ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ANIMA MUNDIコミュのアウラ企画書

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
□はじめに
時は衛星放送時代へ、多チャンネル時代への漠然とした恐怖感。市場原理とノウハウを無視
した電波の乱立は、日本の放送業界を崩壊させ、内容の薄いソフトが蔓延すると民放局は口々
に言う。確かに郵政省とNHKの遺恨の逆襲もごめんだが、所詮は日本を超えることができず、
地上波テレビ界のサイマルでお茶を濁すに過ぎないくらいのテレビソフト論しかもっていない
民放テレビ屋に、天下地球の人として哲学的にも戦略的にも語れようはずもないけれど、とり
あえず、ある一つ二つ普遍的なテーマをもって、一つ番組を企画してみようというのがまず第
一。
普遍的なのか潜在的なのか、“このまま行って地球は本当に大丈夫なのか?”とか“ニンゲ
ンって本当に進歩(進化)しているのだろうか?”とかそんな自分たちの存在に対する疑惑に
も似た疑問を持ってしまう意識もこの日本の中には飛び交っているのも事実です。ただ、テレ
ビで表現するとストイックにも“報道番組”や“ドキュメント”になって、ダイレクトになっ
たり、「視聴率がねえ」と言われる羽目になって、所詮本屋さんのほうが説得力を持ったりす
るのも事実です。そこで、こうした“時代の気分”を表現する方法はないか、テレビ的手法と
いわれようが40年も歴史があるんだし、ちゃんとエンターテイメントにすることができるだ
ろうと考えたのが第二。
次に、生意気にもまだ海のものとも、山のものともわからない“マルチ・メディア”といわ
れるコンピュータをプラットフォームにしたメディアに、早くも言うことだけは言っておこう、
悪く言えば唾つけておこうというのがその三です。この“マルチ・メディア”呼ばれている「イ
ンタラクティブ・デジタルTV」は、コンピュータの進化のとおり、テキストから始まり、色
彩、グラフィック、音、動画(まだテレビジョンに比べれば稚ないけれど)を獲得してきたた
めに基本的には文章屋さん、本屋さんの発想から組み立てられて来ました。故に、今ある“マ
ルチ・メディア”のソフトはほとんどがカタログ的で、時間軸に対する考慮つまりシークエン
スに対する発想が欠けているようです。シークエンスといえば我々テレビ屋が最もフレーミン
グで意識し、熟考する部分です。我々放送系のメディアから“視聴者の興味心と好奇心を継続
させ得るシークエンス”を与え得る構造を考え、未来に大きな可能性をはらんだこの“マルチ・
メディア”という「インタラクティブ・デジタルTV」に対して“TV側”から“インタラク
ティブ”を考えることが、三番目の動機付けです。

コメント(7)

□企画経緯
(1)企画にあたってのテーマの設定
○脳内での知的運動が起こる知的エンターテイメントであること
・知的インテリジェンスのコラージュによる知の戯れ
・知的インテリジェンスの選択の根底にあるべき世界観の形成
・知の戯れが暫定的なストーリーを持っていること、あるいは持たせ得ること
○新しい番組フレームを持っていること
・本質的な部分を表現するにあたって、十全をつくしうる表現方法を考える。
・視聴者の興味心と好奇心を継続させうるシークエンスを考える。
○現在“マルチメディア”と呼ばれるニューメディアへのソフト・コンバート
・“放送系メディア”のソフト表現からのアプローチの意味を考える。
・テレビ屋から見た「インタラクティブ・デジタルTV」の可能性と方法論

(2)手順
1.気になるアイテム(事物)をサンプリングする。
2.アイテムを分類し、それぞれについて補考する。
3.アイテムを選んだ際の根底にある世界観を、帰納法的に掘り出す。
4.コンセプチュアルワーク=知的コラージュのレベルでのつじつまを考える。
5.得た世界観を前提にして、いくつかのオブジェを作り出す。
6.オブジェを編んで、シークエンスをもったコラージュTVを考える。
7.創られたコラージュTVが、認識的に思惟的にインタラクティブな構造になっているか、検証する。
(3)アイテム・サンプリング(と世界観構築)
○細胞
・細胞分裂と原口の役割…アンテナ説
・ウイルスとの共生とAIDSウイルス
・各細胞のシステム論
・癌細胞
○DNA
・情報解読による歴史の解明
・自己複製するアミノ酸発生の要因
・情報量とプログラミングと波動
・原口とDNAの関係
・利己的遺伝子=DNAの操り人形
○身体の器官と知覚と認識
・5感のトータル知覚(その他の知覚器官の可能性は?)
・波のアンテナ
知覚器官
細胞レベル
・人間の認識本能と現実の抽象化
・事象存在(表象)と認識
○人類の進化的情報生産システム
・第1…遺伝のメカニズム≒DNA
・第2…環境に適応するために用いている脳
・第3…言語?
○人間と情報伝達
・ミーム=情報を存続・拡大再生産させる欲望の遺伝子
→コミュニケーションの欲求
→名誉の死
・メタ・ツールとしてのコンピュータ
パソコン通信、HAL9000
ミームの対象となるコンピュータ
コンピュータが持つ世界観(自然観)の限界
人間コミュニケーションのモラルを逆規定するコンピュータの論理構造
・ヴィジュアルコミュニケーション
イコン
・言語化における抽象化
意味が構築する抽象的な世界
文字で音を失う。
・言語、論理以前のor言語、論理を越えた表現の“泣く”
○ブレインコントロール
・言語
・ドラッグ
・波動…光、電波、重力、磁気、音、気配、
・脳内アンテナの存在、気孔
・コンピュータとの産婆法(弁証法)によるブレイン・アンプリファイア
○波動
・ソリトン
・ELF波
・ヒーリング
・残留思念
・超能力と呼ばれたもの
・自然界の本質
○宗教の機能
・世界観≧自然とのかかわり合い方≧実行性(実用性)
→宗教者=自然の関係性を解し、“対話”のできる、呪術の能力のあるもの
・世界宗教化
凡人の疑似宗教者化(近似値化した宗教者へのロジック)
国家への収束のためのツール
○自然と人間の関係性(自然観とかかわり合い方)
・陰陽道
・密教
・タントラ
・曼陀羅とカバラ
・言霊
最初の呪術
意味的側面(シャレ、比喩など)→祝詞
音的側面→マントラ、コーラン
言霊は“音”ととらえると普遍化する。
・共同体の収束力(個人から一族、民族等のアプリオリな共同体へ)
○アースマインド
・ガイア理論
・生態系における人類不要論
・地球(宇宙)調和の一部にしかすぎない人類
・地球の人類コントロール
AIDS、出生率の低下
地球のコントロール能力を越えた人類の行動
○他生物との共生
・イルカ
・きつね
・民族伝承の示唆するもの
・想像上の動物
○地球上の高等生物
・イルカ
・アリ、ハチ
・恐竜?
○恐竜の絶滅
・恐竜の進化
・なぜ絶滅したか?
・知的高等生物たりえたとしたら…
どんな自然観を持っていたか?
コミュニケーションの方法、能力は?
科学力は?
○人類の地球離脱
・スペースコロニー
・惑星改造
・人間中心の人工生態系と真エコロジー
・火星移住
○人類の進化
・ニュータイプ(機動戦士ガンダム)
・地球幼年期のおわり、2001年宇宙の旅(アーサー・C・クラーク)
・レトロウイルス
○サイバーパンク
・アンドロイドは電気羊の夢を見るか?or血液羊の夢を見るか?
・コンピュータは対等なる感性を持った隣人たりえるか?
○西洋思想(科学)の方法論の本質的限界
・資本主義
・分断主義
カテゴライズ
階層構造
関係性の欠如
・宇宙方程式を作るための想像力の欠如
・ニューサイエンス
○“関係性”へ収斂していこうとしている科学と世界観(自然感)の持ち方
○セルフ・ブレイン・コントロールと深遠な宇宙哲学へのアプローチ
(4)コラージュのためのオブジェ
○進化させられたチンパンジーたちの物語
○海中の高等生物イルカとニンゲンの伝説、昔話
○高等生物−アリの考現学
○ニンゲンとコンピュータ
○進化し高等生物になった恐竜の少年の物語
(5)シークエンス
前記のオブジェをとりあえずつなぐために、ひとつの案内役を用意する。
この案内役は一個の人格を持ち、この人格とはこの番組の根底に流れる一つの(あくまでも
一つの)世界観であり、彼はこの世界観の現出となる。
彼は、AI理論に基づくネットワーク・マルチタスク・ニューロコンピュータで、名前は「ア
ウラ」、2次元のテレビ・モニターに疑似3次元ヴィジュアル化した顔を持って視聴者の前に
現れる。基本的には、“ニンゲン”的な顔をしており、一般的には大橋巨泉であり、久米宏で
あり、関口宏であり、古舘伊知郎である。あるいは、「マックスヘッドルーム」のマックスと
言った方がわかりやすいかもしれない。(実際、収録の際は本当の大橋巨泉、久米宏等を使い、
放送においてはすべて「アウラ」に差し替える。)
仮設定ではあるが、彼との対話役に数人の著名人・タレントを配したい。彼は、スタジオで
著名人・タレントとよもやま話をしながら、各ACTの[プロローグ]部分をストーリーに入る
前提として彼ら、彼女ら、そして視聴者に説明する。
彼は、この番組におけるMC役でありながら、この番組そのものであり、すべてのACTに渡
って、彼が彼自身を映しているモニターへ、彼自身の映像創造&映像表現として、それぞれの
ACTが映し出される。すべてが彼の情報伝達の方法であるが、特にACT3では彼のヴィジュア
ル・コミュニケーションの様々な手法が、彼の“言語”として出てくる。そしてACT4では彼
自身が解明される。ここにおいて視聴者は、彼「アウラ」と親しげに接する(これが難しい、
白々しいと冷める)見知っているタレントを通して彼「アウラ」に対する親近感を持ち、そこ
から彼の世界へ入って行く(様に作らなきゃなやない)。
○タイトルあうら(仮)※「アウラ」とはオーラのこと。ある個が、そのもの一個だけに持ち得る輝き。この番組ではMCの名。

○放送形式スタジオVTR番組

○放送形態単発番組(ただし、シリーズ化は可能。)

○ジャンルいくつかのテレビ手法が混在する知的インテリジェントコラージ
ュTV
MC部分CGのキャラクターと人間の出演者によるトーク
各ACT部分1.進化させられたチンパンジーたちの物語…ドキュメント的再現ドラマ
2.イルカの子の物語…CGアニメーション
3.高等生物−アリの考現学…(未定/コンピュータグラフィックと実写)
4.ニンゲンとコンピュータ…(未定/コンピュータグラフィックと実写)
5.恐竜の少年との物語と自閉症の少年とイルカと少女の物語
…サイエンス・ファンタジー&アクションドラマ

○想定放送枠日本テレビ系列ゴールデン・タイム
□企画内容

【MC部分】
「アウラ」と著名人・タレント登場。挨拶、自己紹介。トークへ入る。
「ACT1」への振り。

【ACT1】「進化させられたチンパンジーたちの物語」(ドキュメント風再現ドラマ)
[プロローグ]
分子生物学の発達によって、人類の進化の過程が少しづつ明かになっていった。人類のDNAの解読により、行動の生物体としての肉体が明かされて行くにつれて、DNAとは、生物のもっている“ツールボックス”に過ぎず、このルーチンの中から、あるいはこれらルーチンを組み合わせて、新たな行動パターンを作り、環境の変化に対応していくことが“突然変移”であることが判ってきた。形質も行動パターンとして表象しているものに過ぎず、本質的にはすべての生物は同じと言うことができる。
高等生物とはツールボックスに持っている“ルーチン”の数の多い生物ではあるが、一概には、そうも言い切れない。なぜなら、複雑なルーチンの組み合せを持って、非常に単純な行動を呈する場合もあるからだ。

人類は、外界に対する恐怖を絶妙(奇妙)な方法で超越してきた。哺乳類の特徴である「胎内」の延長世界を作ることによってである。ただし、これはもう少し抽象的な方法においてである。すなわち、母親の体内から出た人類は、そこが非常に居心地の悪い世界であることを知る。自分達より数倍力の強い生物に囲まれ、一定したことのない自然に囲まれ、それがいきなり襲ってくる。恐い人類は、言葉によってこの恐怖を超越しようとした。全てが意味あるものとして自分達の中に世界構築することによって、疑似胎内を作り上げて行ったのだ。人類の世界観とは“言語認識の自閉世界”であるといえるだろう。

進化した猿の人類は、この言葉による世界認識の行動パターンのためのルーチンをDNAから引き出すことに成功した、言い替えればDNAの情報としてこのルーチンを持つことができたことをもって“高等”と呼んでいるにすぎない。

[あらすじ]
ある実験が、霊長類研究ではオーソリティであった愛知県犬山市の京都大学霊長類研究所で行われた。
ある処(生物)から発見されたAIDSウイルスと究めて近いレトロウイルスがチンパンジーの体内に注入された。これは、この新発見されたレトロウイルスがどんな影響を生物に及ぼすのか、特に人類ともっとも近いチンパンジーに対して、人類とほとんど同じDNAの塩基配列を持つチンパンジーの形質の変化〜もっと言えば進化にどのような影響を及ぼすのか、そのための実験である。

チンパンジーの反応は、著しかった。
次の世代に直ちに形質の変化が起こった。まず、キョロキョロあたりを見回し怯える様になり、喧嘩早くなった。と同時に体毛が抜けはじめ、なにやらブツブツ言いはじめた。
遠くを見ることが多くなり、孤独感を体一杯に現していた。それはまるで人類の自閉症の行動に著しく近似していた。
このチンパンジーの変化を進化と呼ぶのだろうか。数世代後、この新種チンパンジーの細胞の中からウイルスDNAが消えたのである。そして、本体のDNAの塩基配列に変化が起こった。

チンパンジーはすでに、野性の者はほとんど存在していなかった。アフリカの人口増加と政治的不安定は大量の難民をうみ、“彼ら”の住む森林をことごとく伐採し、畑にしていった。新聞、テレビ報道にも彼らの絶滅を救え、というたぐいのものが目立つようになっていった。
“彼ら”は地球上に残されたわずかな森の中、どんな気持ちで自らの種の死を待っているのだろうか。

ある日、犬山の“新しいチンパンジー”が全員逃げた。
というより、脱走だ。それも完全な分業作業による計画的な脱走劇であった。

研究所の飼育用の檻の中には6頭の“新しいチンパンジー”がいた。
ある夏の暑い日、ヒロコと名付けられた6頭の“新しいチンパンジー”の1頭が腹痛を訴えた。その異常な叫び声にびっくりした飼育係は、あわて檻を開け、ヒロコに駆け寄った。
とたん、後頭部に鈍い音とじんわりした熱いものを感じ、その場に崩れた。飼育係は、少しづつ遠のいて行く意識の中で、確かに「急げ!」「鍵を忘れるな!」と言うような言葉を聴いた。
彼らは完璧に逃げた。別棟に隔離されていた自閉症の程度が強いアキラという“チンパンジー”をも連れ出して。

この“恐ろるべき”レトロウイルスは、恐竜の化石の中から発見された。
恐竜の化石の中で結晶化していたウイルスを疑似生体液の中で戻したところ、かつて地球上で発見されたことのないRNAの姿をしたレトロウイルスが認められたのだ。あのAIDSウイルスと同じ細胞内に自らのDNAデータを作成し、本体生物の細胞増殖とともに複製されていくウイルスである。

このレトロウイルスが何故“恐るべき”なのか。それは生命の起源と進化のメカニズムを一挙に明らかにしてしまい、人類のバイオテクノロジーの究極ともいえる「新生物の創造」に至る可能性が秘められていると考えられたからである。つまり、ついに人類が“神”になる…

余談ではあるが、アキラとは大友克洋のコミック「アキラ」から取られたものである。
ほとんど完全に体毛が無くなり、膝を抱え、背中を丸め、独りでブツブツ呟いていて、声をかけただけでも、暴力的な狂気的な反応を示してくるチンパンジーであった。普段は良いのだが、いざ頭に血が昇ると手が付けられなくなり、本当に他のチンパンジーを殺しかねないため、隔離されていた。
独りにされてからのアキラは物思いに耽けているような仕草が多く、窓から外を見てはため息のようなものをついていた。ブツブツ言いながら。

それから数か月後、世界中の動物園で飼育されているのチンパンジーが、申し合わせたかのように、ほとんど同日のうちに死んだ。動物園の関係者によると、これも申し合わせたかのように同じ報告をしている。
「チンパンジー舎の中に赤い光の固まりが入って来るや、陽炎のように揺らいで消えた。そのあとには心臓発作で死んだチンパンジーたちが横たわっていた。」
その数日後、ほんのわずかに残された森の中に生き残っていたチンパンジーも集団死しているのが発見された。
地球上から「サル目霊長類チンパンジー科チンパンジー」が絶滅した。
【MC部分】
「アウラ」ほか、「ACT2」への振り。

【ACT2】「イルカの子の話」(CGアニメーションによる昔話)
[あらすじ]
日本列島の本州から遠く離れた小島の小さな漁村に伊香留という少年の漁師が住んでいた。
彼は、産まれたときから母がおらず、父親も10歳のときに亡くしていた。
村の老人が言うには「伊香留の母親はイルカだ」と、「だから、イカルなんて名がついているのだ」「シケ続きで漁にも出られず半月以上が経ち、ついにしびれを切らした若い奴らがわしらが止めるのも無視して、つぎつぎに海に出て行った。もちろん誰一人として帰ってくる者はおらんかった。そうこうして一ヶ月くらい経った頃…食料は底を尽くし、さすがに皆もぐったり弱り掛けたある満月の夜だった…」と話を続けた。
「お腹をすかして、することもなくボーと満月を見ていたんだ。荒れた波に月の光が乱反射し
て、その光の踊りにわしらは催眠術にかかった様に見とれていたんだ。
そうこうしているうちに天からの光ともう一本海からの光がわしらの顔に当っているのに気
づいたんだ。
いつの間にか波は凪いでいて、大きな月がポッカリ海の上に浮かんでいたんだ。その時だよ、
その光を背にして一人の女…というより少女の白い体が浮かんで来たのは。
その少女の向こう、つまり波打際には、無数の銀色に光る影が見えた。それは数百いや数千、数万もの魚だった。魚が波打際に銀色の絨毯を曳くように押し寄せて来たんだ。
わしらは狂気乱舞し、我先に海の中に飛び込んだ。それは皆鬼気迫る形相だったに違いない。
なにしろもうほとんど死の一歩手前だったから、手当り次第捕まえてはそのまま口に運んでいた。
ふと我に返ったわしが、海岸の方を振り返るとそこにはまだ少女がいた。彼女は全くの裸で
こちらを見ていた。そしてわしの視線に気づくと腕をまっすぐ前に出し、少し沖を指さした。
わしはゆっくり振り返り、沖の方を見ると目の前から続く銀色の絨毯の先に人が横たわって
いる影が見えた。わしは慌てて皆を呼び、5〜6人でその人影に向かったんだ。
その人影は、シケで漁に飛び出して戻って来なかった伊香留の父親だった。
わしらはすぐに伊香留の親父を抱き抱えると浜に向かった。当然もう死んでいると思ってい
た。いやたぶん死んでいたんだろう。ところが息を吹替えしたんだ。少女だよ、少女が心臓の
所に口をあて、両手の指先を掴みながら、何か非常に高い声を出し続けていた。そうしたら目を開けた…」
老人の話は続く。
伊香留の親父を抱き抱えたとき、銀色の絨毯の下に数十頭の白い影を見たこと、そしてそれはたぶん数頭のイルカだっただろうこと。

海から来た少女は、当り前の様に伊香留の父親と住み始め、一人の子供つまり伊香留を産んだ。
また少女が来てから、イルカが頻繁に海岸に顔を出すようになった。まずは子供たちがイルカと戯れるようになり、いつしか大人たちも、そしてイルカと共同で漁をするようになった。我々が船を出し、網を張り、そこにイルカが魚を追ってくる。人間は魚の群を捜す必要がなく、だから不漁もなく、イルカは網からこぼれた魚にありつく…。こうして人間とイルカの共生がしばらくは続いた。

次のシケの時だった、少女が姿を消したのは。
その時のシケは、少女が現れた時よりもずっとひどく、毎日が嵐のよう浪が高鳴っていた。
再び食料がそこを尽き、一番小さな伊香留がぐたっりし、死の予感を感じさせた時、父親は海に出る決心をした。少女(母親)は、留めなかった。反対に送り出すその顔には何か覚悟を決めたような表情があった。
魚は見つからない。しかし父親は、荒れ狂う海の中に一瞬白い影を見た。イルカだった。彼はためらうことなく、もりを海に打ち込んだ。もりはイルカに当った…。
彼が家に戻ると、そこに少女はいなかった。
伊香留は助かった。が、それ以来イルカは来なくなった。

父親は伊香留が3歳になったとき、海へ姿を消した。
その時、確かに沖に数頭のイルカを見たという村人がいた。

【MC部分】
「アウラ」ほか、「ACT3」への振り。

【ACT3】「高等生物-アリの考現学」(未定/CGと実写)
「アウラ」による様々なヴィジュアル表現を使った説明。

視点を変えればアリは充分に高等な生物である。アリは、自らの種の保存のために、あの行動パターンのルーチンを自分達のDNAの中に書き込むことができた“高等生物”なのである。
人類のアリへの潜在的恐怖は、エイリアンへの恐怖となって現れた。エイリアンが恐いのは本質的には高等生物であり、人類と対立関係においたところに現れる恐怖なのだ。
(その他人類のアリに対する潜在的恐怖をいくつかの例をもって説明する。)

次世代の地球の霊長類は「アリ」かもしれない。(というようにしたい)

※リサーチ中のため、全く未完成

【MC部分】
「アウラ」ほか、「ACT4」への振り。
【ACT4】「ニンゲンとコンピュータ」(未定/CGと実写)
「アウラ」による様々なヴィジュアル表現を使った説明。

人類の進化的側面を担うかもしれないコンピュータについて考える。

人類の進化的情報生産システムの第1…遺伝のメカニズム≒DNA、第2…環境に適応するために用いている脳、第3…言語とするならば、この言語の最も進化したものがコンピュータ上で展開される可能性。
第3の情報生産システムの正体が、ミーム(情報を存続・拡大再生産させる欲望の遺伝子)であるとするならば、この遺伝子のために、ニンゲンはコミュニケーションの欲求を持ち、情報を生産し伝達するために死ぬこと(名誉の死)もありうる。
そうなると、情報伝達の対象をコンピュータにすることもあり得る。つまり、コンピュータがミームの対象となり、遺伝子DNAはニンゲンいや生物から出て行こうとしている。ヒトゲノム計画もこの生物体から出て行こうとしているミームの仕業…。

パソコン通信のネットワークの延長線上に、AI理論のマルチ・タスク・コンピュータの姿があり、ニューロ・コンピュータの登場を待つまでもなく、HAL9000はその原型において素手に登場しているかもしれない。ちなみにHAL9000の誕生日は1992年1月12日である。

一方で、その情報インプット方法の限界(知覚能力の限界)から、コンピュータが持つ世界観(自然観)の限界について考える。
人間コミュニケーションのモラルを逆規定するコンピュータの論理構造は、あくまでも言語世界におけるものであり、対等なる感性を持った隣人たりえるか?という疑問もある。つまり、アンドロイドは電気羊の夢を見るが、血液羊の夢を見るか?という疑問である。

※ということでこれについてもリサーチ中のため、表現方法も含め未定。
ただし、このACTは「アウラ」が自らの存在を自らの存在で伝えるところなので、言語で言
語を語るようなものであり、かなり世界観を創り込まないと崩壊する可能性のある一番難し
いところ。

【MC部分】
「アウラ」ほか、「ACT5」への振り。

【ACT5】「恐竜の少年と自閉症の少年とイルカと少女の物語」
(サイエンス・ファンタジー&アクションドラマ)
[あらすじ]
自閉症の少年勇一が母につれられて、療養のためオーストラリアに来ていた。しかしながら、いつまで経っても、勇一の症状は良くなりそうには思えなかった。
そんな頃、良子は、イルカとの対話療法の話を聞く。対話療法に、活路を見いだすために、勇一とその母良子は、地球物理学者のケインズ博士とその娘のラーヤとであう。
ラーヤは本当に不思議な少女だった。機械文明の洗礼を全く受けていないのか、自然児そのものだった。彼女は、まるで話ができるかのように、イルカのドナルドと自然にコミュニケーションをもてるようだった。

良子は、勇一を連れてケインズ家を訪れた。その時に信じられない光景を目の当たりにする。
実験の無い日は、普通ドナルドは、プールの柵の外、つまり外洋にいる。その日も、ドナルドは姿を見せなかった。
変な物音に、ラーヤがリビングのそばまでやってくると、窓から今にも溺れそうな勇一の姿が見えた。足を滑らせて、実験用のプールに落ちてしまったらしい。
「たいへん!」
ラーヤは叫ぶと、玄関から外に出て、裏庭に向かってはしりはじめていた。しかし、間に合いそうもなかった。絶望感がラーヤを支配すると同時に、ドナルドが姿を見せた。
普段は飛び越えることができない、高い柵を越えると勇一を自分の背中にのせたのだ。
そして、勇一をプールの縁に腰しかけさせると、話しかけるかのように、くち先を勇一に擦り付けた。それは、たしなめているかにも見えた。
やっと駆けつけたラーヤは、その光景を見て、全てを理解した。
「よくやったわね!えらいわよ、ドナルド」ドナルドにキスをしながらラーヤが言った。
そして、勇一を立ち上がらせようと、ラーヤが勇一に手を差し出した瞬間、良子が駆けつけてきた。
誰にも心を開かなかった、勇一が、ラーヤの手を握って、立ち上がったのである。
信じられない光景に驚くとともに、ラーヤに勇一が凄く興味をもったようだと感じた良子は、ケインズ親子を家に招待することに決めた。

その夜、テレビでは、火星を第二の地球にする計画がいよいよ実行段階にあると告げている。その横で、勇一が風を感じた。
勇一が窓の外をじっと見つめる。そして耳を傾けた。
ラーヤが驚いた目を勇一に向けながら「あなたにも聞こえるの?」
勇一がうなづいた(風が泣いてる)
良子と博士は、ダイニングで子育てについて論議していた。
「行ってみよう」ラーヤが勇一の手をひいて外にでた。
外は、落ちてきそうなくらいの星空だった。
「星は夜の鳴き声なの」ラーヤがつぶやいたとき、二人の目の前にまばゆく発光する光の玉が、現れた.
光はついてこいという様な、意志表示をしてゆっくりとうごきはじめた。
それはまるでUFOみたいな動きだった。
いつのまにか二人はエアーズロックの麓まで来ていた。
と、光りはいきなり風となって、二人の体をつきぬけた。かなり強い風なのに、ラーヤは、心地よさを感じ、同時に打ち寄せる波の音を聞いた。勇一も同じ心地よさを感じているのだろう、と勇一の笑顔を見ながらラーヤは思った。その心地良い風に、身を任せているうちに、フッと意識が遠のいて行くように感じ、ラーヤの目の前は真っ白になった。

気がつくと二人は、病院のベッドの中にいた。
「夢を見たの?」ラーヤは自問した。
傍らで、ラーヤよりも前に目を覚ましていた勇一が、起き上がって強く首を振った。
ラーヤは、地球の周りに”光るもや”みたいなモノが沢山浮遊し、そしてその光り同志が楽しくおしゃべりをしているイメージを思い出していた。
「あれはなんだったんだろう」ラーヤはひとりごちた.
その瞬間、いきなり病院のベッドが急激に回転をはじめ、ラーヤのイメージが過去へと遡りはじめた。それはまるで、ビデオを逆回転させたかのようだった。
そのイメージが、宇宙の始まりの一個の量子となったとき、その量子がゆらゆらと浮遊して、ゆっくりと、しかも柔らかく発光をはじめ、ラーヤの手の平にのった。それから、光りは、ラーヤと勇一を柔らかく包み込むようにして、広がった。
そのときはじめて、二人は宇宙の真理に触れた気がした。

ケインズ博士の大学の講義中…
コンピュータを使った近未来の授業風景の中で、生命波動理論と、ガイヤ仮説を取りまとめて、説明している。
「生命の本質は、波長があうとか、あわないとかの言葉があるように、波そのものであり生命が知覚できるモノは、波でしかない.つまり、目とか耳とかの各器官が、波を捉えると、映像になったり、音になったりするのだ。」

勇一は、プールでイルカのドナルドと遊んでいた。勇一とラーヤはドナルドを介してコミニュケートできているようだった。勇一はドナルドといると本当に楽しそうだ。

「そして、また生命は波を受けることによって、存続している。地球が出すELF波が、人間の蛋白質生成に影響を及ぼすなどの実例があり、全ての生命は、地球によって生かされている.」
一人の生徒が、立ち上がって叫んだ。
「神への冒涜だ!」
ケインズ教授の中に、あの風が走り抜けた。一瞬驚いたかのようにたじろいだが、彼にはそれ以上何も伝わらないようだった。

風は、ラーヤと勇一のところにやってきた。
「少年」ラーヤがたしなめる様な口調で言った。
「見えるのかい?この僕が?」風は光となって、驚いたような声で言った。
「見えるわよ、恐竜の少年!」
「いやだな、ちゃんとした名前があるんだ。名前で呼んでくれよ。」
「なんて?」
「ミルバ」
「ミルバか.じゃ、ミルバ、どうしていたずらをするの?」
「いたずらなんかじゃないよ」
「私たちの体の中をつきぬけ、私たちの波を霍乱して、不安にさせることが、いたずらじゃない?」
「そんなつもりじゃ.....」言いかけて、恐竜の少年の意識がフット消えた.
「地球の崩壊は近い!」プラカードを掲げた、新興宗教“プラナ”の信者たちが大学へデモ行進をはじめていた。この“プラナ”は、火星を新しいエデンの東とすべきだとするキリスト教の一派で、入信すると火星移住の優先権がもらえるというので、大センセーションを巻き起こし、一気に信者を増やした新興宗教である.

勇一とドナルドはボール遊びをしていた。
そのボールが柵をこえ外へでて行ってしまった。
勇一と同じくらいの少年たち3人が、そのボールを取り上げた。
勇一はプールからあがって柵に近付いて行く。勇一の目はボール一点を凝視して動かない。
「お前、口が聞けないいんだってな、何とか言ってみろ!そしたら返してやるよ」
「・・・・」ラーヤはその光景をただ黙って、悲しそうに見つめていた。
と、
「こら、返しなさい!」良子がとんできて大声を上げた。
「やーい、やーい」少年たちはボールを柵とは反対の方向へをほうり投げると、走り去った。
良子は、駆け寄ると勇一の手をひいた。しかし勇一はその手をゆっくりと振り解き、落ちたボールを拾いに行った。良子は、そんな勇一の後ろ姿を、ただ呆然と眺めていた.

勇一は何時のようにソファーに深く腰掛けてテレビを見ている。今日は、ラーヤの姿が見えない。
突然、勇一は、視線を窓の外に向けると、立ち上がってかけ出していた。
ラーヤの家では、ケインズ博士が、興奮して電話をしていた。「だから、警察なんぞにとどけたら、娘の命があぶない、って言ってるだろう!プラナの奴らさ、10万ドル払って、入信しろ.脅してきやがった。私が、何かあそこの秘密を知ったと勘違いしてるんだ」

勇一は、プールにつくと海とプールを隔てている唯一の扉を開くと、プールの中にはいって、ドナルドに頬ずりした。
すると、ドナルドは、急に深く潜って、勇一を背中に乗せ、海の外へと飛び出て言った。
その後を、恐ろしく速い光りの玉が、追う。勇一は、ミルバに気づいて、光りに顔を向けた。その顔は、微笑んでいるかのように見えた。

「そんなばかな!」ケインズは、アメリカの航空宇宙局の友人から届いた書簡に目を通しながら、うめいていた。
そこには、火星移住計画、通称ネオノア計画とプラナは、密接につながっており、ネオノア計画の本質は、優秀な遺伝子のみを残し、残った人類を消滅させ、地球の再生を図ろうとするもので、一刻も早くプラナに登録するように、と書かれていた。
また、ケインズが判断を間違わぬように娘を一時的に保護する、とも書かれていた。

(考慮中のため中略/勇一と、ドナルドと、ミルバは、いくつもの難関をくぐり抜けやっとの事で、ラーヤを救出する、という筋書き)

ドナルドの背に、二人が乗っている、その上をミルバが飛んでいた。
「ありがとう」ラーヤが言って、勇一の頬に軽くキスをした。
勇一が振り返って、とても柔和な微笑みを見せた。
「さあ、行こう!」ミルバが、唐突に言った。
「そうね早く、帰りましょう!」
「帰るんじゃない、僕と一緒にくるんだ」
「どこへ?」

ミルバは、恐竜が進化し人類型恐竜となり、脳を成長させ科学を獲得し、しかしそのために他の動物(他の恐竜)を絶滅に追いやってしまったこと、また、地球さえも亡ぼしそうな状況になったことを伝えた。
「そこで、僕らの先祖たちは、僕ら自身の種の存続のため、自分たちのDNAに大幅な手直しをすることを決意したんだ。」
「手直し?」
「そう、塩基配列を単純化し、分子一個規模の神経系で、電子の電荷をダイレクトに利用する脳をもつ、単細胞知的生命体に生まれ変わるために.つまり僕らの先祖は、生命の根源、波を受け、波を出すものに生まれ変わろうとしたんだ。」
「そして、あなたたちは、波そのものになった。」
「自分自身を護るためと、地球を崩壊させないために。」
「なぜ?波になることが、地球を救うの?」
「ぼくたちは、欲望の原点である個体を捨てなければ結局何も変わらないと思っていた。そのため出来るだけ肉体から自由になろうとした。そして、地球の波に紛れた。」
「しかし、わたし達がまた...」
「そう、地球はすでに死にかけている。どこにも逃げられない。君たちは今のように欲望でぶよぶよしたままでは、宇宙(そら)に出ることはできない。」
「どうすればいいの?」
「....」ミルバは答えなかった。
心臓の鼓動がどこからともなく聞こえてきた.それはやがてだんだん大きくなって行く.
「どうすれば、地球は死ななくて済むの?皆が死ななくて済むの?」
鼓動はどんどん大きくなる。
勇一の顔に、少しづつ光りが差してくる。それを見ながら、ラーヤは勇一の中に、何かが膨れはじめているのを感じていた。
「さあ行こう!」
「行くってどこへ?」
「僕と一緒に...」
「行けないわ、私は...」
ラーヤの声は途中で小さくなった。勇一が突然光りの方向へ両手を差しだしたからだった。
勇一のからだが徐々に光りに飲み込まれ、一瞬ジュッと強く光ったかと思うと、勇一の姿は跡形もなく消えていた。
ラーヤは、ドナルドの背中の上で、勇一の消えた辺りの空をじっと見つめていた。
空は、夕日に赤く染まりはじめていた。
イルカに乗った、少女の姿がシルエットになって、いつまでも海の上に漂っていた。

【MC部分】
「アウラ」ほか、締め。
「アウラ」の中がジュッと光ったと同時に、中から無数の波が飛んでくる。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ANIMA MUNDI 更新情報

ANIMA MUNDIのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング