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真空管試験器と測定方法コミュの真空管の修理と再活性化

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長らく真空管と付き合いのあるOMは、この辺のノウハウ蓄積が素晴らしいと思われます。後世に伝える為にも、是非ノウハウ、「秘伝」を提供下さい。

始めにと言ってはなんですが、若干の学習成果、経験など、まず私から書かせて頂きます。(多少、面白おかしく。)


トピック上、修理とリジュービネーションの2つに分けておきます。


(1) 修理全般


<外科>

● ベースのユルミの補修

Loose Baseはつき物ですが、私は爪マニュキュアの透明の物をベースのスキマから入れ、一晩置けと米国のOM連に指導されました。スーパー・グルー(瞬間接着剤)は禁止。ガラスが割れる事があります。

コイルやトランスに塗る高周波ワニスもガラス、フェノリック・セメント(製造時に使う茶色の発泡セメント)間の接着力は同様の効果ですが、仕上げが汚い。ガラス越しにベースが見える場合、変です。但し、ワニスのほうが高温耐性が良いようです。811のように、管温の上がる物には接着力を維持できないようです。

● トップキャップの再接着

811、812A のようなタマでプレート・キャップが取れたときには、車の「マフラーの孔ふさぎ」パテを使います。2液合成式の耐熱エポキシでは、引き出し線を再半田する際、必ず外れます。

また、ピンやキャップに使われる半田は、鉛含有量が非常に高く、溶解温度が通常の物より高めです。リードのジュメット線が根元から切れてしまった物は、ダイアモンドグラインダーでガラスを少し削って、僅かに出た線に半田です。解けるのが嫌な場合は、スポット溶接です。タマ修理には、融点の低い半田は少々問題が多いようです。最近の鉛フリーの融点の高い物や、温度表示を見て半田を選ぶと良いでしょう。


● ベースの交換

錆びたピン、ロック・キーの損失などで、ベースの交換をする場合は、鉄ノコでベースの根元を輪切りにします。そのあと古い部材を取り去ると簡単です。

フェノリック・セメント(茶色の発泡セメント)は米国ではAWAで配布していた物を私は購入しました。冷蔵庫で低温保存しなければならず、取り扱いが多少面倒です。これをアルコールを混ぜて練った後、割り箸で塗りつけ、オーブンで焼くとブクブク泡が出て固着します。手に入らない場合は、エポキシか、マフラー・パテでしょうか。

因みにWEが使っているセメントの配分比率があるので、ここに載せて置きます。各量は合計4ポンド製造分の混合割合です。

1.4 oz Durite (oz. オンス)
6.24 oz Shellac
1.04 oz Rosin
54.4 oz Marble flour
0.18 Litre alcohol
0.2 Gram Dye - Malacite green.

WEへの納品はBorden Chemical, Incで、Duriteはこの会社の製品です。これはベークライトの元になるレジン・コンパウンドと同等品で、これに大理石の粉を混ぜ合わせるわけです。分量から見ると、主成分は大理石の粉です。シェラックはニスなどの原料ですが、貝殻虫の分泌物を精製したものだそうです。

マラカイト・グリーンは175度(C)で焼き上げた際に、綺麗に焦げ茶色になるマーカーとの事(焼く前は緑です)。

この比率は、ガラスとの膨張比率が合致したフォーミュラとのこと。化学に詳しい方なら、用意できると思います。


● 銀メッキ・ピンの黒化

WE管の多くはピンに銀メッキがかけられています。経年で酸化銀に変質してしまうわけですが、ジュエリー・クリーナーがお勧めです。

これは研磨剤の入らない透明な液で、紙コップにこの液を入れピンを浸すだけです。私は長年Tarn-X(ターニックス)という商品を使っていますが、銀メッキ部品や銅メッキ部品はあっという間にピカピカです。但し、これはニッケルには使えません。
リレーなど、コイルを外してから、これにジャブ、「3分間待つのだよ」、で新品になります。東急ハンズなどで、同等品が手に入ると思います。紙やすりは厳禁。

http://www.jelmar.com/TarnXbasic.asp


<内科>

● オープン・フィラメントの溶接

ガスが入ってアークやグローが出る場合は救いようがありませんが、UV201や10等のオープン・フィラメントも修理できます。私は10回ほど試して、数度成功しました。電流制限(20mA位)をかけて5KV以上の高圧トランスをフィラメントにつなぎ、タマを逆さにして切れた2本をタッチさせます。

まあ、溶着の際にガスが発生しますから遊び半分です。とは言え、冗談半分でUV202など治癒させた事があります。レーザーのスポット照射が出来る設備を利用できる方は、そちらの方が良いかもしれません。


● 曲がり電極

ナス管などの曲がり電極の「叩き修正」は50や45のナスで大分練習し、上手くなりました。コツは右手でタマを持ち、左手の平に向けえいっと叩き付けるわけですが、左手の受け止め方で衝撃を加減します。ゴルフのスイングのように、上半身をネジって調整します。

グリッド・タッチのあるタマも、プレートを右に傾け、左に傾けとやっている内に、直る場合もあります。勿論、壊す可能性は極大です。AWAで「秘伝」の伝承を受けたのですが、一度ガラスを割ってしまった以外、上手く出来るようになりました。ナス管で、内部電極が傾いているのは、気分が悪いですから。

http://www.antiquewireless.org/


● 真空度アップ

伝統的ゲッターのロウソクあぶり、100円ライター気合術、最新技術では、恐怖の「電子レンジ・クッキング」と色々あるようですが、上手く行ったためしは私にはありません。



(2) 再活性化


● 酸化皮膜フィラメント/ヒーター

定法では以下のようになります。1時間規定のEfで通電、そして1時間ほど120%までEfを上げ、エミッションを逐次検査。Ipのピークが出たところで、ゆっくり規定のEf に戻し数時間熟成。 戦前のNOSタマは、この再活性化を実施したほうが良いようです。MT管では必要ないと思いますが、この作業を必ず行う知人もいます。

さて、眠りから醒めない子はどうするか? 同じく、定説では「Ef 3倍気合法」でしょうか。全然、もしくは余りに低いIpのタマは「カツ」を入れるわけですが、5Vタマなら15Vを30秒印加です。その後、電極が<完全に冷却するまで>放置します。タマが熱い内に、次のフェーズに入ってはいけません。叱った後は、反省の時間を与えると。その後、Ef 5Vで再検査、ダメなら、この作業、気合->冷却->検査を繰リ返します。

2、3回繰り返して、復活したタマは随分あります。ただ、笑ってしまうのは、気合が入って暫らくはIpを出しても、またすぐにダメな子になってしまうタマが多いことでしょうか。ナス管にこういう「控えめな性格」のものが多いようです。

酸化コーティングがパラパラとはげて、管内に落ちている物はどうしたものか。250や281など随分と剥げますから。


● 純粋タングステン・フィラメント

再活性化は、20年代には購入者の必須の作業であったようです。リジュービネーターという簡単な機械も売られていました。UV201など古い物はトリウムの添付されない、純粋タングステンですが、使用前に1時間ほどEf 110%程で通電し、フィラメント上の汚染物を揮発させます。

● トリウム・タングステン・フィラメント

タングステンに3%程トリウムを混ぜた物ですが、Ef 135%で30分の焼入れです。このサイクルを何度やっても Ip が出ない場合は、「3倍気合法」30秒です。トリタンの場合、「冷却期間」は必要なく、気合->通常->気合->通常を連続させます。安定動作の為、フィラメントだけ一晩通電しておくと良いようです。

● 水銀管

50年以上保存されていた872や83等、水銀の気化の割合が少々悪いようです。一晩Efだけ点火しておくと水銀の活性度が上がるように見えます。50年代以降のタマと比べ、水銀の純度の問題なのか、随分傾向が違うように思われます。

また、古い水銀管 WE301や初期の83など酸化フィラメントが液状水銀に汚染され、どうしてもエミッションの出ない物があります。WE301等はフィラメントをケージで保護する仕組みがあるのですが、やはり水銀が混入します。これらは気合3倍法では復活しません。何故?


一通り書いてみましたが、正しくない活性法もあるかもしれません。また、こうしたほうが良いという指摘もあるかと思います。ご意見をお待ちします。

参考: Sibley, L., Tube Lore, Chernay Printing, 1996. 他

写真:(左から) スプリング中点で釣りバネごと(笑)溶着成功のUV202、ステムリードでフィラメント下端が溶着できた101、火あぶり効果なしの201

コメント(28)

続きを楽しみにしています。
真空度アップに電子レンジというのは,オークションで一本入手した死んだKT88を試しにやってみたところ,とつぜん,管内に紫色の煙りと対流がどっとおしよせ,スイッチを切りました。これは窒素ガスなのでしょうか??これはおもしろいのですが,破裂すると恐いのでやめました。かなりガラスも熱くなります。いずれにしても,電極全体を加熱してしまう方法はガス放出にはなっても真空度はアップしてくれないと思います。
虫眼鏡で太陽の光りを一点に集中して,。。。などと思ったら,ガラス容器の局面がじゃましてうまくいってくれないし,おもったより温度もあがってくれませんでした。
ラジオマン さん

さすが、色々試されており参考になります。私も電子レンジに71Aを入れて、チンしたことがありますが、完全に死亡しました。

考えてみると、製造プロセスの最後のバルブのシール直前で、高周波コイルでプレートを過熱しガス出しをするのと同じです。ゲッター部分以外はアルミホイルで包んでおいたらどうでしょうか?

ライターだと失敗するとゲッターの局部だけ円形ハゲになるので、ナスなどは「チン」のほうが良いのかもしれませんが。しかし、電子レンジって、誰が考えたのでしょうか。
加藤さん

アルコール・ランプ了解。温度が決め手なのでしょうか。

初期のタマは燐、そしてマグネシウム、後期ではバリウムを25%と75%のマグネシウム合金が多く用いられたようです。バリウムだけ使う場合もあるとの事(ゲッターが黒くなるマラード系や初期の松下のMT管?)。

因みに、バリウムは水銀蒸気の中では作動しないとの事で、83等はバリウム量を調整し代替と文献にあります。(Magers, B., "75 Years of WE Tube Manufacturing", 2nd Ed., 1994)

Mg
http://www.suginami.ac.jp/study/chemistry/atom012.htm
Ba
http://www.suginami.ac.jp/study/chemistry/atom056.htm

合金になると沸点、融点が変わると思うのですが、ライターの温度程度で反応しそうな温度特性ではないようですが....  燐ゲッターにロウソクは有効でしょうけど。 気化させてしまったら駄目なのでしょうか。今ひとつ、ゲッターのガス吸着の化学メカニズムを理解できていないので、説明頂けると助かります。
過去に読んだ本の受け売りで、しかも詳細を綺麗に失念(何に書いてあったかも覚えていない)ので恐縮ですが、ゲッター火焙りの刑はマグネシウムゲッターでないと、バリウムゲッターではダメと聞いた事がございます。
要するに酸化吸着のメカニズムが違うのでしょう。

ちなみにルーズベースの修理ですが、お風呂のタイルなどに用いるタイルコーキング剤を愛用しました。硬化してもカチカチにならず若干柔らかさがあり、温度にも強いので。
ヤマシナさん、球の復活にもいろいろあるのですね。感心しました。MgとBaゲッターのちがいですが、Mgは飛ばしたときだけ働き、後は知らん顔、確かに空気が入ってもそのままです。Baはずっと働きづめ、ですから使用中にだんだん薄くなるのだ、となにかの本で読みました。私はMgゲッターの火あぶりしか行ったことがありませんが、良くなる球と、却って悪くなる球があります。あまり炙りすぎると、ステムや電極にMgが付いて絶縁不良になります。1銭銅貨程度の大きさが良いそうです。私もアルコールランプを使っています。
P リン
http://www.suginami.ac.jp/study/chemistry/atom015.htm

Zr ジルコニウム
http://www.suginami.ac.jp/study/chemistry/atom040.htm

大型送信管のプレートのコーティングに使うZrも追加しておきます。
河童さん、さっしさん、
ありがとうございます。ところで、ガスの発生ですが、ガスの実質は何なのでしょうか? ラジオマンさんは窒素?、とコメントされましたが、水素ガスもニッケルプレートなら還元排出されるのか.......
ベースセメントに含まれているマラカイトグリーンは危険物質との事。なめない方が良さそうです。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/050804-1.html

「急性毒性のある薬ですが、アメリカでは普通に使われているようです」 (以下のリンクより)
Western Electric管は危険?

http://w2223.nsk.ne.jp/~mint-ye/sub7-12a.htm
ガスの発生ですが,製造時には金属を加熱して金属中のガス追い出し,排気後はゲッターで吸着。金属中にはやはり窒素,酸素。リークしている場合も空気が入りましょう。加熱中のヒータやフィラメント,カソードからはガスが出るし,その他,CO,CO2,H2O。マイカを加熱すると加水分解?して水分がでる。
マグネシウムゲッタは蒸発している時だけ吸着作用があるので,ゲッタ膜をじりじりと炙ることで真空度が改善できる訳です。バリウムゲッタは加熱せずともゲッタ作用があるので,使用しているうちに膜は退化していく訳です。
送信管の材料は製造時に良く加熱しガスを追い出しておくのですが,一般受信管はそんなことはしませんので,高い温度での使用はできません。だからプレート損失に近い動作を続けるとガス放出により早く寿命に達するのでしょう。

私はいまだにゲッタ膜を炙って復活させた経験はありませんが,エミ減の球をヒータまたはフィラメントの加熱により救ったことは何度もあります。これは陰極物質の再活性化で,真空管製造後に行うエージングの行程の一部をもう一度行うもの。ヒータ電圧を規定の150%〜170%に上げて,30秒程加熱 というものです。ダメでもともと。戦前のラジオ用整流管などでゲッタ膜が生きている場合には,効果がある場合も見られます。近代管は成功例はほとんどありません。また,グリッド絶縁不良の場合なども,同じ方法でグリッド近傍の金属物質を再蒸発させて絶縁を回復させることができる場合もあります。
ゲッタの続きです。今改めて文献(電子管用金属材料,日本金属学会真空用金属研究委員会編,丸善,1958)を読んだところ,恐るべき事実を知りました。(私が今まで無知でした)。マグネシウムゲッタとバリウムゲッタのフラッシュ温度は知っていたのですが,(この文献ではマグネシウム500℃以上,バリウム1100℃以上),実は動作温度はともに200℃以下でした。温度が上がり過ぎると活性を失い,吸着したガスを放出!
真空管が動作する10-5から10-8mmHgでの種々のガスに対するゲッタ速度(放電活性)cm3/s (温度350度K)
O2, CO, CO2, H2O, H2, N2
Ba 1000, 1250, 3000, 2300, 250, 80
Mg 150, -,-,-,-
この意味するところは,マグネシウムは良く酸素を吸着するが,他のガスは不得意。バリムムは酸化物ガスは良く吸着するが,窒素はあまりよくない。

しかも,300℃以上になると,水素,窒素は遊離。バリウムはガラスと反応して変化するため,200℃が限度。さらに100から150℃をこえるとゲッタ膜は集合粒子の安定化,再結晶が起こり,常温に戻しても飽和吸着量は低下する。とあります。
受信管がプレート電圧300V以下に制限されている理由の1つはこれでした。

なお,バリウムに対する吸着の原理は,O2, CO, CO2, H2Oなどは化学吸着で,酸化物,炭化物が生成されるとのこと。マグネシウムは放電がともなう場合はO2以外も吸収するが,温度が100℃をこえるだけでも再び放出する,とのこと。

以上から,ゲッタ膜は案外低い温度のところになければならない。バリウムゲッタのものは,火炙りの場合,昔から新聞紙半ページに火をつけてあぶるといわれるように,火力と持続時間は決まっていて,これは100℃から200℃以上にしないようあたためる必要があることからきた経験則かと思われます。また,バリウムの場合,もともと存在するだけで吸着する接触ゲッタの性質もあるので,真空度が落ちたからといって炙っても,それ以上の吸着は期待できない,というのが,効果がみられない理由だったのではないでしょうか。
書き間違い
「以上から,ゲッタ膜は案外低い温度のところになければならない。バリウムゲッタのものは,火炙りの場合,」
正しくは
「以上から,ゲッタ膜は案外低い温度のところになければならない。マグネシウムゲッタのものは,火炙りの場合,」
----------------
おそまつ。
ラジオマンさん

詳細にありがとうございます。

長年の疑問が解けました。「新聞紙半ページに火をつけてあぶる」というような、経験的知識はやはり根拠があるのですね(これ知りませんでした)。

100円ライターのように、燃焼温度の高いもはやはり駄目で、アルコールランプのような低温燃焼でないといけないわけですね。しかし、たった200度ですか。おまけに再結晶化が100度から始まると。

これでは「湯煎」しか方法がなさそうですが、通常の受信管は動作中に部分的に100度は越えるでしょうし。これがゲッター減少の原因なのですね。

トップ写真のかわいそうなUV201は、私、ガスバーナーで炙ってしまいました。
ラジオマンさん

一つお尋ねしたいのは、メタル管のゲッター材質です。やはりMgやBaなのでしょうか? もう一つ、封止前の高周波コイルでのプレート焼き(ガス抜き)が出来ないのではないかと。
ヤマシナさん,いつも難しい質問です。これはがーすけさんが専門と思いますが,初期の頃はMgだったと思います。初期のメタル管は管壁にへそがあってそこを炙るとフラッシュできるようになっていたらしい。また日本の球には中に加熱用コイルらしきものがあるものもありました。欧州ドイツオランダのメタル管は頭の裏面ゲッタ材料が貼付いていました。ゲッタはその後,BaやBa-Mgが使われたと思われますが,どのようにフラッシュさせるか私は知りません。

全体のガス抜きは小口さんの「ロダン真空管-真空管製造入門」MJ2000.11に書いてありました。金属外囲器全体を数100℃程度に加熱して,ガラス管と同様,排気するとのこと。高周波コイルでやる必要はありません。これはもちろん,送信管のように高温で念入りに焼くことはできないでしょう。受信管はこれで良いのでしょう。プレートは材質や前処理に依存し,組み立て前に吸蔵ガスの除去,被覆処理などを前もってやっておけば排気時はこれでも高性能というものもあるので一概にいえません。
ラジオマンさん

いつもありがとうございます。私も東京宅に戻ったら送った文献を少々調べてみます。

手元のOTB(Old Timer's Bulletin, Vol.38 No.3, Aug. 1997)をめくっていたら、Nuvistorの話がありました。発明者のGeorge Rose、 J.Poyner/RCA Production Mgr.、J.Thompson/Nuvistor Design Group Leaderなどの話をまとめた物です。

写真左は、300個まとめて排気する治具で、最終的にこれで製造していたとのこと(Shish-Kebabロッドと呼ぶとか)。ゲッター・フラッシュは当然使わず、排気だけ。

この中近東の「焼き肉串」を30-35本まとめてチャンバーで排気、セラミッックベースと外皮の間のBlazing Ringを過熱溶解する... えらく詳しく工程が書いてありました。ご関心がある方が多ければPdfにします。メタル・セラミック菅の号もありますので。

写真中はRose博士と各種Nuvistor。一番奥のデカイのがビーム出力管で、プロトタイプ。

写真右の一番左は、ハーフサイズNuvistorのプロトタイプ。大きさでは初期のゲルマ・アルミケース入りトランジスタ並みですね。
写真追加

このAES会報の表紙、残り2枚はがー助さん用。過去に製造、発表されたNuvistorとメタル・セラミッック菅。

8677Aが1970年2月8日発表で、最後のニュービスタになるようです。
ヤマシナ さん

資料ありがとうございます。
メタル・セラミッック菅のリストを見ていたら
MICRO-MINIATUREという範疇ですが、
GE系の古いタイプの6299のシリーズが抜けているように
思えます(十円玉の左下の金色の4種)。
RCAの7554等は少し大きいとしても・・・。
それにやや大きいですが8504がないですね。
(8504は東芝が開発したと思っています)
がー介 さん

書き込み遅れました。

この金メッキのものは見たことがありませんでした。ニュービスタは一時期熱心に集めたのですが、流石に米国にいても全ては無理でした。メタル・セラミック管は更に入手に難儀しそうで、ほとんど手を出していません。代わりに、「光り物」を熱心に蒐集しました。デカトロン、ニキシー、マジックアイ、小型ブラウン管の類いです。

上の記事で、コメントが一切無かったのですが、「プロトタイプのビーム管」(ニュービスタ)は、何か資料をお持ちでしょうか?
私も手許のRCAニュービスタの広告を調べました。59年の広告にあるビーム管は挿し絵(ピンを除く長さ1-1/4")と30Wのプレート損失,開発中とあるだけです。
また,62年9月の広告には,ニュービスタには直接ハンダ付けリード線型のものが開発され,開発ナンバーは
A-15212 ...RCA-7586相当
他,10種が掲載されていました。市販されなかったのかもしれません。
ラジオマン さん

遅いレスポンスですが、お許しまで。

Pd 30Wですか、安定長寿命ならば商品性もあったのでは。

リード線付きはがー介さんが紹介されていましたが、私もウクライナの売人から入手した軍用ロシア製を持っています。ステムからの引き出し線を一回接いでいます。銀ロウか溶接のようです。

冷戦時代の米国製品って、何でもコピーされてます。

RCAは比較用です。グランド用タブ以外、スリーブ形状、寸法も同じに見えます。
山科さま

初めまして、このトピックを見て非常に役に立ち感謝しております。
数年前、中古のNT92(4212)を安く譲ってもらい使用しておりましたが、1ヶ月でエミ減(Ip規定の電流値の半分)になってしまい、フィラメントの活性化を図ろうとフィラメントのみ規定値で1日通電したり試しましたが、一時的にはエミッションは戻りますが数分後に元に戻ってしまい仕方なく押入れの隅に眠ってました。
 数日前にこのトピックを見つけ、フィラメント3倍法(実際は2.5倍)を試してみるとIpは倍以上に戻るし、ここ、3日間は安定作動しております。有難うございました。
 また、大変あつかましい質問ですが、長年使用されていないこのクラスの球を使用する場合のエージング方法などの使用する前の注意事項や一番適切である使用方法など皆様の意見やご教授お願いします。
たっくん 氏

書き込み頂いたものを見過ごしており失礼致しました。

このサイズの管は、再活性化の後、何と言っても発生ガスをいかに吸収させるかで寿命が決るように感じます。212、833A、852クラスの古いものは、プレート表面にコーティングされたジルコニウム層が規定温度に上がらないとガス吸着効果が不十分に思えます。元来の送信管としての使用方法ではなく、オーディオ用途で「いたわり仕様」の低Ep/Ipで使う場合、注意すべき点でしょうか。 オーディオはA級で使うのでしょうから、色々厄介です。

100/250TH/TLなどはプレート面積も狭いので余計に注意が必要かもしれません。プレートが赤熱し、ルビー色程度の温度にならないとガス吸着をしないと言われています。真っ赤になったらガスが出てくるのでは?と化学知識の乏しい私は思ってしまうのですが、こういう疑問はラジオマンさんの解説待ちになります。(宜しくお願いします)

212は美しいタマですよね。手持の1本は変な穴があいてしまいました。ガー介さんの説明では、成形時の残留歪とのこと。この写真もご笑覧くださ(河童さんのフォーラム)。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=10490984&comm_id=334012&page=all

AWAのOTBからの記事ですが、なかなか興味深い手法なので紹介しておきます。断線・ショートが無い場合、85%の成功率とか;

http://www.antiquewireless.org/otb/rejuve.htm

Vmanさん

書き込み有難うございます。私も、酸化皮膜が剥離落下したものは救済しようがないと思っています。おっしゃるように、「気合入れ」をすれば、更なる皮膜剥離も進みましょう。総面積で半分も剥離したものは、やはり飾り物にしかならないと思います。それでも用法次第では限定的にIpを得ることも可能ではありましょうが、もはや定格使用は無理な話です。

300Bも落ち着かれたようなので、そろそろ212Dあたり、生産を期待しております。212系列は生存数が少ないゆえ利用者も多くはないのですが、安定して供給されるようになれば事情も変わると思われます。

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