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BDについてもっと知りたい!コミュの「ニコラ・ドゥ・クレシーを囲んで」報告

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 3月6日(木)にBD作家 Nicolas de Crécy(ニコラ・ド・クレシー)を招いて東京の日仏学院で行なわれたイベント「ニコラ・ドゥ・クレシーを囲んで」の報告です。いやあ、なんかぐずぐずしてたらイベント当日からはや1週間が経ってしまいました… 当日会場に来ることができず、楽しみにしていた方がいたら申し訳ありません。きちんとメモをしなかったんで、細部に自信が持てず、なかなかアップできませんでした。時間を置いたからと言って、よくなるというものでもないんですが、もういい加減アップしないと…ということで、ここらで見切りをつけることにしました。ここ違うだろというところがあるはずなので、当日会場にいた方にフォローしていただけると助かります。

 会場は満員という感じで、ダヴィッド・ベーのトーク・イベント(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=23752910&comm_id=424387)やアングレーム国際BDフェスティヴァルの一環として行なわれたビデオ会議(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27815650&comm_id=424387)の時よりも多くの人が入っていましたね。さすがにド・クレシーは知名度が高いようです(笑)。それでは、以下に報告を掲げます。
 ※ちなみに作家名の日本語表記は「ニコラ・ド・クレシー」でも「ニコラ・ドゥ・クレシー」でもどっちでもいいと思うんですが、日本語では慣習的に「ド」と書いてきたような気がするので、「ニコラ・ド・クレシー」という表記を取ることにします。

19:00〜
Sylvain Chomet(シルヴァン・ショメ)監督、ニコラ・ド・クレシー美術担当の中篇アニメーション『La Vieille Dame et les Pigeons(老婦人とハト)』鑑賞

 冒頭と最期の部分に英語のナレーションが入りますが、このナレーション自体は作品の内容にとってそれほど本質的なものではないようで、それ以外の部分についてはセリフなしの、30分ほどのアニメーション映画です。この映画の上映については、ド・クレシーの作品は日本語訳がほとんどないので、少しでも触れてもらうためにこの映画を上映したという日仏側の配慮もあったんですかね…

19:30〜
細萱敦さんとニコラ・ド・クレシーのトーク

 まずは、細萱さんからのご挨拶。現在は東京工芸大学で教鞭を取っているが、かつて川崎市市民ミュージアムの学芸員をなさっており、2003年に「フレンチコミック・アート展」という展覧会でフランスの現代のBD作家を紹介。その際にニコラ・ド・クレシーも紹介しており、『Foligatto(フォリガット)』や『Bibendum Céleste(天空のビバンドム)』の原画を展示したとのこと。

 以下、細萱さんの質問にド・クレシーが答える形でトークが進行していきます。会場では、話題に挙がっている作品をプロジェクターを用いてスクリーンに映し出してくれていました。以下に細萱さんとド・クレシーさんのやり取りを要約的に記します。■が細萱さんの質問で、□がニコラ・ド・クレシーの回答ということにします(ちょっと見にくいかも…)。ところどころ重要なポイントを落としてしまっているところがありますが、その辺はご容赦ください。また、いくつかの質問と回答を混ぜ合わせてある部分もあります。

■「フレンチコミック・アート展」で、ド・クレシーさんの作品を紹介したわけだが、ド・クレシーさんの作品の魅力を考えた場合、まずそのキャラクターの面白さということが挙げられる。作品を読むと、例えば、『フォリガット』や『天空のビバンドム』など、丸々と太ったキャラクターが最終的にひどい目にあうという話が多い。それ以外でも、『Monsieur Fruit(ミスター・フルーツ)』や『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』といった作品に太ったキャラクターが登場する。実際、ド・クレシーさんは太ったキャラクターがお好きなのか?
□(いきなりですみませんが、ここはあまり聞き取れてません…)初めて気づいた。太ったキャラクターを描くと、他に絵を描かなければいけないスペースが減るので、太ったキャラクターを好んで描いているのではないか(笑)。『フォリガット』については、オペラのカストラートの話であり、物語の設定上、主役は太ったキャラクターになっている。『ミスター・フルーツ』は、スーパー・マンのカリカチュアであり、スーパー・ヒーローの戯画として、太った造形を選択している。

■一方で、これは悪役に多いのかもしれないが、非常に細い人物や動物を象ったキャラクターも登場する。『天空のビバンドム』には、何人もの人物が集まってできたキャラクターも登場するようだが?
□市長のことだろう。市長は彼に投票する有権者の複合体として描かれている。複数の有権者の身体が彼の身体を構成しているのだ。グラフィックの形態が登場人物を規定しており、赤い線だとか太った人物だとか、そのようなグラフィズムが物語の意味を決定している。
※後半部分でグラフィックに基づく作劇という日本のマンガではあまり例がなさそうな非常に面白い話をしているのですが、ここもあまり聞き取れてません…

■日本のマンガをよく読むので、キャラクターをどのように作るのかということに関心がある。これはスケッチ集のようなものだが、『Des Gens Bizarres(奇妙な人々)』という本を見ると、乗り物などの絵もかなりあるようだが?
□これは自動筆記的(無意識的)なデッサンである。いろいろと制約が多いBD制作を終えた後に、このような自由なデッサンをして心を休める必要があるのだ。

■BD作家はイラスト集や旅行のスケッチ集を出版することも多いようだが?
□そのとおり。日本のマンガ家はあまりしないようだが、BD作家はよく旅行のスケッチなどを出版する。あるいは、この本のように想像に基づいたデッサンを出版することもある。いずれにせよ、これらはグラフィックの訓練である。

■想像に基づいた風景を訓練として描き、それをBD作品の中に生かすということもあるのだろう。あなたの作品の場合は、キャラクターも面白いのだが、背景となる都市や国が見事に描かれていて感銘を受ける。『天空のビバンドム』の舞台になるのは「New-York-sur-Loire(ニューヨーク=シュル=ロワール)」という都市で、そこには摩天楼があり、港町があり、大きな船が停泊し、自動車、列車まである。1930年代のニューヨークを想起させるもので、『ニューヨーク=シュル=ロワール』という画集まで出版している。その時代のニューヨークに何か思い入れがあるのか?
□ニューヨークを訪れたことはないのだが、常に魅惑を感じてきた。シカゴもそうだが、ネオ・ゴシックとでも言うべき、ヨーロッパとアメリカの建築の混合体で、グラフィック的に非常に豊かなものを持っている。私は Berenice Abbott(ベレニス・アボット)という1930年代のニューヨークを写真に収めた写真家が好きで、そこから多くの着想を得ている。自然や写真やもとに非常に多くの建築物を描いてきており、私自身、多くのボキャブラリーを有している。『ニューヨーク=シュル=ロワール』については、フランスとアメリカの都市を混合して作った想像上の都市である。

■この本は想像上の都市のスケッチ集であると同時に、グラフィックの実験の場でもあるのではないか? あなたの作品の背後に西洋絵画の伝統があるように感じられる。(『ニューヨーク=シュル=ロワール』に収められた1枚の絵を指しつつ)例えば、この絵など、オノレ・ドーミエに近い印象を受けるのだが?
□実際、James Ensor(ジェイムズ・アンソール)やGeorge Grosz(ジョージ・グロス)といった画家の影響を受けている。私のBDはただ単に物語を語るものではなく、1作ごとに絵画的な可能性を追求したものである。自分のスタイルを更新していく上で、こうした画家たちの作風の発展を参考にしている部分はある。

■『ニューヨーク=シュル=ロワール』という架空のスケッチ集について考えたわけだが、もうしばらく旅行のスケッチにこだわりたい。Dupuis & Berberian(デュピュイ&ベルベリアン)、Emmanuel Guibert(エマニュエル・ギベール)、Lewis Trondheim(ルイス・トロンダイム)など、多くのBD作家が旅行先でしたスケッチをフランスで出版するということをしている。あなたもいくつか出版しているが、とりわけ『Lisbonne(リスボン)』という作品について、その成り立ちを教えていただけないか?
□元々、リスボン在住の作家とコラボレーションをする予定があり、ポルトガルを訪れた。しかし、そのコラボレーション自体はなされず、私は写真だけ撮影して戻った。3、4年後、別の作家のテクストに絵をつけることになり、その時に写真をもとに描いたのがこの本である。

■私たちに日本人は、このような石で作られた町、特にその敷石、壁といったものに憧れをいだくことが多いのだが、あなたもこの町に何らかの魅力を感じたのだろうか?
□時の作用を受けて変化を受けた敷石、壁などが非常に印象的だった。

■(森の中を路面電車が走る絵を指しつつ)少し幻想的な要素も入っているようだが?
□路面電車が売却されるということで、その路面電車を詩的に表現してみた。

■(広場にある巨木から木漏れ日が敷石に落ちかかっている絵を指しつつ)リスボンは大西洋に面しているため、大西洋側から低い光が入ってきている印象がある。
□舗道に落ちた木漏れ日が動きながら何か形を作っていて興味深い効果をあげていた。廃屋も魅力的である。

■この画集の技法はどのようなものか?
□筆で直接描き、水彩で着色、ところどころグワッシュを用いている。

■技法の話が出たが、あなたは今にいたるまで多様な技法を用いている。その移り変わりをお話しいただけないか?
□最初のアルバムはかなり完成度の高いもので、作るのに3、4年かかっている。影響を受けた画家たちのコピーをしたつもりはないが、その残響に満ちた作品と言える。非常に満足しているのだが、ただ、描き込みが多い作品であるのも事実で、その後、ナレーションに重点を置いた作品を描くようになる。

■極彩色の作品がある一方で、あなたは『ミスター・フルーツ』のような白黒だけの作品も制作している。これは印刷の予算が足りなかったということではないのですね(笑)?
□もちろん違う(笑)。意図的にそうしており、従来の自分の画風よりはるかに軽い線を志向して描いたものだ。マンガ家のように1日に描ける枚数を増やしたいという思いもあった。一方で、こうした試みをすると重厚な絵に対する関心が甦り、『天空のビバンドム』では豊かな色彩を用いた絵を描いている。

■これは鉛筆の線か?
□鉛筆の線をコピーしたものだ。おかげで数百ページの作品が描けるようになった。

■最近『ミスター・フルーツ』の2巻分をまとまた本も出ているようだが?
□主人公のように2冊分の太った本になったということだ(笑)。

■この本が出た当時、日本で東京湾からアザラシが川を遡ってきて話題になったのだが、ご存知か?
□それは知らなかった。そのアザラシは政治家にでもなったのか(笑)? 海に戻ったということで何よりだ。
 ※『天空のビバンドム』のエピソードです。

■(『天空のビバンドム』の冒頭に登場する語り手の絵を指しつつ)この人物は日本人の目から見ると、お供えモチに見えるが、これはなんなのか?
□この人物は悪魔に操られており、これは悪魔が彼を捏ね上げているところだ。ただ、非常に複雑な話で語るのは難しい。日本語訳が出るといいのだが(笑)。

■『天空のビバンドム』の主人公のディエゴはノーベル博愛賞を受賞すべく教育をほどこされるようだが、受賞の席上で観客に向かって火を噴くというシーンがあり、それが非常に印象的だった。
□繰り返しになるが、非常に複雑な話で、語るのが難しい。自動筆記的な手法を用いており、昼寝をして夢を見たら、それを絵に描きとめる。そして、その絵をもとにして物語を作るという方法を取った。非常に特殊な作品なのだ。

■夢を見て、それをもとに作品を作るというのは驚きだ。日本でもそのような作家はいることはいるが、フランスではそういう作家は多いのか?
□日本のマンガ家に比べて、フランスのBD作家は時間が多いので、夢をもとにして作品を作る可能性は多いかもしれない(笑)。

■自動筆記という話があったが、インタヴューなどを通じて、あなたは子どもの頃から絵を描いてばかりいたと知った。やはり考えるより手が早く動くというタイプなのか?
□いや、必ずしもそういうことではない。描くということは私にとってきわめて自然なことである。当然、まず頭に浮かぶのだが…
 ※ここは、後半が聞き取れてません… どなたかフォローしていただけると助かります。

■ド・クレシーさんの世界は、一部のクリエイターなどを除くと、2003年当時はまだあまり日本で知られていなかった。最近になって日本でもかなり知られるようになってきており、『MANGA FEVER(マンガ・フィーヴァー)』(飛鳥新社、2002年)、『Slip(スリップ)』(飛鳥新社、2005年)、『JAPON(ジャポン)』(飛鳥新社、2006年)といった本を通じて、その作品に触れることもできる。『Slip(スリップ)』に載った「Prosopopus(プロゾポプス)」はセリフのないサイレント作品だが、これは日本の媒体に載せるために特別に描いたのか?
□雑誌の編集長から要請があり、テクストなしで作品を作るという試みに惹かれ、15ページのサイレント作品を描くことになった。BDと日本のマンガの間に、シークェンスの作り方や省略の考え方の点で大きな違いがあるので、その部分については配慮した。映画的な発想で作品を作ったつもりである。

■『MANGA FEVER(マンガ・フィーヴァー)』は日韓共催のワールド・カップを記念して出版されたものだが、覚えているか?
□もちろん。ただ、これを見ると、いかに私がサッカーに関心を持っていないかがわかるはずだ(笑)。

■これらの本の延長上にあるのが、『JAPON(ジャポン)』である。これは日仏の作家交流として企画されたもので、フランスの作家が日本各地に滞在し、滞在地に由来する作品を描いている。あなたは名古屋に滞在し、「新しき神々」という作品を描いているわけだが?
□1週間ほど名古屋に滞在し、この作品を描いた。この時初めて日本に来たのだが、たった1週間でその土地のことを知るのは不可能なので、私は、生成途中にあるフランスのあるキャラクターが日本を訪れ、日本のキャラクターたちからそのあり方を学ぶという物語を構想した。

■これはページ数の限られた作品だが、これをもとにして作った作品が『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』ということでいいか?
□この短い作品をもとにして、長編を描くためのアイディアがいろいろと浮かんできた。この本は生成途中にあるキャラクターを通じて「絵」を語る物語である。日本に滞在した生成途中のキャラクターは、帰りの飛行機の中で、作者である私と出会うことになる。私はブラジルへの旅行を終えた帰りで、彼にブラジルでの経験を話すことになる。この本は2つの異なる国の考察でもあり、本の前後半がそれぞれの国に費やされている。描き方もそれぞれの部分で異なっているのが特徴である。

■日本の部分ではキャラクターのデザインに焦点を当てているようだが、ブラジルの部分では、土俗的な人形に焦点を当てている印象があるが?
□それはブラジルで作られたテラコッタ像で、その彫像に感銘を受け、作品の中で取り上げている。

■作品の最後にキリストと悪魔らしき登場人物が夭逝した若い日本の女性を棺桶に入れて、引っ張っているような絵が描かれているが、これはキリストなのか?
□実際、キリストである。ただ、長い物語をここで要約することはできないので…

■なるほど。翻訳が出ることを期待したい(笑)。最後にわりと最近出版された本で、今、質問に挙げた神や命の吹き込みといったテーマに関連がある作品を紹介したい。『Période Glaciaire(氷河期)』という本で、氷に埋もれたルーブル美術館を発掘する話のようだが?
□この本は Futuropolis(フュチュロポリス)とルーブル美術館の共同編集で、ルーブル美術館を紹介するBDを作ってほしいという要請を美術館自体から受けて制作した。自由に描いていいということだったので、氷河期に襲われた未来の世界で、探検隊の一行がルーブル美術館を掘り当て、作品を見つける度にでたらめな解釈をほどこすという内容の作品にした。

■これもぜひ美術の新しい解釈のために翻訳してもらいたいものだ(笑)。さすがにルーブルの要請ということもあり、巻末には詳細なインデックスも付されている。

細萱さんとド・クレシーさんのトークは以上で終わり。以下、会場の観客との質疑応答です。

20:30〜
質疑応答
 ※メモが不十分なので、とりあえず質問の一覧だけということで勘弁してください。

■最近はコンピューターを使って作品を制作していると思いますが、紙と筆などを用いて描く場合とコンピューターを用いる場合で、異なる点はあるか?

■今後、日本語の翻訳や日本での仕事の予定はあるか?

■『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』を読んで感銘を受けた。若干文学的なところはあるが、生成途中のキャラクターというアイディアが面白く、「絵」とは何かというテーマについて豊かな思索が含まれており、白黒のBDという観点からも十分日本でも受け入れられうる作品だと思われる。私自身、BDとマンガの違いに関心があるのだが、『プロゾポプス』でかなりマンガに近い試みをしているド・クレシーさんにとって、BDとマンガの違いはどのようなものなのか?

■BDの絵は1コマ1コマが絵画として成立するくらい素晴らしいものだが、その絵としての豊かさは物語を語る上で障害になってしまうのではないか? コンピューターを使った着色をなさっているということだが、実際試みて、それに失望することはなかったか? 現在、京都の滞在なさっているということだが、今回の滞在で何か制作する予定はあるか?

■2002年に出版された『La Nouvelle Bande Dessinée(ヌーヴェル・バンド・デシネ)』という本に収められたインタヴューで長編映画を制作中ということを知った。進捗状況はどうか?

■あなたは『老婦人とハト』というアニメーション作品に関わっており、また今後長編アニメーションを作りたいというご希望もあるようだが、あなたにとって音と映像の関係はどのようなものか?

■日本のマンガ家は編集者と密接に協力して作品を作り、作画に当たってもアシスタントの手を借りることが多いのだが、あなたの場合はどうか? また、コマがかなり緻密に描かれているのだが、各コマを大きな紙に描いてそれを後からはめ込むのか、それとも実際に出版されるのと同じフォーマットを用いているのか?

■あなたの作品を読むと一貫した作品への愛が感じられる。作品を通じて読者に訴えたいテーマはあるのか?

 ※もう1つ質問があったのですが、聞き取れず… どなたかフォローしてくださると助かります。

コメント(9)

トーク・イベントが終わったあとに『Journal d'un Fantôme(ある幽霊の日記)』にデディカスをしてもらいました。「これ誰なんですか?」と聞いたら、「Personne.(誰でもないよ)」とのこと(笑)。ほんとは『Journal』の主役であるおばけを描いてもらいたかったんですが(笑)、これはこれで素敵です。

※左が『Journal d'un Fantôme(ある幽霊の日記)』の表紙で、右が本の見返しにしてもらったデディカス。
レポートありがとうございます。感動が蘇ります…
私がいただいたサインも載せておきます。
私も欲を言えばディエゴを描いて欲しいな〜と思ったのですが、
本の冒頭に港が出て来るから、船を描いてくれたんだなと思いました。
チラシは今まで5年間コルクボードにピン1本でとめてあったものですが、
今回サインいただいたのを機に額縁に入れちゃいました。
(ニコラのキャラの下にサインがあります)
レポートお疲れさまです。
やっぱり日本との違いとかが興味深いですね。
質疑応答も気になります…!
>becco さん
画像アップありがとうございます! デディカスは1つ1つ違ってるのかしらん? 「フレンチコミック・アート展」のチラシは初めて見ましたよ。見せてくださってありがとうございました。

>Kyogo さん
質疑応答は僕も気になっているんですが(笑)、録音の仕方がよくなかったのか、どうにも聞き取れません(笑)。どなたかフォローしてくださると助かります。

上に書き忘れたんですが、Kigalisoupe さんが日記にイベントの報告を書いてくださっています。こちらもぜひ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=737557573&owner_id=2779388
わたしも質疑応答のところは飛ばしてましたね
この段階ではメモをとっていなかったので、だいぶ忘れてますが、覚えている限りでの補足です

■最近はコンピューターを使って作品を制作していると思いますが、紙と筆などを用いて描く場合とコンピューターを用いる場合で、異なる点はあるか?

結局コンピューターで色付けしたのは1作だけ。
(質問者がたしか印刷のときにイメージしたのと違う色とか出てくることはないかというような、かなり技術的な点を訊いていたような気がするのですが)
その点については、ほかの道具を使って色を出すときと同じだ。
コンピュータはどのような可能性をもたらしてくれるのかが興味あって、使ってみた。
ほかの道具とまったく変わらないひとつの道具に過ぎない
作品によって使い分けたいと思っている

■今後、日本語の翻訳や日本での仕事の予定はあるか?

今のところ翻訳のオファーはないが
日本で翻訳されればうれしい(ここでだったかわかりませんが、この会場に出版社のかたはいませんか?と呼びかけて笑を誘っていました)

■『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』を読んで感銘を受けた。若干文学的なところはあるが、生成途中のキャラクターというアイディアが面白く、「絵」とは何かというテーマについて豊かな思索が含まれており、白黒のBDという観点からも十分日本でも受け入れられうる作品だと思われる。私自身、BDとマンガの違いに関心があるのだが、『プロゾポプス』でかなりマンガに近い試みをしているド・クレシーさんにとって、BDとマンガの違いはどのようなものなのか?

これはショードヴァルさんの質問でしたね
かなりいろんなことを話していたよう泣きがするのですが、
ごめんなさい
忘れました
続きです

■BDの絵は1コマ1コマが絵画として成立するくらい素晴らしいものだが、その絵としての豊かさは物語を語る上で障害になってしまうのではないか? コンピューターを使った着色をなさっているということだが、実際試みて、それに失望することはなかったか? 現在、京都の滞在なさっているということだが、今回の滞在で何か制作する予定はあるか?

確かに絵が目を止めてしまって話の流れを遮ることもあり、その問題について考えたこともあるが
実はわたしは両方の楽しみ方が好きだ。
物語の流れに乗ってどんどん読んでいくのも好きだし、また一枚の絵を眺め、その中に入り込んで、その世界をゆっくり味わうのもすきなのだ。
京都にはしばらく滞在する。
毎日歩き回ってスケッチをしている。そのようすはホームページに載っている。

■2002年に出版された『La Nouvelle Bande Dessinée(ヌーヴェル・バンド・デシネ)』という本に収められたインタヴューで長編映画を制作中ということを知った。進捗状況はどうか?

これはわたしの質問でしたねw
当時と同じ段階。つまり資金調達の問題があって、頓挫しているが、いつかできることを信じている。

■あなたは『老婦人とハト』というアニメーション作品に関わっており、また今後長編アニメーションを作りたいというご希望もあるようだが、あなたにとって音と映像の関係はどのようなものか?

この作品については、シルヴァン・ショメの作品で、わたしは芸術監督として参加したに過ぎない。つまり、背景を描き、そして登場人物なのでカラーに携わった。
だから、音楽について、ショメのかわりにここで発言することは出来ない。
また、BDを描くとき、自分は音楽を聴きながら仕事をするということはしない。なぜか分からないが、できないのだ。

■日本のマンガ家は編集者と密接に協力して作品を作り、作画に当たってもアシスタントの手を借りることが多いのだが、あなたの場合はどうか? また、コマがかなり緻密に描かれているのだが、各コマを大きな紙に描いてそれを後からはめ込むのか、それとも実際に出版されるのと同じフォーマットを用いているのか?

自分はひとりで作品を作る。
コマについては、直接描いている。
実際に出版されている大きさより若干大きめの紙に描く。

■あなたの作品を読むと一貫した作品への愛が感じられる。作品を通じて読者に訴えたいテーマはあるのか?

もちろんメッセージはあるが、自分の言いたいことは自分の作品の仲で、作品を通じて伝えている。
だからここで言葉で説明することは出来ない。

*******

こんな感じでしょうか。
こういった受け答えを通して感じたのは、やはりそうとうストイックに作品に向かっているという姿勢。
映画と音楽ということについても、ショメの代わりには発言できない、とか、メッセージについても作品を通して伝えるからここで言葉で説明することはできない、とか。かなり芸術家肌なひとだなぁと思いました。
とはいえ、訳者という立場で言わせてもらうと、出版社に翻訳の企画を持ち込む場合、テーマとかメッセージとかはどうしても言葉で説明しなくてはならないので、そうは言われてもなぁという感じでした。
いっぽうで、この質問に関してだったかはわかりませんが、自分が考えもしないようなことがテーマとして時には読者に伝わっていることもあるから、読者それぞれが受け取るものを受け取ればいいというようなことも言ってました。

あと、面白いと思ったのは、日本で興味を持ったことについて、キャラクターグッズについて話してましたね。
キャラクターグッズなんていちばんバカにされそうなものだと思ったのですが、日本ほど、この産業が成功している例はないといって、この点についてはいろいろかつての作品(Journal d'un fantome)の中にも出てくるようですね(愛知万博のキッコロとか、キティちゃんとかアンパンマンとか)
追記ですが
このイベントで、翻訳クラスの同級生をみかけたので後日その話を訊いてみたら、
Belleville Rendez-vous のDVDに特典映像として「老婦人とハト」がついているそうで、そのときのニコラ・ド・クレシーということで興味を持ったので、行って見たのだとおっしゃってました。
たぶん盛況だったのは、シルヴァン・ショメつながりなのではないか、というのがそのひとの推察

 ひとつでもなにかヒットすればそれがきっかけでどんどん行くような気もするのですが

やっぱり日本ではアニメの力は強いと思ったしだいです
このコミュに書き込むのは初めてです。
みなさんよろしく。

関西では昨日(3/13)に同様のイベントが行なわれたようです。

クレシーのサインうらやましいです。
当日は仕事で行けませんでしたので質問を一つ。

クレシーはスタジオ4℃のオムニバス劇場アニメ「ジーニアス・パーティ」の第2弾に参加しているはずですが、なにかお話はあったのでしょうか?
彼の初監督作品になるはずですが・・・・・・・。
映画の公式サイトには第2弾の話は上がっていません。

>Belleville Rendez-vous のDVDに特典映像として「老婦人とハト」がついている
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%96%E3%83%BC-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%A1/dp/B000PGTGQS/ref=pd_sbs_d_title_1
最初にだされたDVDの初回限定版の別ディスク映像特典であったこの作品を入れたリニューアル版が出たんですね。
ベルヴィル・ランデブーからクレシーに興味を持つ・・・・・・。
なんか皮肉ですねえ。

なんかリンクされていないようですが、クレシーのブログ
http://www.villa-kujoyama.or.jp/spip/spip.php?rubrique85&lang=fr
トップページ
http://www.villa-kujoyama.or.jp/index1.html
ローマにも同じような施設があるそうです。

あと当日の感想を書いたブログをいくつか
http://d.hatena.ne.jp/drawing365/20080306
http://plaza.rakuten.co.jp/nostalgie/diary/200803060000/
http://copine-mqdn.jugem.jp/?eid=206
>Kigalisoupe さん
フォローありがとうございます! いやあ、やっぱメモは取らなきゃだめですよねえ…(笑) ジャン=ルイ・ゴテさんの時とダヴィッド・ベーさんの時にそれなりにうまくいったんで、今回もなんとかなるかと思ったんですが、ダメでした。おっしゃるとおり、ド・クレシーさんは非常に芸術家肌の、創作に対して真摯な態度を取られる方という印象でしたね。それだけにもっと話を聞きたいという感じで、できればもっと気楽に話ができる環境でいろいろ伺いたいと思ったもんです。

>hiro4 さん
書き込みありがとうございます! 残念ながら、「スタジオ4℃のオムニバス劇場アニメ『ジーニアス・パーティ』の第2弾」については話題に挙がりませんでした。トーク・イベントはド・クレシーのBD作品に焦点を当てたもので、アニメーションについては質疑応答の中で少し触れられただけでした。長編アニメーションについて質問が挙がった時についでに話してくれればよかったんですけどね(笑)。リンクについてもありがとうございます! ド・クレシーのブログはリンクを貼ろうと思ってすっかり忘れてました。レジュメだけで力尽きた感じ…(笑)

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