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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹 その37

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「早く着替えを出してくれ。」
矢島は玄関のドアを開けるとすぐに大きな声で言った。
「お帰りなさい。」
早苗は言った。玄関に行った早苗は濡れた矢島の巨体を見て驚いた。上着はそんなに濡れていないがワイシャツやズボンは酷く濡れていた。
「寒いな。」
矢島が言うと
「そんなに濡れてどうしたのですか?」
早苗は驚いて言った。
「高村と田崎が噴水に落ちてしまったのに付き合っていたよ。」
矢島は言った。
「高村さんと田崎さんが噴水に落ちたのですか?」
早苗は驚いて言った。
「田崎が女性に失恋して高村はそれを忘れさせるために元気付けようとしたようだ。」
矢島が言うと
「それでどうして噴水に落ちたの?」
早苗は言った。
「高村が田崎に自分を殴らせようとしたが田崎のパンチが当たらなかったようだ。」
矢島が言うと
「子供みたいな事をしたのね。」
早苗は言った。
「それで勢い余って田崎が噴水に落ちたるのを助けようとした高村も一緒に落ちたらしい。」
矢島は言った。
「それであなたも付合って噴水に飛び込んだのですか?」
早苗は呆れたように言った。
「当たり前の行動だぞ。」
矢島は言った。
「バカバカしいわね。」
早苗が言うと
「それが男の友情というものだ。」
矢島は言った。
「まるで供みたいね。」
早苗が言うと
「女には解からないだろうな。」
矢島は真面目な顔で言った。
「高村さんがそんな人には見えなかったわ。」
早苗は言った。
「お前には意外だったようだな?」
矢島が言うと
「高村さんは頭脳派だから体育会系的な行動はとらないと思っていたのに違ったわね。」
早苗は俊之の意外な面に驚いて言った。
「あいつは見かけ以上に男っぽい部分があるぞ。」
矢島は言った。
「嘘みたいね。」
早苗が言うと
「それがあいつのいいところだよ。」
矢島は言った。
「今頃は一人暮らしの高村さんは今頃どうしてるのかしら?」
早苗は高村の顔を思い浮かべて言った。
「自分のマンションに帰っている時間だぞ。」
矢島が言うと。
「ひとり暮らしだから着替えは大変でしょうね。」
早苗は言った。矢島は黙ったままで早苗を見ていた。

朝日の明るい日差しが窓から入って来る。といつもと変わらない日常が始まる。俊之が起きる時間であるが今日は違っていた。俊之はいつもの時間になっても起きられないままであった。俊之は一度目を覚ましたのであるが起きて座っているのがとても辛かった。身体にだるさがあり体温計で測ってみると40度以上も熱があった。これだけ高熱であれば身体は辛いはずである。俊之は頭脳をフルスピードで回転させて今日の予定と自分の体調を分析した。今日は仕事にならない。俊之の判断は早かった。
「今日は休みにしよう。」
俊之短く言った。再び睡魔が俊之を襲い眠るまでは短時間であった。

 俊之の頭の中でインターフォンが大きな音で鳴っていた。今日は仕事を休むと関係者には連絡をしているはずである。誰がが尋ねて来たようである。急用案件でも起きたのであろうかと俊之は考えていた。俊之の部屋に誰かが人が訪ねて来るのは珍しかった。俊之は重い身体を起こしたが体調は最悪の状態である。起き上がった俊之は玄関まで行ってドアを開けるとドアの向こうには久美子が立っていた。
「久美ちゃん。」
俊之は久美子が立っているのを見て言った。
「来て見てよかったです。」
久美子は玄関から入って来て言った。
「どうしたの?」
俊之が言うと
「何度電話をしても出ないから心配になりました。」
久美子は言った。
「昨夜の噴水がいけなかった。」
俊之が言うと
「すぐに着替えなかったでしょう?」
久美子は言った。
「部屋に帰って来るまでに時間がかかったからね。」
俊之が言うと
「朝食は食べましたか?」
久美子は言った。
「食事はこれから食べるつもりだよ。」
俊之が言うと
「熱もあるみたいですね。」
久美子は言った。
「すぐに良くなるよ。」
俊之が言うと
「こんな時間まで何も食べていないとダメですよ。」
久美子は言った。
「久美ちゃんに風邪がうつるといけないから離れていた方がいいよ。」
俊之が言うと
「そんな事を言っている場合ではないですよ。」
久美子は大きな声で言った。久美子は俊之を無視してキッチンの中を見た。
「久美ちゃん。」
俊之が言うと
「食材を買ってきますから寝ていてください。」
久美子は俊之に言った。

 商店街は八百屋だけが開いていた。他の店は準備中で八百屋だけが営業を始めていた。新鮮な物はスーパーやコンビニよりも専門店の方が品数の多さが目立っている。得意料理に必要な食材を選ぶのは久美子にとって楽しかった。俊之にはかわいそうだであるがたまには風邪を引いてもらうのも悪くないと久美子は思っていた。
「いらっしゃい。」
八百屋の店主は久美子に言った。
「寒いのに冬に噴水に落ちるようなことをするとは子供みたい。」
久美子は小さい声で言った。俊之にも子供っぽいところがあるのは久美子にとって意外であり安心でもあった。久美子は食材を楽しそうに選んだ。
「ありがとうございます。」
八百屋の店主は大きい声で言った。
「俊さんは絶対に悪い人ではないわ。」
久美子は小さい声で言った。

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