THE　感動する話コミュのクリスマスと平和と

私の彼氏はインドネシア人で、イスラム教徒です。彼とは彼が日本で働いていたころに知り合い、３年ほどの付き合いになります。

彼が日本で暮らしていたころ、同居していたのは彼と同じく、インドネシア、ジャワ島中部からやってきたアディという男性の友人でした。２人は職場も同じで、とても仲がよく、今でもジャワ島に戻ると（現在彼氏は、バリ島に住んでいます）、必ずアディの家を訪ねます。アディはすでに結婚し、奥様は日本で仕事をしています。

アディはキリスト教徒、彼氏はイスラム教徒。今、アフガニスタンやイラクで起きている戦争は宗教だとさえいわれています。普通に考えると一番仲たがいするはずの２人。でも彼らは違いました。

毎年やってくるクリスマス。日本ではクリスマスケーキが売られ、クリスチャンで無い人たちも、その日を心いっぱい楽しみます。

アディは教会へ。その日ばかりはアディの代わりに、彼氏がアディの代役で現場に向かいます。それも何日も前から「僕がやるから、アディは休ませてね、班長！」と２人で上司に頭を下げに行っていたといいます。

彼氏は通常勤務ならば仕事帰りにケーキ屋でケーキを買い、コンビニでアディの大好きなスナックをたくさん買い込み、帰宅します。夜勤であれば、コンビニでケーキとスナックをたくさん買い込んでまだ暗い明け方、帰宅していたそうです。

テーブルの上に彼は買ってきた「プレゼント」を置き、「メリークリスマス！神様のご加護と愛情がいつもお前に降り注ぐように・・・。俺からのクリスマスプレゼントだ。好きなだけ食えよ」とメモを残すといいます。通常勤務ならば２人でスナックを食べるそうですが、夜勤のときだと、アディは半分だけ食べて、あとの半分を彼氏のために残しておくそうです。アディ曰く、「彼にもおいしいものを食べて欲しいからね」だそうです。彼氏に言わせると「一緒にお祝いしたい。僕の家族だから、アディは」だそうです。

逆にイスラム断食明けの日はアディが彼氏に代わって出勤です。通常勤務ならばアディは中部ジャワの料理を彼氏のためにたくさん作ってくれていたし、夜勤だったら料理をたくさん作っておいて、「断食明け、おめでとう。俺は眠いから寝る。料理を食べてね！」とメモを残していたそうです。彼氏は「やっぱ、アディの料理うまいね。楽しい祝日を有難う」とメールで返事をしていたそうです。

実は２人とも内緒で相手のためにしていたそうです。小さくて大きなサプライズ。毎年２人とも、それぞれの宗教で一番大事な日を祝日として休めたのは、相手がいたからこそ。そして家族のいない日本で、一番大事な祝日を温かい気持ちで迎えられたのは２りだったからこそ。そんな２人を私はいつも幸せな気持ちで眺めていました。

私はバリ島で２か月前まで約１０カ月間、留学生として彼氏と一緒に住んでいました。

日曜日の朝８時になっても私が起きないと、彼氏が私を起こしてくれます。
「cinta、教会行くなら送るよ。シャワーを浴びて準備しなよ」と。バイクで３分の教会のミサが終わったら、２人で近くの食堂にランチに行く。それが日曜日でした。学校の送り迎えをバイクの運転がうまい彼氏に頼んでいた私。金曜日はいつもより１時間、お迎えが遅いんです。彼氏はイスラム礼拝のために、モスクへ行っているから。
授業が終わると、学食でミカンジュースやコーヒーを飲みながら宿題をして彼氏の礼拝が終わる時間を待ちます。学校がお休みの日であれば、テレビを見ながら、あるいはアイスを食べながら礼拝に行く彼氏をアパートで見送ります。何も特別なことはなく、ただランチがいつもより１時間遅くなるだけの話し。


去年のクリスマスはバリ島で過ごしました。当時彼氏はまだジャワ島に住んでいたので、電話をしたのですが、「教会に行った？」と聞く彼。友人と一緒に教会に行ったことを告げると「よかった。メリークリスマス！神様のご加護がいつもありますように・・・」と彼は言ってくれました。

アディや私の彼氏のような人たちが増えたなら、イラクやアフガニスタンでの泥沼の戦争もなかったのかもしれないなと思うのです。

アディは敬虔なクリスチャン、彼氏は敬虔なイスラム教徒。いがみ合うのではなく、相手を理解しようと考える２人から本当の平和を学んだ私。アディと彼氏は私の誇りです。

彼氏は今日もアディに電話したことでしょう。

「メリークリスマス！」と・・・・。短いけれど、大きな幸せを届けるこの言葉をさりげなく言っている彼氏を見て、「この人を彼氏にしてよかったな」と思うんです。

文章が下手で本当にごめんなさい。読んでいただいてありがとうございます。

そして・・・

メリー・クリスマス！素敵なクリスマスをお過ごしください・・・。


※私は洗礼を受けていないません。ただ教会が好きなだけです。