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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹 その165

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「いいところを町島さんに持っていかれましたね。」
関口は翔太に言った。
「町島さんは役者が一枚上だね。」
翔太は言った。
「これで僕も一休みしますよ。」
関口は安心して言った。

「ありがとうございます。」
俊之が言うと
「助かりました。」
久美子は言った。牛山たちが去り俊之と久美子はひとみを連れて倉庫から離れた所に立っていた。
「いずれ斉藤弘子は警察に逮捕されると思います。」
町島は俊之に言った。
「それでいいのですか?」
俊之が言うと
「牛山たちも理解してくれるよ。」
町島は言った。
「こんなに大掛かりだとは思いませんでした。」
俊之が言うと
「わしは高村さんとの約束は守らせてもらうよ。」
町島は言った。
「今回はあぶなかったです。」
俊之が言うと
「私が軽率でした。」
ひとみは反省しながら言った。
「ひとみさんは何も悪くないですよ。」
俊之が言うと
「すみません。」
ひとみは言った。
「お嬢さんには恐い思いをさせてすまないね。」
町島は久美子を見て言った。
「いいえ。」
久美子が言うと
「お嬢さんは勇気ある行動をとりましたよ。」
町島は言った。
「私は夢中でした。」
久美子が言うと
「あの状況で高村さんを庇うのは勇気が必陽だよ。」
町島は言った。
「私はそんなに立派ではありません。」
久美子は言った。久美子は今になってひとみに涙をためた。
「一番勇気があるのはお嬢さんですよ。」
町島は久美子に微笑みながら言った。

「あれは何だろう?」
運転していた秋田克彦は助手席に座っていた妻の秋田峰子に言った。
「暗くてよく見えないわね。」
峰子は言った。克彦は街灯がなくてスピードが出せない状態でハンドルを回した時に人間らしきものが横たわっているのを見た。
「降りて見て来るよ。」
克彦は言った。克彦は自動車を止めて外へ出て行った。
「暗いから気をつけてね。」
峰子は克彦に言った。克彦には峰子の声が聞こえなかったようである。克彦を待っている峰子には長い時間が流れたように思えた。峰子が黙っていると克彦は暗がりから戻って来た。峰子が見ると克彦の顔は青ざめていた。
「どうしたの?」
峰子が言うと
「大変だ。」
克彦は放心状態で言った。
「黙っていては解らないでしょう?」
峰子が言うと
「人が死んでいるよ。」
克彦は指を指して言った。
「どこで死んでいるの?」
峰子は驚いて言った。
「すぐそこだよ。」
克彦が言うと
「どうしてそんな恐ろしいものを見つけたのよ。」
峰子は大きな声で言った。
「仕方がないだろう。」
克彦が言うと
「早く警察を呼びましょう。」
峰子は言った。
近くには純一の変わり果てた姿があった。

「大変だったね。」
育子は翔太に言った。育子は翔太との電話で少し落ち着いた時間を取り戻しながら言った。
「これで斉藤弘子が逮捕されればすべて解決ですよ。」
翔太は言った。
「もうひとつ残っているでしょう?」
育子は自分の部屋で寛ぎながら言った。
「もうひとつ?」
翔太が言うと
「大事な作戦を成功させないとダメよ。」
育子は言った。
「その件は劇的に解決させますよ。」
翔太が言うと
「私が書いたシナリオだからしっかり演じてよ。」
育子は言った。育子はこれから始まる最後の大一番に期待していた。

朝早くからインターフォンが鳴っていた。弘子はまだ眠かった。弘子は眠い目を開けてやっと起き上がった。
「こんなに朝早く誰なの。」
弘子は言った。時計を見ると6時を少し過ぎていた。弘子はインターフォンの音がうるさくて我慢が出来なかった。弘子はパジャマの上からガウンだけを羽織ってあくびをしながら玄関に行った。朝早くからマンションに来るとは牛山も迷惑だと思いながら弘子は玄関のドアを開けた。ドアの向こうに中年の男がふたりと若い女性がひとり立っていた。
「朝早くからすみません。」
ひとりの男は言った。
「こんなに早く誰なの?」
弘子が言うと
「斉藤弘子さんですね。」
もうひとりの男は言った。
「そうです。」
弘子が言うと
「警視庁捜査二課の杉山です。」
杉山利秀は言った。
「同じく金田です。」
金田二郎が言うと
「同じく中森です。」
中森あずさは言った。
「捜査二課の方が私に何の用ですか?」
弘子が言うと
「詐欺容疑であなたに逮捕状が出ています。」
杉山は言った。金田は弘子に逮捕状を見せた。弘子は逮捕状を見て頭が呆然となっていた。
「久保田直子さんから被害届が出ています。」
あずさは言った。
「何かの間違いでしょう?」
弘子が言うと
「この逮捕状は正式に裁判所から発行されているものですよ。」
金田は言った。真っ白になった頭で弘子は必死に言い訳を考えていたが女性警官のあずさは弘子に素早く手錠をはめた。
「ゆっくりと話を聞かせていただきますよ。」
杉山は落ち着いた口調で言った。この瞬間に俊之に関する不幸な出来事は解決の方向へと加速していた。

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