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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part3 その30

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「OKです。」
監督の黒岩高明は大きな声で言った。黒岩の表情を見て
「お疲れ様でした。」
ADの小松民夫は言った。緊張した撮影現場の空気は張り詰めていたがこの瞬間から和やかな雰囲気に変わった。
「とても良い演技だったよ。」
黒岩は直子に言った。
「ありがとうございます。」
直子が言うと
「直子は主演女優の風格が出てきたね。」
黒岩は言った。直子が微笑むと小松が直子の傍にやって来た。黒岩が見ると
「こちらで休憩してください。」
小松は直子に言った。
「はい。」
直子が言うと
「次のシーンを撮ったら今日の撮影は終わりにするよ。」
黒岩は言った。出演者やスタッフがそれぞれ時計を見ると撮影が順調に進んでいるのが確認できた。
「今日は早めに都内に戻れそうですね。」
小松は黒岩に言った。
「天候に恵まれてよかったよ。」
黒岩は言った。直子が椅子に座って寛いでいると
「今日は早く撮影が終わりそうですね。」
上村右京は直子に言った。直子は上村を見ると視線を逸らせた。小松がふたりを見てから黒岩に視線を移すと黒岩は首を横に振った。
「共演者の皆さんと呼吸が合っていますから順調に来たのだと思います。」
直子が言うと
「このあとは何か予定はあるの?」
上村は言った。
「私は自宅でゆっくりします。」
直子が言うと
「たまにはふたりで飲みに行こうよ。」
上村は言った。
「ふたりだけなら遠慮させていただきます。」
直子が言うと
「冷たいことを言うなよ。」
上村は言った。
「私にも断る権利があります。」
直子が言うと
「何を生意気なことを言っている。」
上村は言った。直子と上村に険悪なムードを感じは小松は黒岩を見た。黒岩が頷くと
「早めに撮影をはじめましょう。」
小松は大きな声で言った。
「このシーンで終わりにするよ。」
黒岩は大きな言った。

「ご無沙汰しています。」
松田雄馬は笑顔で言った。松田が捜査一課を訪れるのは異例である。桜田は松田と視線を合わせると笑顔を作ったが目は笑っていなかった。菊池は松田と初対面のために黙ったままであった。
「お元気そうで何よりですね。」
桜田は言った。菊池が黙っていると
「私はSITの松田と言います。」
松田が言うと
「捜査一課の菊池です。」
菊池は言った。
「松田さんは笹川さんが退職されたあとのご活躍が目覚しいですね。」
桜田が言うと
「笹川が退職するとは思いませんでした。」
松田は言った。
「ふたりは良きライバルでしたね。」
桜田が言うと
「笹川がいないと元気が出ないよ。」
松田は言った。
「おふたりがライバルだったのですか?」
菊池が言うと
「私は常に笹川を意識していました。」
松田は言った。
「これから例のミッションが実行されるわけですね。」
桜田が言うと
「はい。」
松田は言った。
「我々も知らん顔をするわけにはいきませんね。」
桜田が言うと
「今回は本部長と顔合わせですよ。」
松田は言った。
「アメリカフィアが上陸するから警察の威信にかけて排除するという噂は本当だったのですね。」
菊池が言うと
「我々も場合によっては連携をとるかもしれませんね。」
桜田は言った。
「難しい顔をしていないで珈琲でもどうですか。」
菊池は松田に言った。
「ありがとうございます。」
松田が言うと
「いずれ笹川さんも絡んでくるかもしれないですよ。」
桜田は笑みを浮かべて言った。

「休憩に入ります。」
久美子は言った。店内は混雑の時間が過ぎて落ち着いていた。
「はい。」
若菜が言うと
「ゆっくり食事をして来るといいよ。」
小百合は言った。
「うん。」
久美子は笑顔で言った。久美子は更衣室に寄ったあとにエスカレーターに乗った。エスカレーターで降りると駅ビルの正面玄関は行き交う人が多かった。お昼を過ぎると駅前広場は人通りが多くなる。久美子は春の日差しを全身に受けて清々しさを感じた。赤信号で立ち止まった久美子は信号に視線を合わせた。信号が青に変わるまでの時間が長く感じられるがそれは仕方がない。信号が青に変わると無意識のうちに歩き出す人がいれば確認して歩き出す人もいた。久美子が歩き出すと年配の男が近づいて来た。人の流れに逆らわずに自然な形で久美子の横に来ると
「一緒に来てもらうよ。」
男は言った。
「あなたはどなたですか?」
久美子が言うと
「黙ってついてくればそれで良い。」
男はナイフを久美子の腰に押し付けて言った。
「止めてください。」
久美子は言った。腰にナイフの感覚を感じた久美子は身体が硬くなるのが自分でも解った。男に腕を掴まれて連れて行かれようとした久美子であるが次の瞬間に男の身体は横に投げ飛ばされたように転がっていた。久美子が男を見ると腹部を押さえながらうずくまっていた。一瞬の出来事に久美子が目を見張ると
「痛てえ!」
男は大きな声で言った。久美子は視野に懐かしい男の顔を発見した。その男は久美子に優しく微笑んでいた。
「大輪さん。」
久美子が言うと
「ご無沙汰しています。」
王大輪は言った。
「日本にいらしていたのですか?」
久美子が言うと
「やっと戻って来ることが出来ました。」
大輪は言った。
「大輪さんにお会い出来て嬉しいです。」
久美子が言うと
「私が早く日本に戻って来たのはその男に関係があります。」
大輪は言った。久美子は大輪が指差す男を見たが面識はなかった。
「この人が何か関係があるのですか?」
久美子が言うと
「暴力団の組長で近い青い龍と繋がっています。」
大輪は言った。
「痛てえ!」
巽和彦は腹部の激痛に耐えかねて大きな声で言った。

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