2007年1月25日から28日にかけて、フランスのアングレーム(Angoulême)市で第34回アングレーム国際BDフェスティヴァル(Festival International de la Bande Dessinée d'Angoulême)が開催されます。開催まであと2週間ちょっとということで、フェスティヴァルのホームページに主要な情報が揃っているので、ここらで紹介しておきたいと思います。ホームページはこちら↓ http://www.bdangouleme.com/index.ideal
具体的にどんなイベントがあるのか、ホームページに則って紹介すると、まずかなり多くの「Exposisions(展示)」があります。 ■ 「Le monde de Kid Paddle(キッド・パドルの世界)」〜Midame(ミダム)による同名の児童向け大人気BDをテーマにした展示 ■ 「Exposition Universelle de la bande dessinée(BD万国博覧会)」〜世界中の漫画、特にまだあまりよく知られていない地域の漫画の紹介。。 ■ 「Les 7 Merveilles de la bande dessinée avec Lewis Trondheim(ルイス・ドロンダイムのBD七不思議)」〜昨年のグランプリにして、今年度の審査委員長ルイス・トロンダイムが企画する展示+イベント。「Les Schtroumpf(レ・シュトゥルンフ)の原画」とか「世界で最も高価な原画」とか「Corto Maltese(コルト・マルテーゼ)とする新世界発見」とか、ちょっとレアな情報を織り込みつつ、普通とは違った視点からBDを眺める試み。会期中の24時間を使って、24人の作家が1枚ずつページを担当し、24ページ分のBDを作る試みもあるそうです。 ■ 「Pierre Christin et Valérian(ピエール・クリスタンとヴァレリアン)」〜Mézière(メジエール)との共作『Valérian(ヴァレリアン)』の40周年を記念する展示と2人の対談(?)。ちなみにそのピエール・クリスタンが André Juillard(アンドレ・ジュイヤール)と組んで描いている『Le Long Voyage de Léna(レナの長い旅)』のジャズへのアダプテーションというイベントもあるそうです。ちなみに『Valérian(ヴァレリアン)』はコミュで紹介してます(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=11915454&comm_id=424387)。 ■ 「Archéographie : une exposition de la Maison des Auteurs(図像考古学:作家の家の展覧会)」〜3007年に未来の考古学者たちによってアングレームの遺跡が発見された…というコンセプトで行なわれる展覧会。23人の作品が展示されるようですが、知らない人ばっか… 架空の名前なのか…? 日本人らしい名前もあったりします。とりあえず適当に訳しましたが、「Archéographie」、「la Maison des Auteurs」というフランス語はどう訳すべきなんでしょうね…? ■ 「Exposition Hergé(タンタン展)」〜『タンタン』の作者エルジェの生誕100年を記念した展覧会。「Hergé, du voyage imaginaire au voyage intérieur(エルジェ、空想の旅から内面の旅へ)」という題がついているそうです。作品よりは作者に焦点を合わせた展覧会とのこと。 ■ 「Jim Woodring(ジム・ウードリング)」〜『Frank(フランク)』などの作品で知られるアメリカン・オルタナティヴ・コミックの作家。ヨーロッパ初の展覧会とのこと。 ■ 「Bernard Pras : création contemporaine et bande dessinée(バーナード・プラス:現代美術とBD)」〜バーナード・プラスという造形作家による漫画を題材にしたインスタレーション。 ■ 「Le Salon des éditeurs(出版社サロン)」〜フェスティヴァルに参加する出版社が一同に会し、巨大書店に。同じスペースで、受賞予定作品の展示も行なわれるようです。 ■ 「Made in China(メイド・イン・チャイナ)」〜NCACG (China National Center for Developping Animation, Cartoon & Game Industry[中国国立アニメーション・漫画・ゲーム産業振興センター])による活動紹介。日本はこういうことしなくていいのか…?
Takatakataさん、報告ありがとうございます。
これをきっかけにヨーロッパにも妖怪ブームがやってくると、それはそれで楽しそうですね。
以前BD研究会でみた(たぶん) Frederik Peetersの「LUPUS」が受賞していましたね。
そういえば今まであった、Prix du dessinなどは、賞の縮小でなくなってしまったのでしょうか?
■Grand prix de la ville d'Angoulême(アングレーム市グランプリ):
José Muñoz(ホセ・ムニョス)
* なんとちょっと前に紹介したホセ・ムニョスがグランプリ受賞です! ナイスタイミングでしたね。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=13916626&comm_id=424387
ムニョスの紹介文がこちらにあります。
http://www.bdangouleme.com/actualites/index.ideal?action=consulter&id=1035
これによると、ムニョスは既に1978年に「Meilleur Album Etranger(最優秀外国作品賞)」、1983年に『Alack Sinner – Flic ou privé(アラック・シナー―警官あるいは私立探偵)』というタイトルの作品で最優秀作品賞を受賞しているようです。
■Prix du meilleur album(最優秀作品賞):
Shigeru Mizuki(水木しげる)『NON NON BÂ(のんのんばあとオレ)』(Cornélius[コルネリユス]刊)
* 我らが大水木の『のんのんばあ』が最優秀作品賞に選ばれました! ちなみに『のんのんばあとオレ』以外にも『のんのんばあ物語』という短編集もあるんですが、前者の仏訳ということでいいんですかね?
■Les essentiels d’Angoulême(アングレーム最重要作品 *もっとうまい訳がありそうですが…)
Charles Burns(チャールズ・バーンズ)『BLACK HOLE(ブラック・ホール)』(Delcourt[デルクール]刊)
Frederik Peeters(フレデリック・ペータース)『LUPUS(リュピュス)』(Atrabile[アトラビル]刊)
Olivier Ka & Alfred(オリヴィエ・カ&アルフレッド)『POURQUOI J’AI TUÉ PIERRE(僕がピエールを殺した理由)』(Delcourt[デルクール]刊)
Ludovic Debeurme(リュドヴィック・ドゥブールム?)『LUCILLE(リュシーユ)』(Futuropolis[フュチュロポリス]刊)
Emmanuel Guibert - Didier Lefèvre - Frédéric Lemercier(エマニュエル・ギベール&ディディエ・ルフェーヴル&フレデリック・ルメルシエ)『LE PHOTOGRAPHE(写真家)』(Dupuis / Aire Libre[デュピュイ/エール・リーブル]刊)
また、二人がプロデュースした「Musee des Ombres (闇の美術館)」展覧会のことにも触れていました。私はこの展覧会のことは全く知らなかったのですが、廃墟と化した美術館という設定の中、半分焼かれたり、靴の踏み跡が残ったりする原画(のコピー)が展示されたようです。美術館という展覧スペース自体も含めた展覧会だったのですね。例えば、展覧会場の壁も焼かれて黒くなっていたり、ひびが入っていたりしており、その壁の切れ目から近未来の世界(もちろんシュイッテンによる絵)が垣間見えたりします。
他にも似たような趣旨で、「BDコンサート」(Concerts de Desssins)というのが有料で行なわれていました。私は行きませんでしたが、その様子の一部がこちら(→http://www.lexpress.fr/mag/arts/bd/bd_angouleme07/dossier.asp?ida=455164)で見られます。