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マフタージュのスクラップコミュのarrow an hour  part2

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 僕らはまだ熱帯魚コーナーにいた。何か特別な話をするわけでもなく、ただ群を成している古代魚を見ていると「魚群って、英語でなんていうか知ってるか?」というクイズを唐突に出してきた。出題者は啓介さん。
 はい、と美沙は右手を高く挙げる。「groupだよね」
「正解だけど、おしい」首を傾けて啓介は言う。
「なんでなんで、正解じゃん、答えにおしいとかないよ」頬を膨らまし啓介の言葉を指摘する。
「正解なんだ、けどおしいんだって。なんて言うのかな」俯きながら額に掌を当てている。
「大正解、じゃないの?」渡辺さんがやさしい口調で微笑む。
 それだ、指をパチンと鳴らしそのまま人差し指を渡辺さんに向けた。「大正解だよ。正解だけど大正解じゃないんだ」
「答えに大きいも小さいもないよ、だったら小正解も必要だよ、ねえ?」僕に尋ねてくる。その様子がすごく可愛いので、よく考えずにうんうん、とだけ頷いた。
「その大正解を教えて下さいよ」僕も半ば強引に会話に参加する。
「ええと一般的にはgroupと使われるんだが、魚群の場合、schoolを使うんだ。鳥の場合はflock、草食動物はherd。ってな具合に使い分けられる」
「僕らがウサギを一兎、鳥を一羽というのと同じですか」
 それは単数だ、と鋭く間違いを指摘された。「でも似た様な事だ」
 突然美沙が手を打ち、やばい、大発見。と声を上げた。「メダカの学校」
 ああ、なるほど。と僕と渡辺さんは声を揃えて言った。「あれはメダカの群れってこと」
「そうとも訳せるな。なんならそれがあの歌の起源って噂もあるんだぜ」啓介さんは信憑性の怪しい話題も持ち出し始めた。
 僕は歴史とか、起源とかが嫌いだ。過去のことなんてなんでもありじゃん。そもそも邪馬台国なんて存在したの?
 じゃあ私も。と渡辺さんが口を開いた。「新幹線の最大乗車率はいくつでしょう?」
 全く水族館に関係ない話だったので、意表を突かれた。が、もうすぐ東京に行く僕には、馴染み深いものになる気がしたので、真剣に考える。今までニュースでそういう見出しは見た事があるが、僕には関係なかったので気に留めていなかった。いつもの電車の様子から想像してみる。椅子がすでに埋っていて、シャカシャカと音を発しながら首を振る若者、カバンが人に当たり申し訳ないなと肩をすぼめる。が、気にもしない様子でぐいぐいと肩を押してくるサラリーマン達に苛立つ自分を想像する。
「140パーセントくらい?」
「不正解。200パーセントです」ひとさし指でクロスを作った。
 へーという具合に啓介さんと僕は、声を揃える。
「帰省で新幹線をみんなよく使うじゃん、あの時は乗車率180パーセントとかなるけど、それでも乗れちゃうんだよ。」
 正直、とても入れるとは思えない。さっき頭に描いた以上など、どう考えても無理だ。鮨詰めという単語が浮かぶ。寿司のシャリじゃああるまいし、潰されてたまるか。僕らは人間だ。
「法律では200パーセントまでなら乗れるって事になってるし」すこし渡辺さんは自慢げだ。
「嫌すぎる」苦虫を噛み潰した顔で返事をする。
「それで気になっている事があるの」渡辺さんは髪を撫でながら言う。「みんな混むのがわかってるから、帰る日をそれぞれ分散させてると思うの」
「つまりはどういう意味?」
「みんながその日を選んでも不思議じゃないのに、新幹線に載れない人が出てもおかしく無いのに、そうはならないってこと」
 ああ、なるほど。と思う。たしかに帰省ラッシュのニュースを見ても新幹線が全く動かなくなるのは見たことがない。
「おもしろい。確かにそうなってもおかしくない」
「でしょ?何か神様がちょいちょいっと、決めてるみたいだよね」と言って渡辺さんは笑った。
 美沙はというと、メダカメダカ、スクール学校と一人で浮かれていた。
「なんか、不思議と繋がってる感じがいいよね」とまだ無邪気にはしゃぐ美沙をみて、やっぱり美沙を愛おしく思う。「繋がってる」その言葉だけ敏感に反応する。
 ふと啓介さんの方を見ていると、もう新幹線の話はしていないようで、小声でひそひそと何かを話していた。
 何故か、啓介さんの不安そうな表情が、目に焼き付いた。

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 今水族館の出口付近の、ベンチに啓介さんと座っている。美沙と渡辺さんはふたりそろってトイレに行った。大人数いる際、女性は何故か一人でトイレに行くことが少ない。合コンの席を思い出す。何かそこで秘密の作戦や、裏駆け引きでもしているのだろうかと考える。なら男達も一緒だ、僕も啓介さんとこっそり話をしてやろう。なんて企む。

「しかし本当に驚いた」啓介さんは感慨を込めて言った。「まさに偶然ってあるんだな」
「ほんとに偶然ですよね」僕もそう思う。渡辺さんとの再会から、芋づる式に啓介さんが出てきた。僕から見れば全員知り合い。さらに現在は関係がいびつにクロスしてい ながらも、こうして4人で同じ場所にいるのだから、不思議だ。
「お前ら、お似合いだ」やさしく微笑む顔が少し近い。「マジックで半べそかいてたお前に教えてやりたいよ」
「やめてくださいよ、あの時はあれで必死でした」僕は苦笑した。
 高校生の時、片思いしていた女の子が、サッカー部のキャプテンと付き合っていたのを知って、落ちこんでいた。やっけになって、モテてやろうと意を決し、教えてもらった輪ゴムマジックの練習を入念に重ねた後、僕は修学旅行のレクリエーションの時間、無謀にもみんな前で発表会を行った。輪ゴムを星の形にしたり、がんじがらめの玉を一瞬で解いたり、みんなの目の前から輪ゴムを消してみせた。すると一人の女の子から「遠くてなにがなんだかわかりませーん」と一蹴され、大恥をかいた。
 べそをかいたまま、兄の集まりに参加し啓介さんにも相談した。「こんな僕でも、いつか彼女できるんですかね」啓介さんは「女なんかすぐできる、気にするな」と無責任な言葉を吐いた。だが予言は当たり、2ヶ月後に始めての彼女が出来る訳だが、それが渡辺さんであることは、啓介さんには言ってなかった。言ってたら啓介さんは渡辺さんと結婚していたのかな?
「二人はどこで出会ったんですか?」
「合コン。ベタだろ、でも結局みんなベタベタな所から始まるんだよ」僕は何故か的を得た答えのような気がした。それより気になっている質問をぶつけてみる。
「僕が元カレって聞いて正直微妙だったでしょ」
「そんなことは、ない」啓介さんの言い方は断定的だった。「むしろそっちが微妙だろ」と訊ねて、僕を当惑させた。
「元カノが結婚するってのは、やっぱりちょっと複雑な気持になるもんな」
 正直に僕は「ですねえ」と椀曲気味に返事をする。
「俺は結婚しちまうんだよ」ぼおっと遠くを見つめるように言う。「俗に言うマリッジブルーってやつだ。これで本当によかったのかとか、思っちまう。俺もそうだし、あいつも思ってる」
 さっき見せた啓介さんの顔が浮かぶ。そうか、婚約をしていても恋人の間には不安が無くなることはないのだな、と思う。みんないつだって不安だ。確かな物なんて、周りには何ひとつない。
「だからな、俺アロワナに会いにきたんだよ」
「僕もです。神様ですからね」兄の台詞を思い出しながら、言った。
 ふと思い出したように、啓介さんは僕の家にはアロワナがいたのではないかと訊ねた。兄の死後、家のアロワナはヘッドダウンという病気によって、1年後に死んだ。目の垂れたアロワナを好んだのは兄だ。目垂れで価値の下がった求めやすいアロワナは、最初からこの病気にかかっていることがあるそうだ。
 僕は話題を変えた。
「東京って、やっぱり遠いですよね」
「近くは、ない」
「そうですよね」視線を落とし答えた。目の前を歩く人々を見る。ゆったりとした歩幅で、魚達を指差し、ガラスに顔を近づけ、笑っている。あんなに近くで見れるのに、触れられないんだよなと思う。そもそも美沙とはそんなに近くにいることすら出来なくなる。そんなことを考えて、胸が苦しくなった。

「どうしたんだよ?」啓介さんが目を細めてこちらを見ている。
 かなり同じ所ばかり見る僕が気になったと言う。数分は動かなかったらしい。そんなことをひとり、考えていたからかもしれない。
「え?」
「お前、東京にいくのか」
「はい」
「遠距離ってやつか?」
「遠距離ってやつです」
「どうするんだ?」
「どうすればいいんでしょう」
「いつから美沙と付き合ってるんだ?」
「3年前です」
 3年、と聞いて啓介さんは微笑した。「俺達より長いじゃねえか」何か時間を計ったかのように、うんうん、と言ったあと。「微妙な期間だ」
「そうでしょう」とぼくも笑ってみせた。
「アロワナにお願いしただろ、その事」
「しました」正直に告白した。
「じゃ、俺と一緒だ。俺達も、微妙なんだよ」そう言って、僕は肩をかなり強く叩かれた。
「困った時は、神頼み」

「おまたせー」と言いながら美沙と渡辺さんが帰ってきた。
「なんか秘密の話、してたでしょ」肩で小突き、美沙が僕に訊ねてきたので、「そんなことないよ」と答える。
「別にいいけど」そう言って美沙が腕を組んできた。やっぱりこの感じは嫌いじゃない。が、何も解決してないんだよなと不安を黙認しながら、僕たちは出口の方へと脚を進める。


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 大きくて有名な訳ではないが、土曜日の水族館は、それなりに賑やかだ。海がよく見える公園の近くには、カップルもたくさん見えたし、大広場では、バザーや、若手の芸人によるトークショーも行っている。風船を持っている子供が、目立つ。その赤が、空と海を綺麗に見せるのは考え過ぎだろう。ただ午後の空は気持がよくなるほど、快晴だ。「やっぱり外は寒いね」美沙が言って始めて、冬の寒さを感じ始める。
 寒いのにアイスなんて食べてるからだろ、と啓介さんが指摘するが、「おいしいものは、いつでもおいしい」と持論を展開してみせた。
 僕たちはまだ一緒に行動している。なぜ?と訊かれれば答えはないのだが、さよならを言われていないのに帰る必要がないのも確かだ。

「ほら、あそこ。音楽やってる」美沙が指を指す。その方向には少し高くなっているお台場で、演奏をしているバンドがいた。その向かいにはただ横に広いベンチが5列ほどの隊形を成して並んでる。「観に行こうよ」と言われ、これも理由がないので行くことにする。

 歩いて行く内に気づいたのだが、静かながら力強いドラムのスネア、うねるような動きのベース音、ややクランチ気味の心地よいギターはジャズであると分かった。気持のよいリズムに美しい女性ボーカルは、快晴によく似合っている気もした。ベンチに腰掛けると、予想以上に整った機材や、さっきまで遠くで見えなかったのだがバンドの背中には大きめのプロジェクターを映すシートもあり、大きなイベントであることを知った。
「すごいね、綺麗な演奏」渡辺さんは目を閉じながら、聴き入っている様子で言った。
「そりゃ人も自然に集まるよな」啓介さんは周りを見渡す。そのベンチはすでに人で埋っていて、僕たちで特等席は完売といった形になった。他は立ち見という手段を取っている。
 魚がピエロのメイクをしたような被り物をしたマスコットが、客席に風船を配っている。鼻がまるく出っ張り、ギョロ目に星が描かれているその姿は、ちょっとホラーだ。なにもあれが風船を渡さなくていいだろうと言うと、「たしかにー」と美沙が笑った。
「あれ美沙もほしい」なんて言うので、近くにきたらもらってあげるよ、と答える。
これくらい簡単に答えが出せれば、と思う。僕も啓介さんも答えのない問題に悩んでいる。僕は遠距離、啓介さんは結婚。どうすればいいだろう?どうもしなくてもいいのか、考えるだけだめなのか?と頭の中でこだまする。これが参考書ならすぐさま答えのページをめくる。こんなに悩んだんだ、いいだろ。と言いながら。残念ながらそんなものは、無い。
「さっきのピエロ来たよ」美沙は伝えてきた。彼女が魚と言わないのが、おもしろい。ふらふらとした足取りは、ファンシーな様子はあるので子供には人気があるのかもしれない。
 ステージではドラムが静かに音を鳴らした。
いつの間にかもっと歪みの効いたギターリフが聴こえ、ボーカルはアコースティックギターを持っている。おや、とおもったのはその時だ。先ほどのジャズとは明らかに違う、ポップミュージックを演奏している。不意をつかれた気分になる。ジャズ以外もやるのか、意外だ。だってしなやかな声で歌っているボーカルの様子をドラマーもベースも、目を大きくして 何?という顔をしているのだから、少しおかしい。だが音は上手に重なってゆき、完全な音楽となっていく。
「この曲、知ってる」僕はこぼすように言った。
「え?なに?」美沙はこちらを見ている。
不意にピエロのような魚が、僕たちの前に風船を差し出してきた。
ああ、どうもという具合に手を出すと、魚はくるりと手を回し、あったはずの風船は消し去り、突然花束を出現させた。
「え?」
 僕がそのように反応すると、美沙は「すごい!手品!」と感嘆の声を上げた。同時にまわりの観客から低い声が上がる。魚は花束をぐっと前に差し出し、首を深く、一度下げた。
「すげえ、もらっとけ。もらえってことだよ」と啓介さんは驚きながらもすぐに反応した。
言われるがまま、その花束を両手で受け取ると、演奏は一番の盛り上がりを見せる場面で、音量がぐっと上がった。
同時にバンドの後ろのプロジェクターに、映像が映った。
 驚いた。僕の顔だ。
あまりに唐突で周りを見渡すと、カメラをこっちに向けている女性がいた。魚のマスコットはもういない。いきなりマイクをもった背広姿に蝶ネクタイの男が現れ「おめでとうございます!あなたが今日のラッキーボーイです!」と両手を広げ、観客の注目を集める。
「この花束は幸運のプレゼントです、どうかみなさま盛大な拍手を!」そう言って両手を打ち鳴らし、拍手を誘った。観客もつられてぱちぱちと手を打つ。演奏をかき消すほどの音量が、周囲を包み込んだ。
「なになに、なんかすごいじゃん!」美沙は手を打ち鳴らしながらはしゃいでいる。その傍ら演奏されているミシェルブランチが終盤に差し掛かろうとしていた。曲はとっくにわかっていた。だって高校時代、あんなに聴かされたじゃないか。アコースティックバージョンだったけど。

 僕は今日の出来事を思い出す。
 水族館にデートに来た際たまたま、渡辺さんと再会した。さらに渡辺さんの彼氏が啓介さんだった。
 偶然にもだ。それがありえるなら、他もありえる。つまり、「あの時のメンバー」がここに来ていることも、だ。
 
演奏が終わり、楽器隊は、「どうだ、やってやった」という顔をして、仲間同士顔を見合わせている。それはとても充実感に満ちていた。僕はあのミシェルブランチが即興で行われたのに気づいていた。それこそジャズプレイヤーの自尊心を満たすのだろう。ボーカルの女性が、深く頭を下げた後、こちらを指差し何やら口を動かした。遠くてよく聞こえなかったけど、僕にはわかる。「人生はクラッシュ」彼女はいつもそう言ってた。

 すごいスピードで記憶が交差する。
 あの被り物の手品が、輪ゴムマジックの男性。
 蝶ネクタイの背広男が、髭の長いえらく饒舌なあの男。
 やっぱり名前は思い出せないが、カメラをひたすら回してた女性。
 新幹線の法則を思い出す。「みんながその日を選んでも不思議じゃないのに」
 そして内心で僕は決めつける、そう、それくらいあっても不思議じゃない。というより、それくらいあってもいいじゃないか。

 彼らも僕らを発見したが、直接会うのが気を引けて、こんな回りくどいやり方を取ったのではないだろうか。
 あの一礼も、わかりにくい挨拶じゃないか。
「どうして泣いてるの?」美沙は首を傾げながら見て言う。
「なんでだろう」手で拭う。本当にわからなかった。かろうじて「繋がってたから」とだけ答えた。
「そっか」美沙は気づいてないのかもしれない。それでもいい。
 美沙の手をぎゅっと、強く握る。
「大丈夫だ」今まで何度も言えなかった言葉が、数学の正解を答えるように確信を持って、言えた。そう言うと心の霧が一気に晴れた気分になる。「当たり前じゃん」そう言って美沙は僕の肩に頭を寄せ、手を強く握り返した。


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 ステージはまだ多くの人だかりが出来ていた。むしろさっきより多いくらいだ。次は先ほど突然登場した蝶ネクタイの男が司会をして、イベントを進行している。照明が強く黄色に輝いているのが、落ちかけの夕焼けと同調している。
 僕の横には美沙が、その隣には啓介さん、渡辺さんと並んで座っている。膝に置いた花束は少しだけ邪魔だ。
 こうして4人で会いましょうってことは、きっともうないのだろう、と直感で思う。
 寂しくはない、だって人との繋がりはこういうもんだ。さっき知ったから。

蝶ネクタイの男が声を上げて言う。「それでは本日のメインイベント、主役に登場していただきましょう。」そういって右手を大きく広げた。「みなさんお待たせ致しました、生で観れたあなた達は幸運、こんなトークショーはもうありません、刮目せよ!タダノーヤスタカッ!」
キャーとものすごく黄色い声援が上がる。僕たち4人は顔を見合わせて噴き出した。
ここまで繋がっているか、と堪えられなくなるくらい可笑しくなる。
「お前呼ばれてるよ」啓介さんが笑って言う。
「タダノヤスタカ君」美沙は肘で小突く。
「はやく、行きなよ」渡辺さんが、際どい事を言う。
「みんな無茶苦茶だ」肩をすくめて答えた。
司会は歓声をなだめるように、両手を上下している。「さらに、タダノヤスタカさんと握手が出来るラッキーボーイの紹介だ。水族館のマスコット、チャモ君から花束をもらえたそこの男性、おめでとう、スタンダップ!」と言って僕を指差す。
「ええ」僕は当惑した。
「ほんとに呼ばれちゃった」渡辺さんはとても可笑しそうだ。
「はい、いってらっしゃい」美沙は僕の手を離し、にっこり微笑んだ。
僕は観客の拍手の中、照れながらステージに上がる。大ファンと思われる揃いのユニフォームを着た女性陣に強く睨まれた気がした。
「失礼ですが、お名前は?」司会はマイクを向けてこちらを見る。うっすらとした無精髭が目についた。
僕はいつものように言った。「只の、ヤスタカと言います」
遠くから「だいせいかーい」なんて聞こえてくるから、僕はまた、可笑しく、愉快な気持になる。

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