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THE 感動する話コミュの『折り鶴って1000羽折ったら願い事が叶うんだよ』

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とある折り紙大好き少年の人生ほっとした顔

男の子は物心ついた時には暗闇にいた。
父親はギャンブルや夜遊びの毎日で、ギャンブルで負けたら八つ当たりで本気で殴ってきた。
母親は父親がクズだから自分が求めた理想を子供に押し付けた。

男の子は友人があまりいない。

そして悲惨な生活。

母親は自分の理想を子供に押し付けた。
たくさん習い事や勉強をさせた。

『お宅の子供さんスポーツもできるし、頭も良くて羨ましいですよ〜』

とか周囲の人達に言われたいだけ。
子供を理想を叶える、自分を高く見せる道具として利用した。

男の子は道具じゃないと抵抗した。
まだ友人とだって遊びたい。
まだ、6歳ぐらい。

ある日、反抗しているとシャツとパンツ姿で真冬のベランダに長時間放置された。
男の子だって人間だ(-_-;)
寒ければ、寒くない場所に行く。
もしくは、せめて風の当たらない場所に行く。

そしたらベランダを見た母親が逆ギレ。

『いなくなって、心配したんやけぇ!』

男の子を鈍器で殴った(-_-;)

男の子は知っていた。
自分なんて心配されてない。
母親が心配したのは自分の身の安全。
男の子が凍死とかしたら刑務所に入れられるからな。
それに本当に心配してるなら鈍器なんかで殴らない。

人を殺したら牢屋に入れられる…6歳でも一応理解してる(-_-;)

父親にも同じ事されていた。
外出して道に迷い、帰宅が深夜になってしまった。
そしたら『心配させんなや(怒)!』とか本気で蹴り飛ばされた。
本気で殴られた。
12歳の時だ。

薄々だが、理解していた。
酷い親から子供を引き離して育てる施設がある。
だから父親は『近所の誰かの家に逃げ込んだのではないか?』とでも考えてたんだろう。

またしても心配したのは自分の身の安全だ。

というか6歳の時から、男の子は道具じゃないと反抗したら……
1週間は食事がなかった(^。^;)
子供だし、コンビニやスーパーにも行けない。

生きるために生ゴミを食べた。
生きるために泥水を飲んだ。

そんな生活。

そして父親は中小企業の社長だったが、毎日のように夜遊びとギャンブル。
ギャンブルで負ければ子供に八つ当たり。

精神的にも肉体的にも限界だった。

ずっと親に反抗した。

そしたら母親に殺されかけた。
両親はできちゃった結婚。
母親は父親がクズだと知らずに結婚。
自分の意志で結婚したはずだ。

それなのに男の子を殺そうとした。
自分の理想通りにならないから。

『あんたさえ、いなければ人生やり直せる!あんたさえ、いなければ!』

力一杯に首を絞められた男の子。

意識が遠くなっていった。
目の前が真っ暗になっていった。
あぁ、きっと死ぬんだな…そう思った男の子。

もし生まれ変われるなら、幸せな世界で生まれたい。
6歳の時だ。

………男の子は生き延びた。

ニュース等で虐待で死ぬ子供がよくいる。
子供はいざという時、運によって全て決まる。
死んだ子供達は運が悪かった。
いや、その後の人生を考えると運が良かったとも言える。

運命を不幸と親に支配され、理不尽に命を絶たれる。
……天国だけは誰にも、何にも支配されてないよね?
それなら死んだ方が幸運かも知れない。

男の子は偶然、生き延びた。
体は助かっても心は死んだ。

男の子は最後の抵抗を試みた。

幸せになろうと親を殺そうとした。
楽になろうと自分を殺そうとした。

両親が眠っている夜中に台所から包丁を持ち出した。
まだ7歳の時。
今から人を殺しに行くのに、包丁を持つ手は振るえなかった。

人を殺しに行くのに…
いや、両親を人だと思っていなかったから手が振るえなかったのかな。

しかし、男の子は殺人を断念した。
男の子には唯一の幼馴染みの女の子がいる。
仲が良くていつも一緒にいる。
もうあの女の子に会えなくなると考えたら涙が出てきて包丁を台所に戻した。

しかし自分の生きている意味を見失った男の子。

そんな生活で全てを諦めた。
そんなある日、幼馴染の女の子が遊びに来た。

その時、一緒に折り紙をして遊んだ。
男の子は女の子に千羽鶴を教えてもらった。

『折り鶴って1000羽折ると願い事が叶うんだよ』

男の子はそんな迷信のような事を信じた。
自分では何も変えられなかったから奇跡を信じた。
しかし奇跡とは人間が起こすものだと信じてもいた。

女の子は元気で明るくて優しくて強かった
熱い心と正義感を持った人だった。
男の子はそんな女の子が大好きだった。
女の子に憧れてもいた。

自分もそうなりたいと、強く思った男の子。
それ以来、折り紙を手放したことがない。

どんな悲惨な生活でも数少ない友人や幼馴染の女の子の前では常に明るく笑顔でいた男の子。
あの女の子に近づくために。

同じモノを持っていればいつか一緒に歩める日が来ると信じていた。
男の子が抱いたものは熱い心と正義感
手にしたのは女の子との絆。

しかし、12歳の時に男の子と女の子は離れ離れ
男の子の両親が離婚したのが原因だった。

『折り紙…折り鶴はまだ下手くそだけど、俺が考えた折り鶴をいつかマユに教えてあげたい。いつか折り紙の先生になる』

そう言い残して女の子と別れた男の子。

それから数年後。
男の子は…少年は16歳になった。
とある企業でアルバイトだが折り紙講師をやる事になった。

正確に言えば≪連鶴≫と言う折り紙で、1枚の紙から複数の折り鶴を作る技術である。

講師になった事を女の子に言った男の子。
離れ離れになっても電話などで連絡は時々していた2人。
お互いとても大切な幼馴染同士。

女の子は喜びながら言っていた。
『小学生の時から折り紙好きだったよね何で折り紙をはじめたの?やっぱり工作とか好きだからかな?』

………。
男の子は告白した。
何故、折り紙を始めたのか。
家族同然に育った幼馴染みでも流石に驚いたようだ。

そして…悲惨な生活をしていた事も告白した男の子。
女の子も自分の生活を告白した。

『そんなに酷い生活してるなんて知らなかった。ずっと一緒にいたのに気付けなくて、ごめんね』

そして女の子が告白したのは……
1年前に自分に恋人ができた事。
それは複雑な気持ちだが、女の子が幸せなら嬉しい。
しかし、その彼氏は体目当ての最低な男だったと告白した。
最後は女の子が泣いて土下座して最低男は身を引いたらしい。

あぁ、知っているよ。
何故なら旧友に噂を聞いたからだ。
やはり本当だったんだ…。
そして女の子が知らない事も知っていた男の子。

あの最低な男がまた大切な幼馴染みを狙っている…!

絶対に幼馴染みを守る。
男の子は行動を開始。
幼馴染みは知らない。
心配かけたくないから男の子は黙っていた。

高校では変人扱いされていた男の子。
『いきなり山から出て来た』
『田舎でうろうろしてた』
『挙動不審』

山に入っていたのは罠を実験していたから。
田舎にいたのは亡き親族の家の倉庫に罠用の道具を取りに行っていたから。
挙動不審なのは、わざとそうしていたから。
変人が変な事をしても誰にも怪しまれない。
また変人が何かやってるぐらいにしか思われない。
これなら数少ない友人を巻き込まなくて済む。

最低男は1人ではない。
チンピラ集団のボスのような存在。
恐らく大人数相手の喧嘩になると予想しての準備をしていた男の子。

そして、男の子は40人のチンピラ集団に勝利した
罠や策略にハメて勝利した。
その事実を女の子は知らない。

そして男の子は折り紙を続ける。
ある日、他校の文化祭で折り紙講座をする事になった。
男の子には祖父がいた。
豪快で愉快な大男だった祖父。
孫が何かを頑張っていれば応援してくれた祖父。

張り切り過ぎて、ぎっくり腰になって逆に孫に迷惑かけてた大男(笑)
暇になったら入れ歯はずして遊んでた愉快な大男(笑)

自分よりも他者の事を考え、小さい事は気にしない大男だった。
そんな祖父に『折り紙で花を作ってくれ』と頼まれた男の子。
時期が夏だったこともあり、スイレンを作る事にした。

しかし、祖父は完成したスイレンを見る事はなかった。

スイレンが完成した日。
自宅の隣にある祖父の家に行った男の子。
祖父は不在のようだった。
どうせまた、居酒屋でどんちゃん騒ぎしてるか友人の家に行ってるかだろうと思っていた。

数日後、祖父は家の中で遺体になって発見された。
すぐに警察とか救急隊が来た。
警察が言っていた事を少し耳にした男の子。
『死亡推定時刻は…』

スイレンを完成させて学校から帰宅した男の子。
帰宅した数十分後が死亡推定時刻だった。

近所の病院に死亡届を取りに行った男の子…。
あまりにも酷すぎる。

そしてすぐに祖父の葬式。
たくさんの人が参列した。
それほど、良き人だったんだ。

男の子は見せるはずだったスイレンを祖父の棺桶に入れてあげた。
それを見た親族が言ったのは『スイレンか。葬式にぴったりの花じゃね。きっと、おじいちゃんも喜ぶよ』だった。

親族に悪気はないけど、皮肉すぎる。

ここで話は終わらない。

祖父の納骨の日が他校の文化祭の日と重なったのだ。
男の子は文化祭を選んだ。
祖父は男の子の折り紙を応援していた。
誰よりも家族の中で応援していた。

親族は猛反対。
納骨より折り紙を取るからだ。
男の子は祖父の意志を尊重しての判断だった。
そして親族が猛反対する理由はもう一つあった。

文化祭での講座は障害者との協同講座。

『障害者と一緒にいたら変な人に思われる』

それが猛反対の理由だった。

激怒した男の子は文化祭に行くことを強行。
親族からは冷血人間と言われたが気にしない。
障害者だって同じ人間だ。
それを差別する方が冷血人間だ。

そして、時は流れて…
男の子は高校を卒業した後、陸上自衛隊に入隊した。
男の子は自分から志願した。

本当はあの時、幼馴染みの女の子を守れていた。
あんな最低な男が現れたのは、男の子が引っ越した数年後。
本当は数年なら留まれていた。

しかし、男の子は目の前に迫っていた悪と闇が怖くて逃げた。
だから離れ離れになった。
もし、悪と闇に立ち向かっていれば…戦っていれば…
もう少しの勇気があれば、女の子を守れたかも知れない。

そんな後悔があって、力を求めて自衛官になった男の子。
折り紙を手放し、その代わりに銃を持つようになった。

折り紙の練習や勉強ではなく銃の練習や訓練。
実弾射撃に戦闘訓練。

自分が求めたのは本当にこんなモノなのか?
疑問を抱きながらも厳しい訓練の毎日。

自衛官になった事を喜んでいたのは家族だけ。
幼馴染みは入隊したことは喜んでいたけど…何故か本当に喜んでいたように思えなかった。

家族は孫が、息子が自衛官に志願したことを名誉に思って喜んだ。
息子だからじゃない、孫だからじゃない。
国家に仕える崇高な自衛官という身分になったからだ。

世間体や名誉…。
男の子自身も今までワケありとは言え、変人を演じていた。
たくさんの人に馬鹿にされた。
馬鹿にしていた人たちに見直された。

………本当にこれで良かったのか?

自問自答する日々。
しかし、自問自答しても自分を納得させる答えは出なかった
ただ綺麗事や理想論だけの答えしかなかった。

そんなある日。
家で荷物を片付けていた時だ。
自衛官になって家にはあまり帰らなくなるから、いらない物を整理していた。

その時、1つの写真立てが出てきた。
写真は入っていない。
写真の代わりに入っているのは2羽の折り鶴だった。


『折り鶴って1000羽折ると願い事が叶うんだよ』

緑色の折り鶴が幼馴染みの女の子が作ってくれたもの。
水色の折り鶴が男の子が作ったもの。

変人を演じていた時、どんどん周りから人が遠ざかって行った。
それでも、一緒にいてくれた友人を一生大切にしようと思った


……2羽の折り鶴や友人。
少年が…いや青年が求めた答えは、すぐ近くにあった。
何で見失っていたんだろう。

青年は迷彩服を脱ぎ、重たい銃を捨てた。

それから適当な職に就き、副業でもう一度…折り鶴講師をやり始めた。

そして……20歳になった青年。
長馴染みの女の子と8年ぶりの再会。
青年はとても嬉しかった。

しかし再会したのは幼馴染に嫌われるため。

幼馴染みは友人たちと争い合う日々を過ごしていた。
その友人と青年も友人同士。
友人同志で争う事に何の意味があるのだ?

青年は調べた。
すると悪人が浮上した
悪人は暴力で利益を得ている最低な人間。
とある友人が脅されて不本意に雇ってしまった。
悪人を雇ったなんて他の友人に知られたくなくて、争いは激化。

青年は色々な手段を行使して悪人を追い払った。
しかし争いはなくならない。

悪人はいなくなったのに。
悪人は人知れずに動いて、争いの火種を作っていたのだ。
だから誰も悪人の事を知らない。
見えない敵に怯えて、友人を疑い争いになる。

だから青年が悪役を買って出た。
見えない敵に怯えるなら、自分が見える敵になって全ての怨嗟を背負うと決意した。
これで友人や幼馴染は救われる。

青年は自分に言い聞かせた。
これで幼馴染みは救われるんだ。

自分が悪人になって嫌われることで救われるんだ……。
熱い心と正義感がアダなして青年と幼馴染みの絆を破壊した。

しかし、まだ終焉ではない。
幼馴染みの友人であり青年の友人でもある男に呼び出された。

幼馴染みの唯一の幼馴染みでもある青年が何故、あんな酷い事をしたのかと問い詰めた男。
この男は本物の悪人を知らない。
青年が悪役をしている事も知らない。

青年は金の為だと返答。
元友人に殴り飛ばされた。
そんな事がたくさんあった。
かつての友人に非難され時には殴り飛ばされる。

それから青年は折り紙を諦めた。
自分の信念を形にした折り紙を諦めた。
どんなに頑張っても、たった一つの願い事すら叶わない。

あの女の子とずっと一緒にいたかっただけなのに。

折り紙を諦めたが、講師の仕事はある。
仕事だから投げ出すことはダメだ。

ある日、依頼主に呼び出された。
青年は予想していた事だ。
意欲的ではなくなったから、恐らく解雇にされるだろう。
いっそ解雇にしてもらった方が楽なのかも知れない。
それで完全に折り紙を諦められる。

依頼主は言う。

『この前、講座に来ていた男の子がいてね。小学生なんだけど、折り紙がすごく好きになったそうだよ。その子の親に聞いたんだけど、元々は明るくなくて自信もなく、暗い子供だったんだってさ。それが折り紙を始めて学校で人気者になったらしい。今では元気で明るい子らしいよ。それを見てその子に憧れた子供も少なくはない。その子に折り紙を好きになったワケを聞いたんだけどね、君が楽しそうに折っているのを見ていいなぁって思ったからだそうだ』

この前の講座…。
幼馴染みや友人に嫌われる前にした講座か。

そして……
『実は小学校の先生から、ぜひとも学校で講座をやってくれないかと依頼が来ているんだが、やってくれるか?』

青年は……
『はい、やります!』
そう返事した。

ある男の子がいた。
男の子はある女の子の明るさや優しさや強さに憧れた。
自分もそうなりたいから熱く生きた。
そして大人になった男の子は、いつの間にか名前も知らない子供の憧れになっていた。
そんな大人に憧れ熱く生きる子供を見た他の子供は熱く生きる仲間を見て熱く生きようとしている。

こうして、熱い心や希望は連鎖していくんだ。

あの女の子がくれた1羽の緑色の折り鶴。
水色の折り鶴が男の子の折ったもの。
(画像は別の場所に表示)
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=60914904&id=1919984613

そして今、青年が作っている作品。
金色の大きな鶴の後ろには3つの赤色の花。
赤色の花の中には金色の小さな鶴。
これは1枚の紙で作っている。
(画像は別の場所に表示)
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他には鶴の翼だけ色を変えている作品もある。
もちろん1枚の紙で作っている。
(画像は別の場所に表示)
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=60914904&id=1919984613

作品は結婚式で席に飾られたり、海外に渡ったり、入院している人にプレゼントされたりしている。

青年にはまだまだ辛い事がある。
現実から目をそらさずに、しっかりと真実を見つめて真っ直ぐ進む。

折り鶴って1000羽折ると願い事が叶うんだよ……。
青年の願いは……折り鶴にたくしている。

今日も青年は折り鶴を折っている。

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