数ヵ月後、無事にスイングバイを成功させ、The last hope号は順調に飛行を続けていた しかし、予期せぬ事態が起こった The last hope号のプログラムなら、康子の目覚めはあと数年後のはずだった しかし康子は目が覚めてしまった。そこで端末から火星のリューたちやジェニファーと交信を行った あたし、目が覚めたんだけど、なぜ起こしたの? 30分後、メッセージが届いた いえ、そんなことは無いはず。只今調査中です
そして、The last hope号は地球に向けて次元の壁を背に、丁度地球の大波に乗ったサーファーのように時空の壁を切りながら地球に突進していった。
太陽系宇宙はその中心部と外部からの二つの波に飲まれ、あるものはふるいにかけられ、あるものは大きな時空の水しぶきに翻弄されたかのように時空から消え去っていった
すべての星ぼしは振動し、視界から消え去っていった
何もかも消滅したように見えた太陽系だが、実はそうではなかった
すでに新たな創造が始まっていた
太陽の光は徐々に弱まり、さほどたたないうちに元の明るさに戻っていた
康子とボウマン博士の意識は自分達という枠を飛び越えていた
彼らは新たなる命として、青く輝く新生地球に舞い戻っていた
The last hope号は大きな石柱に姿を変え、あの月面クレーターの中に沈んだ船のように彼らの意識を織り込んだ、新たなるモノリスとなって存在していた