史跡コミュの琴平神社句碑群

　高知県吾川郡いの町字金毘羅北地蔵段

　1973年11月30日、伊野町が史跡に指定。

　琴平神社は大物主神(ｵｵﾓﾉﾇｼﾉｶﾐ)を祭る小規模な神社ですが、石段の上の境内東側に、江戸時代後期の伊野村の俳人の名が記された句碑の一群があります。当時の伊野村は土佐藩の御用紙漉で豊かな経済力を誇っていましたから、文化水準も高く、俳句が盛んでした。
　句碑群は、ペリー来航前年の嘉永５(1852)年の建立ですが、建立時はこれより１～２基多かったと推定されています。何れも自然石に彫りこまれ、中央に芭蕉の句碑が一際大きく建っています。
　現在、芭蕉の句碑はコンクリートの台座に自然石が建てられており、高さ１ｍ・下幅93.0㎝の三角形状で、その側に当時の俳人、発起人たちの句碑（平均して70.0㎝、幅50.0㎝）が並んで建っています。芭蕉の句碑表面には「春の夜はさくらに明けて仕舞けり」の句が刻まれ、裏面には「嘉永五稔壬子之歳　社中建之／初九謹鐫」と記されています。嘉永５年は芭蕉の没後158年ですが、伊野の俳人達は芭蕉を追慕して建碑し、この建設を記念して村内の俳人同人が、それぞれの自作の句を碑に刻んで建てた物で、数の上からでは、県下最大の句碑群と言われています。
　幕末当時の伊野の文化を偲ぶ貴重な資料ですが、最近風化その他によって一部損傷しており、また場所も安全な現在の位置に移し変えられました。
　句碑の内容は次のとおりです。
　「大風のはてや師走のあさ月夜」　呉仙
　「しぐるるや群行く鶴の山めぐり」　松葩
　「春の水鶴の細○浸しけり」　貞甫　（○は月ヘンに?）
　「むかい路は余所の国なりほととぎす」　竹吾
　「動きだして行くは霞や山ざくら」　あけぼの庵　松有
　「・・・・・・になれば松の風」　青和
　「三日とも思はす花の九十日」　里朝
　「其中に紅葉をいそぐ老木かな」　松和

　他に割れて大部を失い残存部に「の届かぬ入日かな」と、読み取れる碑の一部があります。

コメント(14)

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[1] mixiユーザー 02月04日 19:15

　2017年01月02日 21:01　に上げられた記事なのですねっ！

そして、その1か月後、 2017年02月02日00:30　にこんな珠玉の紀行日記が

　佐川・伊野紀行19　琴平神社
　http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1958423968&owner_id=250900&org_id=1958460354

佐川・伊野、そして、宿毛に多くの思い出が、お陰様でできました。　

[2] mixiユーザー 02月04日 20:51

　旅に行く前の「予習」で作ったトピックです♪

[3] mixiユーザー 02月12日 00:32

なるほど！

水面を優雅に滑るように見える白鳥も、水面下では水掻きで水を搔くように、中佐も1か月近く前からこのように事前に予習されておられるのですね！

頭が下がります。　
日記作者がそのようにして日記を書いて下さるなら、読者としても、それ同様の心構えで、しっかりと詠み込みます。

ありがとうございます。　　

[4] mixiユーザー 02月12日 10:49

>>[3]
　予習無しで旅に行くと、後になって「ああ！近くにこんな史跡もあったのか！」と後悔する事になりますからね。各市町村教育委員会の文化財に関するＨＰ等を必ずチェックするようにしています。

[5] mixiユーザー 02月12日 15:38

中佐のご好誼は、私の人生をもう既にかなり善導して下さっているのですが、今回もまた、決定的な自分の段取りの改善点が明らかになりました…　まぁ、旅をする余裕もないほどの人生ではありましたが、その意味での公開が実は自分の段取りに会ったことを漸く愚鈍なアタマに痛烈な刺激となり、分かるようになりました。　要するに、段取り、段取りを替えてみます。　

これからの、中佐の紀行文は、一層楽しみですし、私への啓蒙効果も弥増すような予感がします。　

[6] mixiユーザー 02月17日 16:56

　１月８日日曜日に訪れました。

[7] mixiユーザー 02月17日 17:00

　一番奥が芭蕉句碑です。

[8] mixiユーザー 02月17日 17:02

左；「春の水　鶴の細○　浸しけり」　貞甫　○は月偏の文字
中；「しぐるるや　群行く鶴の　山めぐり」　松葩
右；「其中に　紅葉をいそぐ　老木かな」　松和

[9] mixiユーザー 02月17日 17:05

左；「・・・・・・になれば　松の風」　青和
中；「大風の　はてや師走の　あさ月夜」　呉仙
右；「動きだして　行くは霞や　山ざくら」　あけぼの庵　松有

[10] mixiユーザー 02月17日 17:07

　琴平神社です。

左；表参道
中；拝殿
右；本殿

[11] mixiユーザー 02月17日 17:08

　こちらは現代の句碑群です。

[12] mixiユーザー 02月19日 05:19

あのすばらしい紀行文に触れて、しばらく、時を置いて、このような画に触れる、というのは実に味わい深いです。

紀行文に接したときのあの感動が蘇ります。

[13] mixiユーザー 02月19日 10:54

>>[12]
　御愛読して頂けて本当にありがたい事です。

[14] mixiユーザー 02月19日 11:08

こちらこそ、ありがとうございます。
人との交歓で人生が拓けてゆく、より強靭に成長する、これは当たり前のことですが、不思議なことに、ミクシィで実際に起こってみると、茫然としてしまいます。
ウェブの特徴なのでしょうが、その起こり方が、早くて、広範です。　そして、深い、です。

ありがとうございます。　何度言っても、言い足りないような思いでいます。

ありがとうございます　

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