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言の葉。コミュの言の葉

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冬のある日…
雪の降る寒い夜からはじまる不思議なお話。

コメント(26)

真っ白な雪が降り積もり、純白に染め上げられた世界の中を、僕はマフラーに顔を沈め、ただひたすら歩いていた。
色が変わった事さえ除けば、いつもの道。いつもの風景。そしていつもの風が、少し冷気を帯びて通り抜けた。
変わり映えのない毎日。飽き飽きするような日常。
そんな日々が、いつまでも続くのだと思っていた。
その日、彼女に出逢うまでは・・・。


**********

第一号です。初めまして。
自分が書くと、どうしてもシリアスぽくなってしまう(汗
これからどんな方向に転がっていくのか、楽しみにしています。
いつもの日常をいつものように送っていた僕は、この変り映えしない景色に、隅々まで見飽きてしまったこの景色の中に、いつものように何の感慨もなく溶け込んでいた。

「ふぅ……寒いな」

手袋越しにも凍みこんでくる、冬の空気に悴んだ指先に息をかけて暖めていると、僕は無意識に吐息交じりの声を上げていた。

「時間には……まだ間に合うな」

僕は、左手にはめた安物のアナログ時計の針を見た。次のバイトの時間までは、あと2時間近くある。
それに元から取り立てて急いでいた訳ではない。確かに。今このバイトをなくすと、僕の生活は確実に苦しくなるだろう。だが、だからどうした。何の意味もないこの街で、何の意味も見出せずに、ただ機械的に生きて行くことにどれほどの価値があるというのだ?夢すら冷めるこの街の中で……

「夢っか……」

自分自身の言葉に苦笑するように、僕は厚い雲によって灰色に染められた空に顔を向けた。

「……くだらない」

顔を戻した瞬間、小さな風が一面の粉雪と共に巻き上がり、僕の視界をほんの一瞬、本当に真っ白に染め上げた。
風が収まるとそこには、やはり変り映えのない、いつもの景色が広がっていた。

「当たり前か……いったい何を期待していたのか」
……風が。この変らない世界を押し流してくれるなんて。

「いいじゃないの」

唐突にすぐ耳元から、誰かの声が響いた。

反射的に振り返るとそこには、真っ白な少女がガードレールに腰掛けながら、僕の方をじっと見つめていた。

「君が変わる事を望んだのだから、きっといいことだよ」

そういうとその真っ白な少女は無邪気な、それゆえに温かい笑顔を僕に向けてきた。
彼女は、別に突出して綺麗な訳ではなかった。
だけど彼女は、何もなかった僕の中に自然に、そして確実に入り込んでいた……。


***********

どうも、霞上と申します。始めまして。
えっと、何となくこんな感じに書いてみたのですが、2回目から書きすぎでしょうか?
こういったのは初めてだから、勝手が分からなくて……
なるべく、雰囲気を壊さないようにしたつもりですが。どうなったかな?
何となく、先走りすぎたような気もするけど……(悩
>アシンメトリーさん。
こんな続きにしちゃって、すみません。
「誰だよ君は」
彼女は雪の中に溶け込んでいるように感じた。 
「さぁ、誰だろうね。」
クスッっと小さく笑った。
唇は薄桃色でチョット綺麗に見えた……
少女は不意に僕に指差して
「バイトに遅れるよ?行くのかい?」
何なんだこの少女は……段々気味悪くなった。僕は走って逃げてしまった。


「あらら…行っちゃったね」


**********
おお!!皆さん初めましてお二人も書いて下さってる。嬉しいです。 管理人の黒猫です。 お上手な方ですね……私はドキドキです(下手ですよ〜) 楽しみにしてますね。
少女から逃げ出した僕は、時間には少し早かったが次のバイト先である本屋に向っていた。
「ったく。何だったんだ……?」
店に向かう間僕の意識は、さっきの少女のことでいっぱいだった。
「なんなんだよ、いったい……」
彼女のことを言った言葉。だが、その言葉は僕自身にも向けた言葉だった。
「ハッ。そんなことある分けがない」僕は顔を振って否定した。

彼女を見た瞬間、僕がそれに安心していたなんて……

10分後。黙々と歩き続けていた僕は、この街では風変わりな、それゆえに、僕のこのくだらない世界の中でも数少ない色のある景色へと辿り着いた。


*********

はい。ということで、再び霞上です。
今回は一応押さえて書いたつもりなんですが、やっぱり多かったかな?
本当は、他の方がもうちょっと書かれてから書こうと思ったんですけど、何となく堪えられなくて……(苦笑
さて、このあと「僕」はどうなっていくのか非常に楽しみですb
いいものに出来たらいいな〜……
随分寂れた本屋だった。
昭和中期の高度経済成長期に開業した本屋とかで、もうすぐ開業50年になるとかならないとか。
外壁はひび割れと蔦にまみれていて、まるで廃墟のような見てくれだけれど、店の持つ敷地面積は広く、本は量・種類共に豊富だ。
僕は小さい頃からこの本屋の雰囲気が好きで、何か欲しい物がある度にこの店に足を運んだものだ。今、僕の部屋にある本の九割以上はここで買ったものだろう。
僕が高校生になったとき、この店がアルバイトを募集していると知って、安い時給にも関わらず、迷わず飛びついた。
あれからもう、五年になる・・・。

細い路地を折れて、店の裏口が見えたとき、段ボール箱を抱えた女の子が僕の姿に気づき、屈託のない笑顔を向けた。
「あれぇ、ハルちゃん、早いねぇ」
彼女はそう言いながら、足元に段ボール箱を降ろして、僕に歩み寄ってきた。
「今日は9時からだったよね」
「うん、まぁちょっと、色々あってさ・・・」
僕は曖昧に言葉を濁した。
彼女はそれを大して気にもせず、ふーん、とだけ言って裏口に目をやった。
「じゃぁ、今から入ってよ。丁度退屈してたとこだからさ。」
僕は彼女に引っ張られ、積み上げられた段ボールを店に運び込むと、制服のエプロンを纏い、店先に出た。


**********
主人公の年齢と名前発覚(!)本名は未定(笑
あぁ、全く先が見えない・・・。
「なぁ、ところで涼香。店長というか、煉さんはどこに行ったんだ?」
運び込んだ段ボールの封を開けながら、僕はこの小生意気な先輩にそう問いかけた。
「ん〜?お兄ちゃん?お兄ちゃんはちょっと寄る所が出来たって、さっき出て行ったよ?」
「出かけた?いったい何処へ?」そういえば煉さんがこの店を空けてるなんて、今まで見たことなかったな……
「そんなの知らないよ。帰ってきたら本人捕まえて聞いてみたら?ああ、それは向こうの棚にねぇ」
「はいはい……わぁってるって」
涼香に渡された週刊誌の束を指定の場所に置き終わると、僕は改めて涼香の方に顔を向けた。
彼女の名前は、天谷 涼香(あまや りょうか)。この店の店長である天谷 煉(あまや れん)さんの実の妹で、来年に大学入試を控える高校2年生だ。
さらに涼香は、小学校の低学年の頃から既に煉さんの手伝いなどをしていたため、僕がここのバイトを始める時などは僕の教育係などもやってのけた猛者だったりもする。
「ちょっとハルちゃん。そこ曲がってるわよ、やり直し!!」
「はいはい……」
「ハイは一回!!!」
「ハイ」
こんなお決まりな事すら、涼香は楽しそうにやる。そして、決まって僕もそれに乗るように強要してくるのだ。ちなみに、面倒だからといって、涼香の要求を断ったり適当にしたりすると後々大変なことになってしまうあたり、洒落にもならない。
「………」
実際にその時のことを思い出して、改めて僕の体から血の気が引いていくのが分かった。
「ホント……それさえなけりゃ良い子なんだけどな……」
僕は涼香には聞かれないように、小声でそう漏らした。


**********

え〜っと、はい。なんかいろんな意味で書きすぎちゃいました。しかも書く周期も早すぎですね。……すみません。
何となく、店の設定はやってみたかったもので……。
今回は前回の>アシンメトリーさんが書かれたお話で「僕」の名前も出てきたので他のキャラもってことで決めちゃいました。
ふと、微かに笑う声が・・・聞こえた気がした。

その時、僕の横を冷たい風が通り過ぎて・・・何かの気配を感じた。


人・・・とは少し違うような、不思議な気配。


でも振り向いても誰もいなくて。


それなのに何故か・・・思い浮かんだのはさっき出会った
不思議な少女の顔。




*************


初めまして〜☆文章力とかなくてご迷惑かけるかもですが
きになって参加させてもらちゃいました;;;;

これからよろしくです♪♪
少女…本当に何者なんだろう。幽霊?! 僕は霊感はゼロのはず……多分。それに初めて会った時、全く恐いという気はしなかった。むしろ心が安らいだ…。
 ガサ ガサ    なにか音がした。
「…あっ!」 猫が入り込んだ。本棚の上を歩いてる。
「おいおい、勘弁してくれよ〜さっきやり直したばかりなのに」  「ニャン」
そう鳴くと、猫はもっと高い本棚へと登っていく……そこはあまりお客も触らないような場所で本も相当古い物しかない。
猫は急に動くのを止め、爪とぎを始めた…
「ダメダメダメ!」急いで僕は猫をどけた。 「ナァァン」猫がまた鳴く。 本棚の中の物が全部落ちてきた。
「痛てっ!!」 バラバラになってしまった……
「ちょっとぉ、ハルちゃんなにしてんの!!そこもやり直してよね!もう…」
怒られた、やり直しだ、最悪だ。猫の所為だ!!何処に行った? 猫はある本の前で座っていた。見てくれと言わんばかりに。 
「何だろう…『雪の降る町』?」 
……こんなのあったか?
僕自身、この異常なほどに蔵書数の多いこの店のことを、隅から隅まで把握しているつもりは元からなかったが。少なくとも僕がバイトに入ってからの5年間で、一度もこの本を見たことはないはずだ。
何気無くその本を取ると猫はするりと僕の視界から離れて、またどこかへ消えてしまった。
「やっぱり、見た事ないよな……」
その本は、表紙が何かの皮で作られていた。そして、表表紙にはデフォルメされた雪の降る小さな街の絵とそこに佇む少女の絵が描かれていた。
「これは……絵本か?」
まじまじと眺めても、やはり僕にはその本を今までこの店で見た記憶はなかった。
裏表紙をパラリとめくって見ると、ちょうどページの真ん中あたりにどこか外国の言葉で、何かの文が銀色のインクで一言だけ書かれていた。
「なんなんだ?この本は……?」
絵本にしてはやたらと頑丈な作りもさることながら、その丁寧な装丁は、どちらかというと博物館にありそうな美術品を思わせるものだった。少なくともこんな店先にある本としては、あんまりにも不釣合いだろう。
「なぁ、涼香。この本に見覚えあるか?」
僕は、児童書にしてはあまりにも厳ついソレを、涼香にも見えやすいように片手で持ち上げた。
「ん〜?どれぇ〜?」
棚の整理をしていた涼香は、持っていたペンを胸ポケットに入れて僕の方に顔を向けた。
「これだ。この絵本」
「ん〜……?」
涼香は、僕の手の中にあるその絵本を両目を細めて見つめた。
「雪の降る町……―知らない…多分。」
店の奥にダンボールと取りに行きながら話続ける
「それじゃぁ、お兄ちゃんなら知ってるかもね。早く帰ってこないかなぁ〜 それどっから引っ張り出したのよ?」
「いやぁ、それが棚が崩れてきてさ。で、この本が目に留まったんだ。不思議な感じがする」
僕は話しながら崩れた本棚をさっさと片付ける。お客がそろそろ来る時間帯だ。
 カラン カラン
店のドアが開く音がした。
「いらっしゃいませ」   顔をあげると…
「私だよハル、ただいま。これはまたやってくれたね…なだれでも起きた?」
煉はそう言うと片付けを手伝ってくれた
「煉さんお帰り…あっスイマセン本沢山落としてしまって。売り物なのに…ここは僕一人でします。涼香の方手伝って下さい」
「そうかい?じゃ行ってくる。 ―…涼香今帰ったよ」
煉は店の奥に行ってしまった。
「あっっ!忘れた」
煉さんに本のこと聞き忘れた…

**********
お久しぶりです 黒猫です。長い間書かなくて御免ね〜 ヤッパリ小説大変だね。頭使うわぁ…煉さんどう扱えばいいかサッパリ分りませんでした↓↓アハハ… 誰か…バトンタッチ☆(おぃ
だけど今の時間からじゃ、僕まで奥に引っ込むわけにはいかない。そんなことをした日には、店に慣れてる常連さんはともかく、たまたま入ったお客さんなんかの対処にどうしても支障がきたしてしまう。
少なからず、涼香にばっかりそんな負担をかけるわけにはいかない。
「ハァ……仕方ないか。ひと段落ついた時にでも聞きにいこう」
そう決心した僕は、ボーっと店の奥を見ていた僕にさっきからものすごい形相で睨んでくる涼香のなけなしの理性が切れないうちに、崩れた本の整理を進めた。
もっとも、その間になるべく涼香の方は見ないでおくことも忘れない。

*************
ども、霞上です。黒猫さん、面倒臭いキャラ作ってしまってすみません。今回はなるべく押さえて書きました。じゃあ、後はお願いしま〜す。
崩れた本があらかた片付いた頃だった。
店の中に軽やかな音色が響いた。扉の上部に吊るされた二つの鈴が、来客を告げたのだ。
「いらっしゃいませ〜」
あいづち程度の適当な挨拶を返す。
ひとつ断っておくが、僕は別に仕事に対していい加減とか、熱意がないとか、そういうことではない。この店のお客なんてのは、ほとんどが顔の見知った常連ばかりだから、特に凝った対応は必要ないと判断しただけだ。無論、涼香にばれない程度に。
お客はそれを気に留めたのか否か、僕の方に歩み寄って来た。
「煉・・・いる?」
立ち止まり、僕を一瞥すると、彼女はそれだけ呟いた。
彼女、つまりお客は女性だった。
見たところ二十代半ばといったところか。しかし見た目の年齢にそぐわぬ鋭利さや威圧を、僕はそのとき彼女から感じていた。髪から爪先まで漆黒の衣に身を包み、獲物を射抜くような鋭い目つきを彼女がしていたせいかもしれない。
僕が本を抱えたままぼんやり彼女を見ていると、彼女は店内を見渡していた眼をこちらに向けた。
「・・・どうなの?」
「えっ?」
そこではたと気づき、僕は本来の接客態度に気持ちを切り替えた。
「あっ、煉さ・・・店長なら奥におりますが何か―――」
「そう」
言うが早いか、彼女は僕の脇を抜けると、長い黒髪をなびかせ、奥の倉庫に消えて行った。
僕は黙ってその背中を見送る。
―――誰だろう?煉さんの知り合いかな?もしかして、恋人とか・・・。
そんなことを考えているうちに、自分の失態に気がついた。
「倉庫は関係者以外立ち入り禁止じゃないか!」

**********

はい、二ヶ月放置(爆
そしてまた長い(最長級
何より後先考えない展開(こんちきしょう
色んな意味でごめんなさいorz
急いで止めようと振り向いたものの、その時にはすでに女性の姿はなく、ただ其処に静かに広がる闇があるだけだった。
見慣れたはずのそれに、今日は言い知れぬ圧力を感じる。
「っち。仕方ないか……涼香、ちょっとレジ頼む」
「ハァ?いきなり何?」
「いいから頼むよ。僕はちょっと倉庫の方に行ってくる」
「ちょ、ちょっと。ハルちゃん?!」
僕は、ダンボール箱を重そうに抱えながら出てきた涼香に、なかば押し付けるようにレジを任せると、そのまま女性を追って倉庫の方へと足を向けた。
…この店の倉庫には、雑誌類なんかの在庫以外に、店先には置けないような古書や希少本、煉さんが趣味で集めたアンティークやらなんかが置かれている。
そのため、そういった貴重品が日焼けしてしまわないように、倉庫の中は自然の光や照明の光が極力入り込まないような設計になっていて、非常に薄暗く入り組んだ形になっていた。
「クソ、歩きづらいな」
しばらく悪戦苦闘しながら行くと、古いランプを持って希少本の整理をしている煉さんの姿を見つけた。
「煉さん!!」
僕が声をかけると、煉さんはかけていた鼻掛けタイプの眼鏡を外して、僕のほうを向いて。
「ん?どうしたんだい、ハル。そんなに慌てて」
落ち着いた笑みで、僕にそう語りかけた。
「いえ、それがさっき。煉さんを探してる女の人が倉庫の方に入って行っちゃたので……」
「私を探している女の人……?」

「ここにいたのね、煉。やっと見つけたわ」

振り返ると、先に入ったはずの女性が其処にいた。
その女性の掛けた薄めのサングラスが、ランプの明かりを受けて暗闇の中で怪しく光っていた……。

**********
は〜い。>アシンメトリーさんに負けじとこちらも長文です。(え?ダメ?(笑
しかも、よく見たらコレも含めて6回も書いちゃってるみたいですね〜……
なんか、色々とすみません。m(‗ ‗)m
「久しぶりね、煉」
彼女は腕を組み、言った。
「・・・ええ、お久しぶり、ですね」
煉さんは外した眼鏡を胸ポケットにしまいながら、彼女の方に向き直った。
―――やっぱり知り合いなのか?少なくとも恋人ではないようだけど・・・。
「この際、挨拶はなしよ。単刀直入に用件だけ言うわ」
用件、と言った瞬間、煉さんの眼が変わった。いつもの穏やかな笑みが完全に消えている。
女性はそのまま続けた。
「”彼女”が消えたわ。」
「”彼女”?」
「わかるでしょう?”?-017 Schnee”のことよ」
女性の言葉に、また煉さんの眼が鋭くなった。
「あなたは、まだそんな事をっ・・・!」
その眼に浮かぶのは、緊張、恐怖、そして、怒り。
女性の方はただ泰然と、煉さんの眼を見ていた。

*****

今回は頑張って削りました。
所詮思いつきの展開・・・orz
ちなみに"017"は"ゼロワンセブン"、"Schnee"は”シュネー”と読みます。そこだけ独逸語です(何故
「じゃ、用件は済んだ。帰るわ」
そう言うと彼女はクルリと回りスタスタと帰って行く。本当にコレだけを言いに来たようだ…
「沙紀…私は貴女を許しません……。」
煉は声を震わせ、そう言った。怒っているのか泣いているのか分らない。
「……。」
さき そう呼ばれた彼女は聞こえていたのかいないのか、そのまま行ってしまった。

その後僕は煉さんにどう声をかけていいのか分らず しばらく沈黙が続いた。 
「お兄ちゃん、ハル、どうしたの?黙って突っ立って?」
その沈黙を破ったのは涼香だった。
「なんでもないよ涼香。さぁお店に戻って、ほらハルも行こう」
煉さんは何事も無かったように、いつもの調子で笑みを浮かべている。沙紀さんとの関係はなんだったんだろう…気になる
「ハル先程のことは忘れてくれ」
ぼそっと僕の耳もとで煉さんがいった
「はい…。」
僕はこう言うしかなかった。

**********
どうも〜書きすぎましたぁ スイマセンm(。_。;))m 沙紀とか勝手に名づけたし…
何か無理だね短いのは…ルールから消しちゃおうか(笑)アハハ 
それからしばらく。

「ん〜っ」
閉店時間から三十分が経過し、店内の片づけが終わった頃、涼香が大きく伸びをした。
「よし、今日も何事もなく一日が終わったわ」
涼香は満足気だ。
「店として何事もないのはどうだろう」
言いながら僕は本の文字を目で追っていた。上から下へ、左から右へ。しかしどうにも探し物は見つからない。
「いいの。長きに渡る安穏による永きに渡る秩序、それが当天谷書店のモットー・・・・・って、さっきから何読んでんの?」
そう言って、涼香は僕の開いている本の背表紙を覗き込んだ。
「・・・・・辞書?」
「ん・・・うん・・・」
英語、フランス語、中国語、スペイン語、韓国語、ロシア語、それに百科事典など、僕が今手に持っているもの以外にも、あらゆる言語の辞書が、僕の目の前に山を作っていた。
「調べ物?」
「うん、まぁ・・・ね」
僕は持っていた本を閉じて、呟いた。
「なぁ、涼香。シュネー、って、なんだろう・・・」
「しゅねー?」
「うん」
あの女性が発した言葉。
本当は聞き流してもいいし、煉さんにも忘れてくれと言われた、小さな会話の切れ端。
でも何故だろう、そのたった一つの単語が、あれからずっと僕の心の隅っこにひっかかっていた。
「さぁね、聞いた事ないなぁ。そういうことはお兄ちゃんに訊けば分かるんじゃない?」
そのお兄ちゃんに訊ける訳ないから困ってるんだよ・・・。
と、ふと何かに気づいたように、涼香が口を開いた。
「ねぇハルちゃん」
「ん?」
「その辞書ってさ」
「うん」
「売り物だよね?」
「・・・・・」

そして再び振るわれる、教育という名の暴力。

*****

短いの、無理でした・・・。
「ふぅ……いい汗かいた〜」
満点の笑みを浮かべながら涼香はそういった。
「……それは、よかったな」
すがすがしい感じの涼香に、レジに体を預けながら、僕は精一杯の嫌味を言った。
「なぁに〜?ハルちゃん。何か言ったかしら?」
「いえ……特には何も」
「そんな、遠慮することないわよ〜。私とハルちゃんの仲じゃない」
にこやかに言ってくる涼香。道行く人100人に聞いたらきっと98人は心が和むような可愛らしい顔と評価するだろうけど、両手で抱えるように持った六法全書(平成17年版)が、僕にその笑顔の中に含まれる言葉まではっきりと伝えている。
「あはは…遠慮なんてそんな。とにかく本当になんでもないから気にしないで」
「ん〜?そう?」
どこか不満そうに言ってくる涼香。
コイツ、絶対僕への摂関が趣味になってる。
涼香のその表情を見ながら、僕は背中に嫌な汗が流れ落ちるのを感じた。

「それにしても、しゅねーねぇ〜」
「しゅねーじゃなくて、シュネーだ」
「どうだっていいわよ。別に私は興味ないし」
涼香はそっけなくそういった。
「それは……」
「まぁ、それでもハルちゃんにとってはどうでもいいことじゃないみたいだけどね」
涼香は僕のほうを向いておかしそうにそういった。
「……どういうことだよ」
確かにちょっとした興味で調べてはいたけど、別に分からないなら分からないでそれでもいいと思ってたんだけど……
僕は涼香が何故そんなことを言うのかが分からなかった。
そんな僕の表情を見て、涼香は本当に面白そうに言った。
「だって、さっきのハルちゃんすっごく真剣な顔して調べてたんだもの。何か切羽詰ったって感じだったよ?」
「そうか?」
そんなつもりはなかったんだけど、どうやらそうだったらしい。
「うん。だから私、最初は声かけるかちょっと迷っちゃったんだよ」
どうやら僕は、そんなに真剣な顔をして調べていたらしい。
「ところで結局見つかったの?」
「いや、あらかた海外の言葉は見てみたんだけど、結局見つからなかった」
「そっか。じゃあ、コレは?」
そういって一冊の辞書を僕に渡した。
「ん?それは……」
「私のお下がりだけど、ドイツ語の辞書だよ」
「ドイツ語?」
「うん。この店って大概の外国語の辞書はあるけどドイツ語だけはないの気づいた?」
「そういえば……」
育毛大辞典すらある店の辞書コーナーを改めて見ても、確かにドイツ語だけがなかった。
「だけど、何で?」
需要が少ないのは確かといえば確かだけど、それならば他のもっとマイナーな辞書が置いてある理由が分からない。
「ん〜…詳しい理由は私も知らないんだけど。何でも、お兄ちゃんが置きたくないらしいよ」
「煉さんが?」
「うん。だからこの辞書も授業で使うからって、わざわざ別の本屋さんで買ったヤツだし」
本屋の看板娘が別の本屋で辞書を買う、ある意味シュールといえばシュールな光景だろう。
「そっか。とにかくサンキュ」
「ん、どういたしまして。ああ、調べ物するなら奥に上がっててもいいよ」
そういって涼香は、倉庫とは別の方向にあるスタッフ専用の扉を指した。
そこには三階まで直通の階段があって、三階は煉さんや涼香の居住空間となっていた。ちなみに二階に向う階段はまた別にあって、二階では女性向けのアロマグッズや感じのいいアクセサリーなんかが売られている。
ただし、そちらは煉さんの趣味のような感じなので、知る人ぞ知るといった感じだが……
「ああ、ありがと。じゃあそうさせて貰うよ」
「あ、その前にこれらを片付けていってね〜」
そういって涼香は、僕がさっきまで調べていた辞書(およそ十数冊)を笑顔で指差した。
「え〜っと……片付けておいてはくれないの?」
「ハルちゃん?」
「はい……」
涼香が握った六法全書に力が篭るのを感じて、僕はレジに渡された辞書を置いて、おとなしく言うことを聞いた。


***********
大分お待たせで、大分長文書いちゃいました。二重の意味ですみません。
え〜っと、お店の二階でアロマ&アクセ販売っていうのは何となく無理があるような気がしますけど、何かで使われたらいいな〜と。
あとのフォローお願いします。(笑
それはそうと微妙に人減ってるのかな?
項を捲る乾いた音が木霊する。
僕は借りた辞書の中の文字の羅列と格闘していた。
今目が追っているのは”sch”に続く単語の群れ。
「……あった!」

der Schnee[シュネー]
(男/複数なし)
  雪

「雪・・・?」
その瞬間、僕の脳裏に蘇ったのは、あの光景だった。
僕は、過去に三度死に掛けたことがある。

一度目は、僕の産まれる前のこと。
たまたま僕の母親が、僕のことをまだお腹に入れていた時に、大規模な交通事故に巻き込まれた。雪でスリップした大型のダンプを皮切りに何十台もの車が折り重なるように潰れたその事故は、数百人単位の死傷者を出した、凄惨なものであった。
夕飯の買い物の帰りに、たまたま会った古い友人と話しこんでいた母は、その大事故に巻き込まれた。たまたま車同士の小さな隙間に入り、一命を取り留めた母は、自分と今まで楽しく話していた友人が、目の前で拉げ鉄の箱に摩り替わっていくのを目撃した。母はその時受けた物理的、精神的なショックで一度自我を崩壊させた。
二度目は、僕が幼稚園に時行った家族旅行でのこと。
一度自我が崩壊してしまった母親に、まともな子育てなど出来るはずもなく、また父親はそんな妻を過程を憂慮して、ただがむしゃらに仕事に没頭した。そして僕は、両親の愛を受けることなく育ち、いつしか自分にそして他人に興味を持てずにいた。
その時の旅行は、そんな状況が続き流石に心配した僕の祖母の、たまには家族旅行でもしてきたら?という言葉を受けて、父親が計画したものだった。
元が熱烈な恋愛の末の結婚だったため、今の状況をどうにかしたいと思っていたがなかなか切り出せなかった父は、その祖母の申し出を契機と思い、大急ぎで三泊四日の旅行と宿泊先の田舎の温泉旅館の手配をした。
温泉旅館までの電車の中で父は、どこか焦点のずれた母とただ無表情に窓の外を見ている僕に、一体どう接したらいいのか分からずに、どこか途方にくれた顔をしながら、ひたすらこれから行く温泉についての説明や由来を一人で話し続けていた。その時の僕は、聞いてもいないことをベラベラと喋っている父親を、うっとおしいと思いながら、ただ茶色から白に変わっていく風景を黙ってみていた。
旅館についた後、一緒に温泉に行こうと誘う父親について温泉に入った僕は、のんびりと湯に浸かる父を置き去りにしてそそくさと出ると、誰にも告げずに旅館の裏手に広がる大きな山の一つに入っていった。
別に何かの考えがあったわけではないが、旅館においてあったぶかぶかの浴衣のまま山に入っていった僕は、どこに行くでもなくただ旅館から離れる方に向かって歩いていた。
雪で真っ白に染まる山を一人で歩いていた僕は、たまたま野鳥を狩りに出ていた猟師の散弾銃の流れ弾を胸に受け、そのまま雪の中に倒れこんだ。傷口から流れる血で染まる雪を何の感慨もなく見ながら、僕は自分が死ぬのだろうと考えていた。
意識が途切れかけた時に、異変に気がついた猟師の一人が僕に気がついて、急いで病院に運び込まなかったらあの時僕は本当に死んでいただろう。その事に、父が謝罪と感謝の言葉を言っているのを病院のベッドの上で聞きながら、やはり無感動に灰色に曇る空から降る小さな雪の結晶を眺めていた。
そして、三度目は僕が高二の時の冬休みに入ってすぐのこと。
母の治療の為に海外のカウンセラーのところに向かうはずの飛行機が、飛行場を出てすぐにハイジャックされ、上空で乗客もろとも爆破された。
現地での調整をする為に同乗していた父も同時に失った僕は、何もする気が起きずに、餓死寸前まで自分の部屋で起きては眠るという生活をしていた。事情を知って、心配して家まで駆けつけてきた煉さんがいなかったら、親戚や知人を名乗る他人に両親の残した全てを奪われて、今頃どこぞの道端でのたれ死んでいるか人里はなれた山奥で首を括っていたことだろう。

生まれる前に起きた惨状を記録したテープ……
山で見た自分の血で染まった雪……
雪の降る中、両親もろとも吹き飛んだジャンボジェット……

「う、あっ…」それらはフラッシュバックのように僕の視界を塗りつぶす。
次第に真っ白になっていく意識の中で、僕はどこか聞き覚えのある声を聞いた。

“――――ハル。早く、思い出してね……”

その声を最後に、僕の視界は一瞬にして真っ黒なり、同時に意識も暗闇に塗りつぶされた。


*******
本当にとんでもない長文で申し訳ない。しかも、主人公の生い立ちをものすごっく暗いものにしてしまいました。あ〜、生い立ちの描写って難しいですね。
それじゃ、あとのフォローはお願いしま〜す(最近こんなのばっかりだ……(汗
何処くらい時間がたったのだろう

「―…るちゃん」
「うぅ……ぃってぇ」
頭が痛い…まぶたは重く中々上がらない
「ハルちゃん!!大丈夫?」
涼香だ。なんでここに居るんだろう。どうして自分は倒れているんだろう 頭の中がぐちゃぐちゃになった感じ…
そうだ自分は昔のことを思いだして、誰かが僕に話しかけて… なんだったんだろう。
「ハル起きなさい!!」
「はっ…はい!」
涼香の怒鳴り声で反射的に目を覚まし、返事をする。俺って尻に敷かれてる??
「なんで居るのさ」
何となく疑問を口にする
「何でじゃないわよ!!上に行ったきり全然帰ってこないから、心配して様子見に来たら、ハルちゃん倒れてるんだもの!!ビックリさせないでよね」
怒らせてしまった…その後もブツブツ文句をいう。本当に心配させてしまったようだ。何かお礼でもしておこうか…
「ごめん心配させて。何かおごるよ」
「本当心配したんだからね…無理してんじゃないわよ。お腹減った心配しすぎて〜マック食べ行こう。おごらなくていいわよ。さっきまで倒れてた人が…でも付き合いなさいよ」
「はいはいお供させて頂きます」


**********
わぁぁ中途半端ーーー( ▽|||)なんだこりゃ。
ごめん良く考えてなかった勢いで書いちゃったよ。
駅前のハンバーガー屋に着いた僕らは、それぞれ食べたい物を注文した後。
レシートを持って、商品ができあがるまでの間、二階の禁煙席で待つことにした。

「……で、何だよ」

テーブルをはさんで向かい合いながら、僕は少しぶっきらぼうに話しかけた。
正直な話、いくら相手が妹みたいな存在とは言え、外で女の子と2人っきりなるなんてあまり経験が無かったため、年頃の女の子相手に何を話していいか分からなくなっていたのだ。

「んー。何がぁ〜?」
「何がって、わざわざこんな所に連れてきた理由だよ。何か話があったんだろ?」
「べっつに〜。ただ食べたくなっただけだよ」

涼香はおどけるようにそう応えた。
僕は、そんな涼香の目をジッと見つめた。



*******
申し訳ありません。
少し卑怯な事しました。
重ねてお詫び申し上げます。
すみませんでした。m(_ _)m
「なによ…見ないでよ。食べにくい」

頬が少し赤らんだ彼女は焦りながら言った。

「何か言いたい事あるんだろ?ほら言えよ」
「―…あのさ、私さ… ぁっ!私のフィッシュバーガーが出来てるみたいだ!!ハルチャンのも」

タイミングが良いのか悪いのか、商品が出来上がったようだ。
上手く誤魔化されてしまった。
その後は二人で黙々とハンバーガーをほおばるばかりで結局何も話せなかった。

「じゃ、また明日バイトで」
「おう、またな」

そのままこの日は終わった。こんなゴタゴタな一日は初めてだ。


**********
久しぶりに書き込みました ごきげんよう(・c_,・。)
卑劣な事?何の事でしょう(笑)
長い一日が終わりました 終わらせましたwこれからどうなるんでしょうか♪
(はぁはぁ……)
気がついた時には、そこはもう変わっていた。
視界に広がるのは、どこまでも暗く澄み切った闇。
(はぁはぁ……)
暗い……。
その当たり前の呟きは耳に返ることなく、余さず闇に飲み込まれた。
(はぁはぁ……)
寒い……。
まるで、見えない獣に痛みもなく、指の先から少しずつ喰われていくかのような冷気が闇に揺れる僕を包み込んでいる。
(はぁはぁ……)
僕は何故、こんな所にいるんだろう。
(はぁはぁ……)
僕はこれから、どうなってしまうんだろう。
(はぁはぁ……)
響かない問いかけ。
それは、自分にそして自分じゃない誰かに当てた問い……。
(はぁはぁ……)
その全てを、目の前を覆う常闇は飲み込んでいく。

飲み込まれていく。
声も、
視界も、
感覚も、
心や自分すらも……

薄れる意識で、僕は自分の死を理解していく。
きっと僕の死は、この深い闇の底に蟠っているんだろう。

何故だか、その事に恐怖はなかった。

たぶん僕はもう既に死んでいたのだろう。
だから、僕にとって死は安らぎで、生きている僕は……

そう思い、全てを闇に委ねようとしたその時。
僕は、両頬を掴まれ引き戻された。


「ハル、泣かないで」


僕を救った少女は、優しく呟いて、自分の唇を僕の顔に近づけて……。



朝方、爆音のような目覚ましの音で目が覚めた。
目覚めた僕は、部屋を見回して誰もいない事を確認してしまった。
朝の部屋は、寝る前と寸分たがわない状態でそこにあった。
いつもの光景にホッと胸をなで下ろしつつ、僕は一人静かに赤面していた。




唇には、彼女の柔らかい感触が残っている。





*******
あぃ。
またまた長文、誤字脱字へのお咎めは勘弁してください。\(__ ) ハンセィ

という訳で、あとよろしくお願いします。
まだ醒め切らない目をこすり、僕は厚い毛布と布団を剥がしてベッドから抜け出した。
「・・・・・・寒い」
今朝も冷える。
暖冬なんて絶対嘘だ、と呟きながら、曇った窓ガラスを指先で撫でてみた。見ると空は鈍い色の雲で覆われていた。
雪は降っていない。けれどいつ降り出してもおかしくない空模様だ。
見ているだけで芯まで冷えるような景色。僕は身震いをしてキッチンに向かった。

石油ストーブのスイッチを入れて、コンロの薬缶でお湯を沸かす。その間にインスタントコーヒーの準備をした。
少しずつ温度を上げる薬缶の水をぼんやり眺めていると、思い返すことは多かった。
昨日のこと。昨夜の夢。
日常の中に起きた数々の非日常。
現実に起きたはずなのに、それはどこかリアリティを欠いたようにも感じられた。
まだ寝ぼけているせいかもしれない。そう思って、僕は冷えた指先を頬に当てた。

ピーーーーーーーーーー。

その瞬間、石油ストーブが情けない音を出して僕を振り向かせた。
何事かと思って近寄ってみると、ストーブの燃料計の針は"Empty"の"E"を指していた。燃料切れだ。
「・・・・・・最悪」
白い息を吐いた僕の耳にはコンロのガスが一定のリズムで燃える音だけが響いた。


***


おおおお、お久しぶりです((゜д゜;))1年近く放置してしまいました
たまにチェックしてたのにシナリオは忘却の彼方へ・・・
てか久しぶりに書くと難しいなぁ・・・
「はぁ……」

ため息をついた僕は、ピーピーとうるさいストーブを切った。
古いストーブは、鉄の扉が閉まるような音を立てて、沈黙した。

「……はぁ」

思わず、またため息が零れ落ちる。
独りで住むにはやや広い部屋に、小さな吐息が木霊する。
いつもはそんな事、まったく気にしないのに、今朝は夢のせいか部屋の広さや静けさが辛い……
テーブルの椅子を一つ引いて、半ば崩れるように座る。

僕が今住んでいる部屋は、あのハイジャック事件の前まで両親に暮らしていた所と同じ部屋だ。
ここは賃貸ではなく、それなりに収入のあった父が購入していた為、両親の死後も、特に引っ越す必要もなかったのでそのまま使っているのだ。
思い返してみても、あまり親子らしい関係を築けていたとは思えないが、正直、父親の残した貯蓄や保険金なんかよりも、この部屋の存在がずっとありがたかった。

いつの間にかテーブルに向かって瞑目していると、シュンシュンという小さな異音の後に、ピィーーーッ!!!っというお湯の沸いたことを告げる甲高い笛の音が響いた。

僕は、鳴り続ける笛を静かに聞きながら、ゆっくりと火を止めた。




******
うわ……四ヶ月ほどほったらかしにしてしまいましたね(苦笑
とりあえず、ハルの住んでいる部屋は両親の遺産、みたいな感じで書いてしまいました。が、矛盾してたりしたらゴメンなさいです。(ノ_・。)

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