不景気が長引いているから最悪だわ。」
若菜が言うと
「いつまで経っても景気が回復しないですね。」
久美子は言った。
「政治家の先生に何とかしてほしいですね。」
園子が言うと
「そうですね。」
久美子は言った。館内に音楽が流れてきて駅ビルの開店時間が近い知らせると
「今日もお疲れ様でした。」
若菜は笑顔で言った。

「私はあなたより頭が良いはずです。」
内閣総理大臣の堤下周一郎は言った。正樹は黙ってテレビ画面を見ていたが
「大胆なことを言うのね？」
春香は呆れたように言った。
「こんな政権は誰かにくれてやりますよ。」
堤下が言うと
「馬鹿なことを言うな！」
正樹は大きな声で言った。
「これで衆議院は解散します。」
堤下は言った。与野党の議員たちが混乱しているのがテレビ画面を通じて伝わってくると
「困ったことになったわね。」
春香は言った。
「総武と春香には影響が出ないようにし根回しをするよ。」
正樹が言うと
「あまり無理をしてはダメよ。」
春香は言った。
「大丈夫だよ。」
正樹は考えるように言った。久しぶりに自宅で寛ぐふたりであったが
「私はオフィスに顔を出すわ。」
春香は椅子から立ちがると言った。
「総武は高村さんに任せてあるから遠くで静観するよ。」
正樹が言うと
「はい。」
春香は言った。