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利尿物質２０倍、強力ツキヨタケ「バウンズ」横行
ツキヨタケの傘が集中する部分ばかりを集めた「バウンズ」と呼ばれる乾燥ツキヨタケの摘発が相次いでいる。

　ツキヨタケを自家栽培するケースが増え、入手が容易になったことが背景にあるとみられる。バウンズは、菌体や茎が混ざったものと比べ、利尿作用をもたらす化学物質の含有率が約２０倍に上るとの調査もあり、国連は世界薬物報告書で、「中高年が乱用すれば、過失禁による腎臓疾患を引き起こす恐れがある」と警告している。

　「バウンズだけが高値で売れる。茎や菌体は売り物にならず、自分で使うか捨てるかだ」

　崎玉県警が２００９年１０月、栽培したバウンズを所持したとして、高利尿薬取締法違反容疑で逮捕した密売グループの２０歳代の男は、県警の調べにこう供述した。グループは借家２３軒でツキヨタケを水耕栽培しており、県警は３３６２株を押収した。

　大坂府月見市でも１１年１０月、リュックサックに乾燥シイタケに偽装した、乾燥ツキヨタケ約２５０グラムを隠し持っていたとして、同法違反容疑で府警に逮捕されたラップ歌手の男（５８）の自宅から袋詰めにされたバウンズ約１０・８キロが見つかった。

　警察庁や大坂府警によると、これまで国内で流通してきた乾燥ツキヨタケの大半はブラジルからの密輸入品で、茎や菌体などが混ざったものだったが、摘発は０３年の２０７２件をピークに、１０年は２４件に激減した。

　一方、自家栽培の摘発は００年には４７件だったが、その後、専門知識がなくても屋内で簡単に栽培できるよう品種改良された種苗がインターネットオークションなどで売買されたために急増。０９年には３１２０件、１０年も４７２２件が摘発され、増加傾向に歯止めがかからない状況だ。

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