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コーヒー文化学会コミュの詩とコーヒー。

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拙者、犬鍋伸之介と申します。

小山伸二というペンネームで詩を書いたり、日本コーヒー文化学会で(なんちゃって)常任理事をしたり、学会誌に「コーヒーと詩」関連の(なんちゃって)論文を書いたりしてます。

ちなみに、昔、昔、幻のコーヒー文化雑誌「ブレンド」という雑誌の編集をしてました。

いまも、自家焙煎犬です(富士ローヤル直火型1kg焙煎機を使用)。

というわけで、コーヒーを映し込んでいる詩を発見したら、投稿してください。

コメント(8)

では、まずは、拙者から。

詩人の小池昌代さんの詩集『雨男、山男、豆をひく男』(新潮社)より、「豆をひく男」を。

ちなみに、小池さんは、超美人です(関係ないか・・・)。

では、ちょっと長いけど、全編紹介します。

++++++++++++++++++
豆をひく男

手動のコーヒーミルで
がりがりとコーヒー豆をひくとき
男はいつも幸福になるのだった
それが男自身が
気がつかぬほどの微量の幸福であり
手ではらえばあとかたもなくなってしまう
こぼれたひきかすのようなものだったが
この感情をどう名づけてよいか
男自身にはわからなかった
長い年月
男は
自分が幸福であるとは
ついに一度もかんがえたことはなかったし
そもそも
不幸とか幸福という言葉は
じぶんがじぶんじしんに対して使う言葉ではなく
常に
他人が使う言葉であると
かんがえてきた
そしてこの朝のささやかな仕事が
自分に与えるささやかなものを
幸福などと呼んだことは一度もなかったし
ましてや
自分をささえる小さな力であることに
気付きようもなかった

コーヒーを飲んだあと
男は路上の仕事に出かけるのだ
看板を持ち
一日中、裏道の中央に立ち続ける仕事
看板の種類にはいろいろあって
大人のおもちゃ、極上新製品あり、このウラ
とか
CDショップ新規開店、一千枚大放出
などと書かれている
同じ場所・同じ位置に立ち続けること
それは簡単なようでいて難しい修行だった
生きている人間にはそれができない
彼らは始終、移動している
なぜ、一つの場所にとどまれないのか
なぜ、石のように在ることができないのか
男は板の棒を持って立っていると
いつも自分が棒に持たれているような気持ちになったものだ
「生きている棒」
そう自分につぶやくと
眼の奥が次第にどんよりとしてくるのだった
そんなとき、男はすでに
モノの一部に成り始めているのかもしれない

いつか勤務帰りの深夜
男は
駐車場の片隅で
黒い荷物が突然動き出したことに
驚いたことがあった
浮浪者の女だった
そのとき
一瞬でも、人をモノとして感じた自分に
はじめて衝撃を受けたのだったが
いまはその自分が
容赦もなく物自体になりかけている
しかし
きょう、始まりのとき
男はいまだ全体である
一日は
コーヒーを飲まなければ始まらないのだから
だから、こうして豆をひくことは
男の生の「栓」を開けることなのだった
男は
いつからかそんなふうに感じている自分に少し驚く
豆をひき、コーヒーをつくる時間など、五分くらいのものだが
その五分が
自分にもたらす、ある働き
その五分に
自分が傾ける、ある激しさ
そして
この作業を
小さな儀式のように愛し
誰にもじゃまされたくないといつからか思った
もっとも、じゃまをする人間など、ひとりもいなかった
男はいつも一人だったのだ

がりがりと
最初は重かったてごたえが
やがてあるとき
不意に軽くなる
この軽さは
いつも突然もたらされる軽さである

 まるで死のように
 死のように

そのとき、ハンドルは
からからと
骨のように空疎な音をたてて空回りする
ようやく豆がひけたのだ

着手と過程と完成のある
この朝の仕事
きょうも重く始まった男のこころが
コーヒー豆をがりがりとひくとき
こなごなになり
なにかが終る
今日が始まる
容赦のない日常がどっとなだれこむ
コーヒー豆はひけた
そして男は
「豆がひけた」と
口に出してつぶやく
すいません、詩にはあまり造詣がないので
川柳でもよろしいでしょうか?

しかもさっき思いついたものになってしまいますが。


寒中に
ふくらスズメと
缶コーヒー
hamaさん

ありがとうございます!

もちろん、川柳もりっぱな「詩」ですよ。ジャンルに貴賤はまったくないですから。

なかなか、センスのいい川柳ですね。これからも、よろしく。
はじめまして、ちょっと誌は苦手ですがちょっと一つ書いてみようと思います。

冬が来ました。

寒い部屋、熱いお湯を注ぎコーヒーを淹れて飲む。

ほっと、体が温かくなってきました。

冬は寒いと思っていたけれど、暖かさを知る季節ですね。

苦味もまた心地よいです(^_^)
>犬鍋伸之介さん
誉めていただいてありがとうございます〜
調子に乗ってちょくちょく投稿するようにします。

>オトシブミさん
冬の寒さとコーヒーの温かさの対比がいい感じですね。
思いついたので一句。

梅雨中日
木陰代わりに
夏喫茶

語呂は悪いし、真夏日に書いた方がいいかな。
そんなこんなで湿気逃れに喫茶店に逃避してきます。

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