ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

電蓄 (for gay)コミュの母親とデート・・・日記よりレコードを聴きに

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
母親とデート
一郎は幼稚園が夏休み。母親は勤め先の小学校が夏休み。父親は仕事の休みが不規則で家族三人でのお出かけは、まずないと言ってよい。前回が父親とすごした時で、今回は、母親とデートだ。
母親と出かける時、決まってお約束がある。おとなしくしていること、殊にこれから行く場所では決して喋りかけない事、一郎にとってはあまり有り難くない…。でもイイ子にしていると帰りがけに嬉しいことがあった。行く前によそ行きの服に着替える。母親は白いレースのブラウスにタイトなスーツ。まるでアメリカのテレビドラマに出て来る人みたい…一郎は、家で見ない母親の姿を見て子ども心に眩いものを見るのだった。
一郎は、よそ行きのワイシャツに紺のブレザー。『いっちゃん紳士になったねぇ…』ってご満悦の母親に連れて行かれた先は蒲田にある名曲喫茶エンゼルだ。『お約束よ』入口で一郎は母親に念を押される。一郎はこっくりして入る。少し薄暗い店内。『いらっしゃいませ…』お店のおじさんとは、顔なじみ。
後で一郎は母親から聞いたところによると、エンゼルは子ども連れはお断りのお店だったとか…み〜んな大人たち…子どもは、一郎しかいない。みんなお人形みたいに静かだ。ほの暗い白熱灯の明かりに揺れる煙草の青い煙…メチャメチャ大人の世界だ…一郎は出されたプリンを食べながら、リクエストしたモーツァルトにコーヒーを飲みながら聞き入る母親がお姫様に見える…一郎だった。一郎にとっては不思議な空間。沈黙を侵してはならない不思議な、神秘な夢の空間だった。
沈黙の約束のイイこと…それは…帰りがけに店のおじさんからもらうご褒美。今日のご褒美はなんだろう…店のおじさんが『今日もイイ子だったね…ハイご褒美…』手渡されたのは見慣れないたぶん外国のチョコレート。帰り道、母親に『なんて書いてあるの…?』母親が読むが難しくてわからない。『英語なの…?』『ドイツ語よ…ベルリンのチョコレート…遠くからきたんだねぇ』
ベルリンって何処だろう…家に帰っておやつの時間、母親とチョコレートを食べた…苦くて甘い不思議な味のチョコレート一郎は母親の真似をして『遠くから来たんだねぇ』と言って見た。母親が吹き出すように笑う…子どもながらに恥ずかしくって…でも、ちょぴり大人の仲間入りしたような気持ちの一郎だった。

パパにはナイショよ…
一郎はまたまた、大きくこっくりして見せた。
一郎と母親だけの時間。父親は知らない秘密のデート。

おしまい

コメント(2)

追伸:エンゼルの電蓄はマスター自慢でした(^0^*)/
追伸の追伸
二枚目と三枚目の写真多分母親が許可をもらって撮った一枚なのだろう・・・
母親自慢の蛇腹式のミノルタの一眼レフキャメラで・・・。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

電蓄 (for gay) 更新情報

電蓄 (for gay)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング