アメリカ微生物学会の発表した報告書によれば、米国では病気や死亡の主な原因となるのは、急性感染症から慢性感染症に移ってきている。胃潰瘍やある種のガンの中には最初はライフスタイルに原因があると考えられていたものが微生物が原因であることがわかってきたものもある。 20世紀後半までは胃潰瘍や子宮頸ガンは食事やストレスや環境中に存在する有害物質などのライフスタイルが原因だと信じられていた。しかし胃潰瘍の原因に Helicobacter pylori感染があり、抗生物質で治療できることがわかってきた。さらに子宮頸ガンやその他のガンの原因としてヒトパピローマウイルスHPV感染がある。このほかに慢性疾患との関連に根拠のあるものとして30の微生物がリストアップされており、この報告書では心疾患やアルツハイマー病、精神分裂病を含む40の感染と関係があることが疑われている慢性疾患がリストアップされている。 “Microbial Triggers of Chronic Human Illness,” (April 2005). Prepared by Gerard A. Cangelosi, Nancy E. Freitag, and Merry R. Buckley. http://www.asm.org/ASM/files/ccLibraryFiles/FILENAME/000000001497/ASM-MicroTriggers.pdf 18ページ