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1000文字小説コミュの目の前の人を満たす

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地獄を釈迦が歩いている時のことだった。

地獄に落ちた人々が、釈迦に向かって口々に「食べ物をくれ!」と叫ぶ。


釈迦はその言葉を聞き、大皿に食べ物を山のように盛り、人々の前に置いた。

そしてこう言った。

「食べても良いが、手掴かみではいけない。この箸を使って食べるように」


差し出された箸は、重くて長い箸だった。


人々は釈迦が歩み去るのを待ちかねて、箸に手を延ばし、食べ物を口に入れようとした。

ところが箸は長いので、食べ物を箸の先が掴んでも、遠くてそれを口に入れることができない。

ならば箸の下のほうを持って……と試みても、箸は重いので、今度は満足に操ることもできない。


結局、目の前に山のような御馳走があるのに、それらを口に入れることができないのである。


人々が泣き叫んでいる姿を見て、ある一人の老人が心を痛めた。

そして老人は箸で食べ物を掴むと、自分ではなく、目の前の人の口に入れ始めたのである。

食べさせてもらった人は満たされ、その人も箸で食べ物を掴み、自分の口ではなく、目の前の他人の口に入れ始めた。
 
自分ばかりが食べようとしている時には口に入らなかった食べ物が、人に食べさせることによって自分の口に入る。

人を思いやることが、結局は自分に戻ってくることにつながるのだ。


幸せの原理は他を満たすことを優先すること。


釈迦が伝えたメッセージでした。

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