ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

THE 感動する話コミュの「 定宿のサプライズ 」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
今私はバリ島にある定宿の、白いベッドの上にいる。このホテルはもう5回目の利用になるがいつも通り掃除が行き届いていて、スタッフも若い人が多いのに礼儀正しい。そして素晴らしい気配りができる人が多い。いつも女性一人でバリ島に来る私を、そっと静かに支えてくれるスタッフたちの温かさが魅力で、どうしてもほかのホテルに泊まろうなんて気にはならない。そんなホテルの温かいサプライズのお話。

============

今朝、空港からタクシーで私はこのホテルにやってきた。セキュリティスタッフがタクシーのドアを開けてくれ、「お帰りなさいませ」と言ってくれた。このホテルの従業員で私を知る人は「ようこそいらっしゃいました」ではなく、必ず「お帰りなさいませ」と言ってくれる。今度はベルボーイが私の重いスーツケースを持ち、「レセプション担当者が首を長くしてお戻りを待っていましたよ」と微笑んでくれた。レセプションにはいつも私の世話を焼いてくれる、Fatiという女性がいた。「Fati、久しぶりね」と声をかけると、抱きつかんばかりに喜んでくれ、「お待ちしてました!お帰りが遅いので、飛行機が遅れてお疲れではないかと心配してました!」と満面の笑顔を見せてくれた。それだけで、私は来てよかったと心から想った。

実は昨日、日本を出発する前にこのFatiに私は個人的にメールをしていた。「アーリーチェックインができないか?」と。ホテルへの到着が遅くとも10時前になる。チェックインは2時からとなると、シャワーも浴びられず、時間をつぶすのにもかなり体力がいる。するとFatiはこう返信してきた。「何とか頑張ってみますが、かなり難しいご要望かもしれません。クリスマスが近いですし。とにかく頑張ってみますので、明日、直接ホテルにいらしてください」と。私もずいぶん無理を言ってしまったなと申し訳なく思った。なんとかスパで時間をつぶすか、スタバでコーヒーを無駄に飲んでいるか・・・と考えていた。そして無理を言ってしまったことに罪悪感を感じていた。

そして今朝。Fatiはパタパタとキーを何度かたたき、私にカードキーを手渡してくれた。
「5階のデラックスルームをご用意してあります。さあ、お休みください!」と言葉を添えて。
「ちょっとまって。私は確かその部屋より1つ下のランクの部屋を予約したと思うんだけど?」と私。確かに私は「スーペリアルーム」を予約し、私の旅程表にもそう記載されている。

「ご帰宅なさったkarinaに、ホテルからの小さなプレゼントです。真夜中の空の旅はきっとお疲れだろうからと・・・。気になさらないでください。さあ、シャワーを浴びてひと眠りしてください」

Fatiはそういって微笑み、オーストラリア人の質問に今度は答えていた。まるで普通のことをするように言う彼女に心が温かくなった。

このホテル、5つ星ではなく(母体は5つ星だが)、スタッフはとても若い。みんな20代半ば。どうしたらこんな素晴らしい人材が育つのだろう。一度総支配人に聞いてみたい。

さっき、プールサイドで煙草を吸っていたら、後ろを台車が通って行った。ランドリースタッフだった。夜中11時半。急いで仕事をしなければいけない彼は、それでも1階のプールサイドの部屋に宿泊する客のことを思い、客室の前だけ、その台車をそっとそっと、できる限り音を立てずにゆっくりと進んでいく。「ゆっくり休んでほしい」という彼の祈りがしぐさから見えた。

レセプションではFatiと入れ替わりでシフトに入ったYandeがすっと背筋を伸ばし、お客のたくさんの要望を整理していた。そのまなざしには「どんな要望も必ず完璧に手助けしてみせる」という彼の強い誓いが宿っていた。

レストランエリアでは明日の朝食に備え、たくさんのスタッフが少しでも気持ちよく食事ができるようにと試行錯誤し、話し合っているのが見えた。だからか、いつも朝食が飛び上がるほどおいしいのは。そのおいしさの理由を作ろうとする彼らに、このホテルの明るい未来を見た。

掃除スタッフは床をピカピカに磨いている。床を見るといつも自分の顔が見えるほどきれいになっている。彼らは24時間掃除をしている。彼らの仕事のやり方から、「いつも清潔で高貴で上品でありたい」というこのホテルの方針を見た。

夜11時過ぎ、エレベーターでランドリースタッフに会った。たくさんのシーツとタオルを台車に乗せていた。「こんな時間まで仕事してるんですね」といった私に、「お客様が、よく眠れたと言ってくださる瞬間のためなら、喜んで働きますよ」と微笑んだ。その微笑みに何故、このホテルだとよく眠れるのか、その回答を見た気がした。

今朝、「karina!!お待ちしておりました!」と喜んでくれたFatiの笑顔に、「お客様を家族のように思い愛するホテルを作りたい」という彼女の大きな希望を見た。

「コンバンワ。オゲンキデスカ?イツキマシタカ?」と高校の時に習ったという日本語を片言ながら話そうとするレストランのウエイターに「相手を理解して手助けしていきたい」という優しさを見た。

「karinaのお客様ですね。バイクでこれからお出かけですか?では、ここにとめてください。そうすれば出かけるときにバイクが出しやすくなります」とバイクで迎えに来た私の友人に対して丁寧な接客をするセキュリティスタッフに安心を覚えた。

こんな素晴らしいスタッフが作り上げたこのホテルは今日もほぼ満室。このホテルに来るとまるで我が家に帰ってきたような、愛情やぬくもり、安心感を今感じています。

客室数約100室、3.5星のホテル。インターネットからだと3つ星ホテルの金額で泊まれてしまうこのホテルのスタッフの努力や対応は5つ星以上だと思ってしまう。

やっぱりこのホテルを選んでよかった。私の長い旅の始まりはこのホテルの素晴らしいスタッフの努力によって素晴らしいスタートとなりました。スタッフ一人一人に「本当にありがとう。素晴らしいホテルですね」と言いたい気分だ。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

THE 感動する話 更新情報

THE 感動する話のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。