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野田正彰コミュの夜更けのマンションの子どもたち

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5月12日(金)
今日の視覚
夜更けのマンションの子どもたち

新幹線のターミナル駅、新大阪から十三(じゅうそう)にかけての下町には、大阪梅田の風俗店に勤める女性が少なからず住んでいる。そんな彼女たちが疲れはて、不眠や抑うつ状態で精神科外来にやってくる。

彼女たちの多くは高校中退か中卒であり、小売店に勤めたり、美容院の助手になったりしている。低賃金で働いているうちに、遊び人の男と一緒になる。これまで働いていた単調な職を辞め、不安定な生活になり、男と別れ、また別の男と同居し、若くして子どもを生む。

定職を持たない男は彼女のもとを去り、母子家庭となる。実の親に世話されることの少なかった彼女たちは、困っても頼る人がいない。友人も少なく、相談できる人もいない。

結局、かなりの収入を得られる風俗店で働くようになり、夕刻にマンションを出て、早朝に帰宅する日々となる。店長など男たちとの愛憎に振りまわされ、感情不安定な20代後半、30代を送っている。

子どもは放任されて育つ。小学校5、6年で学校がつまらなくなり、似たような家庭環境の子どもと遊ぶようになる。母は子どもと交流しないかわりに小遣いを渡し、要求されるままに携帯電話を持たせる。

彼らは携帯電話で連絡をとりあい、母の不在のマンションにたむろする。しかしそこでも、子ども同士の感情交流は乏しい。

夜更け、4、5人の子どもが思い思いにマンガを開き、ビデオを見、ゲームをしている。むっつりと不機嫌だが、彼らは恵まれた多数派の外にあると思っており、仲間から排除されることを最も恐れている。

やがて中学へ進むが、すぐ登校しなくなる。仲間の年長者にそそのかされれば、仲間意識から実行する。境遇の格差を強く意識し、13、14歳にして、何をしても無駄だと思っている。

人びとはこんな母と子に目を向けず、少年事件が起こると学校防衛と「心のケア」を合唱する。関心を持てば改善できるのに、格差社会が内攻させている無関心の病理は深い。

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