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シャンプーの匂いコミュの【小説】彼女のかほり

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シャンプーを題材に小説を書いてみる
もちろん主人公は一人称

コメント(23)

今日は10年ぶりの同窓会。
中学時代密かに思いを寄せてた子と再会。
高鳴る胸とは裏腹に彼女との席は端と端。
せっかく逢えたのに端と端。
でも横顔は相変わらずかわいい。
中学時代に憧れた彼女の長い髪はそのままだった。
中学時代とは違い彼女の亜麻色の髪は清楚な大人の女性の雰囲気を漂わせていた。
そんな彼女の周りには僕とは違い有名私立大学に進んだお坊ちゃんたちが
今は彼氏いるの?
とか野蛮な質問を繰り返していた。
「彼氏いるよ〜」
そんな彼女の応対だけが耳に入ってきた。
10年前に思いをよせてただけの子だが
相手がいると聞くと何故か落胆の気持ちは隠せない。

ま、ぼくには関係ないか。
と思いつつ交わす友人との無意味な会話。
そんな会話でもそのうち共通点から盛り上がっていくもの。

いい感じに酔いが廻ってきた頃合、
ボクの横の空いた席に彼女が座ってきた。

「久しぶりじゃん。元気してた?」
覚えてくれてた。
そのことだけでボクはうれしかった。
「元気だったよ。君は?」
教科書どおりの返答に彼女は

「まあボチボチね。。」

おや?先ほどまで他のやつと話てる時には見せなかった
暗い表情。
いったいどうしたというのだ。

学生時代はほとんど話したこともなかったが
やはり近くでみると彼女の髪は潤いが保たれた艶やかな
光を放っていた。
「綺麗だ・・・」
艶やかなその髪を見て一人心の中で呟いていた。
結局同窓会ではその後
彼女とは一言、二言話すだけで
ほとんど彼女の近況も聞かぬまま
お開きとなった。

2次会に行く、行かないと皆が話してる。

彼女はどうするのだろう。
ぼくは彼女の艶やかな髪を目で探していた。

ほろ酔いの彼女は明日が早いらしく帰るのだ
というのが周りの会話から聞き取れた。

僕は彼女と同じ方向だから送ってく。
と彼女の家も知らないくせに少しでも一緒にいたい
という思いだけで嘘をつき
2次会を辞退した。

皆が去り彼女と二人。
この後どのようにするかなどまったく考えてない僕。
この後まさかあんなことになるとは思ってもいない僕。

そして僕はおもむろにタクシーを止めようと片手を上げた。
タクシーが僕と彼女の前で止まる。

「ねぇ、せっかくだからふたりで飲みなおさない?」

薄暗い夜空の下でも、彼女の頬がほのかにピンク色に
染まっているのがわかる。
僕が思っていたよりも彼女は酔っていたようだ。

「よし!飲みなおしだ。」

運転手に行き先を告げると、車はまだ眠らない街の中へと
走りだした。
喧騒の街並みが窓の外を通過する。
人生とはわからないものだ憧れの彼女と同じ空間を共有してる。

そんなことを考えるくらい今の僕は落ち着き
そして言葉を発していなかった。
彼女は逆の窓の方を見ながら一人上機嫌に鼻歌を唄っている。
まるで僕の存在など最初からなかったかのように・・・

そんな車内の雰囲気も心地よくなるくらい僕は
「彼女といられる」
という、それだけの小さな幸せを窓に写る自分と
そしてその奥に写る彼女の後ろ姿と共有していた。

タクシーが目的地に近づいてきたころ
不意に彼女が言葉を発した。

「ねぇ あたしんちで飲む?」
タクシーを降りた僕たちは、道路を挟んだ先にあるコンビにへと
足を向かわせた。

僕の鼓動が早くなっていることなど彼女は知るべくもなく、
一歩先をときどきスキップなんかしながら歩いている。
そう、鼻歌をうたいながら。

彼女の長い髪が、冷たい風に吹かれてなびいていた。
風に揺れる彼女の髪からシャンプーの香りがほのかに伝わってくる。

彼女のにおい。
香りとは不思議なものだ。
それは10年前のそれと変わらず、思いを寄せていた僕の気持ちさえも
呼び起こさせた。
思った通りとまで行かないが
想像と近い雰囲気の彼女の部屋。

綺麗に整頓された部屋は
女性の部屋そのものだった。

彼女の靴
彼女のコップ
彼女のベット

その全てが僕にとっては緊張の促進剤として
目に入ってきた。



部屋着に着替えた彼女はジャージにTシャツという格好で
次々に机の上に酒を並べて行った。

先ほど風にのって嗅覚を刺激した
彼女の香りが頭から離れないままの僕は
邪魔にならないようにそれを見守った。

ふと、棚の上に目が行く僕。
そこには不自然に裏返された写真立てがあった。
あえて聞くのもなんなので、
僕はそのことには触れずに彼女の準備を見守った。
「じゃ、よくわかんないけどカンパーイ!」

ほろ酔いの彼女がグラスを傾ける。

「こんなにお酒を買ってしまったけど大丈夫?
 明日は早いって言っていなかったっけ?」

心配そうに僕は言う。
しかしそういう言葉とは裏腹に、彼女の部屋に二人きりでいる
うれしさで僕の心は高調を増していた。
ビール1ダース
焼酎1本
ワイン1本

もう限界に達していた。
彼女はというと過去の男の話から今の会社の愚痴まで
幅広い話題を僕に提供してくれている。

どうやら彼女はついこの間3年間付き合った男に
ひどい振られ方をしたらしい。

そこに会社の妻子持ちの上司が言い寄ってきていて
困ってる。
という最新情報をゲットした。

そんな彼女は暑いのか。
キャミソール一枚で肩紐が僕を誘惑するように外れてた。

魅力的な彼女は。
僕の下心を知ってか知らないでか
お酒が進むにつれて距離を狭めてきていた。
距離が近くなる。
彼女の髪がふわりと僕の頬をかすめる。

彼女の柔らかな髪の香りも近くなる。

それは昔大好きだったシャンプーの香り、ティモテの香りだった。
!!!
彼女の携帯が鳴った。
どうやらメールらしいのだが
読んだあとに笑顔になるのを見て
嫉妬の念が湧き上がった。

自分の彼女でもないのに。
ただ学生時代憧れてただけだ。
いま一緒にいるのだって彼女の気まぐれでしかない。

そんなことはわかっているのだが嫉妬心というものは
自分で止められるものではない。

あの時にそのまま帰ってれば。
嫉妬心も感じてる程度ならかわいいものだ。

それが、あんなことになるとは。。。

僕の心に芽生えた小さな嫉妬心はやがて終幕へのセレナーデとなり
大きく膨らんで行くのであった。
お酒も底をつきかけ
彼女は寝る寸前の状態。

淡い期待も期待のまま終わるのかと
ふと そんなことを考えてると

彼女が一言
「あ〜あ あの人さえいなくなればな・・・」

あの人?あの人とは
上司?元彼?

そんな言葉を残して彼女は
心地よい寝息を立て始めていた。
彼女の寝息を確認した僕は、ベッドの上の毛布を
そっと彼女にかけた。

ひとり残された僕は、ふと彼女の携帯が気になった。

さっきのメールはいったい誰からだったのだろう?

彼女の前では静かに押さえていた嫉妬心が、心臓の高鳴りと共に溢れ出し、
気がつくと僕は彼女の携帯に手を伸ばしていた。
もはや僕は自分の衝動を押さえきれないほどの嫉妬心にかられていたのだ。

彼女は完全に眠っているのだろうか。
寝顔を確認しようと彼女に目を配ると、彼女の瞳から一筋の涙が
頬をつたって流れていた。

僕は手にしていた携帯を、静かに元の位置にもどした。
彼女は僕に助けを求めているんだ。

彼女は僕を認めてくれているんだ。

彼女の為にできることは一つ。

彼女が邪魔なものは

僕も邪魔なもの。

彼女の為にできることは一つ。

彼女と僕の幸せに為に。

寝返りをうち毛布を落としてしまった彼女に
もう一度そっと毛布をかける。
ほのかに匂うシャンプーの匂い。

僕はもう一度彼女の携帯を手に取り

「会社」というグループから上司の番号と
「友人」のグループから元彼の番号を
控えた。

自分でもなにをするかなど考えていない。

ただ
【邪魔なものはいらない】という思いと

彼女と接点があるという
【嫉妬心】

この二つだけで十分だった。

「安心して。」

僕は寝ている彼女にそっと声をかけ
彼女の部屋をあとにした。
【第二章】

今日は中学時代の同窓会。

最近嫌なこと続きだったので
私は少しは忘れるかな?と思い参加することにした。

懐かしい顔ぶれに気分は学生時代に戻った。

「今は彼氏いるの? 」

名前すら覚えていない男が私にお決まりの質問を投げかけてくる。

「うん、彼氏いるよ〜」

当たり前のように出るこの言葉。
私の防御策。

いないのにいるという嘘。

私は昔からこの嘘をよく使う。

どうでもいい男にはいると言ってしまうのが一番だ。

そんな中私は端の方からくる視線に気が付いた。

彼だ。

中学時代私のことを好きだった男。

いつも私のことを見ていた気持ち悪い奴。

虫けらにしか思ってなかった彼だが、
私はあることを思いつき彼に近づくことにした。

私は機を伺い彼の横に座り

「久しぶりじゃん。元気してた?」

と話かけた。
「元気だったよ。君は?」

ありきたりの挨拶。
相変わらず冴えない男。

そんな社交辞令の挨拶を交わすと、一瞬あいつの顔が目に浮かんだ。
妻子持ちのいやらしい上司。
上司という立場を利用して、いつも私に付きまとう。

あ〜あ、冴えないのは私自身かもしれない。
「まあボチボチね。。」

冴えないのは自分。
そんな考えが頭をよぎり、
自然と返事のトーンも下がる。

不振な顔をしつつも彼は
その後も私の気を引こうとつまらない会話を
終始投げかけてきた。

1次会も終わり2次会の参加の有無を問われると
私は明日が早いというありきたりの嘘をつき
同窓会を辞退することにした。

するとあの冴えない男が私を送っていってくれると申し込んできた。

頼んでもいないのに。

一人で帰ってもつまらないので
あえて否定もせず皆が2次会に消えるのを

ボーっと見送った。
彼は手を上げてタクシーを止めた。
タクシーが私たちの前で止まると、私は彼にこう言った。

「ねぇ、せっかくだからふたりで飲みなおさない?」

あぁ、何で?
どうして誘っちゃったんだろう。
不意にでた自分の言葉に恥ずかしさを覚え、頬が赤らんできているのが
自分でもわかる。

冴えない男と冴えない私。

まぁ、いいっか。
この男と飲んでもまんざらでもないかも!

冴えない私の心が吹っ切れたかのように、タクシーは夜の街を走り出した。

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