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チャールズシミックコミュの人生は悪ふざけ

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文章の書き置き。投稿場所。
『昨日の僕より、今日の僕の方が若い。』
ーボブディランー

コメント(37)

Xmasに必要なのは一頭の豚と一人の天使だ。
あいつの鼻をケーキに突っ込んでくれる豚、
あいつの背中を掻いてくれて
甘い言葉を耳に囁いてくれる天使。

なんて役立たずの地図だろう、
落ち葉を踏みしめて歩く二人は、そう思った。
最後を締めくくるに相応しい景色があるとしたら、それは夜空に溶ける白い吐息だ。
橋のした、
とおくから遮断機の音が聞こえてくる
川面から飛び立った野鳥の羽音が
盲目の壁に反響している。辺りを漂う夜霧は
幽霊船の呼び水となるだろう。鉄塔にとまる夜鷹は、
それを待ちわびているだろう。
熱帯魚を飼っていた。深夜営業のカフェの窓の向こうでは、人影が水草のように揺れていた。もし本当に、僕に潜ることが出来たなら、彼らの生活の中に隠れることができたはずだった。
一体、これで何度目ー?

昼休み、カーテンの隙間から、
窓際に座る生徒がゴミを捨てるのをベランダから見ていた。
僕はそいつに近づいて、
「カーテンが揺れるだけだと思ったら大間違いだぞ!」
そう言った。右手でしっかりと生徒の頭を握ったまま。
僕はその時、カーテン一枚を隔てて
詩を握っているつもりだった。
こんな馬鹿な詩があるもんかと。
悲鳴なんかあげちゃってさ。


嘘ではないという確信はある。初めて空っ風を体験した日は、
赤い部室にあった、グチャグチャの月刊誌を踏みつける音を思い出した。
遠い昔、と言っても差し支えない未来を見据えちゃってさ。
ーこれから何時間後かに。と、長距離運転手の男は思う。「俺の身体は睡眠を要求し、そのための場所をこれから探さなければならない。」国道沿いの路肩か、コンビニの駐車場か。男は頭の中で地図を広げる。百キロ先まで見えているのだ。例え、まぶたを閉じていても。
点滅した信号機、新聞配達の男は、耳を使って交差点を走り抜ける。そして徐々にヘルメットに夜霧がついていく。ああいつかおれも落ち着いた朝を迎えることができるのだろうか。ベットの中で眠る彼女の表情に視線を落としながら、窓の向こうを走り抜けていく、今のおれと全く同じ、新聞配達の足音に耳をすますことがあるのだろうか。
魚の幽霊が、水面に飛び跳ねた。
おお、ようやくだ、と老人は立ち尽くす。
物音一つない川べりで、
遮断機の音がね、鳴っていたのさ。
その遮断機の先には、遺失物をしまい込んだ倉庫から姿を消した、皮の鞄が吊るされている。
ー来世では恵まれた終末を迎えられることを、駅員はそう願った。悲しさと愛しさを交えた気持ちで扉を閉めていた。
もしも遮断機が降りたならば、誰しもが手にすることは可能なわけで、今からでもその願いは叶えられたかもしれない。人生を空白に詰めこむことは山ほどあるのだから。たとえそれが小さろうが、大きかろうが。

ぼくは待つだろう。亡霊たちを乗せた列車が走馬灯のように通過する、その日まで。
世の中の女性の何人が
ペンダントの、ロケットの中に写真を入れているのか知りたい。もしくは、ロケットに入れて飛ばしたい。古いアルバムや、それにもとづく記憶の類いも。
そして、不意に僕は気づく。
美しい窓があるとするならばそれは、
部屋の中から望むためのものでなく、
梢や街灯からー見下ろしたり見上げたりー眺める窓だと。

風が止むのが、夢の途中だと気づかせてくれる。ー日が沈むよりももっと。星々が落下するよりも。
夜は待ってはくれない。身震いする君に、僕は上着を貸すだろう。夜明けは間近。朝露が駅前の公衆トイレの床に広がり。上着はゴミ箱へ捨ててくれて結構。

彼方此方の越境者たちは、地図を拒否する。踏みしめる足音を頼りに。

スーパーマーケットに隣接するコインランドリーの屑籠に、
丸めて捨てられたメモ用紙。
それで今晩の夕食が何なのか分かるだろう。僕や、君のー

明日の天気を知るためにはどうすべきか
靴を飛ばすもいいし、夜空を眺めるもよし。
出来ることならその予想を、
メモ用紙に書いてほしい。僕はそれを
窓際にぶら下げるから。
早朝、駅前での清掃途中に(つまらない仕事だ)地面に落ちていた切符を目にし、いつものように拾った。
日付は「一月一日」。一ヶ月以上も前のものだった。滅多ない日付だったのでポケットにしまい込んだ。これで、昼の休憩時に、物語を想像する楽しみが出来た。とはいうものの、昼の一時を回っても昼飯にありつけなかった。収集車に向かって、ゴミ袋片手に歩いていると、上司に話しかけられた。
「こんなに寒いと、焚き火でもしたいくらいですね。」
「そんなことしたら怒られちまうわな。」と、おどけた表情で上司は笑った。
「勿論ですね」と、ポケットに入れていた片手をかざした。
「おい、ポケットから何か落ちたぞ。」
「あ、これ今朝拾った切符です。」
「そんなもん拾ってどうすんだ?」
「さあ、分からないです。でもこの切符、日付が一月一日なんですよ。」そう言って上司に切符を手渡した。
「この日付、今日だぞ。」
「あれっ、本当だ。」
「寝ぼけて見間違えたんだろ。」
「かもしれないです。でも、どうせならー」
好きな娘の誕生日と間違えたかったです。と、僕が言うと、「お前が手にしたゴミ袋と一緒に、未練も捨ててこい。」と、冗談めかして上司は言った。冗談じゃない。捨てるわけないだろ、と僕は切符だけを捨てた。

駐輪場の陰に警察官が潜んでいる。罪悪感を感じながら仕事をつづけているのだろう。憎まれ役になることを承知の上で、仕事をつづけているのだ。家族や友人に疎ましく思われても、イヌと言われても怒っちゃいけない。物陰から物陰へと移動する。耳は必要ないだろ。
野良猫たちよ、死ぬ前に教えて欲しい。
お前たちが、何処で死ぬつもりなのか。

住宅地の陰から黒猫が姿を現す。多分、
その旅の、途中ではない。びっくりして逃げ出したから。
あまりの僕の不幸さに。その影に。


マイホーム。完成間近、玄関のドアノブを残すばかり。
庭先の樫の木の下に座る家主であるヘボ絵描き。棟梁が歩み寄る、決まったのか?何色にするつもりだ?
施工図として描かれたキャンバスを覗き込み指示を待った。
ヘボ絵描きである男はパレットと筆を棟梁に差し出した。
キャンバスに描かれたドアノブは、ちょうど椿の蕾のようだった。
男は棟梁と握手を交わした。
絵描きは思う。ドアノブの形のなかに掌がかくされていると、
もしくはそれを感じながら私は客人を招き入れる。色彩とたたかい、また温もりを逃すまいと
扉を閉めるのだ。
接続詞を繋げることで訪れる沈黙ー、いろいろ考えたにちがいないけれど致命的だったな。
名前を忘れるなんてどうかしてる。
去りつつある君の髪が透けてみえるのはー、
朝日と沈黙。それだけで十分。
罵詈雑言が記された手紙を、財布に入れて持ち歩いた彼らは
気前よく友人と過ごすために花束と酒を買いにスーパーに出かける。
空き缶は灰皿仕様だー
ようやく詩が書けたので、車から降りて
枯れ草をかき分けながら
岸辺へと進み、
テトラポッドに座り込むと、もう駄目。
単純なんだ。沈みかけた夕日を、水面に映るその様子をー
二人称さえ用いることができたなら
整然とした星空のなかに
彗星を呼ぶことも可能だとも。呼び出し音一つで
かたがつく話だ。
ロイヤルコペンハーゲン式の拡張器は、
自然との共生をテーマにしている。路地で寝そべるアルコールの
罵詈雑言を透過してみせた。
輝く水面に浮かび上がるコンクリートとガラスの建物。
彼らなら、その水面に飛び込んで、夏の暑さを楽しく演出して見せるのに!
かつて空き地だった道路を前にして、
置き石のようにガードレールに座った君よ!

軽トラックが、廃棄解体寸前のオーディオを
山ほど抱えて走っていく。死んだも同然。とはいえ、
車輪の音とともに虫の息で奏でられるラストオブミュージック。
それは、エンドレス。自転車の荷台に座った君に
披露された母親の鼻歌。ーランドセルを背負った
少年はその秘密を解明できない。それと空き地で目にした、
ショベルカーの掌に溜まる水のなかで 雀が水を浴び
追憶の芽となり芽吹く日をー、今の今まで。
自らを共存させながら生き抜くしかないということに!
昼間、雲雀の声が空を青くした。
そのさえずりが、あらぬ所、出張中の田舎道で
僕の車を止めさせる。それから春の午後の
雑多な物音に消されていった。
ちょうど教科書に載っているマグリットの絵画のように、或いは
どこかにあるものとして、陽光だけ飼い慣らす
空っぽの鳥籠みたいな青空だった。
寝返りを打つとギシギシとベットがなる。
僕は枕に頭を押しつけながら、しずかに背中を返すだろう。カーテンは夕日を背中に受けたままーひるがえることなく、部屋の中を見渡す。電話のベルが鳴った後、電球のヒューズが切れるだろう。そして待ちに待った暗闇だ。孤独の匂いがぷんぷんするぞ。林に転がる鍋の中に、二千万年前だかの固形の月が入られていたせい。その水で今夜僕は、身体を洗うだろう。ちびた石鹸でいいのだ。君が持ってきてくれるなら。
朝方、通学途中の小学生たちが追いかけていたのは、
犬の散歩をする自衛隊員で、飼い主まで真っ黒だった。
しかし歯だけは別。笑っていることが遠くからでもよく分かる。
彼がイヤホンで聞いていた音楽が、
ダストジャンキーのdaddyかどうかは定かじゃないが、
子供たちに追いかけられる姿は父親そのもの、
キリストそのもの。

沈黙が旅立つー、飛ぶとはそういうことなのかもしれない。
越境者。記憶のジオラマ。空白として扱われる ガードレール。誰かが座っている。口笛を吹いている。
風景それ自体を五感で感ずることができたなら、
破れかぶれであれ、唱えられる。飛ぶために。
煙のかわりに口笛を吹く
一向に気は休まらない

乱雑な机は
陰気な午後と

穴のあいた網戸から
容易に通過してくる

羽虫は電気スタンドの回りを

くるくる廻り 衝突する

いっそ梢という梢に電球をくくりつけ
蜘蛛たちを喜ばせたらどうだろうか

六角形に囚われる月

囚われの星座 解放する君の言葉

高速道路の料金所に座っていたのは神父だった。
「これからどうすればいい?」とぼくは訊いた。しかし、
彼はパントマイムするだけ。
「救済って命がけの手話みたいだ。」
こうしてぼくは、彼が差し伸べる手の平に乗せた
千円札と引き換えに都会のネオンに顔を染めるわけだ。
 長距離バスがぼくを追い越して行く。そこには
頬杖をついた女の横顔と、それだけじゃない乗客の
寝息があった。おそらくワイパーさえかけなければ消えないだろう。
もちろん、雨など降ってきそうに
なかったけれど。
鳴り止まぬ虫の音。落ち葉をさらい、落としもする強烈な西風も吹いた。
ベンチ裏のネットにはゴミが溜まっていたが、選手達は
それに触れずに練習を続けた。走り書きのメモ用紙も、三文広告も。

彼らは白いラインをまたぎその場を去る。或いは、
文章の行(ライン)を飛び越えて。でも影は残る。
留まるとでもいおうか。エンジンキーを差し込むあいだに消えてしまう。
窓を開け、指を鳴らすと街灯に明かりがつく、ちょうど
そんな具合に。
車椅子の女の唇は青ざめていて、
湿った髪を風がとかした。
彼女は車輪の骨組みに落ち葉を挟んだまま
扉のない玄関に帰宅する。

煉瓦と呼ぶには程遠い石造りの家屋で
毎夜行われる夜の営み。蝋燭を吹き消す。

風見鶏が寝返りを打つ。
だからといって、案山子まで振り返りはしない。
雨水の溜まる瓶の中に月が映り込む。それから彼女の、
心ない瞳にも。救いだすためには何が必要か?

目を閉じるべきか。それとも、耳を澄ますべきか。

浮かぶというより、漂う月明かりの最中ー
話を聞かずに、
女は紙飛行機を折っている。
無垢な翼だと今は思う

針路はどこへ向かっているのか知らない。
風はその都度
手のひらをかえすもの

冬の空は形容詞を求めない。なのに、
飛ばしておいてよ、と彼女は言った。
サリンジャーが死んだ日に。
アパートの住人!三人の男達
長いトンネルの横にある窓は
キツツキの巣箱に似ている―それとは別に 
すみっこで愉快に話すクリーム色の猿達!
天井知らずの笑い声 
夜になるとその中の一匹は、女に愛しているを言いに
外へ出ていく。彼は電話ボックスへ歩く間に
タキシード姿になる。そう考えている
仕立て屋の娘の指から血が出た
アパートの一室。

薪の周り、円を描いている。ぐるぐる回ってる。
音楽は終わって、夜。
真夜中、目が覚めたフォークダンス。
薪の炎が夜に触れ、
繋いだ手を顕にする。
窓の外の人たち。
振り返る夜は、マンションの光に満ちて、
置き去りにされる、街灯、
取り残される夜。
正面に正す。吊り輪に掴まる乗客は、彼女の携帯から発せられる光に魅せられていた。
電子を、片手に含み、彼女の後ろに立った男は、今、眠りに入る
花びらの下に埋もれた
時計の指盤
看板の裏で巣食う蜘蛛の類ー、出窓から身を乗り出した写真と
キャメラマン不在の三脚。その重み錨のごとく
記憶の海に沈み込むならば、さしづめ港の地面は
空いた酒ビンの底のように冷たくて当然なのだろう。
コード進行は友人に任せっきり。
スタジオに入った頃には、三人とも酔っ払い。
笑い声が楽器になるのなら
僕らは一流のアーティストかもしらん。
チューニングという響きはいいが、
意味合いは定かじゃない。明日とか明後日とか
気にしないように、ありったけの罵声を浴びせる。バカ!
店長は使用上の注意を事細かに説明し、
僕らの質問に対して全て「イエス」で答えた。でもそれは
「ノー」と同じ発音に聞こえたものだ。
覚束ない前奏、轟音、あるいは笑い声。

知り合いの店で女が席につくのを待つ。
ピックを弄ぶ僕らを見つけて女たちは口々に
「あなた達バンドマンなの?」と言った。
店長の言葉を借りるなら、イエス。

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