超久々ですが、Winshluss(ヴィンシュルス)作『Welcome to the Death Club(デス・クラブへようこそ)』(6 Pieds sous Terre[シ・ピエ・スー・テール]、2007年刊)を読んだんで、ご紹介します。この前のBD研究会にご参加いただいた方々にはお見せしたのですが、ブラック・ユーモアに満ちたなかなか素敵な作品です。ヴィンシュルスって誰? って方も多いのではないかと思うんですが(かく言う僕もつい最近知ったばかりです…)、ヴィンシュルスとは、Marjane Satrapi(マルジャン・サトラピ)原作のアニメーション映画『Persepolis(ペルセポリス)』でサトラピと共に監督を務め、見事本年度のカンヌ映画祭審査員賞を受賞した Vincent Paronnaud(ヴァンサン・パロノー)のペンネームです。
内容的には短編集になっていて、「Viva la Muerte(死人バンザイ)」、「Welcome to the Death Club(デス・クラブへようこそ)」、「Welcome to the Death Club avec Fat Bob(デス・クラブへようこそ 出演:ファット・ボブ)」、「Welcome to the Death Club Members Only(デス・クラブへようこそ メンバーズ・オンリー)」、「Welcome to the Death Club Slow Rock Mountains(デス・クラブへようこそ スロウ・ロック・マウンテンズ)」、「Welcome to the Death Club Salut L’Artiste(デス・クラブへようこそ 芸術家、こんにちは)」、「Welcome to the Death Club Père & Fils(デス・クラブへようこそ 父と息子)」と、都合7編が収められています。どの作品も死をテーマとして扱っている点で共通しており、最初の作品を除いて、残りは全て「Welcome to the Death Club(デス・クラブへようこそ)」というタイトルを与えられているにもかかわらず、特に一貫した枠組があるとか、決まった登場人物が出てくるというわけではありません。