ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

大河ロマン小説 屍山血河コミュの第32章 大決戦

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 エリオットはロビンソンに話を持ちかけた。
「閣下、恐縮ですが会議を招集したいのですが」
「了解です」
 一時間後、二人のほかにグレンデール、ファイザード、マックスらが会議室に集まった。
「よく集まってくれた。皆も承知かと思うが、わしには時間がない。あの世に行く前に、せめて帝国に被害を与えておきたい。意見はあるか?」
「ありませんよ。閣下のお気持ちは良くわかります。こき使ってください」
 マックスが発言すると、全員の意見は一致した。
 こうして前代未聞の共和国軍総動員が行われた。

「共和国が15万の兵を動かすだと……!」
 ウィルヘルムはポカンと口を開けたまま持っていたグラスを落とした。
「正気か?1万5千の間違いでなないのか?」
「いえ、彼らはどうやらエリオットがいるうちに我が国をたたきのめす覚悟なのでしょう」
「それほどの兵を動員すれば首都はどうなる?」
「わたしの勝手な憶測ですが、水面下で各国と連携しているのかと」
「わかった……将軍を全員集めろ。わしも出馬する」
 歴史は確実に動いている。シュレーゲルは覚悟を決めた皇帝に威圧感を感じた。

 大陸歴622年、3月9日、両軍はサンズバーグ草原であいまみえた。
 慣習通り、総司令官があいさつをする。ウィルヘルムと、代理を務めるグレンデールが歩み寄った。
 正直、ウィルヘルムは恐怖感を覚えた。しかし、ここで決めないと立場がない。
「グレンデールよ。貴様のせいで我が国は散々苦しめられてきた。しかし、それも今日で終わりだ」
「強がったところで無駄だ。わかっていると思うが、エリオット元帥に匹敵する司令官はそちらにはいない。全員戦死だな。ははは!」
 唇をかみしめてウィルヘルムは自陣に帰った。グレンデールが戻り、一斉に両軍がぶつかりあり、その迫力は尋常ではない。
 共和国15万人に対し、帝国は18万の兵を動員させた。これで相手が並みであれば問題ない。しかし、なんといってもエリオットの存在が敵に威圧感を、味方に安心感を与えている。後方に控えているウィルヘルムとバーレンシュタインもやつぎばやに命令を怒鳴りつけるが、エリオット恐怖症ともいうべき存在感、老獪な用兵、この人の指令であれば確実に勝てるという確信が共和国の将兵にあり、次々に帝国兵が倒されてゆく。
 結局1日では決着がつかず、両軍ともテントを張り、寝ずの番が安全を確保した。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

大河ロマン小説 屍山血河 更新情報

大河ロマン小説 屍山血河のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング