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BDについてもっと知りたい!コミュの第9回BD研究会実施報告

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日時:2006年11月19日 日曜日 午後1時〜5時

場所:新宿区・東京日仏学院 301号室

参加者:abeilleさん、cu39さん、Freddoさん、nessさん、アキタさん、うりぼうさん、ショードヴァル、椿屋さん、藤蛙さん、他コミュニティ不参加者1名(計10名、アルファベット順、続いて五十音順)

概要:
13:00〜
雑談をしながら、持ち寄ったBDに目を通したり。うりぼうさんが持ってきてくださった『Spirou(スピルー)』や cu39 さんが持ってきてくださったドイツのマンガ雑誌など。

14:00〜
自己紹介。BD関係の話題としては、かつて潮出版から出ていた『コミック・トム』あるいはその後身の『コミック・トム・プラス』に小野耕世さんによるメビウスへのインタヴューが掲載されているのではないかということ、前日のイベントとの関連ですが、同じく小野さんのスイス・コミックを論じた文章がかつて『美術手帖』に載ったという話(たぶんこれかな→http://www.fujisan.co.jp/Product/2196/b/89964/)、infoseek の翻訳サービスが単語レベルの翻訳には有効で、フランス語のサイトを閲覧する時には役に立つという話など。

14:30〜
cu39 さんによる発表。「ブノワ・ペータースの『バンド・デシネを読む』を読む」。

原題は Benoît Peeters『Lire la Bande Dessinée』(Flammarion[フラマリオン社]、1999年[でしたっけ…?])。『Les Cités Obscures(闇の都市)』(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=3679293&comm_id=424387)やフレデリック・ボワレ作品の原作者として知られる作者は、『タンタンの冒険』研究をはじめとして、BDの研究家としても知られている。元々はロラン・バルトのもとで(!)勉強をしていたとのことで、その博士論文(?)はバルトの『S/Z』をモデルに『タンタン』を読み解くといったものだった模様。本書はそのペータースが、BD全般を、通時的にではなく意味生成の機能に着目して論じたものである。章構成は以下のとおり。

Introduction : Éloge de la Bande Dessinée(序:バンド・デシネの称賛)
Ch.1 : De Case en Case(第1章:コマからコマへ)
Ch.2 : Les Aventures de la Pages(第2章:ページの冒険)
Ch.3 : Sens Interdit(第3章:禁じられた意味)
Ch.4 : Lisible, Visible(第4章:読みやすい、見やすい)
Ch.5 : L’écture de l’autre(第5章:他社のエクリチュール)

今回は第3章までに限定して発表。第1章はコマの問題を扱い、第2章はBDの1ページ(planche)を1つの単位として考え、それを4つのパターン―型どおりの使用、装飾的使用、修辞的使用、生産的使用―に分類して考察を加える。第3章では読みの方向の問題とそれを逆手に取った例外的用法について言及。

* 序論でペータースが述べている「BDは、BD特有の変身(métamorphose)の劇場である」とか、「BDは、絵と色とページの潜在能力を探求し、ある絵から次の絵を演繹してゆく魔法の場である」といった定義はとても面白いと思いました。日本のマンガの考え方とはかなり違うのではないでしょうか? コマとコマの間の関係については日本のマンガ論の方が詳しく論じているような気がしますが、BDとマンガ、両者の意識の違いを明確にできたら面白いはずです。例えば、ペータースは2つのコマの間の時間的空白を「幽霊のコマ」(この言葉自体は他の人の言葉なのかしらん?)と呼んでいるそうですが、こういう風に2つのコマの間の明示されていない時間を実体化する傾向は日本のマンガ論にはないのでは?と思ったりしました。まあ、大した問題ではないのかもしれませんが… 

17:00〜
終了。片付け。

* ちなみにペータースには同じくフラマリオン社から出ている『La Bande Dessinée(バンド・デシネ)』という本もあるようなんですが、これは同じものなんでしょうか?

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