THE　感動する話コミュの『君は僕の世界のすべて。僕はいつでも君のことを見守っている』

涙そうそう


イラク戦争はアメリカ軍が撤退する事で終結しました。しかし現在も内戦は続いており治安は良いとはいえない状況です。

僕はこういう戦争や歴史が関わる話を書く時は徹底的に、公開されている資料等を調べてから自分なりにまとめて書いています。以前、地雷の事について書いた時に調べていた資料に今から書く事が載っていました。

イラクで多国籍軍が参加して以降イギリスの兵士たちは今年９月の終結までの間に１７９人が亡くなりました。

そして２００６年、２２歳の英国人兵士がイラクで銃弾により亡くなりました。

彼はイラクに行く前に、彼の婚約者に手紙を残していました。婚約者に渡す時に

『もし僕が死んだら読んでほしい』

その手紙は婚約者によってイギリスで公開されて市民の涙を呼び、反戦運動につながっていきました。

その手紙を書いたのはイギリスのブラックプール出身のリー・ソーントンさんです。ソーントンさんはイラクのサマワ近くに展開する第12砲兵連隊に所属していました。

２００６年９月５日、彼はその日は非番でしたが志願して近くの町の子どもたちが通っている学校を巡回して行った時に銃撃を受け、搬送されたドイツの病院で２日後に亡くなりました。

ソーントンさんには学校の先生になることを目指して大学で勉強中のヘレン・オプレイさんという婚約者がいました。無事にイラクから戻れば二人は２００８年に結婚式を挙げる予定でした。

しかしその願いは叶わずオプレイさんの元に遺体となってソーントンさんは帰ってきました。

この手紙を見て、一刻も早く戦争を終わらせなければと思った当時のアメリカ大統領のブッシュは戦争を終わらすために兵力の増加という策を取りました。

何故、即時撤退を考えることが出来なかったんでしょうか。

何故、ソーントンさんとオプレイさんの様な人たちを増やす策をとったんでしょうか。ブッシュにとっては政治的な立場などもあったのだとは思いますが、理解に苦しみます。

すいません、話が脱線しました。


以下、その手紙の全文です。日本語訳、微妙くん。
英語の全文が読みたい方はメッセくれたら送ります。




やあヘレン。


自分でも、どうしてこの手紙を書いているのかはわからない。だって僕はこの手紙が君に届くことがないように願っているから。

もしこの手紙が届いたとしたら、それは僕が死んだことを意味するから。

僕が君の事をどれほど深く愛しているのかを君に見せてあげる時間がないことを意味するから。

君は愛がどういうものかを僕に教えてくれたね。人に愛されると人がどういう気持ちになるのかを君が教えてくれた。

君が僕にキスをして僕たちの唇が優しく触れ合うたびに僕は君との愛を感じることができた。

いつキスをしても僕たちが最初にキスしたときと同じ素敵な気持ちになれる。
僕たちの心が近づいてやがて１つになって鼓動するとき僕は愛を感じる。

君は僕の心の鼓動だ。僕の体の魂だ。そして僕自身だ。だって君がいなければ僕は僕じゃなくなってしまうから。

愛してるよ、ヘレン。君はぼくの恋人であり、フィアンセであり、一番の友達なんだ。


僕が助けを必要とするとき、僕は君に頼って良いんだと知っている。

僕が笑顔になりたいとき、僕は君のことを見る。

僕が抱きしめて欲しいとき、僕はただ、君のところへ行く。


君は僕にとってそういう人なんだ。

君と離れているとき、僕は君のそばに自分の魂を置いてきたような感じがする。

君が僕に出会ってくれて僕の人生に現れてから、もし君を失ってしまったら僕は生きていけないということを君は教えてくれた。

どうやって生きていくのか、どうすれば本当の幸せをつかめるのか、君は僕に教えてくれた。君には知っておいて欲しい。

僕が君の前でいつも微笑んでいるのは君がそうさせてくれているんだ、ということを。

君は僕を微笑ませてくれる。それは他の人にはできない。

君は僕が寒いときにとても暖かな気分にさせてくれるんだ。


君は僕にたくさんの愛を…本当にたくさんの愛を教えてくれた。

僕にとって君がどれほど大切なのか、知って欲しい。

君は僕の世界のすべてだ。心から君を愛してる。君は僕の幸せなんだ。

どんな海や大海原でも僕の君への愛を止めることはできない。

君への愛ほど大きなものは今までの人生で持ったことがないよ。


ぼくが愛してると言う時、その言葉で僕が伝えようとしているのは…

君が僕の心を暖かくしてくれているということ

僕が自分に自信を持てるようにしてくれているということ

僕を毎日笑顔にしてくれて笑わせてくれていること

僕に話しかける時間や僕が君に言わなくちゃならないことに耳を傾ける時間を作ってくれていること

そういうことを伝えたいんだ。僕は知ってるよ。神様が僕たち二人をこの地球に生まれさせてくれたのは、二人が出会い、二人が恋に落ち、二人の力で真実の愛がどういったものかを、世の中に教えるためだったということを。

僕の手紙が君にとって悲しく聞こえることはわかってる。

でも僕が一人で過ごしたこれまでの夜、僕は君の写真をベッドに貼っていた。

毎晩僕はベッドに行って、指にキスをしてから君の顔に触れていたんだよ。

ベッドに君の写真を貼っていたから、僕が寝ているときも君は僕を見守ってくれていたんだよね。

だから今度は僕が見守る番だね。

君が寝ているときに僕が天国から君を見守り安らかに夢を見られるようにするよ。

僕は君が危ない目にあってないかどうか、いつも君を見守っているよ。


ヘレン、僕は君に言いたいことがあるんだ。

以前よりも、もっと強い気持ちで。

それは


君が僕の人生の愛だということ、僕にとって君は夢の様な女性だということだよ


僕が死んだからといって、君から離れるわけじゃないんだよ。


いつも君のそばにいて君を見つめてずっと守ってあげるよ。


だから君が寂しくなったときには、いつでも目を閉じてごらん。


僕は君のすぐそばにいるから。


僕の全てを捧げて君を愛してる。


君は僕にとって全てなんだ。


その事をどうか忘れないで。


僕がいつでも君を見守っているんだ、ということを忘れないで。


愛してるよ。君は僕の心の恋人だ。


いつも、そしてこれからも、ずっと愛してる。リー



ソーントンさんの死後、この手紙を読んだオプレイさんは

『私の今の心を表わす言葉を私は知りません、彼は誰に対しても親切で、誰に対しても寛大で女性が男の人に求めるすべてを持っていた人でした』

と悲しみました。

サッカーを愛したソーントンさんを悼み地元のブラックプールのサッカーチームの試合では選手やファンが全員で1分間の黙祷をしました。

手紙の内容は当時、英ＢＢＣや主要新聞でも報じられましたが現在でも

『涙が止まらなかった』

といった市民の声が寄せられ続けています。

最後になりますが

ソーントンさんとオプレイさんの様な人達が特別な訳ではありません。

イラク戦争で亡くなった多国籍軍の兵士たちは世界で４７４５人。

そして亡くなったイラクの人たちは２０万人を超えると言われています。

それだけの人数の家族や恋人たちがソーントンさんとオプレイさんと

同じ悲しみを経験しているということです。