Natureニュースより ■マウスが致死的なアレルギー反応から救われる Mice saved from lethal allergic reaction 2 August 2006 http://www.nature.com/news/2006/060731/full/060731-6.html アナフィラキシーショックは米国人の最大15%におこる可能性があると推定されている。この反応は蜂に刺されたり、ゴム製品や医薬品・食品などの多様なアレルゲンで誘発される。アナフィラキシーショックでは呼吸困難になり血圧が低下して意識が消失し死亡する可能性がある。有効な治療法はアドレナリン(エピネフリン)の注射のみである。アドレナリンは血管を収縮させ心拍を増加させて血圧低下を抑える対症療法である。アナフィラキシーショックのメカニズムは不明な点が多い。 マウスの研究で過剰量の一酸化窒素NOが関与することが示唆された。アナフィラキシーショックの誘発前にNO阻害剤を注射すると症状が抑制できることがJournal of Clinical Investigationで報告された。予想と違ってeNOSが関与する。残念ながらeNOS阻害薬は作用が遅く、アナフィラキシーショックが起こってからでは間に合わない。しかし麻酔や薬物投与の前に予防的に投与することはできるであろう、と研究者は述べている。 J. Clin. Invest. 116:2244-2251 (2006). doi:10.1172/JCI25426 Anje Cauwels et al. Anaphylactic shock depends on PI3K and eNOS-derived NO コメント J. Clin. Invest. 116:2075-2078 (2006). doi:10.1172/JCI29406. Charles J. Lowenstein and Thomas Michel What’s in a name? eNOS and anaphylactic shock *eNOSはNOシンターゼ(NOS)の内皮型。元々NOSのイソ型は最初に同定されてクローン化された組織の名前が付けられている。必ずしもその名前の組織に限定して発現しているわけではない。免疫系細胞で大量のNO合成を行うことで注目されていたのはiNOSであり、この論文の著者らもiNOSを第一候補と考えていた。eNOSが発現しているのは血管内皮・血小板・心筋・海馬神経細胞・腎・肺や腸の上皮・肥満細胞。 EurekAlertの記事 Progress in battle against life-threatening acute allergy 2-Aug-2006 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-08/vfii-pib073106.php