貞操問答のオープニングを称えるコミュの第一週あらすじ

【第一週のあらすじ】

　昭和八年。

　実業家の父親が急死し、南條家の三人の娘たちはそれまでの裕福な暮らしが一転する。父の会社には多額の借金が残っており、屋敷は人手に渡った。美人と誉れの高い三姉妹・圭子（渋谷亜希）、新子（さくら）と美和子（木南晴夏）は長屋に移り、新しい生活が始まった。

　姉妹一のしっかり者・次女の新子が家族の生活を切り盛りする。だが圭子と美和子そして母親の聡子（山下容莉枝）は、それまでの意識を切り替えることができず、浪費を重ね、新子を困らせる。

　長女の圭子は女優志望で、高価な書物や衣装を買いあさる。三女の美和子は新子の苦労も知らぬ顔で小遣いをねだる。世間知らずの聡子も新子の足を引っ張るばかり。

　新子にはバイオリニストの恋人・美沢直巳（原田篤）がいるが、収入の少ない美沢はアパート暮らしで、新子たちの生活を支えるなど不可能だ。

　新子は女学校を辞めて働く決心をする。同級生の前川路子（いとうあいこ）が、義兄の子供の家庭教師の仕事を紹介してくれたのだ。新子は美知子に連れられて、前川家の屋敷を訪ねる。

　前川準之助（大浦龍宇一）は、前川家の娘・綾子（筒井真理子）の婿養子として先代の仕事を継いだ。今は貿易会社の社長だ。新子が教えるのは準之助と綾子の子供・小太郎（張沢紫星）と祥子（山口愛）だ。

　外国留学を経験し、紳士の優しさをもつ準之助、元気な小太郎と祥子に紹介され、ホッとした新子だったが、綾子が現われ、その場の雰囲気は一変する。優雅な身なりの綾子は品定めするように新子をながめる。高慢で冷たい綾子の言葉使いに新子は不安になる。

　だがその数日後、前川家から運転手の杉山仙吉（福士誠治）が新子を迎えに来る。一家が避暑に訪れている軽井沢の別荘に、至急来るようにとの綾子からの命令だ。

　軽井沢で、準之助と子供たちと楽しい時を過ごした新子は、次第に準之助に引かれてゆく。だが綾子がその事に気付き、綾子の逆鱗に触れる。メドゥーサのように恐ろしく執拗な綾子のいじめが始まった…