西村寿行コミュの物騒な世の中になりました。

中東、中南米、アフリカ…さまざまな国の恐怖を、先生から教わった私たち。

特にアルジェリア事件のときは、『こんな時、伊能・中郷コンビが居てくれたら…』と、思った方もいらっしゃるのでは？？？

一方、スイス資産家殺害事件は、なんか導入部に『大謀略』の匂いを感じましたが（氏名公表なしとか、スイスとか）、なんか思いつきっぽい、馬鹿たちの犯行でした。

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伊造親分：『中郷先生！伊能先生！大謀略ですぞ！』

中郷：『親分、またか…』

伊造親分：『しかし先生、スイスの資産家は氏名も公表されませんよ！』

伊能：『親分…盗んだクレジットカードで、新幹線の回数券300枚を買ったからといって、大謀略とは限らんぞ』

伊造親分：『それなんですよ、先生方。300枚新幹線の回数券を買うってことは300人もの人間が新幹線で大移動するんですよ！』

中郷：『新幹線か…しかし、300人となると割引も凄いんだろうな』

伊能：『東京、新大阪だと通常は13,750円、回数券だと14,050円か。ということは一枚あたり300円…』（以外に大したこと無い/笑）

伊造親分：『先生方…と、申しますと？』

伊能：『90,000円も得することになる』

中郷：『90,000円か…』

伊能：『…』

伊造親分：『先生方？』

伊能：『…』

中郷：『親分、それだけの額があれば、Ｓ国（もうない/笑）で何ができると思う？』

（寿行作品ではＳ国とソビエトは分けて論ぜられる。両方とも日本の敵/笑）

伊造親分：『また、Ｓ国ですか？あっしはあの国はちょっと…』

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伊能：『おい！中郷、Ｓ国の大使が質屋に財布を持ち込んだらしい』（質屋って久しぶりに聞いたね）

中郷：『質屋？』

伊能：『そうだ。質屋だ』

伊造親分：『そうか！わかりましたよ先生方！』

中郷：『親分、何がわかったんだ？』

伊造親分：『質屋を見張るんですよ！質屋と言えばカタを取って金を貸す、最近じゃ”大黒屋”みたいな洒落た店が多いけど、本来は質草といって、金を返せば質草も返してもらえるんですよ！』

中郷：『おい、Ｓ国の大使が極秘に持ち込んだ質草を、危険を冒して取り戻しにくると思うか？』

伊能：『わからん…わからんが、可能性は有ると思う』

中郷：『そんなもん、あるのか？』

伊能：『そうだ。向こうはあせっている。何せ、ＪＲで回数券買う時に本人確認されて、逃げたそうだ。まあ慎重なＳ国大使が、質屋に持っていくくらいのものだってことか』

中郷：『じゃあ、ブランドものってとこだろうな』

伊造親分：『先生方、あっしにゃよくわからんのですが、ブランドってのは？』

伊能『さしづめ親分にとっちゃ”人斬り伊造”ってとこか』

中郷『全く珍にして奇なる親分だな』

伊造親分『全く中郷先生は、癖がよくねえ』

と、『鷲』シリーズならこの展開…。

ところがお粗末すぎる展開でもう逮捕。