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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part3 その80

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「李先生も青い龍のことが気になっていらっしゃるみたいですね?」
俊之は歩きながら言った。
「李先生が本気になれば青い龍を潰すのは簡単だと思うが穏便に済ませたいのだと思うよ。」天門は俊之の横で言った。
「李先生のお気持ちが僕にも解ります。」
俊之が言うと
「少し食べ過ぎたみたいだね。」
天門は腹部を押さえて言った。
「運動のために散歩をしてから駅に行きませんか?」
俊之は言った。
「男同士の散歩もおしゃれかもしれないね。」
天門は笑顔で言った。
「はい。」
俊之が言うと
「どの道がいいかな?」
天門は言った。
「こちらの道を歩きましょう。」
俊之は少し狭い方の道を指差して言った。
「うん。」
天門が言うと
「この道を行くと楽しい運動になりそうですよ。」
俊之は言った。
「久しぶりに身体を動かしたいね。」
天門が言うと
「そうですね。」
俊之は天門に目で合図をしながら言った。
「これから楽しいことが起こりそうだよ。」
天門は周囲を見てから言った。

「おはようございます。」
園子は笑顔で言った。
「おはようございます。」
若菜は言った。
「すぐに着替えして来ます。」
園子が言うと
「ゆっくり着替えてください。」
若菜は言った。園子が更衣室の中に入って行くと
「堀川さんは休憩に入ってください。」
若菜は横にいる久美子に言った。
「はい。」
久美子が言うと
「ゆっくり休んで来ていいよ。」
小百合は言った。
「食事をしたらすぐに戻って来ますよ。」
久美子は笑顔で言った。久美子がカウンターから歩き出すと園子が更衣室から出て来た。すれ違いざまに
「お疲れ様です。」
園子は久美子に言った。
「お願いします。」
久美子は笑顔で言った。

 久美子は着替えを終えて財布を持つとすぐに更衣室から出てエスカレーターに乗った。エスカレーターを降りると目の前が駅ビルの出口である。駅前広場は行き交う人で混雑していた。交差点の信号が赤になって大勢の人が立ち止まっていた。久美子は待ち時間を長く感じながら空を見上げた。初夏の空は青く大きな雲が浮かんでいた。久美子が携帯電話を取り出してチェックをするとすぐにポケットにしまった。信号が青に変わり人々が歩きだすと久美子は歩こうと前をみた。その瞬間に誰かが後ろから久美子を突き飛ばして交差点で前のめりに倒れそうになった。久美子はたき子突き飛ばされた時と同じ感覚だと思ったが自分に何が起こったのかは解からなかった。突然に萩原を含めた3人の男が現れると久美子の身体を抱え上げて交差点の先に止めてあった乗用車まで連れて行った。わずかな時間の出来事に周囲の人はドラマの撮影を見ているような感覚で見ていた。萩原たちは久美子を乗用車に乗せた。
「何をするのですか?」
久美子は大きな声で言った。萩原たちも乗用車に乗るとすぐにエンジンをかけた。
「静かにしろ。」
萩原は言った。久美子はその時になって萩原の顔を確認した。
「萩原さん。」
久美子が言うと
「お前に付き合ってもらうよ。」
萩原は言った。
「店長とのことを恨んでいるのですか?」
久美子が言うと
「怪我をしたくなければ黙って言うことを聞け!」
萩原は大きな声で言った。久美子を乗せた乗用車がスタートすると大輪を乗せた関口がオートバイに乗って現れた。
「私が行きます。」
大輪は大きな声で言った。
「僕は笹川さんに連絡をします。」
関口は言った。大輪は乗用車の後部に乗り移ると関口のオートバイを見た。

「誰かが後ろにいます。」
運転している若い男は言った。」
「早く振り落とせよ。」
萩原は言った。
「久美子さん。」
大輪は大きな声で言った。
「目障りだな。」
萩原は睨みつけるような表情で言った。大輪は後部から這い上がり乗用車の屋根につかまっていた。

「天門先生。」
俊之は合図をするように言った。
「うん。」
天門は頷きながら言った。ふたりは広い公園の前で立ち止まった。周囲は静かで人の気配はなかったが
「僕たちに用件があるのなら出て来なさい。」
俊之は大きな声で言った。天門が鋭い視線で周囲を見ると巽を含めた6人の若い男が現れた。それぞれが手にナイフや剃刀を持っていた。
「久しぶりに激しい運動をしなければいけませんね。」
俊之が言うと
「仕方がないよ。」
天門は言った。
「痛い目に合ってもらおうか。」
巽が言うと
「僕も黙って負けるわけにはいかないよ。」
俊之は言った。
「強がりが言えるのは今だけだぞ。」
巽は低い声で言った。巽がナイフを振りかざして俊之に向かって来ると俊之は素早く身体を動かして巽の攻撃を交わしてから足を絡ませて巽を転ばせた。もうひとりの若い男も俊之の背後に回ると蹴りの体勢をとった。俊之は素早く避けると若い男に足を絡ませて転ばせると腹部に拳をあてた。
「痛てえ!」
若い男は悲鳴のように言った。
「僕も負けるわけにはいかないと言ったはずだよ。」
俊之が言うと
「この野郎!。」
巽は言った。
「失礼な言い方はやめなさい。」
俊之が言うと
「次はお前が行け!。」
巽は別の若い男に言った。
「君は私が相手をするよ。」
天門は落ち着いた口調で若い男に言った。
「おじさんは引っ込んでいろ!」
巽が言うと。
「失礼な言い方をやめないと高村さんが言ったはずだよ。」
天門は大きな声で言った。
「覚悟をしろ!」
巽が言うと
「私も本気を出すよ。」
天門は言った。
「あとで後悔するぞ。」
若い男が言うと
「君も覚悟をしなさい。」
天門は言った。若い男が天門にナイフを振りかざすと天門の身体が素早く左右に動いて拳を腹部に当てた。巽が見ると次の瞬間に若い男は腹部を押さえて屈みこんでいた。
「あいつに何をした。」
巽が言うと
「私の拳も痛いはずだよ。」
天門は言った。
「痛てえ!」
若い男は大きな声で言った。
「お前たちこそ暴力を揮ったな。」
巽が言うと
「これは暴力ではないよ。」
俊之は言った。
「それは拳法なのか?」
巽は言った。

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