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青果流通の現状と将来コミュの残留農薬基準値

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昨日のポジティブリスト制のトピを受けてのものですが、このコミに御参加の方には、とくに知っておいて欲しいことを書いておきます。

食品残留農薬基準において、この5月29日から実施されるポジティブリスト制では、基準がない農薬成分の残留基準は0.01ppmとなります。この「0.01ppm」というのはクセモノです。だいたい、食品(農産物)に対する残留農薬の基準値は、元々どうやって決めたのでしょうか? 大雑把にいうと、こういうことです。

?まず、それぞれの農薬成分について、「それを一生、毎日摂取し続けても問題ない容量」(一日許容摂取量=ADI)を決めます。「暫定的に」というのは、別に人体実験したわけではないので、動物実験などから推測した数式をもとにします(この数式自体、消費者団体などから「甘すぎる」と指摘されることもあります)。

?そのADIをもとに、調整を経て、各食品(農産物)に振り分けていきます。

問題は、?での「振り分け方」です。一律に振り分けたりせず、ある意味“政治的な配慮”が入るのです。

例えば、数年前に、中国産冷凍ホウレン草での残留で問題になった「クロルピリホス」を例に挙げましょう。

数十年前の基準値決定(振り分け)の際に、日本ではクロルピリホスを、主にハクサイなどの栽培で使用していました。一律の基準を決めて、ハクサイに使えなくなっては(農家が)大変です。そのため、日本で実際問題として栽培に使用している品目には残留を多く認め(ハクサイでは1ppm)、逆に「あまり使用していないな」という品目では、極端に低い0.01という「検出下限」に設定します。

一般のマスコミや消費者が散々騒いだクロルピリホスも、ハクサイに置き換えれば、その100倍もの基準が設定されており、厚労省は「それでも安全」としています。違反が見つかった場合でも、普通は厚労省から「ただちに人体に影響を与える恐れはない」というコメントが出ますが、当ったり前です。「一方では100倍も認めているのに、何言ってんだ」と、いつも私は思います。

以前、この問題で厚労省に取材した際の見解は、「その当時、そういう基準を決めるということは、WTO(かWHOか、忘れました! とにかく「国際機関」)を通じて告知した」とのこと。一方中国では、ホウレン草栽培には、昔からクロルピリホスを使っていたそうです。しかし当時、その機関に加盟していなかったため、告知期間中に反論することができませんでした。日本の基準ができてから、中国は加盟しました。

また、日本食品標準成分表でもそうですが、ゆでた品目は、大半の成分濃度が上がっています。冷凍ホウレン草は、ゆでてから急速冷凍して作ります。しかし、残留基準では、「冷凍品」という概念、分類がありませんので、普通に「ホウレン草」の基準を当てはめます。当然、違反率は高くなりますね。

私はこれが、この問題の真相だと思っています。

とくに消費者団体からは、輸入品に対しては、安全性の問題が指摘されました。しかし一方で、「自分の発言の“根拠”が非常に危ういものだ」という認識はないように感じます。

ただ、こんなこと提起するヤツはあんまりいません。その当時の一般紙も、当社と同じスタンスの記事はなかったな〜〜〜と。ちなみに当時、この主旨の記事を大きく掲載した時には、在日中国大使館から大歓迎を受けましたが、別に中国を持ち上げるためではなく、「消費者起点の政策の実施を」という観点で書いたことです。

理想では、例え仮の数値であろうと、ADIを決めたなら、「日本人の摂取量に合わせて、各農産物に割り振る」のが、消費者本位の政策だと思います。ただ、実際問題として、それをやっていると、生産に影響を及ぼすのも確かでしょう。また、クロルピリホスでは中国産ホウレン草が“不利”になりましたが、“その逆”もあります。

もはや、残留基準値の決め方を、根本から見直すことなどできません。しかし、何かの改正の機会には、少しでも「摂取量」というものを考慮してもらえれば、と思います。

長文失礼。

参考URL
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/psl.nsf/psl_all_j?OpenView&Start=1&Count=300
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/MRLs-n
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/kiji.nsf/ab440e922b7f68e2492565a700176026/b79a71dfe1694b6049256b260021db54?OpenDocument

コメント(11)

そんなことが裏(?)があったんですか。。。
知りませんでした。。
成分名などまったくの無知なもので・・・・。

しかし、生産者は法で定められた基準以内で生産しなければならないことに変わりありません。


成分によって体内に影響を及ぼさない摂取量なんて生産者にはわかるわけもなく、消費者にもわかりません。
行政を信用するしかない。。。行政の決めた基準内で「納得」するしか、今はないのでは・・・。


しかし、宮澤さん・・・、勉強になります。。
しょうし様

そのとおり、いかに裏があろうと、行政の決めたことは守っていく必要があります。これは、あくまで「知っておいてほしい」というネタです。決して「破っていい」というものではありません。

なお、野菜のソムリエの方におかれては、消費者から、「なぜ、ハクサイの(100倍の)クロルピリホスは安全なの?」と聞かれた時のための参考に・・・(そんな人いないか?)
メディアで騒がれたダイオキシンは聞いた事があっても、
クロルピリホスを知っている消費者は一体どれだけ居るのでしょうね(^^;

大きくひとくくりで

「農薬」

とだけの感覚なのではないかと思います。

実際に、
自分も知らない農薬の名前は多いですし、
専門で学ばない限りは誰も教えてくれませんからね。

自分達の口に入るものの事を
「知らなかった」
「知らされてこなかった」
「誰も教えてくれなかった」
「知ろうとしてこなかった」

この事自体が、
現在の農薬問題の根底にあるような気がしています。
八百屋ですけど誰も聞きませんよ卸しさきでも結局単価が最優先です。
法令上、施行される日以降に流通する青果物はポジティブリストの基準を満たしている・・・という前提の青果物となります。

万が一、基準以上の農薬が検出された場合は出荷停止、廃棄、流通禁止となります。


6月以降、梅雨の季節になり暑くなり、栽培が非常に難しくなる季節・・・、ポジティブリストは施行されます。


不安に思いながら散布する生産者、頭からできないと農作業を見送る生産者・・・・様々です。


川上がこのような不安に思っている状態であるにも関わらず、店頭に並べる側や消費者側が何も知らずに本当にいいのかどうか?と疑問に思います。

6月以降、店頭から葉モノ野菜が消える(特別栽培農産物を除く)・・・大袈裟にいえばそんな可能性もなきにしもあらず。。。言い過ぎか。。。。
先週、中国・青島に行ってきましたが、中国側でも相当気にしています。

対策としては、自社農園を増やし、ブロッコリー、アスパラ、葉物など残留農薬の出やすい品目をそこで優先して栽培し、残留しにくいというか、農薬をかけた部分を直接食べない根菜類、土物類などは後回しにしています。

本当は全部を自社農園産にして管理したいのでしょうが、そこまでいきなりはできません。その代わりに、契約農家には農薬を買わせず、全て企業から供給している例もあります。

問題は、中国で流通している農薬では、「表示違反」がたびたび見つかっていること。つまり、「ちゃんと基準を守っているつもりなのに、農薬の中身が偽物だったため、残留違反になる」という可能性もあるということです。

農薬メーカーから直接買い付けるなどの手段をとらないと、完全には防止できないようです。しかし、これができるのは、よっぽどの大型業者かも知れません。
実際、どうなるんでしょう。
量販店は個選物からは撤退し、共選物しか仕入れはしない方向になってきてます。
又、新品種はどうなるんでしょう。
トロピカルフルーツを輸入してますが生産者を指導するのは大変な努力と費用がかかります。もちろん意識のある生産者もいますがまだまだ南米の方では意識が低いようです。
このままポジティブリスト制度が導入されても輸入品すべてが今までどおりに通関が切れるか不安です。
輸入品は食物検疫がクリアーしないと産地に送り返すか焼却しないといけないと聞きました。
安い輸入青果の原価が高くなっていくのは商社の危機です(T.T)

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