ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

極短編・携帯小説を書くコミュの妄想野郎

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
僕はいつも通りの時間に家を出て、いつものバスに乗り、いつもの電車に乗るため、いつものホームに立っていた。
そんな、いつもと同じ朝なのに…。
いつも向かいのホームにいる、S女子校の女の子がいない。
いつも「おはよう」と言うように一瞬僕と目を合わせて、恥ずかしそうにスマホに目を落とす。
どうしたんだろ、風邪かな?
いつも通りホームに来たいつも通りの満員電車に乗り込む。
僕はいつもと1つずれたつり革の下にいた。毎日同じ人が乗るわけじゃないから、たまに押されてずれる。
彼女と「おはよう」と目を合わせるだけで、この満員電車も気にならないのに…今日は息がつまる。
加齢臭だらけのいつもの車内に、ふいに隣からいい匂いがした。
「あっ」
びっくりして声が出た。
いい匂いがする方に、いつもの彼女がいた。
僕の声に反応し、彼女は僕の方をチラリと見て、スマホに視線を落とした。
いつもの「おはよう」だ。応えようかと思ったけど、声が出ない。代わりに背の低い彼女の斜め後ろの横顔をじっと見つめた。
いい匂いだなぁ。香水?シャンプー?なんだろ。
可愛い彼女らしい、いい匂いだ。
彼女のスマホの画面が目に入る。誰かとメールのやり取りをしているようで『電車間に合った』『新幹線の乗り方は大丈夫?』なんて言葉があった。
そっか、今日は用事で新幹線乗って遠くへ行くんだ。メールの相手はお母さんみたいだ。
新幹線に乗り換える駅はもっと先だから、僕が先に降りてしまう。
どうしよう、せっかくのチャンスなのに。
そうしているうちに、次は僕が降りる駅だ。
プシューッと扉が開き、乗客がいっぺんに降りる。少し広くなった車内で、彼女は僕の隣に立っていた。
駅を過ぎる度に乗客は減り、席もまばらに空いてきたのに、彼女は僕の隣から動かない。目線はスマホだけど、僕を気にしている?
なんだかまるで、恋人同士みたいだ。
彼女が降りる駅に着く。彼女に着いて僕もホームに出る。
どっちに行ったらいいかわからない様子でキョロキョロする彼女。
「新幹線ならこっちだよ」
僕は、そう言って彼女の手をとる。
彼女はその大きな瞳で、僕の顔を見た。
「きゃあああああああああ!!!!!!!!!!」

え!?

――どうしました!?――
――この人が、急に…――
――なんだ、痴漢か!?――
――駅員呼べ!――
――警察は!?――

頭が真っ白になっているうちに、僕は駅員室に連れていかれ、事情聴取された。

コメント(1)

念のため、実体験ではございません(笑)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

極短編・携帯小説を書く 更新情報

極短編・携帯小説を書くのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング