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第54回卒業生☆吹田三中☆2002年コミュの妄想族

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「あ〜だりぃなぁ」

この日は小雨の降るちょっと蒸し暑い初夏だった。

コメント(24)

こんな日に学校なんてまじありえない。


まぁ学校に勉強道具一式は置いてるから持ち物はいつも空っぽの鞄と財布とiPodだけなんだけどね。


「さて用意できたし行くか。」


寂しい独り言を吐き、玄関を出た。
今日はほんとに嫌な天気だ。

せっかくキメた髪形も湿気でペシャンコ。


学校までは電車で2時間。
もう慣れたもんだがさすがにこんな日はテンションが下がる。

さぁ小旅行の始まりだ。
時間も時間だから通勤・通学ラッシュ。


こんな蒸し暑い日なのにサラリーマンはスーツをしっかり着てる。


てかどーでもいいけど俺の前にいるサラリーマン汗ばんでんだけど…


さらにテンション下がりまくりだ。


こんな時はお気に入りの音楽でも聞いて気を紛らすくらいしかないよな…
〜孝之〜

音楽はいい。
どんな時でも、代わり映えしないこんな毎日でも安らぎと刺激を与えてくれる。

そんな退屈な毎日だが、今気になってる事がある。
毎朝決まって前から3両目のドア付近に座ってるあの娘だ。
決して派手じゃなく、でも流行はしっかりチェックしてる純粋そうな感じ。

もちろんその横の手すり棒付近は僕の特等席だ。
まぁヘタレな僕は声をかけることはない…


こんなことだから年齢=彼女いない歴なんだよな…


一人虚しさに浸りながらうつむくと僕の通ってる学校の生徒手帳が落ちていた。


あれ?いつの間にか落としたのかな…


いや?僕は生徒手帳なんて持ってきてないよな…


まぁそんなこといいか…とか思いながらその持ち主不明の生徒手帳を拾った。


名前を確認すると……
“私立柊学園高等学校 3年C組 西園寺 水鈴”


「さいおんじ…みすず?」

どこかのお嬢様だろうか?


……


(「初めてなので優しくしてくださいね…?い、痛いです、孝之さん…」)


…おっと、いつもの妄想が出てしまった。
童貞たる所以か…


…そうじゃなくてこの生徒手帳は誰のだ?

やっぱり位置からみてもこの娘のだよな。


どうしよう…
逃げちゃダメだ…
逃げちゃダメだ…


おっと今のは猫背の人造人間を操縦するヘタレな少年の口癖だ…


ヘタレってとこは一緒なのかもな…


でもこれはいるかいないかわからない神様がくれたチャンスなんだろいか??


それなら………


玉砕覚悟だ!!



「あの…これ君の生徒手帳ですか??」


勇気を出して声をかけてみたぜ!!


声は震えてたかもだけど…
〜水鈴〜


電車が駅に着くたびにドアが開き生ぬるい風が入る。

「んあー!!!」


突然水鈴の悲鳴にも似た叫び声が電車内に響いた。



思いきり瞼をこする。



なんと自分の降りる駅を寝過ごしてしまったのだ。


「ま、良いや」


マイペースな性格からだろう。
水鈴は一時間目はあきらめて駅前のマクドナルドでゆっくりしていくことに決めた。
〜孝之〜


彼女が振り向く。

(か、かわいい…)

やっぱり正面から見ても美人だ。


「どおも…ありがとうございます//」


白い頬を少し紅らめ言う彼女。

あまりのかわいさに言葉を失った。

喋ろうとするが、言葉が出てこない。

何か話題はないかと考えていると、ふとある疑問が湧いた。


(…あれ?でも3年生ってことはさっきの駅で降りるんじゃ…)


我が柊学園は大学と高等部では勿論、高等部の中でも1、2年生と3年生でキャンパスが違う。

これは受験の為に勉強させる環境をつくる目的らしい。

3年生はさっきの『鷹槻』駅、2年生の僕と1年生は次の『嶋本』駅に通っている。
〜孝之〜

てか乗り過ごしてるよな……彼女……


受験生だから遅刻や欠席は御法度じゃないか…


そんなことを考えてたら嶋本駅に着いた。


降車側の扉が勢いよく開き次々と柊学園の生徒たちが降りていく。


西園寺水鈴もこの駅で降りていた。


彼女と目が合い、笑顔で話しかけてくれた。


「君は何年生?」


「2年C組です!!」


彼女の質問に勢いよく答えた。


ちなみに彼女の笑顔にキュンとしたのは内緒だ。
〜孝之〜


「さっきの駅で降りなくてよかったんですか?」

「気付いてたなら起こしてくれたらよかったのに〜寝過ごしちゃったよ。だから今日はサボり♪」


微笑みながら言う彼女。

最初の『高貴なお嬢様』という勝手なイメージとはだいぶ違った。

しかし決して残念ではなく、むしろ結構親しみやすい感じで嬉しくなった。
〜孝之〜


しかし、そんな夢のような時間が長く続くわけなく駅前の時計台を見ると予鈴の10分前だった。


駅から学校までは5分くらいで行けるが今日の1限目はあいにくの体育…

10分ならギリギリ間に合う…
彼女ともう少し話したかったが、その気持ちを抑えて口を開いた…


「すいません…1限目体育なんでそろそろ学校に行きますね?」


溜息でも吐いてしまいそうだったがギリギリで我慢していたら彼女の口から思いがけない言葉が出た。


「君も学校サボっちゃおっか♪」
〜水鈴〜


身長は180センチはあるだろうか。
がっちりした体型からかスポーツマンに見える。
とにかく目力が凄い。


「この人も遅刻かな?
でもなんでこんな場所にいるんだろ…」


他愛もない疑問が頭に浮かんだ。
〜孝之〜


「え!?それはさすがに…」

しかしこんな機会はめったにない。
いや、むしろ二度とないかもしれない。

どうしよう…


「ね〜いいじゃん!楽しいトコ連れてってあげるから♪」


「イキます。」


とっさに万遍の笑みを浮かべる彼女。

男は女に頼まれると断れない生き物なんだってことを改めて感じた。


そんな事を考えていると、「早くぅ〜」と手を引っ張る。
不安と期待に胸を膨らませながら彼女についてゆく。

デニムの中の魔物が静かに膨らんだのは秘密だ。
楽しいトコって言ってたけど具体的には何処なんだろう…?


「ど、どこにつれてってくれるんですか??」


彼女に質問をぶつけると彼女は満面の笑みでこう答えた。


「だから〜楽しいトコって言ったじゃん」


だから何処だよオイとツッコミたかったが彼女はこう続けた。


「私、敬語で話されるの嫌いだから敬語やめない?それと私のことは水鈴って呼んでくれていいからね〜」


僕は彼女の提案に頷いた後、彼女が試しに一回名前を呼んでみてと言われたので呼んでみた。


「みっ、みしゅじゅ」


見事に噛んでしまい彼女に笑われたことは言うまでもない。


あと、いつの間にかデニムの中の魔物も鎮まっていた。
〜美鈴〜

「こっちこっち♪」

相変わらず手を離さない彼女。

なかなか田舎なこの土地。
駅を挟んで学校と反対側は緑溢れる山が広がっている。

20分程歩いただろうか。
緩やかな坂道を登っていくと、視界が開け、まばゆい日差しが飛び込んできた。

「すげぇ…」

そこは街を一望できる小高い丘だった。

「ねっ?イイとこでしょ?ここ私の秘密の場所なんだぁ〜♪」

そう言って笑う彼女。
日差しよりよっぽど眩しい。
〜孝之〜

家を出た時に降っていた雨もいつの間にか止んでいた。

丘の上には初夏だというのに心地よい風が吹く。

気づけば風になびいた彼女の髪に見とれてしまっている自分がいた。

「ねぇ?君聞いてる?」

彼女の声でハッと我にかえる。

「あっ、はい!!すごく綺麗な所っすね!!」


「ほんとにそぉ思ってる〜??」


不意にした返事に意地悪な笑顔を浮かべて僕の顔を覗きこんできた…………

この時僕の心の中で何かが芽生えた。

〜孝之〜

「ってゆーかぁ〜また敬語になってるし!」

「あ、すいま…ごめん」

「そうそう、それでいいの♪」



…しばらく無言の時間が流れる
気が付けば陽はちょうど真上を過ぎようとしていた

「お腹減ったね〜何か食べに行こうか♪」
〜孝之〜

「あっ、そだ!!孝之くん私と二人じゃ緊張してるみたいだから友達も呼ぶね♪」

彼女は笑いながらそう言うとカバンから携帯電話を取り出し慣れた手つきで電話をかけだした。


「あ、もしもし〜ハル?今、孝之くんといるんだけど一緒にランチでもどぉ??あっ、うん!OK♪じゃあ駅前のすかいらんぶる集合ね♪♪」

一見すると一方的な電話だったが水鈴の友達はくるようだ。


てっ、友達!!??


「あの〜友達ってだ、だれ??」


「う〜ん、内緒♪♪」


この小悪魔的な笑顔にはかないそうにありません。


疑問を抱きながら僕は渋々水鈴といっしょにすかいらんぶるへと向かった。

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