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チャンパサッ倶楽部コミュの連載? 政府への不満は…

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今日は勝俣さんの質問について考えてみます。以前、コメント欄に

「たとえ自分たちが少し犠牲になったとしても開発を望んでいるのでしょうか??」

と書いてくれたわけなんだけど、ここには結構、複雑な問題があります。


ラオスでは、政府のやることに対して反対できない理由があります。表立って反対すれば警察に捕まってしまいます。ここがタイのような民主主義国と違うところ。

タイは先日まで毎日のように首相退陣のデモを行っていました。
もしかしたらニュースで見た人もいるかもしれません。かなり派手なデモ集会です。

一方、ラオスではデモは禁止されています。
先日、乗り合いバスを待っているとき、運転手がこんなことを言っていました。

「タイではコーヒーの市場価格が下がったら、デモを起こして政府に不満を訴えればいい。でもラオスではできない。そんなことしたら捕まってしまう」

「デモ」という単語は、ラオス語で「Patuwan」といいます。このとき初めて知ったので、それをぼくはメモ帳にその場で書きました。そのついでに運転手に「デモしてみたい?」と冗談で訊いてみたところ、「やだよー」といわれました。

そのやりとりをすべてメモ帳に書き記していたところ、その運転手が「何、書いてんだ」と言って、メモ帳を強引に取り上げてしまいました(それほど怒った感じではなく、笑いながらでしたが)。

彼は「密告」されるのを恐れていたのかもしれません。

市場開放する前までのラオスでは、どうやら「密告制度」のようなものがあって、政府に表立って反対する人を強制収容所に入れて、思想教育をさせていたといいます(強制収容所の話は、いずれまた書きます)。

いまはもうその制度はなくなったようですが、いまでも政府のやることに表立って反対することはできません。

こんなわけで、彼らはたとえ反対意見を持っていたとしても、反対意見を素直に言いたがりません。

したがって、ラオスでは権力者は横暴になりがちです。
調査中にこんな話をしてくれた人がいました。

「1995年に農業銀行から7000ドル程度の融資を得て合計10ha土地を購入したが、その数年後にパクソン郡長が、勝手に土地を取り上げてしまった。その土地の一部は郡長が勝手に軍に売り、今では陸軍の基地になっている。残りの土地を、郡長は自分の息子にあげて、今では郡長の息子がコーヒー栽培をしている。」

この騒動について話してくれた彼は、現在、1haしか土地が残っておらず、返済しなくてはならない借金もあと1000ドルくらい残っているといいます。

ここまでされたらもちろん不満だらけなのでしょうが、訴えても相手にしてもらえないということで、彼は今ではあきらめています。

このような権力者の横暴は時々訊きます。日本ならば、さすがにこのような横暴はすぐに報道され、郡長は失職することでしょう。でもラオスでは、いまでも平気な顔をして郡長をしています。

ちなみに最後に付け加えておくと、みなさんが行ったチャンパサック・ノンサ村の強制移住に関しては、不満を持っている人はあまりいないかもしれません。たとえば農地の場所が変わって不作になったり、もともとの面積よりも少ない割り当てしかなかったとしたら、不満に思うかもしれませんが、そこまでの問題は起こっていないようです。

もうひとつ付け加えておくと、彼らもネガティブなことは言います。たとえば、「キャベツの買取価格が下がって困った。急に変動するもんだから夜も眠れない」などという不満は漏らします。これはある意味では政府の市場経済政策の犠牲になっているといえなくもないのですが、だからといって「政府が悪い」とはいいません。単に「政府には金がなくて、俺たちの生活を保障できないから、日本人はもっとラオスに援助してくれ」という話になります。

いずれにせよ、不満がたとえあったとしても、はっきりと「政府が悪い」と言えないのがラオスの社会なのです。

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