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スマートボールコミュの熱海のスマボ「ゆしま遊技場」レポート

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 昭和のまま時が止まっているかのような熱海の街並み。夜は別の顔を覗かせるのでしょう。アジアを感じました。UCHU・ASIA・ATAMIです。「腹が減っては戦はできぬ」アヤシイカレー専門店で「勝つ」カレーを食し、「射的・スマートボール」の看板の掲げられた「ゆしま遊技場」へ。地元豊橋「アサクラ」で鍛え上げたこの腕前、ATAMIでどこまで通用するものか。ATAMIのおばちゃんもテンションが高いのだろうか。などと妄想しつつ、その門を叩く。「TANOMO−!」

 「あんたたちどっからきたんだい?イチゲンさんはお断りだよ」眉間に皺を寄せ、タバコの煙を僕の顔に吹き付けるババア。洗礼。しばらく立ち尽くした後、オレはうつむきながら話し始めた。
 「・・・オレは豊橋のアサクラで育てられた。でもオレは世界の広さを知らない。豊橋で鍛え上げたこの腕がどこまでのものなのか、スマートボールの聖地ATAMIで試したいんだよ!」
 「・・・入りな」
 オレは奥の台に通された。昼間からタバコを吹かし球を打つ男達が白い目でオレを見やがる。
 「ババア、いくらなんだ?」
 「五百円だよ」
 絶句。
 「ご、五百円でいくつ球が出るんだ?」
 「たくさんだよ」
 そう言うとババアはオレの台に球を流した。アサクラなら百円で二十五球。百二十五球分の金額だ。しかし、こうなったらもう後には引き下がれない。オレは一言も買うなんて言ってないが、もう後には引き下がれない。弟子の森川もオレに続いた。
 
 「こ、これは!」球が白い!触るとざらついており、石であることが分かる(コミュトップの写真はこれだったのか!)。微妙にイビツな球形はそれぞれ重心も違うだろう。このイビツさが不規則な動きを生むというのか。ビー玉育ちのオレには分が悪いぜ。「そ、そして!」豊橋では見たこともない台!アサクラの台より一世代ほど前のものなのだろう。どこか垢抜けておらず、年季も入っている。
 「この台ももっとこまめに手入れしてやればまだまだキレイになるのだろうに・・・」ここのババアはスマートボールを何だと思ってやがるんだ!オレの怒りを込めた一球目がうなりをあげる。釘にはじかれたその球はなんと「15」に入るか否かの釘の上で止まってしまった!
 「オイ、ババア!」ババアは舌打ちしながら台を開け、無言で15に入れた。ケチはついたが幸先の良いスタートを切ることができた。その後もオレの魂のこもった球はコンスタントに15を刻み、持ち球は増えていった。

「通用する!オレの剣はATAMIでも通用する!」

(つづく)

コメント(2)

前回までのあらすじ
「ババア、いくらなんだ?」
「通用する!オレの剣はATAMIでも通用する!」


 「お、おふくろ・・・」
 アサクラのおばちゃんの笑顔が脳裏をよぎった。最後の一球は無情にもブラックホールに吸い込まれていった。遠くからオレを見ていたババアは「フンっ!」と鼻で笑ってみせた。
 出だしは順調だったのだ。しかし「これはいける!」と気が緩んだ途端にパタリと入らなくなった。気付いた時には焦って連打をしていたオレの負けだった。焦れば焦るほど制球は乱れ、冷静さを取り戻した時にはすでに手遅れだった。
 しかし弟子の森川はまだ戦っている。「ババア!球が止まっちまったぞ!」台を覗き込むババアはそれを見るなり
 「こういうのはダメだよっ!」
 「な、何だと!?」
 アサクラでは考えられない事態だ。アサクラのおばちゃんなら球がどこに止まろうとも5点なり15点に入れてくれるところだ。これにはあの温和な森川もキレてしまった。
 「どうなっちゃってんだよ、ババア!」飲みかけのコーヒーをババアの顔にかける森川。
 「アチチチチチチ!」飛び跳ねるババア。「あんたっ!あんたっ!」
 すると奥から鉄パイプを持ったタンゲダンペイみたいなオヤジが飛び出してきたではないか。
 「ヤバイ!逃げるぞ」
 直感的にそう言い放ち、くだらない人形しか置いてない景品のショーケースを「欲しがりません!勝つまでは!」と蹴破り、全力疾走。こんなに走ったのはいつぶりだろう。息を切らしながら、その時もオレたちが口ずさんでいたのはユージオダの「over the trouble」だった。オレ達は急いでクルマに乗り込み秘宝館という名の桃源郷を目指した。

(半分はノンフィクションです)

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