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詩人 木村信子 解体コミュの好きな詩、その感想など

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木村信子さんの詩の中で、これは好きだな〜と思ったものを挙げて下さい。尚、題名は明記の上、http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/info2.html#library 内のURLをコピペ頂けると感動を共有できると思いまする。
 

コメント(14)

「怖い場所」 http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/p/kimura01.html
寄稿誌「NECNEC」第10号(1985.10)所載

川の流れの中に描かれる、自己の変体と弟の登場。

ねぇちゃんはいつもそうやって
おれをいじめてばかりいる

シュールな世界になんだこのリアルな会話は。
彼女の詩風であるひらがな表記が幻想的な怖い世界を際立たせる。
「銅製の箸」http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/p/kimura31.html
木村信子詩集『仮り仮り』かど創房(1985)所収


謎解きなのだが、いったい何という魚のことを彼女が指しているのかが分からない。

【一部引用】

良識の中にもごくまれにはふくまれているもの

それなのにあらゆる犯罪の原料の一種らしいもの

(中略)

それと同じ名の魚を食するために

わたしは銅製の箸をとりあげる


何だろう?


ps
尚、このURLでは、名作「神さま」が読めます。
「あっち」 http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/p/kimura07.html
詩集『おんな文字』(1979)所収

今回は少し真面目に掘り下げてみようと思います。

題「あっち」という代名詞。木村先生は代名詞の使い方に特徴があります。「あっち」という子供っぽい代名詞を使うのは詩の主人公(私)が少女であるから。

少し脱線しますと、他の詩で人称代名詞の使い方を見てみると非常に面白いことが分かる。彼女(以下、木村先生を指す)の詩に良く登場するのは、母と祖母。これらは人称代名詞で置き換えることをまずしない。一方、男はどうかというとあまり作品に登場してこない。祖父、父、夫、彼氏その類の存在が彼女の中で重要視されていない。そして稀に登場してきたと思ったら「それ」呼ばわりです。英語で言うと「it」です。相当軽い。

閑話休題、
話の内容は、三途の川であろうか夢の世界で私と祖母が登場する。川の向こう側に私とそっくりの人が立っていて、自分より美しく見える。あれに会いに行きたいと私が主張すると、祖母が色々理由をつけて止めておけと言う。分身に主体を乗っ取られるぞ、と警告される。でも祖母の背中を見ると濡れていて、なんだ偉そうに言っても自分だって行ってきたばかりではないか、というお話。十八番ののファンタジーホラー調の秀作です。

最初の4行がすべて「あ」で始まっている。
分身は「あれ」と呼ばれている。
祖母は冒頭あっち側(向こう側)から歩いてきている。
「紅の匂い」があれの特徴として使われる。大人のイメージ?

以上のことから推測されるのは、

「あっち」側の「あれ」とは大人の私の姿であろう。大人になれば子供の知らない甘美な悪を知ることになり、祖母はそれがまだ早いと思っている。しかし子供の私はその甘美な悪に染まっている祖母の所業に気づいている。背中が濡れている証拠はセクシュアルなイメージを抱かせるし、「紅の匂い」も成熟した女の象徴の一つであろう。

最後の一行
「私はまだあっちのことなんか何も知らなくてこれからはじめてゆくところなのに」

と、結局祖母何と言われようとも私は「あっち」に渡る決心は揺るがないのでした。


「しおのにおい」 http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/p/kimura32.html
詩集『角記 -Kadoki-』白帝社(1987)所収


昨日、携帯で読みました。
木村信子ワールド全開の詩です。

村の裏側に高い壁があってその向こうに海がある。
10年に1度、潮の匂いが流れてきて、村の一部の人々がツアーを組んで海に向かうが、その人たちは必ず帰ってこない。よほど良い所らしい。自分は箒を編み、積もった潮の匂いを掃きださなければ、と焦る。

寒村から都会への誘惑が表現されているのだろう。
箒というガジェットが用意されている。これは自分の心の迷いを打ち消す象徴なのか?木村先生の詩は心の内面を別の物語に変容させて読者に提示する。その変容の凄さがぼくを圧倒する。
「魚」http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/early.html#g1
『ある』4号 1961.4 掲載

たった5行の詩ですけど、女の怖さが出てます。
最初の2行で決まりですね。

えさのなかにはりがかくされていることなど
はじめから知っていました

こういうフレーズを自在に操りたいものです。

「水をのむ」 http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/p/kimura32.html
詩集『角記 -Kadoki-』白帝社(1987)所収


「木村信子の男っぽさ」

木村先生には珍しく恋愛もの?正確に言うと恋愛怪談物でしょうか。
ほとんど恋愛ものを書かない。(そこがまた魅力的な詩人でもあるのですけど)この詩はその意味で珍しい恋愛詩であるが、木村流でかなり変わっている。

冒頭から、「わたし」は貝になって海水を飲んでいる。
ちょろちょろ動く舌が美しいらしい。
海水が塩っぱいかどうかも知らないくらい若い頃の恋の思い出に浸る。若い二人は海に行く約束をしたのだが、結局その約束は果たされず、彼は行方不明(≒別離)になるのだが、「わたし」は依然としてその約束に拘泥している。

未練たらたらでじつに女性らしくなく、男のように女々しい。

そして、いつの日か別れた彼が海に現れ、自分を見つけるのではないか?と期待と恐怖でどきどきしている。

ここまでくるとぼくも妄想を抱かざるを得ない。
先生は男性が苦手で一生涯独身を貫いたレスビアンではないか?と疑ってみたくなる。しかし、実際にはご結婚もされているし子育てもされている。

しかし、なにやら男っぽいのです。
(ぜひその辺を聞いてみたい)

ちなみに、先生の作品で登場する男性といえば「弟」さんが頻繁に登場します。変わった行動や発言が目立ちます。実際にそうであったのかどうかは分かりません。身近な男性としての違和感を象徴しているのかも知れません。


「真珠売り」 http://www2u.biglobe.ne.jp/~norra/himeguri.html#g2
詩集「日めぐり」 出展不明

−あらすじ−
怪奇物。真珠売りが豚飼いのところへ行くが、豚に真珠は用がないからここで豚飼いになれと言われる。豚飼いが性に合うらしく「わたし」は健康になっていく、飼っている豚は不思議な豚で、肉を剥いではロースだひれ肉だ選別・梱包・出荷を行うが、剥いだ肉は翌朝には元通りになっている。自分も肉付きが良くなっていき、毎日豚飼いから肉を剥がれるので、毎朝餌を食べるのが忙しくなってきている。

「ミイラ取りがミイラ」もしくは社会システムの中で「搾取者=被搾取者」の入れ子細工になっている恐怖。小説のアイディアそのものが彼女の詩の特徴的なところ。

「非」

urlの貼り付け方がよくわからなくて、申し訳ない。


「もしわたしがきつねだったらおなじきつねの夫と一緒でこんこんと夫が鳴けばこんとひとつ控え目に答えて暮しているこんこんと言うとこんと言っているうちにふとわたしはこんこんだけの日常を疑いはじめて他の鳴声に憧れ」
という始まり。

かよっている芝居のワークショップで、この詩を渡され、
「どこに句読点を打とうがかまわないから、自分の思ったところに打って読んでみて」と言われて読みました。
句読点の打ち方で意味も変わってくるという面白いもの。

「非」が「あらず」と読むのか「ひ」と読むのかも知らず。
木村信子という名も知らされず、帰宅後「もしわたしがきつねだったら」で
検索して、詩人の名前をようやく知ったという感じです。

声を出して詩を読むとき、「身につまされる」というか
「ああ、こんな感じ体験したかも」と思いました。

あっ・・・・
ギターラさん、コメントありがとうございます。
本日やっと気づきました。

あまりに書き込みが無くて(私以外)ですね、サルガッソー状態のコミュだったものでして。

思うに主人公の「わたし」は「こん」さんと呼ばれることになってしまいましたが、そもそも初めはきつねでもなかった気もしますし、鴉になったらなったで「カアカアカア」と三回鳴くのはお気に召さないようですし、なんだか日常に納得いかない主婦のような感じですね。

ぼくはそんな感想を持ちましたよ。

句読点を打たないのは注意深く読ませる技かもしれないなあ、とも思いました。
「非」のURLはここ
http://www1.interq.or.jp/ipsenon/p/kimura28.html

下のほうです。
しましんさんへ

その日、お稽古の最後のあたりで指名され、
手にしたばかりの「非」を皆の前で読まされました。
自分の経験を織り込んで(?)感情こめて読んだつもり。

で、帰りがけ、わがアマチュア劇団の看板女優(80代)に
道々「身につまされる詩だった〜」と話していたら、
「私も。亡くなった主人には悪いけど、若いころは
私だって、小学校時分の男友達と会って
遊んでいたりしたのよ。不良奥さんだったの。
鶴にあこがれる気持ちもわかるわ」と返されました。

木村信子さんの詩のおかげで、思いがけず
素敵な女性と秘密を共有した気分。

帰宅して、検索して、木村信子という名を知って、
ほかの詩も、少し大きな声で読み上げていたものです。
木村さんがうんと若いころの詩。
ぜひ読んでみて下さい。
図書館に彼女の詩集を置いてあるところは少ない。
アマゾンでは買えます。
ですが上掲のサイトで彼女の作品が沢山読めるので、
まずはそこで堪能してください。

現実と非現実の曖昧な境界線に連れて行ってもらえます。

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