*3-3.iPS細胞による病気の原因解明・薬剤探索と治療薬開発 薬理作用を評価するためには、生きているヒトでは出来ないので、現在はヒトの病気(に近い状態)になっている動物で各種の代用実験をします。このような動物のことを「病態モデル動物」と呼びますが、ヒトとは違うのでかなり多くの実験が必要です。しかし、iPS細胞でその器官を作れば病態モデル動物よりもリアルな環境で確認できるため、病気の原因解明や治療薬開発が短縮されると期待されます。 病態モデルがない代表例がALS(筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、通称ALS)、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす 神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。きわめて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する。有効な治療法は確立されていない。 有名な患者ルー・ゲーリッグから、ルー・ゲーリッグ病(Lou Gehrig's disease) とも呼ばれる[1]。ICD-10ではG12.21。日本国内では1974年に特定疾患に認定された指定難病である。1年間に人口10万人当たり2人程度が発症する。好発年齢は40代から60代で、男性が女性の2倍ほどを占める。日本では紀伊半島に多く、高齢化の影響も加味すると発症は1年間人口10万人当たり10人に及ぶ。 原因は不明である。グルタミン酸が興奮性の神経伝達物質として働き、運動ニューロンを過剰刺激して細胞死を起こすという説(グルタミン酸仮説)があり、現在認可されている治療薬リルゾールはこの仮説に基づいて開発された。ヒト変異SOD1を発現するマウス(SODマウス)は筋力低下と筋萎縮を示して死亡することから、ALSのモデル動物として研究されている。現在までに次のような病態が明らかにされた。この他、環境因子の関与、神経栄養物質の欠乏説、フリーラジカル説などが考えられている。 *3-4.iPS細胞に対する世界の評価 2008年には「最も画期的な研究」に選出されました、2007年は第二位、2008年に一位。 2008年 The 2008 TIME 100 - The World's Most Influential People (世界で最も影響力のある100人)
*3-5.iPS細胞の課題 *3-(5)-(a)初期化誘導に関する安全性 (イ)心筋細胞や神経細胞への分化誘導は比較的簡単だが,肝細胞や膵臓のβ細胞などへの分化誘導は難しく,分化誘導法の開発が必要。 (ロ)環境や加齢など,遺伝子異常以外の要因による疾患における,iPS細胞を用いた病態の再現法の開発。 (ハ)腫瘍化など,iPS細胞への初期化誘導に関する安全性の研究。 (ニ)未分化細胞残存により奇形腫ができる可能性があり,その抑制法の研究。 (ホ)臨床応用における移植法の研究。 *3-(5)-(b)米国の体制 iPSCELLの自動車プレートがあるぐらい人口に膾炙しています。 チームジャパン相当あるいはそれ以上のチームが6つあります。 チームウィスコンシン チームハーバード チームケンブリッジ チームMIT チームUCSF(University of California San Francisco、カリフォルニア大学サンフランシスコ校) チームスタンフォード
カリフォルニア大学サンフランシスコ校: (英語: University of California, San Francisco)は、カリフォルニア州サンフランシスコ市に本部を置くアメリカ合衆国の州立大学である。1873年に設置された。 カリフォルニア大学群の一校であり、主に医学分野を専門にした大学院大学である。